福岡県

福岡市科学館

福岡市科学館は新しい発見、学び、体験、体感の方宝庫!科学の楽しさや驚きに出会えるワクワクドキドキの科学空間です。九州最大級のプラネタリウムを筆頭に、様々なイベントを開催しています。

福岡市科学館に行ってみた!おとなから子どもまで楽しみながら学べる

福岡市科学館を取材したら、施設細部へのこだわりや体験を通した学びによって、どんどん科学の世界へといざなわれて行きました!


福岡市科学館へのアクセスは、博多駅から約25分、六本松駅前。

福岡市科学館は、子どもも大人も誰もが科学を楽しめる施設です。より深掘りしたい人に向けても様々なプログラムが用意されており、細部に至るまでのこだわりによって『人が育ち、未来をデザインしていく科学館』が形成されています。

九州最大級のドームシアター(プラネタリウム)や、

宇宙、環境、生活、生命、フューチャーをテーマとした参加体験型の展示やサイエンスショーなどのプログラムを楽しめる基本展示室、

多様な情報を探索して科学への関心を高めるサイエンスナビ。

 

福岡市科学館は、一巡すると、科学への関心がドーンと高まる大規模な科学館なんです!

 

そんな福岡市科学館の魅力を、広報の川添さんと、学芸員の丹野さんにご紹介いただきます!

人が育ち、未来をデザインしていく科学館

ようこそ福岡市科学館へ!当館は「人が育ち、未来をデザインしていく科学館」を目指し、科学の楽しさや驚きに出会える展示やプログラムをご用意しています。楽しんでいってくださいね!

よろしくお願いします。実は宇宙とかが大好きで、とても楽しみです!「人が育つ」とは具体的にどういうことなのでしょうか?

福岡市科学館では、人が育つには、自らが好奇心を抱き、疑問を持ち、考えを進め、創造性を磨くことが大切で、そのような経験を得れば豊かな社 会性も身につけられると考えています。人の成長を支援するという意味を込めて「人 が育つ」科学館を目指しています。そのために、まずは展示やプログラムを楽しんで 体験していただけるよう、さまざまな工夫をしています。

科学館を出る頃には創造性がパワーアップするような設計ですね!もはやパワースポット。

普段の身近な生活の中でも、科学的なものの見方にかわったり、 新たな疑問や発見がうまれたりと、なにか変化を感じていただけるかもしれません。 九州最大級の『ドームシアター(プラネタリウム)』、参加体験型の展示で楽しみながら 学べる『基本展示室』、そして科学館での学びをもっと広く、深くする『サイエンスナ ビ』。今日はこの3つのエリアについてご案内いたしますね!

8K相当の高解像度で映し出す九州最大級のプラネタリウム

直径25mの巨大ドームシアター

わー!広いドームですねー!

ここは直径25mのドームシアターで、九州最大規模のものになります。ドームシアターについてはこのプラネタリウムの”天の声”の担当でもある学芸員さんの丹野(タンノ)にご紹介いただきますね。

学芸員の丹野さん

なんでもお気軽に聞いてくださいね!この大きさのドームですと、もっとたくさんの座席を配置することができるのですが、座席幅、前後間隔ともに広めの設計になっていますので、席数は220となっています。座席をリクライニングしても前後に余裕がありますよ。

すこし傾斜して首の負担なく見れるんですね!

もーっと倒れる席もありますよ。リクライニングの角度は場所によって異なっていて、一番倒れる席では、垂直方向から 60度の角度までリクライニングします。

もはや寝てしまいそうです・・・!!

2019年11月23日の勤労感謝の日に開催した熟睡プラ寝たリウムの様子

実際過去には、枕・パジャマ持ち込み歓迎で星空解説なしの『熟睡プラ寝たリウム』というイベントも開催しましたよ!毎年勤労感謝の日の前後に開催することが多く、「プラネタリウムで寝てしまった」をあえてやるイベントです(笑)

プラネタリウムって投映した星空を見て星座を学ぶスタンダードなスタイルしか知らなかったんですけど、けっこういろんなイベントがあるんですね!

宇宙を題材にしたオリジナル番組や、ポケットモンスターのようなアニメーション番組などの一般番組。アーティストとのコラボによるスペシャル番組の投映の他にも、様々なイベントを行っています。各界でご活躍のアーティストによるコンサートや、トークショー、オーロラや星空のパブリックビューイングなどなど、毎月何かイベントをやってい流という感じです。

興味深いイベントばかりです!バラエティ豊かで子供から大人まで楽しめますね!

ペアシートもあるので「大人のデートにもぴったり」というお声をいただきます。

これは素敵なひとときを過ごせそうですね・・・!

さすが九州最大級のドームシアターなだけあって投映機も迫力の重厚感!

