東京都

代官山 蔦屋書店

東京都・渋谷区にある「代官山 蔦屋書店」は、書籍をメインにしつつ、音楽や映画なども楽しめる生活提案型の書店です。各ジャンルには専属の担当コンシェルジュがついており、ネット検索とは一味違った角度からおすすめの作品や商品を提案しています。カフェやラウンジもございますので、こだわり抜かれた空間でゆっくりおくつろぎください。

コンシェルジュが人生を楽しむヒントを提案してくれる「代官山 蔦屋書店」に行ってみた!

東京都・渋谷区にある「代官山 蔦屋書店」は、書籍だけでなく、音楽や映画、文具など幅広いジャンルの「人生の楽しみ方のヒント」を提案してくれる、生活提案型の書店。特に、各ジャンルのプロフェッショナルである「コンシェルジュ」の方々が厳選した、他とはちょっと違う商品ラインナップの数々は必見です!


東京都・渋谷区にある「代官山 蔦屋書店」は書籍や音楽、映画など、人生を深く楽しむためのアイテムやヒントがつまった場所。

6つの専門ジャンルが展開される書籍フロアには、世界中の雑誌を並べた都内最大級の「マガジンストリート」があったり、

本のジャンルにまつわる食料品や日用品も一緒に並べられたりしています。

音楽フロアにはレコードや音楽書籍だけでなくオーディオ機器もありますし、

映画フロアでは、DVD販売されていない名作を注文すると後日、DVDにして渡してくれる「オンデマンドサービス」にも対応。

さらに、ヴィンテージマガジンに囲まれたラウンジや、

蔦屋書店の醍醐味とも言えるコンシュルジュによるおすすめ作品の案内など、書店という枠を超えた幅広いサービスを提供しています。

今回は、そんな代官山 蔦屋書店の魅力について、広報担当の方やコンシェルジュの方にお話を伺ってきました。

「人生の楽しみ方」をさまざまな角度から提案


本日はよろしくお願いいたします!まず、「代官山 蔦屋書店」とはどういった施設なのでしょうか?


一言でいうと「生活提案型の書店」です。書店と名はついているものの、書籍だけでなく、音楽や映画、カフェなど生活を楽しむためのさまざまなアイテムやコンテンツやサービスを提供しています。施設は1号館、2号館、3号館で構成され、

・書籍フロア
・音楽フロア
・映画フロア
・カフェ/ラウンジ
・その他(文具フロア、トラベルカウンター、イベントスペースなど)

といった区分けがされています。当施設では基本的に各フロアそれぞれのコンシュルジュが独自の基準で厳選した商品が並べられているため、他の書店とは異なる品揃えを楽しんでいただけるはずです。

フロアマップ1階(写真提供:代官山 蔦屋書店)

 

フロアマップ2階(写真提供:代官山 蔦屋書店)


書籍フロアだけでも十分楽しめそうですね!さらに、音楽フロアや映画フロア、カフェやラウンジまであるとは。


はい。カフェやラウンジは購入前の本もじっくり読んでお選びいただけますので、いらした際はぜひごゆっくりおくつろぎください。それでは、各フロアを順番にご案内していきますね。

食料品から日用品まで取り扱う生活提案型の「書籍フロア」


まずは、メインの書籍フロアからご案内いたします。書籍フロアは、

・人文/文学
・アート
・建築/デザイン
・車
・料理
・旅行

という6つのジャンルにわけられており、それぞれ担当のコンシェルジュが独自の基準で厳選した書籍が並んでいます。


書籍フロアだけでも、堪能するのに1日では到底足りなさそうですね……!


