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こんにちは。サウナ好きライターの田中嘉人です。
さて、サウナーの聖地と言えばどこをイメージしますか? 静岡の「しきじ」、熊本の「湯らっくす」などが挙げられますが、忘れてはいけないのが……
ここ上野駅から徒歩1分の「サウナ&カプセルホテル北欧」(以下、北欧)です!
テレビドラマ「サ道」シリーズのロケ地となったことでますます人気が加熱した北欧(サウナだけに)。サウナ好きであれば、一度立ち寄りたいところです。
ただ、気になるのが混雑ぶりですよね。
「せっかく行ったのに、混んでいてサウナに入れなかった」なんてことがあったら悲しすぎる。ミーハーだと思われたくないこともあって、僕も北欧は敬遠していたのですが……
なんと、HPには完全予約制の5文字が! 知らなかった!
人数制限を設けているなら、待ちが発生したり、水風呂で芋洗い状態になったりすることもないはず。というわけで、安心して北欧デビューすべく上野へ向かいたいと思います!
※5:00~10:00は予約ナシで利用可能です
北欧のサウナ&水風呂は、満足度がヤバかった
フロントがあるのは、ビルの6F。料金は3時間2000円です。
基本的には男性専用施設なのですが、不定期でレディースデーも開催しています。気になる方は、ぜひ北欧のTwitterをチェックしてください!
受付を終えるとすぐに更衣室。無料の館内着が用意されています。ナカちゃんさんたちが着てたやつですね。館内着があると、ついつい長居しちゃうんですよね〜。
階段で7Fへ上り、お風呂から紹介していきましょう!
洗い場には、シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、シェービングクリームなどに加え、冷やしシャンプーや冷やしボディソープが。シャワーの水圧もちょうどいいです。
体を洗ったら、まずは大露天風呂へ。北欧といえば、やっぱりこのロケーションですよね。
めちゃくちゃ気持ちいい……! 上野駅から徒歩1分とは思えない開放感!
大露天風呂の「ドコールの湯」は、新潟県栃尾又温泉付近から産出される風化鉱物(トゴール・ウォームタイト/医薬部外品45D283号)を使用しています。
ジェット風呂もいい感じ。肩、背中、腰にジェットがビシビシと刺さります。温度も高くないので、長湯できて気持ちいい〜。
さっぱりしたところで、体を拭いたら、いよいよ念願のサウナです!
ジャーン! これですよ……!
北欧のサウナの特徴はなんと言っても110℃を超える室内温度と湿度の高さ。ほんの数分で、あっという間に汗が吹き出ます。きクぜ〜!!
もっと体感温度を上げたい方向けにセルフロウリュも。サウナストーンにかければ、ジュワッという心地よい音とともにサウナ内に広がる白樺の香り……サウナの本場・北欧もこんな感じなんでしょう……!
※セルフロウリュをする際は、他のお客さんにひと声かけましょう!
それにしてもすごい発汗効果。大量に汗をかくと、体の老廃物も流れ出ていくような気分になりますね。まさに、サウナの醍醐味。多くのサウナーに愛されているのにも納得です!
普段はサウナタイマー1周、つまり12分ほど入っているのですが、北欧は7〜8分でもう充分。そろそろ出ようと思います。
バチバチに温まったところで、続いてはもちろん水風呂です。サウナの隣に静かにピッタリ寄り添う姿がいじらしいじゃないですか。
全身の大量の汗をシャワーで流して入水。水温は約13℃。温度だけ聞くとちょっとひるむのですが、サウナでバチバチに温まっているおかげであまり冷たさは感じません。むしろ、サウナとの温度差がめちゃくちゃちょうどいい。1ターンでの満足度がすごいです。
水風呂を堪能したら、再び大露天風呂エリアへ。露天風呂を取り囲むように椅子や寝転べるラウンジャーが並んでいます。
太陽の光を浴び、そして上野の風を感じながら、ゆっくりとクールダウン。自分の脈の音がやけにうるさいです。いろんなことがどうでも良くなってきたので、2〜3日ここにいていいですか……。
一般的なサウナフリークは「サウナ→水風呂→外気」のターンを何度か繰り返すそうですが、北欧はそれぞれの満足度が高いので僕は1ターンで存分に満たされてしまいました。まぁ無理して何ターンもする必要はありませんよね。よそはよそ、うちはうちってことで。
カプセルホテルなだけあって、歯ブラシやカミソリ、
あかこすりタオルなども完備されています。手ぶらで来れるというのも地味にありがたいポイントですよね。
北欧がサウナーたちに愛されている理由を文字通り身をもって実感できました。
今さら僕が断言することではありませんが、あえて言わせてください!
めちゃくちゃいいです!
ミーハーだと思われてもいいから、もっと早く来ておけばよかった〜!
キャリア30年の北欧・支配人が期待するサウナの可能性
サウナブームを席巻し、牽引してきた存在といっても過言ではない北欧。
どのような歴史を歩み、昨今のサウナブームをどのように見ているのでしょうか。北欧の支配人・菅剛史さんに話を聞いてみました。
今日はありがとうございました。すごく満足できました! 今やすっかりサウナーの聖地として数えられていますね。
ありがたい話ですね。オープンした1992年は、こんな時代が来るとは思ってもみませんでした。
オープン当初はどういった施設だったのでしょうか?
基本的に施設自体に大きな変化はありません。サウナも水風呂もありましたが、元々は上野が“東北の玄関口”と言われていたこともあり、「東北から出張や旅行で来た人たちをターゲットとしたカプセルホテル」というポジションでした。
唯一の特色は露天風呂ですね。都内のカプセルホテルで当館のような開放的な露天風呂はなかなかないので。かつてはサウナよりも露天風呂目当てのお客さんの方が多かったです。
なるほど……どのように差別化をしていったのですか?
