東京都

コニカミノルタ サイエンスドーム(八王子市こども科学館)

2017年にリニューアルオープンした八王子の科学館。「遊びカガク」をテーマとした科学の原理・現象を遊びながら学べる展示や、国際宇宙ステーションのミッションを体験できるリアルなシミュレーション体験、大人も楽しめるプラネタリウムなど見どころ盛りだくさん。バラエティ豊かな工作やイベントも随時開催。

科学や宇宙を遊んで学ぶ! 八王子「コニカミノルタ サイエンスドーム」に行ってみた

「コニカミノルタ サイエンスドーム(八王子市こども科学館)」は、1989年から地元の人々に愛される東京・八王子の科学館。2017年のリニューアルオープンを機に、国際宇宙ステーションが舞台のシミュレーション体験や遊びながら科学を学べる展示が加わりさらにパワーアップ! 気になる館内をくまなく案内してもらいました。


東京・八王子にある「コニカミノルタ サイエンスドーム(八王子市こども科学館)」は、2017年に大規模な展示のリニューアルを行い「他の街からわざわざ行きたい科学館」へと変貌を遂げています!

たとえば、未就学児も楽しむことができる「遊びカガク」や、

国際宇宙ステーション(ISS)を舞台としたリアルなシミュレーション体験など、大人目線でも「子どもに体験させたい!」「自分も体験したい!」とワクワクする展示が盛りだくさん。

そんな気になる「コニカミノルタ サイエンスドーム」の館内を、同館の主任を務める森さんに案内してもらいました!

1F:全身で科学を学ぶ! 「遊びカガク」

まずは1階の展示室「遊びカガク」からご紹介します。17種類ほどの装置で、遊びながら科学を学ぶことができるエリアです。

カラフルで楽しげな雰囲気! 真ん中にあるマシンのようなものはなんですか?

これは「夢ロケット」というロケット型の宇宙ゲーム装置です。中はシミュレーションゲームで、外はポンプを押す、ペダルをこぐ、ジャンプする、ボタンを押す、の4つの動作でエネルギーをためていきます。1つの動作につき25%までエネルギーがたまり、100%になると何かが起こりますよ。

「夢ロケット」をスタッフさんが実践してくれました! がんばって動かないとなかなかエネルギーはたまらない様子。

何が起こるんだろう? 気になる~!

必死に動いていると、みるみるエネルギーのゲージがたまっていきます。そしてエネルギーが100%まで到達すると……

お~! ロケットが光り出した!

エネルギーがたまると「夢ロケット」が発射するという演出が始まります。自分がためたエネルギーでロケットが発射するゲームにより、電気などのエネルギーがいろいろな形で作られていることを学んでもらえたらと思います。家族や友達と協力しながら100%を目指してください。

これは楽しくて何度も試したくなりますね。

あの天井近くにある大きなレールは何ですか?

「ボールコースター」という装置です。ボールを筒に入れてハンドルを回し、上のレールに上げると、コースターのようにレール上を巡ります。高いところにあるボールの位置エネルギーが、低いところへ転がるときに運動エネルギーに変わる仕組みを利用しているんですよ。

「ボールコースター」は、ハンドルを回すとボールが上昇。ぐるりとレールを巡ったあとに手元へ戻ってきます。

ボールがレールを一周して戻ってきたら、壁に自由に貼ったり取ったりできるマグネットのブロックを使って、ボールがうまく穴の開いたブロックに入るように道を作りましょう。

ボールがレールを駆け巡る様子は見ていて面白いし、ボールが戻ってきたあとも楽しめるんですね! 自分で頭を使って工夫できるのもいいところ。

他には「くるくるコプター」も人気です。ハンドルを回し、上のプロペラを回そうとすると、逆向きに自分の体が回転する装置です。これは、力の作用・反作用の法則を利用しているのです。

学校の授業で出てくる言葉だけど、実際に体験することで理解が深まりそう。

他にも、電気が流れる球に手を触れると光の帯が手の方にくる「ミラクルボール」も。 これは、からだに電気が流れているからです。ためしに蛍光灯を近づけると光ります。

体を動かして体験できる装置ばかりだから、遊びたい盛りのお子さんにとっては大満足ですね。科学館だけど、遊園地や公園感覚で時間を忘れて楽しめちゃいそう。

おっしゃる通り「遊びカガク」は、小学校低学年までの小さなお子さんたちから大人気です。たくさんの遊べる装置を通して、ふと頭に浮かぶ「どうしてこうなるんだろう?」という些細な気づきが、科学に興味を持ってもらえるきっかけになればうれしいです。

研究室のような空間は好奇心をくすぐります!

2F:シミュレーション体験で「地球・宇宙・未来」に思いを馳せる

次は2階の「地球・宇宙・未来」をテーマにしたエリアをご紹介します。ここは小学校高学年から大人を対象とした展示です。

1階とはガラリと変わって大人っぽいエリアですね。

エリアの中央にある模型は、国際宇宙ステーション(ISS)の10分の1サイズの模型です。模型を囲むシミュレーション装置では、ISSを舞台としたシミュレーション体験を行っています。

迫力がすごい! シミュレーションではどんなことが体験できるんですか?

3つのチームに分かれてISSのミッションに挑戦できます。3つのチームがそれぞれの役割をこなすことで、H2ロケットの打ち上げや、ISSでの宇宙飛行士のミッションがクリアとなります。ミッションは毎月上旬・中旬・下旬で切り替わり、一回の体験時間は約13分間です。

ゲーム感覚で楽しめて、映像もかなり本格的。大人でも引き込まれちゃいます!