そうですね。来られた際はじっくり心ゆくまで楽しんでいただければと思います。特に1号館から3号館の1階中央通路を貫く形で世界中の雑誌を並べた55メートルにわたる「マガジンストリート」はぜひご覧いただきたいエリアです。

マガジンストリート(写真提供:代官山 蔦屋書店)


これまでさまざまな大型書店にお邪魔させていただきましたが、ここまで量と種類ともに豊富な雑誌コーナーは見たことありませんね


マガジンストリートの陳列は雑誌のコンシェルジュが担当しており、通常日本では販売されていない雑誌も取り寄せていますので、世界各国の「旬やトレンド」「国や街ごとに異なる空気感」をお楽しみいただけるかと思います。


たしかに、まったく見たこともない雑誌が多数ありますね。


そうした「見たこともない本との出会いの場」を提供するのは、当施設の役割のひとつだと考えております。また、各ジャンルの側には、そのジャンルにちなんだ書籍以外のアイテムも配置しております。

取材時は期間限定フェアでアウトドア好きにはたまらない「ほりにし」のスパイスも置かれていました(現在は別のフェアを開催中)。


食料品から調理器具、さらにアウトドアグッズまで……!まさに「生活提案型の書店」ですね。


はい。書籍がメインではあるものの、お客様の生活や人生が少しでも楽しくなるよう、さまざまなジャンルのアイテムやコンテンツを通した提案をさせていただいております。たとえば、3号館には「文具フロア」があり、世界の高級文具などを取り揃えております。

おしゃれな工業器具にしか見えない筆記具ブランド「DRILLOG」

ジェームズ・ボンドが使っていそうなアタッシュケースもありました。

中には1本10万円を超える万年筆も……!


これは完全に「沼」の予感しかしません。


(笑)。ご希望される方は、ペンに名入れすることもできますよ。文具フロアにも専属のコンシェルジュがいますので、何かわからないことがあればお気軽にご相談ください。


こちらにもコンシェルジュさんがいらっしゃるんですね!心強い限りです。


ほかにも、旅行ジャンルの書籍があるエリアには「トラベルカウンター」を設置しており、ご相談いただければ旅行のご提案や組み立て、手配までご対応可能です。


書籍エリアだけで完全に書店の枠を超えている……!

新譜から名盤、音楽雑誌やオーディオ機器まで楽しめる「音楽フロア」


音楽フロアは「音楽に溢れた空間」をコンセプトに、レコードや音楽関連の書籍、オーディオ機器などが置いてあります。ロック&ポップス、ジャズ、クラシックなど、ジャンルごとに小さな部屋が用意されており、その世界観に没入して楽しんでいただけます。


普通の音楽ショップでは絶対にお目にかかれないラインナップの数々……!


フロア内にはミュージックラウンジ「代官山Session:」もございますので、音楽密度の濃い空間をたっぷりご堪能ください。

写真提供:代官山 蔦屋書店


中央にピアノがあると、高級ジャズバーのような雰囲気が漂いますね。


そうですね。ここはカフェとしてだけでなく、音楽ライブ、試写会、展示会、トークショー、PRイベント、記者発表、レセプションパーティなど、さまざまな用途で利用可能です。壁面をギャラリーとして利用することもできますので、興味のある方はお気軽にご連絡ください。


個人の利用だけでなく、法人としても利用しやすそうですね。

「代官山Session:」
・TEL:03-3770-2525(10:00-18:00)
・MAIL:event_daikanyama@ccc.co.jp
・その他:実施可否/内容は事前協議の上決定します。詳細はお問い合わせください。

DVDになっていない名作も手に入る「映画フロア」


映画フロアでは、一般的な作品に加え、映画担当のコンシェルジュが厳選した特集コーナを設けています。


ここにもコンシェルジュさんが!たしかに「事実は小説よりも奇なり特集」は、めちゃくちゃ惹かれますね……。

映画担当のコンシェルジュ・吉川さんは映画界では知る人ぞ知るレジェンド的存在。


はい。毎月変わるレコメンドテーマを楽しみに来られるお客様も多数いらっしゃいます。ほかにも映画フロアでは「オンデマンドサービス」といって、DVDになっていない作品も注文していただくと後日DVDにしてお渡しするサービスをおこなっています。「もう観られない」と諦めていた方も、ぜひこのサービスをご活用ください。


DVD化されていない往年の名作は多そうですし、映画好きにはたまらないサービスですね。


なお、映画フロアの隣は児童書や漫画を置いていますので、お子さま連れの方はぜひお立ち寄りください。


老若男女、誰が来ても楽しめそうですね。

あの有名雑誌の創刊号が読める!ライブラリーラウンジ「Anjin」


ライブラリーラウンジ「Anjin」では、コーヒーやノンアルコールカクテルだけでなく、ビールやオリジナルカクテルなどのアルコール類やお食事も提供しています。


ゴッドファーザーのテーマが流れていそうな重厚かつおしゃれな雰囲気……!