オープン当初すでに上野にはカプセルホテルが3軒ありましたが、「カプセルホテルはこうあるべき」という定義はありませんからね。近隣のホテル含め色々足を運び勉強させていただきました。差別化というよりいいところを真似して「追いつけ、追い越せ」と。
北欧のサウナの変遷についても教えてください!
サウナや水風呂の温度は違いますね。当時はサウナが今より少し低めの100℃〜105℃、カラカラのドライサウナ。水風呂も18℃ぐらいでゆったりと楽しめる状態でした。2017年頃に温度を調整して、サウナは110℃超えで水風呂が13℃で温度差が100℃ぐらいになるように設定し、外気を浴びながら休憩できるスペースを用意するようになりました。
サウナ業界の盛り上がりを見てきたと思うのですが、北欧で潮目が変わったのはいつだったのでしょうか?
2017年頃から徐々にお客さんが増えている感覚はあったのですが、2018年にお笑い芸人・バイきんぐの小峠英二さんが来てくれたことがありました。
1ヶ月後ぐらいに「テレビで紹介できませんか?」と連絡があり了承したところ、テレビ朝日系列の『ナレーター有吉』という番組で紹介いただいて。番組内で小峠さんがサウナの入り方を紹介してくれたことで、翌日からお客さんがドカンとやってくるようになりました。「テレビってすごいんだなぁ」と感じましたね。
すごい! ちなみにドラマ「サ道」はいかがでしたか?
「サ道」はさらに翌年ぐらいですね。おかげで20〜30代の若いお客さんがすごく増えました。10年ぐらい前はサウナ=おじさんの溜まり場みたいなイメージだったので、今の姿は考えられないですね。
メディアの影響はすごいですよね……古参だらけの中に新規が入って揉めることはなかったんですか?
ほとんどないですね。若い方たちは「サ道」を観たり、サウナの本や雑誌を読んだりしているおかげでみなさんマナーがいいですよ。「サウナ前に水分を補給する」や「入る前には体を洗う」などをきちんと実践してくれているので、以前と比べて注意することは減りましたね。施設としてはとてもありがたいです。
マナーのいいお客さんが多いなら、サウナビギナーにとっても安心ですね。
そうですね。当館は導線がわかりやすいですし、ビギナーの方も体を洗いながら鏡越しにでも他のお客さんの動きをチェックしておいて、真似をすればほぼほぼ間違いないので。
ちなみに菅さんもサウナへ行くんですか?
もちろん行きますよ。仕事柄地方遠征はできていないのですが、Spa LaQua(スパ アクーア)、テルマー湯、スカイスパYOKOHAMA、草加健康センターなど都内や関東近郊の有名サウナはもちろん、銭湯などにも足を運んでいます。
特に印象が強い施設は2つ。ひとつは鶯谷にあるサウナセンターです。特にサウナの温度や湿度の管理についてはよく勉強させていただきましたし、今でも大好きですね。
もうひとつは、錦糸町にあるニューウィングもお気に入りです。支配人の吉田さんには懇意にしてもらっているし、最近ドライサウナが増設されたので懐かしさを味わいに行っています。
菅さんにとってサウナはどういう場所ですか?
最初は単に仕事として向き合っていたので、そこまで好きじゃなかったんですよ。
きっかけは、勉強のためにサウナセンターへ通ったこと。何度も入っているうちに「工夫次第でウチももっと気持ちよくできるんじゃないか」と思うようになり、関心が増していきました。「サ道」原作者・タナカカツキ先生が書いたエッセーを読んで、サウナにおける楽しみ方のバリエーションを知ったのもその頃です。
サウナや水風呂の温度や湿度を自分なりにいじっているうちに、「これなら気持ちいいかも」と気づいて、だんだんハマっていきました。気がついたら、休日にもサウナに通うようになって、周りから「いつもサウナにいるよね」と言われて初めて、「あ、自分もサウナ好きだったんだ」と(笑)。
30年近くサウナと向き合ってきた菅さんが思うサウナの魅力とは?
やはり発展性ではないでしょうか。10年前ぐらいからサウナの楽しみ方が変わってきて、最近ではアウフグースのようなエンターテイメント要素もプラスされたり、個室サウナやテントサウナが登場したりと、日々進化を重ねています。イベントも人気ですし、これからの発展が楽しみで仕方ありません。
北欧のこれからへの注目度も高いと思います。
そうですか(笑)。サウナのいいところは、さまざまな分野とコラボレーションできる懐の深さだと思っています。プロレスとコラボしたり、グルメとコラボしたり。私自身も「次はサウナと何を掛け合わせたら楽しいかな」なんてことをよく考えています。
同時に北欧としてもサウナの質にこだわっていきつつ、自分好みの新しいサウナをつくる方法も検討していきたいですね。
「早くサウナの中で会話できるようになってほしいんですよね」
別れ際、菅さんはこう言葉を残してくれました。以前は上司と部下がやってきて小声で悩み相談するような場面が北欧でもよく見られたそう。「10分に満たない時間で繰り広げられる人間模様もサウナならではの光景だと思います」と話してくれました。
いつか、再びサウナの中で“裸の付き合い”ができる日が来ますように〜!
「サウナ&カプセルホテル北欧」 施設詳細
HP:https://www.saunahokuou.com/
住所:〒110-0005東京都台東区上野7-2-16
TEL:03-3845-8000
執筆:田中嘉人