神奈川県

森永エンゼルミュージアムMORIUM

神奈川県横浜市鶴見区にある「森永エンゼルミュージアムMORIUM(モリウム)」と「鶴見工場」では、森永製菓の商品の歴史や特徴、それぞれに込められた作り手の想いを体感できるガイド付きツアーを実施しています。小さなお子さまや家族連れの方はもちろん、おひとり様やカップルなど、世代を問わず老若男女が楽しめる施設になっています。

森永エンゼルミュージアムMORIUM(モリウム)と鶴見工場の見学ツアーに行ってみた

2022年1月にオープンした森永エンゼルミュージアムMORIUM(モリウム)は、森永製菓が販売している商品の歴史や込められた想い、おいしさの秘密などを知れる施設です。ガイド付きで施設を案内してもらえるだけでなく、併設されている鶴見工場では、ロングセラー商品である「ハイチュウ」と「小枝」の製造工程を見学することもできます。普段何気無く口にしている森永製菓のお菓子がよりおいしく感じられる取材になりました。


 

※新型コロナ感染拡大の影響で現在は休館中です。最新の情報は下記ホームページでご確認ください。
https://www.morinaga.co.jp/factory/tsurumi/

 

2022年1月にオープンした「森永エンゼルミュージアムMORIUM(モリウム)」

MORIUMのガイド付き見学ツアーでは、

森永製菓の歴史をガイド付きで学んだり、

森永製菓のお菓子の特徴や美味しさの秘密を知れたり、

歴代の「おもちゃのカンヅメ」を見れたり、

本来はその土地にしかないご当地ハイチュウが買えたりと、森永製菓のお菓子好きには必見の展示&商品が満載。

さらに!

敷地内にある「鶴見工場」では、

小枝やハイチュウの製造工程を見学できるだけでなく、

どういった工程を経てお菓子が誕生するのかをモニターを見ながら詳しく知ることができます!

今回はそんなMORIUMの魅力について館長の中島さんにもお話を伺ってきました。

誕生のきっかけは「感謝の気持ちを共有する場所が作りたかった」

MORIUM館長の中島さん。

まずは、この施設が出来たきっかけとオープンまでの流れを教えていただけますか?


当施設は、2019年に弊社が120周年を迎えたことをきっかけに「お客様への感謝の気持ちを商品以外にも共有していきたい」という想いから誕生しました。MORIUMという名前には、MOROINAGAの「MORI」とラテン語の「ARIUMU(〜の場所)」、そしてUM(生む)という想いが込められています。

120周年……!

ちなみに施設内の壁が真っ白なのは「これからの森永製菓を、お客様と一緒に色づけしていきたい」という意味があるんです。

名称だけではなく、施設の内装にまでメッセージが込められているんですね。MORIUMはどのような楽しみ方をすればいいのでしょうか?

まずはMORIUMと鶴見工場のガイド付き見学ツアー(完全事前予約制)に参加していただきます。その後、ショップでお買い物を楽しんだり、展示物をじっくり見学したり、各々の楽しみ方をしていただくようになります。それでは、一旦ガイドの方にバトンタッチしますね。

ガイドの方。練習で習得できるレベルを遥かに超越したアテンドスキルでした。

よろしくお願いいたします!

森永エンゼルミュージアムMORIUM(モリウム)

まずは、こちらのスクリーンで森永製菓の歴史やお菓子の製造工程の映像をご覧ください。

提供写真

「ハイチュウはミルクキャラメルの製法が使われている」「1年間で販売されるチョコモナカを並べると地球一周分になる」などおもしろ小ネタが満載でしたね。

森永製菓のことを少しでも身近に感じていただけると嬉しいです!ここからは、展示品についてご案内していきます。

創業者は日本に西洋菓子の文化を広めた第一人者とのこと。

こうして数々の展示品を見ていると、100年以上ほぼデザインの変わらないミルクキャラメルのパッケージが際立っていますね。

見覚えのあるパッケージ。

実はこのエンゼルマーク、西洋菓子が珍しかった創業当初に他社から相次いで類似品が販売されたため、「本物の証」とした考案されたんです。

エンゼルマークが神々しく見えてきました!森永製菓といえばやはりお菓子のイメージが強いんですが、ちょっと気になる展示品が……。

マッシュポテトですね。あまり知られていませんが、森永製菓はお菓子以外の食品事業にも進出していた歴史があるんです。

森永製菓からポテト!これは目から鱗。

他に変わり種でいうと、薬(ペニシリン)を製造していた時期もあります。

「日本初」の文字にさらに驚き。

守備範囲の広さよ……!紆余曲折を経て今があるんですね。

ジャニーズの「なにわ男子」が出演するハイチュウのポスターも発見!

