ご当地サウナ委員会のタカヤマ(@takayamasauna)です。北は北海道から南は沖縄まで、極上のサウナを求めてあちこち旅してきたのですが、ついに静岡で見つけてしまいました…

マイ ベスト オブ サウナが。

その名も、Thermal Climb Studio FUJI(サーマルクライムスタジオ富士)

会員制サウナである「サウナ倶楽部」が運営する施設です。

フィンランドを再現したサウナ小屋と天然水の水風呂、森林浴が気持ち良い外気浴。

サウナファンの願望を詰め込んだ、こだわりのサウナと高頻度のアウフグース。

日本最高峰の富士山から流れる伏流水による水風呂と、水温がクセになる不感浴。

サウナファンにはたまらない、充実のラインナップですよね。

しかし、サウナブームはどんどん拡大していき、都内にもとんでもないサウナがバンバンできるようになりました。今や、地方のサウナにまでわざわざ足を運ぶほどではないかもしれない。

そう感じるサウナファンにこそ、ぜひこちらの施設をおすすめしたいのです。

なぜかって、、、

「水風呂がなくても強烈にととのう」と聞くと驚きませんか?

サウナ熟練者でも前代未聞な体験に心を奪われ、サウナ倶楽部に入会するサウナファンが続出、筆者も週3で静岡へ通うほどの熱狂的なファンになってしまいました。

何がそんなにすごいのか。その謎に迫りたいと思います。

オーナーと一緒にサウナを体験してみた

「サウナ倶楽部」オーナーの松永武さん。お客さんとともに毎日サウナに入るすごい人である

今日は松永さんが一緒に入浴してくださるとのことで、よろしくお願いします!

よろしくお願いします。私、実はサウナのことはあまり詳しくないので逆に色々教えてくださいね。

はい。よろしくお願いします!(あれ、サウナに詳しくないって本当なんだろうか…?)

ではさっそく、屋外の「ケロサウナ」で身体を温めていきましょうか。

屋外にあるケロサウナの室内。フィンランドで至宝といわれる「ケロ材」を使用している

まずサウナ室のベンチにバスタオルを敷いて、仰向けの状態で寝そべってください。そして足を90度に曲げて、サウナ室の壁に足の裏を乗せてくださいね。

え、寝そべりながら入っても良いんですか?あと足を上げながらサウナに入るのは斬新ですね…

施設にあるサウナって、足元まで温まらないなぁって思ったりしませんか。サウナ倶楽部では、頭からつま先まで身体を温めるという入り方を推奨していて、施設名を「サーマルクライムスタジオ富士」にしたのも、サウナを登山に見立てて温まるプロセスを表現したかったんです。

サウナの登山体験…!?な、なるほどー!登山ということは温まる最中にもいくつか過程があるということですかね?

良い質問ですね!サウナって、サウナ水風呂外気浴の一連の流れを1セットと表現したりしますよね。サーマルクライム富士の場合は「1合目」「2合目」…という風にカウントしています。大体のお客さんは1回の滞在で3合目前後までいきますが、10合目となると2日ほどをかけて、身体を温めていきます。

屋内のサウナ室は富士山を彷彿とさせるような、マウンテンタイプの構造になっている

え、いま2日って言いました?2日間かけてサウナに入るって、普通じゃないと思うのですが…

僕はお風呂のソムリエとして10年以上温浴の研究をしてきて、温めることについてのプロではありますね。サウナ施設を立ち上げるのは初めてですけれども、温浴を通して身体を温めるという重要性をサウナ倶楽部を通して伝えたいと思ったんです。

えええ、お風呂のソムリエ!サウナを知らなかったからこそ、柔軟な発想で新しいものを作ろうというきっかけが生まれたんですね。というか、熱さで限界になってきました。そろそろ水風呂へ入りにいきませんか?

すみません。最初に伝えておくべきでしたが、水風呂は4セット目までお預けとなります。

まさかの「水風呂禁止令」により、水分補給と小休止のみで次のサウナへと向かう

サウナ施設なのに水風呂が禁止!?これは水風呂好きには堪えますね…

ははは。あとでクールダウンの体験自体は設けるので楽しみにしていてください。こちらのサウナは天井にこだわっていて「ベンベルグサウナ」というドイツ式の伝統的な工法を取り入れました。天井の凸凹でロウリュによる熱を分散し、気持ちの良い蒸気を身体で感じることができますよ。

ドイツ式のサウナ!ドイツの工法を取り入れるという発想が出てきたのはすごくないですか?

