天然温泉アサヒ湯は、とかち帯広空港から車で25分の場所にある…
全国サウナーのみなさんこんにちは。ご当地サウナ委員会ライターのはせがわです!
本日は、栃木県宇都宮市にある大谷(おおや)町という場所にやってきております。
少しだけ場所のことを説明しておくと、ここ大谷町は、「大谷石」と呼ばれる火山灰が固まった「凝灰岩」(ぎょうかいがん)の採堀場が有名な場所です。
宇都宮駅からバスに乗り目的地に向かう道中には、そんな大谷石が使われているだろう、蔵やお家などが見られたりします。大きな大谷石がどどんと鎮座するスポットもあって、見応えがすごい。迫力!
大谷町の歴史や採堀跡地が見学できる『大谷資料館』もあったりするので、興味のある方はぜひ立ちよってほしい。ここ大谷町は「大谷石」で発展をとげた場所ということがお分かりいただけると思います!
そんな『大谷資料館』から徒歩で15分、車で5分ほどの場所にあるのが今回の目的地。
なんでも「大谷石」を生かしたアートに浸りながら、スチームに蒸される(?)を体験できる場所が完成したそうなんです!
その名も『大谷元気炉六号基』。
「さぁ、さっそく体験に」といいたいところですが、そもそも「元気炉」ってなに?ってところをしっかり押さえておきたい。
ということで、まずは「大谷元気炉六号基」を管理している柿崎さん(通称:ジョニーさん)に、くわしいお話を聞かせていただくことにしました。
本日はよろしくお願いします!
全国にはまだまだ体験したことない場所がいっぱいあるなぁ……。
1.元気炉ってなんですか?
ジョニーさん、まずは「元気炉」について教えてください。元気炉って一体なんなんでしょう……?
元気炉は、現代美術家・アーティストの栗林隆(くりばやし たかし)さんが手掛けた体験型アートインスタレーションです。
アートインスタレーション……。
(ググる)ふんふん。『ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術(※)』……ですね?※引用元:「インスタレーション」,Google Arts & Culture
そうですね。栗林さんの作品は、社会や自然、そして日常生活や身体の「境界」をテーマにしています。
作品の内部に入りながら、アートの世界を感じ、スチームに蒸され、エネルギーをチャージしてもらう……そんな体験ができる場所です。
アート作品の中でスチームに蒸される体験……!ほかでは体験できない場所になっていそうで楽しみです。
ちなみに「六号基」いうことは、他にも体験できる場所があるんでしょうか?
はじめて「元気炉」ができたのは、2021年富山県入善町にある『下山芸術の森 発電所美術館』でした。
初号機は「もし原子炉に入ったひとたちが全員元気になって出てきたら?」という、東日本大震災のネガティブな問題をポジティブに表現した作品なんです。ネガティブ視されやすい「原子炉」の内部に入り、スチームに蒸されることでみんながハツラツと原子炉から出てくる。その経験がポジティブなものに変わる。
作者の栗林さんは東日本大震災以降、10年近く福島でボランティア活動をしていたので、地元の人たちと触れあうことで感じた経験が生きた作品なんですよね。
経験から着想を得た作品なんですね。なぜ元気になる=スチームなんでしょうか?
栗林さんは過去、タイで入ったスチームサウナで体調が回復した経験があったそうです。自身の体験を作品として作りたい気持ちがあり、元気に健康になってほしいという想いから「元気炉」という作品に取り組んだと聞いています。
ほ〜!だから「元気炉」というストレートなネーミングなんですね!
栗林さんいわく現代の人々は「生きようとしすぎている」と。元気炉で自然を感じ、人間本来のエネルギーを取り戻して欲しい、そんな想いも込められています。
ここ、宇都宮大谷町に六号基を常設することになったのはどんなきっかけがあったんでしょうか?
2021年、大谷町の採石場跡地で地下空間体験『UnderMuseumChallenge01GATE』が開催され、元気炉の二号機が制作されました。
期間限定の展示だったこともあり、現在は解体されているんですが、その後、多くの方々から「また元気炉に入りたい」という声をいただきました。そういった声を受けて、今回この場所に元気炉を常設することがきまったんです。
大谷町と元気炉には、縁の深いつながりがあるんですね。
2.アートの知識がなくても大丈夫?
ここまでの話を聞いてちょっとだけ気になることがあるんですが……元気炉はやっぱりアートの知識がないと楽しめないものでしょうか?
「アート」と聞くとちょっとハードルが上がるというか、「気になる!」「体験してみたい!」という気持ちだけで、この場所にきていいのかなという気持ちがあるのですが……。
アートへの知見がなくても、全く問題ないです!