もはや遺跡の域に達していそうなマシュマロ缶。

ここからは人気商品ごとの特徴や美味しさの秘密について順番にご案内していきますね。

よろしくお願いします!

よく見えると、オブジェがそれぞれのお菓子の形になっています。

in ゼリーは体に吸収されやすいように加工しているらしいです。ふむふむ。

ガイドさんの説明に加えて映像があるので、めちゃくちゃわかりやすい……!

ありがとうございます!気になることがあれば、なんでも聞いてください!

 

ここから先も人気商品ごとの特設コーナーが続き……、

ハイチュウコーナーはいちご大福などの変わり種も勢揃い。これまで累計で500種類以上(!)販売されているとのこと。

あの独特の食感と美味しさの秘密は「砂糖の結晶の大きさ」にあるらしい。

コーヒーと同じように、カカオも産地によって風味が異なるとのこと。

アイス(氷菓)コーナーではアイスボックスができるまでの工程を完全に理解。

チョコモナカジャンボコーナーでは特大模型を取り外して説明。

コーナーごとに映像があるため、知識がスッと入ってきます。

ビスケット「MARIE」の模様はマリーアントワネットの家紋を参考にしているという新事実。

今まで何気なく食べていた森永製菓のお菓子たちが、より美味しくいただけそうな気がしてきました!

それはよかったです(笑)。展示コーナーの最後は、歴代の「おもちゃのカンヅメ」をご覧ください。

多種多様なキョロちゃん。よく見ると色だけでなくフォルムや目線も若干違う。

今から55年前の古のカンヅメ。

おもちゃのカンヅメの現物を初めて見ました!おもちゃのカンヅメって都市伝説かと思うくらい当たった人を見たことがないんですが、どれくらいの数が当たっているですか?

毎月1万個は発送されていますよ。

世界は広かった。ちなみに中には何が入っているんでしょうか?

わからないんです……。というよりも、おもちゃのカンヅメの中身は社長でさえ知ることができません

!!!

中身については、社内の担当者1名しか知らないトップ・オブ・トップシークレットなんです。

コカ・コーラやケンタッキーのレシピみたい。ただ、社長さんですら知らない秘密だから当たったときが楽しみですね。

そうなんです!展示コーナーの見学が終わったら、ショップの方もぜひお立ち寄りください。本来はその土地でしか買えないご当地お菓子もありますよ

ご当地ハイチュウシリーズ。揃えたくなる気持ちが……!

今日1日だけで森永製菓のお菓子への愛着がとてつもなく湧いてきました……!

それでは、もっと愛着が湧くよう、次は実際の製造工程を見学しに行きましょう。

うおおお!!

鶴見工場

これから向かう「鶴見工場」では、ハイチュウミニや小枝の製造工程をご覧いただけます。

ワクワクします!ちょっと道中気になったんですが、あのタンクは一体……?

チョコタンクです。

チョコタンク?

タンク1本当たり18トンのチョコが詰まっており、小枝に換算すると1日1箱を食べても中身が無くなるまでに1200年かかります。

悠久のチョコタンク。

道中にあった創業者の銅像。

そうこうしている間に鶴見工場に到着!

小枝エリアでは「充填」から「ケース詰め」までの工程をご覧いただけます。

小枝、充填!

整然としたフロア。

小さく見えるピンク色の箱が小枝。

モニターでは小枝の製造工程を丁寧に解説していました。

チョコレート色で統一された小枝フロア。

製造工程も面白いですが、小枝の甘い香りで食欲が刺激されます……!