ドーム径が大きいですので、それなりにシステムも大型になります。こちらの球状の光学式投映機には、南北に16個ずつ、全部で32個の恒星投映筒があります。つまり、星空を32分割して投映していることになります。そのユニット1つひとつに恒星原盤が入っていて、そこに小さな小さな穴が星の数ほどあって、その穴を通った光が星として投映されるのです。

星の数って想像つかないんですけど、一体どれくらい投映できるのでしょうか?

数で言うと、7.5等級以上の星27,000個と天の川が約38万個です から、40万個以上の星ということになります。

そんなに多いんですね!『星の数ほど』という言葉をすこし甘く見ていました。

また、球状の光学式投映機の周囲に、デジタル式投映機として4Kプロジェクターを4台設置しています。これにより、ドーム全体に8K相当の高画質映像を投映するこ とができます。

惑星投映機

脇にあるこれも何か役割があるんですか?

こちらは惑星投映機で、太陽系内にある水星、金星、火星、木星、 土星の5惑星に加えて、太陽と月、全部で7つの天体を個別に投映するためのものです。一機一役になっておりまして、例えば手前のものは火星”だけ”を写すための投映機なんです。

朝焼け投映機

さらにこちらは朝焼け投映機、反対側には夕焼け投映機があります。

それぞれ専用の投映機なんですね!プラネタリウムって見上げていると気付きませんが、機器の細部にこだわりが詰まっていますね。

福岡市科学館のプラネタリウムで星空を解説している丹野さんはプラネタリウム版アニメ『ちびまる子ちゃん』で、科学館の学芸員役として出演したことがあり、番組中では丹野さんをモデルにした新規キャラクターが登場しているのだそうです。

 

私の名前がついた小惑星もあったりするんです(笑)

ええ〜!!!小惑星発見したんですか!?!?

いえいえ!私が見つけたわけではないんです。
小惑星の命名権は発見者にあります。北海道の小惑星ハンターさんが発見された小惑星のひとつに、恩師の推薦で私の名前をつけていただけることになったんです。『12411タンノカヨ』 という小惑星なんですが、私の名前『タンノカヨコ』なんですよね。推薦してくれた恩師が私の名前をちゃんと覚えていたとか、いなかったとか・・・。

なんと!宇宙規模でオシイですね・・・!!!

ドームシアターとプラネタリウムの解説は以上になりますが、福岡科学館にはまだまだ体験を通して宇宙に触れるエリアがたくさんあるので楽しんでいって下さい!

参加体験型の展示で楽しみながら学べる基本展示室

基本展示室

ドームシアターはいかがでしたか?

ものすごいスケールで、宇宙にグッと引き込まれるようなワクワク体験でした!

それはよかったです!ここからは基本展示室です。科学館の理念にある「人が育つ」ためには、まず好奇心をもって自発的に問いを発見し、仮説を立て、考えを進め、やってみることが大切です。

こちらでは、そんな科学的なものの見方が育つような展示やプログラムを体験することができます。

各展示は、まず「体験」していただけるように、解説は前面に出さずに、あえて背面などについています。まずは体験いただき、自ら考え、試しながら、今まで気づかなかった科学の楽しさや面白さを発見・体感していただけたらと思います!

また、展示は、福岡を中心としたクリエイターや科学コミュニケーター、デザイナーなど、さまざまな方々にご協力いただき、完成しました。双方向な展示やデジタル技術を用いた展示などをお楽しみいただけます。

こちらは『みらいカード』というスタンプカードです。各展示を体験して『科学のタネ』というスタンプを集め、集めた科学のタネを大型の体験装置で使ったり、展示に関連した書籍や映像などの情報を得ることができます。

スタンプの押し方も、なんだか科学を彷彿とさせるデザインですね!

展示《銀河トラベル》

この宇宙が映る大きなパネルはなんでしょうか?いかにも「ここに立ってください」と言わんばかりの位置に立ってみました。

こちらは、宇宙の広がりや宇宙空間に広がる恒星の立体的な位置関係について、バランスボードにのって天の川銀河を移動しながら学べる展示です。そのまま重心を前方に傾けてみてください!

おおー!どんどん地球の迫って福岡県が見えてきました!

すごい勢いで一瞬にして福岡市科学館に着きました!これ、視界の範囲がフルスクリーンになるので迫りくる臨場感がとてつもないです!隕石ってきっと、こんな気持ちなんでしょうね。

後方に重心を傾けると銀河系までズームアウトします。重心のかけ具合でスピードが変わるんです。ちなみに、科学館内まで近づくと、科学館内でこちらの展示を体験されているかたもスクリーンに映し出されます!

展示《ビッグヘッド》

基本展示室は宇宙だけではなく、このような「生命」のエリアもあります。医療技術や体のしくみ、生物の進化などを通して生命の不思議に迫る展示を体験できるんです。

これも展示なんですね!初代館長のオブジェかなにかかと思いました。

館長ではありません(笑)

(スパッ)

館長!?!?