実はドイツにはかれこれ10年以上通っていて、ドイツ含む海外の温浴スパ事情は熟知しています。例えばサウナベンチにバスタオルを敷き、サウナでかいた汗は全て持ち帰るというのは、ドイツのスパカルチャーを参考にしています。日本のサウナではなかなか珍しいルールですよね。

フィンランド製の木製ベンチが思いのほか座り心地が良く、つかの間の小休止が印象に残った

サウナに詳しくないと言いつつ、細かいところに至るまでのこだわりがすごい……

今の日本の流行りって、サウナのあとに水風呂に浸かることで、全身をかけめぐる快感を求めがちだと思うんです。海外でサウナに入ると、むしろ水風呂は長く浸からない方が身体に良いという考え方が根底にあって、それ以上に身体の「深部体温」まで温めることを重要視します。

たしかにサウナもお風呂と同じで、まず「温める」ということが大切なんですね。奥が深い……

まさにそうなんですよ。そもそも日本人はお風呂という文化への知識と理解が十分でないということは、専門家として活動してからずっと感じていることなんです。全世界からみても、浴槽に浸かるという習慣があること自体が珍しいですし、もっと注目されてよい分野だと思います。

施設の売りでもあるマウンテンサウナでは、焚き火の映像を見ながらじっくりと汗をかく

松永さんのお話を聞くと身体を温めたくなってきました。また次のサウナに行きませんか?

ぜひぜひ。次に体験するのは「マウンテンサウナ」ですね。こちらでは屋外のケロサウナとともに、1時間おきにアウフグースプログラムを提供しています。焚き火の映像とともに光や音など、五感をフルに活用しながら、じっくり身体を温めることができますよ。

例えるならライブ会場のような、エンターテインメント感が満載のサウナですよね。

最新鋭のプロジェクターで映像を投影していて、重低音がずっしりと響く音響にもこだわりました。あとは、このサウナ室の光や音などはタブレット1枚ですべて調整することができますよ。このタブレットさえあれば、まるでダンスフロアのような、DJ顔負けの空間づくりも可能です。

IoT技術をフル活用しサウナ室の温度さえ調整してしまうこの仕組みは「サウナ3.0」と言えるだろう

え、ちょっと待ってください。このタブレット、色んな意味で最先端すぎません?

お、よく気づきましたね。空間セッティングだけではなく、このタブレット1枚で全てのサウナの温度管理からタイマー設定、水風呂の栓を抜くところまで操作できてしまいます。スタッフはこのタブレットを操作さえすれば、退勤時には清掃を除くすべてのオペレーションが完結しますよ。

えええ、この仕組みはヤバすぎる!これ、サウナで働く業界人は必見ですよ。みなさん……

スタッフにはなるべく作業まわりの業務を軽減して、そのぶんお客様にサウナの入り方をガイドしたり、アウフグースをしたりなど、お客様をアテンドする時間を優先的に作っていきたいですね。時間が許す限り、お客さんとサウナに入って案内することも僕自身よくやっています。

無限にととのえるスチームサウナが斬新すぎた

撮影スタジオを改装した休憩エリア。吹き抜けの建物が美しく、日光浴にはたまらない構造だ

実はSNSではキラキラ系に見えたんですが(笑)まさかここまで骨太な施設だとは思いませんでした。

ははは。いまブームであちこちにサウナができていることもあって、まるで品定めするような感じで新規のお客さんは身構えられることが多いですね。でも皆さん、うちの施設を一通り体験されたあとは充実した表情で褒めてくださる方が大半で、新しくサウナをはじめて良かったなぁって思いますよ。

みなさん、そこまで手のひら返しをされるんですね。あれ、そういえば水風呂はまだですか?

ここまで3つのサウナに入ってきましたけど、次のサウナに入った後にようやく水風呂解禁ですね。

最後に案内されたサウナがこちら。一見普通のスチームサウナのようだが…

え、これってよくあるスチームサウナですよね。ここでしっかり温めるということですか?

このスチームサウナにも実は色々な仕掛けがあるので楽しみにしていてくださいね。まず「STEAM」というボタンを押してみてください。サウナ内にあるスチーム発生機から沢山の熱気が出てきますよ。想像以上に熱さを感じるはずです。

た、たしかにしっかりとした熱さを感じる!それに座っている椅子もしっかり温かい…

そうなんです。椅子や壁にも蓄熱機能を設けていて、補助的に身体を温めることができます。いわゆる通常のサウナは天井や壁からの反射熱などで身体を温めることが多いのですが、まるで岩盤浴のように身体に直接触れることで深部体温を温める効果がありますよ。

「COOL AUFGUSS」という、サウナファンなら興味をそそられる文言が。こちらのボタンを押すと…

ちなみにスチームボタンの隣にある「COOL AUFGUSS」の文字、これは一体…

スチームでしっかり温まったと感じたら、こちらのボタンもぜひ押してみてください。天井にあるミストシャワーから冷たいミストが全身に降り注ぎますよ。身体をしっかり温めたあとのクールダウン、きっと病みつきになってしまうと思います。

うわぁ、これはすごい!まるで「ショーシャンクの空に」ラストシーンの再現じゃないですか。

ちなみに、椅子の隣にある白いホースの蛇口も回してみてください。こちらはクナイプ式水治療法といって、冷水浴の一つを再現したものになります。富士山からの伏流水をそのままかけ流しにしてますので、頭から水を浴びつつ、そのまま水を飲んでみてください。