親子が行列を作るほど人気のシミュレーションです。3つのミッション、3つのブースでそれぞれできることが違うので、全部体験してみてください。

またモニターが付いた装置がある。これも何かのシミュレーションですか?

これは小惑星探査機「はやぶさ」をテーマにした「はやぶさシミュレータ」です。はやぶさの打ち上げから地球スイングバイ、小惑星タッチダウン、カプセル帰還などのミッションが体験できます。実際にはやぶさを管制していた管制卓を再現しています。

管制卓に「飛行安泰」という珍しいお札が貼られていますね。

こういった航空安全を祈願するお札は、実際のはやぶさの衛星管制卓にも貼られていたそうですよ。実はこの「はやぶさシミュレータ」は、はやぶさをテーマにした映画に使われたものです。お札や備品シールなどを貼ることで、なるべく実際の雰囲気に近づけています。

たしかに、雰囲気も相まってよりミッションにのめり込めそう!

「地球」を知ることができる装置には、京都大学が開発した地球や惑星の映像を球状スクリーンに立体的に投影する「4次元デジタル地球儀(ダジックアース)」もあります。地球儀はタッチパネルを使って自由に動かせますよ。

地球儀もついにデジタルの時代に……!?

「4次元デジタル地球儀」で見られるのは地球だけではなく、たとえば私たちが普段見ることができない月の裏側や、世界の街の灯り、津波の広がる様子、300年前の地球儀など、さまざまなものを立体的に見ることができます。

どれもゲーム感覚で楽しめる装置ばかりなので、地球や宇宙についてどんどん興味が湧いてきますね!

2階には他にも、ゾウの牙の化石(レプリカ)や本物の隕石を展示。年に2回、浅川に化石を観察しに行くイベントも開催されています。

2階には、八王子の北浅川河川敷で2001年に発見された約230万年前のゾウ「ハチオウジゾウ」の牙(レプリカ)などの展示や、江戸時代に落ちた「八王子隕石」のパネル展示など、八王子にまつわる展示エリアもあります。

地球や宇宙に思いを馳せたら、次は身近なことにも目を向けたいですね。八王子で暮らしている人でも知らなかった意外な事実が発見できるかも?

プラネタリウムや工作室、楽しいイベントも!

展示のほかに、科学館といったら見ておきたいのが「プラネタリウム」。各回約200名が入るプラネタリウムは、『しまじろう』や『かいけつゾロリ』など人気キャラクターの番組から全編生解説番組や、トワイライトプラネタリウムなど大人向けの番組まで魅力的なプログラムが投影されています。また、星空コンサートも人気です。

地下には工作教室や実験ショーを開催する「科学工作室」も。

磁石シートを動かすとぴょんぴょん跳ねるカエルや、音が奏でられる紙コップギター、3種類の鉱物を入れた万華鏡など、月ごとに変わるユニークな工作にチャレンジできます。予約が必要なもの、費用がかかるものがあります。

夏休み・冬休みの自由研究にもぴったりな工作は、ぜひ家族一緒に体験してみたいですね。

提供: コニカミノルタ サイエンスドーム(八王子市こども科学館)

工作だけではなく、月ごとにイベントも開催されています。毎年秋の連休には、芝学園の技術工作部の部員が運転手になり、機関車の模型に乗ることができる「大型鉄道模型に乗ろう」という楽しいイベントも開催(2022年は終了)。工作、イベントの最新情報はホームページからチェックしましょう。

今日はありがとうございました! 展示やシミュレーションがどれも本格的で驚きました。

当館は、まだ学校に通っていない小さなお子さんから大人の方まで楽しんでいただける科学館なので、ぜひ幅広い年齢の方に来ていただきたいです。

「コニカミノルタ サイエンスドーム(八王子市こども科学館)」施設情報・アクセス

公式HPhttps://www.city.hachioji.tokyo.jp/shisetsu/003/p011705.html
※最新の開館時間・休館日、プラネタリウム番組などは公式HPをチェック。

所在地
東京都八王子市大横町9-13

アクセス
【バス】
京王八王子駅またはJR八王子駅北口から西東京バス「みつい台」「創価大学循環(八日町経由)」「純心学園(左入経由)」行き約10分、バス停「サイエンスドーム」下車徒歩2分。
【車】
中央自動車道八王子I.Cより八王子市街地方面へ約10分。
※無料駐車場(約90台)あり。
※夏休み期間中は混雑の可能性あり。

開館時間
【土・日・祝、春・夏・冬休み期間】
10:00~17:00
※臨時休館日を除く。
【水~金曜】
12:00~17:00 (午前中は団体専用時間)
※祝日、長期休業日を除く。

休館日
月・火曜(長期休業期間以外)
※年末年始、プラネタリウム番組入替えのための休館他臨時休館日がありますのでHPでご確認ください。
※小児コロナワクチン接種会場となる土曜日は臨時休館、金曜日は開館時間の短縮(16:00まで)となります。

入館料・プラネタリウム観覧料
【入館料+プラネタリウム観覧1回分】
子ども(4歳から中学生)200円
大人(高校生以上)650円

【入館料のみ】
子ども(4歳から中学生)100円
大人(高校生以上)200円

【プラネタリウム観覧料(1回分)】
子ども(4歳から中学生)150円
大人(高校生以上)500円

 

取材・執筆:稲垣恵美