(シュッ)

ドン!!

けっこうズバズバ行きましたね(笑)

こちらは《ビッグヘッド》という展示で、こうして人体の仕組みを学べるんです。私たちは「見る、聞く、触る、嗅ぐ、味わう」という五感をつかっています。そんな五感の「なぜ感じることができるのか」を頭の模型を使って感覚と脳の仕組みを知ることができるんです。

これだけインパクトがあれば子供も大人も教科書の平面で見る以上の学びがありそうです!

プラネットプランター

各展示で「科学のタネ」を集めたら、こちらの大型の体験展示『プラネットプランター』で使うことができます!

 

どのような展示なのでしょうか?

プラネットプランターはみんなで未来の星をつくる展示です。みらいカードを差し込んでエントリーして、6種類の中から開発したい惑星を複数人の投票で決めます。開発が始まったら科学のタネをまいて協力ミッションをクリアしながら星を育てます。まいたタ ネによっていろいろな星が出来上がって、ハイスコアを出すと特別な賞をもらえること も・・・?

体験した展示の種類によって発射されるタネの特徴が変わってくるので、集めた科学のタネでどんな星が完成するのかはお楽しみなんです。

みんなで協力するタイプの展示なんですね!共創性が磨かれそうです・・・!!!

科学館での学びをもっと広く、深くするサイエンスナビ

サイエンスナビシステム

こちらは科学館での体験を深めて広げる創造空間のサイエンスナビです。科学に関する書籍をたくさん取り扱っており、ゆったりとした空間で楽しむことができます。

指向性スピーカー付きのサイエンスナビシステムでは、基本展示室のみらいカードを差し込むと、自分が体験した展示アイテムが表示され、展示の解説や書籍などのさまざまな情報を閲覧することができます。

ライブラリー

なるほど、福岡市科学館のデータベースみたいなものですね。体験から得た興味関心をサイエンスナビで情報探索することで科学館での体験をより深めて広げられそうです!

そうですね!サイエンスナビシステムでは、連想検索システムを 使ってさまざまな情報をつないで閲覧することができます。先ほどお伝えした ”まず興味を持って、仮説を立てて、調べて、やってみる”。そんな体験のあとに、サイエンスナビで知識を深掘りしていただけたらと思います。

たしかに、実際に巡ってみて出だしから具体的な解説があるより見て触って体験したあとの方が知欲が沸いて興味の度合いが違います!

実感していただけたようでよかったです!サイエンスナビではフィールドワークやおはなし会などのイベントも実施しているので、ぜひチェックいただければと思います。

福岡市立科学館を取材したら科学の関心がグッと高まりました

科学の仕組みに基づき”まず興味を持って、仮説を立てて、調べて、やってみる”という体験を経ることで、受動的に教わるような『学び』とはまた違う、主体的な『育み』を感じました。

自分で見て触って感じたことをエネルギーに、自らの興味と熱量で知見を得る体験は知ることの楽しさを覚えさせてくれます。

子供も大人も気持ちよく創造性を豊に育める、そんな体験が福岡市科学館にはありました。

福岡市科学館は、複合施設『六本松421』の 3階〜6階にあります。 駅からも近いですし、読者の皆様にもぜひお立ち寄りいただけたら嬉しいです!

お子様から大人のかたまで、また、お一人さまでもグループでも!皆様のお越しをお待ちしております♪

福岡市科学館の施設情報

営業時間

開館時間 9:30~21:30

最新の開館時間はホームページをご確認ください。

基本展示室 9:30~18:00(最終入場は17:30)
ドームシアター
(プラネタリウム)
詳細は投映スケジュールをご確認ください。

※毎週火曜日および年末年始休館
※火曜日が祝日の場合は開館し、翌平日を休館。
※春休み、ゴールデンウィーク 、夏休み、冬休み(年末年始を除く)期間中は毎日開館。

料金

基本展示室、ドームシアター(プラネタリウム)一般番組 (各)

区分 大人 高校生 小・中学生
個人 510円(税込) 310円(税込) 200円(税込)
団体
(30名以上)
460円(税込) 280円(税込) 180円(税込)

※企画展示室、ドームシアター(プラネタリウム)スペシャル番組・イベントは料金が異なります。

アクセス:福岡市中央区六本松4-2-1

電車

博多駅 → [地下鉄空港線6分] → 天神駅 → [徒歩10分] → 天神南駅 → [地下鉄七隈線8分] → 六本松駅(科学館前)3番出口 → [徒歩すぐ] → 福岡市科学館

バス

博多駅 → [バス約25分] → 六本松 → [徒歩1分] → 福岡市科学館

 

取材・執筆:KOH