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こんにちは、昭和生まれのサヲトメ(@saunawotome)です。
今回ご紹介するサウナピアは、今年12月に40周年を迎える愛知県豊橋市の男性専用サウナ施設。
110℃超の舟形天井が特徴的なサウナには、味わい深い照明が光り
大きなお庭をゆったりと使用した外気浴スペースでは、森林浴や星空観賞を楽しめます。
ステンドグラス風のレトロな照明や、丸くくりぬかれたような入り口。清掃の行き届いた館内に漂う昭和イズムに、もうときめきが止まらない!
サウナピアを運営する有限会社フォーティーアイ代表の犬飼智久さんと、犬飼勝幸さんにたっぷりお話を伺ってきました。
本日はよろしくお願いいたします。お二人とも同じ名字ということは……
はい、親子です。20年ほど前に創業者である初代代表から縁あってサウナ運営を引き継がせていただいたことに始まります。父と叔父の跡を継ぎ、私が4代目です。妻と息子の3人で、日々現場に出ています。
勝幸さんは現場に入られてどのくらいですか?
3年前の37周年のタイミングで加わりました。「昭和の時代を、平成の人間が残す」ためにできることを考え、日々改善の積み重ねです。この春にサウナがリニューアルしたのですが、3年前から40周年の時にはサウナを改装できるように頑張ろう!と思い取り組んでいました。
さっそくリニューアルしたサウナ室を拝見しながら、こだわりを聞かせてください!
リニューアル!110℃超のサウナに光るこだわり
「昭和ストロングスタイル」と称される、カラッとした熱さ110℃のサウナ。
3段目のサウナマットだけは他と違うふフカフカのマットなのは、座面の熱から肌を守りつつ、最上部の特別感を味わえる仕様なのだとか。
ピシっと整列したサウナマットのなかに、チラッとのぞく遊び心……くぅぅ、大好きだぁー!
すみません、取り乱しました。
サウナピアのサウナ室最大の特徴は、天井の形と大きなガラス窓。
中央部分が最も高く、両端に向かって勾配がついた形が船底に似ていることから「舟形天井」とよばれています。空間を広く見せたり、熱を効果的に対流させる効果も期待できるんですよ!
リニューアル前のイメージはそのままに、サウナ室がぐっと明るくなりましたね。今回の改装はどんな内容だったんでしょうか?
座面や扉、壁に使用していた木部の傷みが目立っていた部分を新調しました。さらに天井をはがし、断熱材の入れ方や隙間を徹底的に無くすることで、以前よりサウナの温まり方が格段にアップしたんですよ。
リニューアル前からパワフルな熱さが支持されていたと思いますが、さらにパワーアップされたんですね!
そうなんです。お客様から「サウナ熱くなったね!」と言っていただけるんですけど、実際は以前より設定温度を下げているくらいなんですよ。以前と同じ設定だと熱くなり過ぎちゃうんですよね。
すごい……他にも変えたところはありますか?
3段目に背もたれを新設しました。普段の見回りで気が付いたことなのですが、1段目や2段目はもたれて座られるお客様が多いのに、3段目は前屈みに座られるお客様が多いんです。僕自身も3段目に座る時は、やはり前かがみになっていました。
最上段である3段目の背もたれが、熱くて使われていないことに着目されたんですね。
木がそのままだと熱すぎるので、より快適に座ることができるように背もたれとマットをつけました。僕も大好きな当店のロゴとバイキングキャラクターを入れたマットで可愛さも出してみました(笑)
創業当時から愛されてきた雰囲気はそのままに、より快適な空間に進化を遂げたんですね……すてきです!
今回のリニューアルで、どこまで手を加えるのかは正直悩みました。ロウリュアウフグースを求めているお客様のお声もあり、それはそれで良いサウナになったと思います。ですが、僕自身慣れ親しんだ今までのピアのサウナが好きでしたし、昔から変わらないこの昭和ストロングサウナこそピアの良さで、それをこれからも残して行きたいと思いました。
いろいろなサウナがあってどれも素晴らしい良さがあると思いますが、私たちはこのスタイルを貫いてピアらしくありたいと思っています。
創業から変わらない、ムダのない動線
サウナのお次は浴室を見ていきましょう。
シャワーのホースや美しく整列したイス、ピカピカに磨き上げられた鏡とカラン。なんて爽やかで気持ちのいい浴室…!