壁面には世界各国のさまざまなヴィンテージ雑誌を合本して置いていますので
、ご利用の際はぜひ気に入った雑誌を手に取ってみてください。

「書店」よりも「博物館」と呼んだ方がしっくり来そうな壁面。

「POPEYE」の創刊が1976年ということを初めて知りました。

「POPEYE」の創刊号があるじゃないですか!最初の表紙はポパイなのも感慨深いですね。雑誌ってその時代ごとの空気感がダイレクトに反映されるので、しばらく思い出に浸ることができそうです。


当時の雑誌って、今見てもカッコイイですよね。壁面に置いてある雑誌の中には購入できるものもございますので、気になる方はスタッフまでお声がけください。

カウンターの下は本物の「本」で出来ています。

中には購入できる本もありました。

ランチやディナーにも使える幅広いメニュー構成。

ライブラリーラウンジ「Anjin」
・電話番号:03-3770-1900
・営業時間:11:00 -20:00 (L.O19:30) 時短営業等の詳細はこちらから
※社会情勢を踏まえて、営業時間が変更になる可能性がございます。
※酒類の提供は都の要請に基づいたルールにてご提供しております。
・ご利用可能なクレジットカード:VISA/MASTER/JCB/DINERS/AMEX/銀聯(一部)

代官山 蔦屋書店を100%楽しむカギは「コンシェルジュ」にあり


本当に書店というよりも、「人生を楽しむさまざまなヒントを提案してくれる場所」といった印象ですね。あくまで書籍は手段といいますか。ちなみに、広報さんから見た「代官山 蔦屋書店の楽しみ方」のようなものはありますか?


購入前の本をコーヒーを飲みながらじっくり読んで吟味するのが王道ではあるものの、やはり「コンシェルジュ」の提案に注目してみるのが一番ですね。


今回の取材を通して何度も「コンシェルジュ」という言葉が出てきましたが、コンシェルジュの提案にはどういった魅力はあるのでしょうか?


「ネット検索とは違う角度から提案をしてくれること」
「実際に話を聞けること」でしょうか。現代ではネットで本を検索すると、どうしても似たようなおすすめばかりされてしまいます。一方、コンシェルジュの提案はその人の視点を通してネット検索とはまったく別の角度や内容のおすすめをしてくれるので、それがとても新鮮です。


たしかに、ネット検索は自分に最適なおすすめをしてくれる一方で、知らず知らずのうちに世界が小さくなってしまう気もしますね。


そうなんです。「無意識のうちにできていた自分の箱から出してくれる感覚」といいますか。たとえば、新型コロナウイルス感染症が流行しはじめた際の人文コーナーには、人と人が実際に触れると、そこではどんな交流が生まれているのかを説いた『手の倫理』(伊藤亜紗/講談社選書メチエ)という本が置かれていました。こうした選書は、ネット検索にはなかなかできないかと思います。


実際に触れ合う機会が少なくなることで、気づかないうちに失っているものがある、と。そうした感情や空気を読み取った上での提案は、人間にしかできないですもんね。


さらに、コンシェルジュには実際に話を聞くこともできるので、そこで新しい発見をすることもあります。私自身、よくコンシェルジュに「おすすめの本ない?」と聞いていますよ。ちょうど「人文/文学」の担当コンシェルジュ・間室がいますので、最後はコンシェルジュ本人から話を聞いてみてください。

間室 道子(まむろ みちこ)
【プロフィール】
雑誌やTVなどさまざまなメディアで本をおススメする「元祖カリスマ書店員」。雑誌『婦人画報』、電子雑誌「旅色 TABIIRO」、朝日新聞デジタル「ほんやのほん」などに連載を持つ。書評家としても活動中で、文庫解説に『タイニーストーリーズ』(山田詠美/文春文庫)、『母性』(湊かなえ/新潮文庫)、『蛇行する月』(桜木紫乃/双葉文庫)、『スタフ staph』(道尾秀介/文春文庫)などがある。


よろしくお願いします!本の選書はどのようなにされているんでしょうか?やはり個人の意思だけでなく、施設全体の方針等は反映しなくてはいけないのでしょうか?