本当ですか?!
元気炉はその名の通り「元気になってほしい」という想いから作られた体験型アートです。アート作品って人それぞれ感じる感想ってちがうものなんですよ。
「とにかくスチームで蒸されて気持ちよかった」とか「(体験後に)今は感情をすぐ言葉にできない」とか、体験した人によって感じる感想は全然ちがってきます。それでいいし、それがいいと思います。だから「アートはわかんなかったけど、とにかく来てよかった」で、全然いいですし、どれも正解なんですよ。
むずかしいことは考えず、とにかくこの場所に来て、実際に自分の目と肌で体験して欲しい、それが一番ですね。
その言葉を聞いて安心しました!とにかくアートに浸って蒸されてみたい、そんな体験を求めてきていいんですね。
それにしてもこの大きな釜……!スチームのパワーがすごそうで楽しみです。
作品の中には、1メートル先も見えない状態になるほど、スチームで満たされています。あと、この土地で育てたハーブも入れて、香りも楽しんでもらえますよ。
濃密なスチームとハーブを体にチャージして、体の内側から元気になってもらいたいですね。
3.元気炉を体験してみた感想
お話を聞いて、さらに中に入るのが楽しみになりました!早速中に入ってもいいでしょうか?
もちろんです!ただ、内部の撮影はNGなのでそこだけ注意してください!
そうなんですね。それも、自分の目と肌で感じることを大切にってことでしょうか?
そうですね。
六号基には生きようとしすぎて疲れ果てている人たちに、自然に寄り添うことの大切さを教えてくれる場所でもあります。そのためには、言葉で説明するよりも、体験してもらうことが重要だと思っているんです。
写真が撮れなくて残念だと思う方も多いですが、ぜひ、自分の目で見たもの、肌で感じたもの、そんな感覚を大切にしてほしいですね。
というわけで、実際にわたしも元気炉を体験してきました!
みなさんにも実際に行って体験してきて欲しいので、あまりくわしくは書きませんが、素直に「来てよかったな……次は誰かと一緒にこの体験を共有したい」と思いました!
スチームに蒸されて、水を浴びて、あったかい釜の前でぼ〜〜っとのんびり過ごす時間は、本当に尊かったし、ちょっとおこがましですが自然と一体化した気分を味わえました。
ただ、ちょっと抽象的すぎると思うので、最後にちょっとだけ元気炉について書いておきます。
【スチーム空間】
下段・中段・上段空間と、3段階になっています。
目の前が見えなくなるほど強力なスチームで、一番熱いのは、下段・中段。わたしは中段が好みでした!上段に上り詰めると、アート作品を内部から見られるようになっていて、面白い景色が楽しめます。
この場所ならではの「大谷石」をイメージした外観部分にも注目です!
【水風呂】
実はあるんですよ、水風呂が!
これは本当に行ってからのお楽しみということで「ある」とだけ残しておきます。
【注意事項】
元気炉は水着着用必須です。更衣室・シャワーもありますが、個人的にはすぐに着替えられるよう、衣類の下に水着を着てくると楽だったなと思いました!(水着・タオル・ポンチョなどレンタルあり)
シャワーやドライヤーも貸してもらえます。ただ、アメニティ類・ドリンク類は持参必須なので要注意です!
元気炉のある場所は、とにかく静かで、鳥のさえずりが鮮明に聞こえてくるところです。
作品から出たあとは、なにかに追われてキュッと締め付けられていた心のベルトが、ぬるっとぬるまった感覚がありました。
・アート作品の内部に入る体験がしてみたい方
・自然を感じて、自分自身を取り戻したい方
ぜひ「大谷元気炉六号基」で、元気をチャージしてきてください!
大谷元気炉六号基 施設概要
WEB予約:https://www.genkiro.com/
Instagram:https://www.instagram.com/genkiro06_oya/
住所:〒321-0345 栃木県宇都宮市大谷町 909番地11
https://maps.app.goo.gl/N7PEh6Nxto1kUCvg6
アクセス:宇都宮西口駅より関東自動車バス(30分ほど)「申田」下車 徒歩8分
営業時間:【1部】 9:30〜11:30/【2部】12:30〜14:30/【3部】15:00〜17:00
【定休日】火曜・木曜
利用料金:【元気炉体験(アートサウナ)】3,500円【空間体験料(入場料)】1,500円
レンタル:・【水着】500円【 ポンチョ】1,000円【タオルセット】500円
施設情報:シャワー・トイレ・更衣室あり※アメニティ類は各自持参
取材・執筆:はせがわみき