東京都

国立科学博物館

国立科学博物館(科博)は、1877年に創立された、日本で最も歴史のある博物館の一つであり、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館です。

改めて感動する!大人も子どもも楽しい国立科学博物館に行ってみた

上野駅から徒歩5分、国立科学博物館で貴重な展示と体験展示を取材してきました!


国立科学博物館(通称:科博)は上野駅から徒歩5分に位置する、自然史・科学技術史に関する分野では唯一国立の言わずと知れた総合科学博物館です。

美術館や動物園が立ち並ぶ上野公園にある科博。関東出身の場合、学校授業の一環として子どもの頃に来たことがある人も多いかもしれません。

筆者もその経験で、科博を知った気になっていたのですが……

画像提供:国立科学博物館

時代に合わせて常に少しずつリニューアルしており、最新では2021年3月9日に新たな展示を追加したばかり!

大人になると魅力がわかる展示や、子供心を思い出して興奮してしまう展示も多く、改めて魅力的な博物館であることを思い知らされました。国立はダテじゃない……!

科博の良いところを教えてくださるのは広報担当の土屋さんと鳥谷さん。力を入れている部分や思いを聞きました。

歴史的にも貴重な こだわりの展示

国立科学博物館は日本館と地球館に分かれていますが、どちらにも貴重な展示が揃っています。

目立つものだとどういった展示がありますか?

地球間B1F『地球環境の変動と生物の進化』

年齢に関わらず恐竜の実物化石や復元骨格は人気ですね。

日本館3F北翼『日本列島の生い立ち』

ドラえもんの映画に登場するぴーすけのモデル、フタバスズキリュウの復元骨格も人気です。同じフロアには日本で初めて見つかった恐竜化石、モシリュウもあるのでぜひ探してみて下さい。

やっぱり恐竜は迫力がありますね。展示距離が近いので細かい部分まで観察したくなります。他に人気のものはありますか?

日本館2F北翼「日本人と自然」

けっこう驚かれるのが、「忠犬ハチ公」の剥製ですね。

ハチ公って、渋谷に銅像があるあの……? え、本物?

そのハチ公の実物の剥製です。

すご。

日本館美しいステンドグラス

他には、日本館の建物自体も築90年の重要文化財で見応えがあったり……

地球館B2F「地球環境の変動と生物の進化」。海中からバシロサウルス・ケトイデス等、海の生物を見上げるような迫力のある展示。

各展示室もかなりこだわって空間作りをしているので、子どもの学習だけでなく、大人の方にもじっくり楽しんで頂けると思います。

日本館3F「日本に落下した隕石とその分布」

個人的には、日本に落下した隕石はとても面白い展示だと思うのでオススメです。広大な宇宙を巡って地球の日本に辿り着いたと考えると知的好奇心を刺激されますよね。

一見ただの大きな石かと思いきや、ロマンチックな石なんですね……。大人になると、展示物の価値や細部の凄さも理解できるようになって楽しいです!

最新の研究が反映された展示

地球館1Fの大型展示「地球史ナビゲーター」。ビックバンから地球誕生、生命が進化し人間が科学文明を作り今に至る138億年分のアニメーションが壁一面に投影され来場者を出迎えます。


それにしても、久しぶりに来たらコンテンツがあれこれと変わっていて驚きました。

展示は最新の学説を反映して少しずつ更新しています。

画像提供:国立科学博物館

直近では、地球館1階の展示を2021年3月9日にリニューアルしたばかりなんです。

画像提供:国立科学博物館

マッコウクジラの半身模型付全身骨格標本は、世界初の展示物です。生物学的にも正確な資料になっていますし、迫力もあるので科博の目玉になると思います。

地球館B1F。10年くらい前のティラノサウルスなら絶対にしなかったポーズ……!

他にも2015年には、恐竜と鳥類の生態が多くの共通点を持つという研究に対応し、B1Fの恐竜の展示が変わりました。

恐竜の想像図がガラッと変わるニュースってたまにありますよね。

ちなみに、化石の研究がどのように行われているのか本当に研究者が使うCTスキャン室も見ることができるので刺激を受けるお子さんも多いんです。

え、そんな部屋ありました?

ここですね。

非常口かと思ったら、そんな大事な部屋だったんですね!!