もちろん他のスタッフに相談することはありますが、代官山 蔦屋書店では基本的にそのジャンルの担当コンシェルジュが注文や陳列等の決裁権を持っています。そのため、任されているジャンルについてはほぼ自由にやらせてもらっていますね。

間室さんが解説を書いた本だけでコーナーができるほどのカリスマ書店員っぷり。


そうなんですね。選書のポイントなどはあるのでしょうか?


「トレンドやニーズを押さえつつ、自分の推したいものを置くこと」
を大切にしています。たとえば、本屋大賞についてのコーナーを設ける際は、受賞作品だけでなく、それらに関連する自分が好きな書籍も解説のポップなどと一緒に置くようにしていますね。


なるほど。世の中のニーズも押さえつつ、その中で自分の色を出していく、と。コンシェルジュの仕事は、やはり任されたジャンルの選書やレイアウトがメインなのでしょうか?


それらがメインではあるものの、当施設にとってメリットがある場合は、外に出て講演やワークショップをしたり、テレビや雑誌の取材を受けたり、雑誌で連載をしたり。読んで、書いて、売って。何でもしていますよ(笑)。


取材を受けるだけでなく、連載まで持たれているとは……!


実際に、北海道や九州から「会いに来ました」と言って来られる方もいらっしゃるので、そうしたときは嬉しいですね。


プロモーションまでする書店員さんは珍しいですよね。ただ、そこまでさまざまな仕事をされていると、本を読む時間を確保するのは難しいと思うのですが……。


読書量としては、1日1冊、休みは5冊で月約60冊。年間約720冊ほどでしょうか。公式ホームページの「特集・記事」の欄に、「間室道子の本棚」があって、週イチで書評を掲載しています(2021年7月28日時点で149回目)。ぜひ覗いてみてください!

【関連】
代官山 蔦屋書店 公式ホームページ「特集・記事」
【第1回】間室道子の本棚 『ビューティフル・デイ』 ジョナサン・エイムズ 唐木田みゆき訳/ハヤカワ文庫


えええっ!!!
それに本来の業務や雑誌の連載もあるんですよね?


はい(笑)。毎日ヒーヒー言いながら仕事してますよ。朝9時開店なのに6時から来てますし(笑)。ただ、やっぱり好きだから続いてるんでしょうね。


それほどそのジャンルに熱中しているプロがコンシェルジュとして作品をおすすめしてくれると考えたら、相談しない手はありませんね。
また来た際には、ぜひ頼りにさせてください!本日はありがとうございました。

「代官山 蔦屋書店」施設詳細、アクセス、駐車場

【住所】
〒150-0033
渋谷区猿楽町17-5

【連絡先】
・TEL:03-3770-2525
・MAIL
(取材依頼・広報に関するお問合わせ)letter info_daikanyama@ccc.co.jp
(イベントスペースのお問い合わせ)letter event_daikanyama@ccc.co.jp
(商品やオンラインショップに関するお問い合わせ)letter info.daikanyama.ec@ccc.co.jp

【営業時間・定休日】
・1階 7:00~26:00、2階 09:00-26:00年中無休
※社会情勢を鑑みた営業時間短縮等の最新情報やショップごとの営業時間・定休日はこちらから

【アクセス】
・電車:東急東横線「代官山駅」より徒歩5分
・バス:東急トランセ「渋谷駅」→「代官山 T-SITE」
・車:JR山手線「渋谷駅」より5分
・その他:駐車場120台、オートバイ20台、駐輪場20台。会計金額に応じた駐車場の割引サービス等の詳細はこちらから

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編集:レクリム編集部