常時オーバーフローしている冷水・超音波バイブラ槽の2つの浴槽は、徹底した水質管理で清潔が保たれています。
温水は水位を水面ギリギリで調整することで、お客さまが入って溢れた分だけ新しいお湯が供給されるのだそうです。常に綺麗なお湯を楽しんでほしいというこだわりが感じられますね……!
一番大きな浴槽である超音波バイブラ槽は、水温約29℃。隣の水風呂(約15℃)と併せての冷冷浴や、バイブラの浮遊感を楽しむことができます。
超音波バイブラ槽の横にある出入口は、外気浴できるお庭へとつながっています。
木々にかこまれたお庭には、のんびりと日向ぼっこしているようなととのいイス。
たくさんのととのいイスが置ける広さがありますが、サウナピア自慢の外気浴をゆっくりと堪能してもらえる数だけを置いているのだそう。
サウナ・水風呂・外気浴のすべてが10歩以内に完結するという動線は、創業時から完成されていたそうです。
40年前から、サウナ・水風呂・外気浴の動線を意識した施設づくりをされていたんですね!
創業当時より、フィンランドのサウナ文化を忠実に取り入れたい思いがあり、動線やサウナの材質にもかなりこだわって作られたと聞いています。
「冷たいジャグジー」や「広い庭」など、現在のサウナの入り方として推奨されている、サウナ→水風呂→外気浴をするための設備が整っています。
40年前から変わらずにやっていることが、今の時代でもお客様に楽しんで頂けているのは、素晴らしいことだと思います。
サウナピア存続の危機とイノベーション
勝幸さんは幼少期からサウナピアを継ごうと思われていたんですか?
僕自身、実家がサウナ屋さんということでサウナピアファンであるお客さんの一人、という感じでした。継ごうと思ったきっかけは、祖父にこの先ピアをどうしていきたいのかを話したときに、辞めようかと思っていると聞いたことです。幼少期からずっと20年以上頑張ってきた母たちを見てきたこともあり、たくさんの方から愛されているピアを無くしたくないと思い、引き継がせていただくことを決めました。
施設としてのポテンシャルはあるのに、先代は年齢的にも管理が難しくなってきていました。ちょうど私たちが継ぐという話になりましたが、それがなかったらピアは存続していなかったかもしれません。
今ではメディアや県内外のサウナファンからも熱視線が注がれるサウナピア。存続の危機を乗り越えて今日に至るまで、どんなことに着手されたんですか?
私の前職での経験も取り入れ、お店の管理体制などを少しずつ改善していき、スタッフみんなで日々改善しながら取り組んできました。
お客様からお金を頂くなかで、自分が満足できない状態で出すことは、したくありません。お店は、オープン時の状態を維持できるように常に清潔にしたい、古ければ汚れていてもしょうがないとは、したくないです。
最初は、清掃から取り組み、フロアー業務、フロント業務そして今は、お食事処の業務を主に取り組んでいます。
各セクションの業務をなんでもこなせるようにすることが今の目標です、そこから生まれるお客様やスタッフとの会話、アイデアでピアがより良い施設になっていくと考えています。
お話しを聞いているだけで、感動で胸が熱いです……!
ピアは、他温浴施設に比べると料金が高く感じるかもしれません。だからこそ、それに見合ったサービスを提供したいです。ある時、常連のお客様からこのようなお言葉を頂きました。「あなた達の仕事は、夢を売る仕事だから、これからも頼むね」と。
いちサウナ屋さんという枠ではなく、「ピアに来ると癒される。明日からまた頑張れる。」そういった気持ちになって帰っていただけるようなお店にしたいです。
一歩先回りしたサービスを自然にできる母を目標に修行中です。
長きにわたり、東海エリアの紳士を癒やしてきたサウナピア。
古き良き昭和の趣と、新時代の風を感じられる素晴らしい施設でした。
時代ともにしなやかに進化を続けるサウナピアは、今後ますます多くのサウナ好きを魅了する施設になることを確信した取材となりました。
愛知県を訪れる際には、ぜひ豊橋市のサウナピアへ足をお運びください!
サウナピア 施設概要
HP:https://www.sauna-pia.co.jp/
住所:愛知県豊橋市神野新田町ヨノ割66
アクセス: 豊橋駅からタクシー約15分。2,000円程度。
営業時間:午前11:00 ~翌朝9:00
【利用料金】
入泉料 2,400円 (AM11:00〜翌AM3:00入館)
深夜追加料金+600円(AM3:00以降在館)
サンライズタイム1,600円(AM3:00〜AM6:00入館)
朝風呂850円(AM6:00〜8:40入館)
Twitter:@saunapia
取材・執筆:サヲトメ(@saunawotome)