今はお休みしていますが、『CTスキャン室トーク 』と題し研究員の解説イベントを行うこともあるので、研究の現場に興味のある方はチェックしてみて下さい。

体験が豊富だから記憶に残る

現在は一部お休みしていますが、体験展示も豊富です。

科学実験を体験できる展示も子どもの頃好きでした。

ありがとうございます。国立科学博物館では、発見や体験をその場で共有し、家に持ち帰ってもらいたいという思いで運営しています。

親子で一緒に遊びながら、科学的な知識や考える力を養うことのできる『親と子のたんけんひろば コンパス』は、特に力を入れて作った体験展示です。

画像提供:国立科学博物館

これは絶対楽しいアスレチックですね。体を動かしながらだと、勉強感も薄くて楽しい思い出になりそうです。

『コンパス』は残念ながら現在お休み中ですが、体験展示に限らず楽しく過ごす中で親子で感じた「どうしてだろう」という好奇心や発見を、科博を出てからも考えて話しあってもらえたらとても嬉しいです。

かはくVRも公開中!

ここまで館内をご覧頂きましたが、今も感染予防のために来館できないという方も多くいらっしゃいます。そこで、どうにかして皆さんにご自宅から展示を楽しんで頂きたいと思い、展示内容をVRで公開しています!

『おうちで体験!かはくVR -国立科学博物館-』のホームページより

VRゴーグルを持っている方はもちろんバーチャルな科博を楽しめますし、通常のパソコンからでも3Dビューで館内を自由に見学することができます。

かはくVRをPCから起動した際のスクリーンショット。視点をぐりぐり動かせて迫力満点です。

編集部
すごい! クオリティ高いし館内全てを見られて無料なんですか?

無料なんです。本当に常設展示のほとんど全てを公開しているので、外出できずに退屈している方にも喜んで頂けたら嬉しいです。

さすが国立、太っ腹……!

かはくVRのホームページからは当館の事業の中心である、調査研究、標本資料の収集・保管、展示・学習支援に活用させて頂くため、Web募金箱を設置しております。科博の「これから」を是非応援して頂けたら嬉しいです。

おうちで体験!かはくVR -国立科学博物館-
https://www.kahaku.go.jp/VR/

オリジナルグッズも全部買って帰りたい

ショップではオリジナルグッズを中心に様々なジャンルのおみやげを販売しています。

ハチ公のぬいぐるみやクジラのポスターなど、科博を代表する展示モチーフのグッズがたくさんあるんですよね。

この靴下かわいいですね!! オリジナルグッズの種類も豊富で見ているだけで楽しいです。

実は鉱石や化石も人気で、以前にはお金をためて100万円のティラノサウルスの化石を買って行かれた方もいらっしゃったそうです。

ひゃ、百万!? 子どもから超本格派まで、ファン層が厚い……!

特別展・企画展やイベントにも力を入れてます!

他にも国立科学博物館では、いつ来ても新しい体験ができるよう企画展にも力を入れています。

常設展も1日では見て回れない量の展示なので、何度も足を運んで楽しんで下さいね。

画像提供:国立科学博物館

今はお休みしていますが、土日祝日には研究者が直接解説をする「ディスカバリートーク」も開催しています。

科博の研究者なんて、普通に第一線の方々ですよね。お話を直接聞く機会なんてとても貴重ですけど少し緊張しませんか?

先生方も楽しんでやっていらっしゃるので、再開の際にはぜひお気軽にお越し下さい。

国立科学博物館の施設情報

国立科学博物館 公式サイト: https://www.kahaku.go.jp/

営業時間

午前9:00~午後5:00(入館は16時まで)
※現在、事前入館予約が必要です。

※現在、東京都からの要請に従い臨時休館しています。

入館料金

常設展示 一般・大学生 630円(※20名以上の団体の場合510円)
高校生(高等専門学校生含む)以下 無料

地球館B3F「自然科学系ノーベル賞受賞者」

私個人的に大人の方には、ノーベル賞受賞者の皆様の研究や業績をご紹介するエリアもオススメです。ノーベル賞を受賞した研究がいかに私達の生活を支えているのか、科学と日常の深い繋がりを知ることができて面白いと思います。

先生方の実際の人となりを知ることができたり、実際にご来館頂いた際のサインも見ることができますよ。

敷地も広く、展示の種類も多く、奥が深すぎる国立科学博物館は、来る度に新しい気付きがある場所でした。というか大人になってから来てみると、コンテンツの質の高さに驚きました。

一度も来たことがない人やお子さんにはもちろん、以前来たことがあってもう満足しているという大人の皆さんも、最新の科博で知的好奇心を刺激される時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

取材・執筆:勝山ケイ素