ドイツ発祥の「クナイプ式水治療法」によって、スチームサウナの概念そのものが変わりそうだ

あれ、なんだこれ?信じられないぐらい気持ちいい。あまりにも気持ち良すぎてヨダレが出てくる…

ある程度クールダウン出来たと感じたら、またスチームのボタンを押して身体を温めていきます。スチームの体感温度もそれなりの状態まで仕上がりますし、ホースの水もキリっと冷たいですよね。おそらくこの状態だと水風呂に入らなくても気持ち良く感じるのではないかと思います。

水風呂に入らなくても、サウナ室内でととのいが完結するのはやばい。これ考えた人、天才ですね…

ここまで4セット、水風呂抜きで深部体温をしっかり温めてきたので、よりクールダウンの気持ち良さが感じられたのではないでしょうか。こちらのスチームサウナは、入ろうと思ったら1時間以上入ることができてしまうので、スチームサウナの渋滞がよく発生します(笑)

サウナ内は寝そべることも可能で、上からホースで水をかけてもらうのもとても気持ちがいい

いやぁ、スチームサウナの概念が根本から変わりました。これだけで静岡まで通う価値がありますね。

そう言って頂けると有難いです。もうお気づきだと思うんですが、水風呂のためにささっとサウナに入るファーストフードのような入り方ではなく、前菜がありコースがあり、ペアリングドリンクとデザートがあるという、コース料理のようなサウナの楽しみ方をうちの施設では提唱したいですね。

なるほど。今回は4時間コースでしたが、プランが濃厚すぎて水風呂に入る余裕がなかったです…

ほかにも施設のこだわりポイントを紹介

水風呂と不感湯が並ぶロケーションは、施設イチオシのフォトスポットにもなっている

とはいえ、せっかく立派な水風呂があるのでこちらも紹介させてください

わかりました(笑)水風呂はクナイプ式水治療法と同じく、富士山の伏流水をかけ流しています。標高700mの立地に施設があるので、冷却用のチラーは特に使用せず、かけ流しの水をそのまま使っていて、真夏でも冷涼な環境なので、年間通して冷たい水を堪能できますね。

ロケーションの良さが存分に活かされてますよね。不感湯まであるのが個人的に最高すぎます。

水風呂は少し浸かったらささっと出て、そのまま不感湯に浸かるのがおすすめの入り方になります。こちらは水温を30℃前後に保っていまして、頭と手足を浮かせてフローティング(浮遊)しながら入ると不感湯の魅力を全身で体感できるかと思います。

電源を完備した作業用デスクや革製のリラックスチェアに腰掛け、思い思いの時間を過ごす

それと、休憩エリアの充実度も見逃せません。サウナッツなどの軽食があるのもポイント高いです。

休憩エリアには電源やwifiも完備してますので、コワーキングスペースとしても使用することができます。サウナッツは有料ですが、ジンジャーやマンゴーなどのドライフルーツや、栄養分が満載のミックスナッツなど、より身体を温めるための軽食を厳選しています。

とにかく、サウナ好きのニーズをわかってる感がすごいんですよ。入り口の演出もそうですし。

入り口の演出というと「TECH ROOM」ですかね。サウナの裏側を敢えて見せた方が面白いと考えたので、思い切って公開することにしました。先に紹介したIoTのタブレットも含めて、サウナも含めた温浴業界がより発展していけたらと思い、ぜひ同業者の皆さんにも参考にして頂けたら幸いですね。

通常目にすることはない裏側の部分に、サウナ好きなら興味津々となることは間違いない

施設のこだわりポイントが素敵すぎる。これは本気で、静岡に移住したくなってきました…

移住まで検討いただいてありがとうございます。うちの施設は会員制(年会費3万円)となっているんですが、サウナを体験したあとに感動してくださって、そのまま入会される方が後を絶たない状況なんです。この間は関西の方も会員になってました。

まさに全国のサウナ好きも足を運ぶべき施設ですね。今後の取り組みも全力で応援しています!

今ならお試し価格で施設を体験できる!?

以上がサウナ倶楽部が運営する、「サーマルクライムスタジオ富士」の紹介でした。

こちらの施設利用には「サウナ倶楽部」への入会が必要となり、年会費3万円が通常かかりますが、5月中はお試しキャンペーンを実施中!
通常のととのう体験に満足してしまった方、ぜひ人気が出る前に足を運んでみてはいかがでしょうか。

今後話題になる人気施設となることは間違いなしだと思います!

施設詳細

名称:Thermal Climb Studio Fuji(サーマルクライムスタジオ富士)
住所:〒410-1231 静岡県裾野市須山2255番地3644
アクセス:東名高速、裾野ICより車で約15分(富士サファリパーク近く)
HP:https://www.sauna-club.jp/

取材・執筆:タカヤマ(@takayamasauna

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