いい香りですよね。ただ、ハイチュウフロアはもっと甘い香りがしてきますよ!

一体どうなってしまうんだ。

ハイチュウフロアでは「混ぜる」から「丸める」までなどの工程を見学可能。

ただ、今は時間帯の関係でちょうど稼働していないようなのでモニターの映像でご覧ください……!

ある意味レア。

ぱっと見では何かわからない「大きな塊」からすべては始まります。

熱々のハイチュウが冷やされ、伸ばされ……。

丸まってハイチュウミニに。

ハイチュウ色のフロア。

これにて見学ツアーは終了となります!

早くお菓子が食べたくて堪りません。

ツアーの最後にはMORIUMのお土産がもらえます。お菓子欲が満たされる!

MORIUM館長に聞く!「老若男女が楽しめる施設」として

今日は森永製菓について一気に詳しくなっただけでなく、歴代のおもちゃのカンヅメなど見たことがなかった展示物を見られて楽しかったです!こうした見学ツアーはいつ頃からされているのでしょうか?

MORIUMは今年オープンしたばかりですが、鶴見工場は1925年に建設された翌年から小学校の見学を受け入れています

えっ!100年近く前からされていたんですか!

そうなんです。鶴見工場にはこれまでも毎年約5万人来場いただいてますし、小学校の社会科見学スポットとしても人気なんです。MORIUM開業にあたって特に映像にこだわったのも、「子どもたちにわかるようにしたい」という想いからです。

たしかに、ほぼすべてのコーナーで動画解説がありましたね。

また、施設には小学校の社会科見学であれば同時に3クラス入れるキャパがあります。今はコロナの影響でどこの小学校も課外活動が少なくなり、「卒業アルバムの写真がない」といったお声も多く聞こえてくる状況です。そうした子どもたちの「思い出づくりの場所」としても活用していただけるかと思います。

社会科見学で使用される教室(?)のような部屋。

今後はこうしたスペースも活用していきたいとのこと。

たしかに、もし自分が小学生だとしたら、こうしたお菓子工場の見学はとても嬉しかったと思います!

それは良かったです。ただ「じゃあ子どもだけしか楽しめないのか」というと、そうではなく、大人もしっかり楽しめる工夫をしています。特に常設展示のコーナーは力を入れており、ここまで多くの商品をキッチリ管理、保存しながら展示している場所は珍しいと思いますよ。

100年以上の歴史があるからこそ、どの年代であっても「このお菓子懐かしい」といった風に思い出話で盛り上がれそうですね。

そうなんです。大体好きなお菓子でその人の年齢がわかるので、スタッフ同士で回ったときに「そんなに若かったの?」と驚くこともありました(笑)

取扱注意だった。

他にも、「お菓子ごとに合うお酒」を紹介した大人向けコーナーもありますし、実際に友達グループ、カップル、おひとり様など、大人だけで来館されるお客さまも多数いらっしゃいます

「利用者はほとんど子どもや家族連れなのかな」と想像していたので、そう聞くと利用するハードルがグッと下がりました!

ぜひぜひ!ただ、以前は幼稚園や保育園の子どもも受け入れていたんですが、安全性を確保する目的で今は小学生以上しか利用できません。その点はあらかじめご了承ください。

あまりに小さいと、展示品の面白さを理解するのも難しそうですよね。

安全面の話でいうと、コロナ対策として現在は人数制限をしつつ総入れ替え制を導入し、予約時間の合間ごとにすべての箇所の消毒しています。展示物は触らないようにお願いしていますが、どうしてもお子さんは手が出てしまうので。

歓談スペースもあります。

チョコモナカウルトラジャンボ。

そうした話を聞くと、安心して利用できますね。最後に何かメッセージがあればお願いします。

MORIUMはまだオープンしたばかりで、プログラムをはじめとした運営方法は日々改善している最中です。来られた際は、ぜひお気軽にスタッフへ話しかけ、ご意見やご感想を聞かせていただけると非常に嬉しいです!そうした意見交換を通し、お客さまと一緒にMORIUMをよりよい場所にしていければと思っています。

「森永エンゼルミュージアムMORIUM・鶴見工場」施設詳細

【公式サイト兼予約サイト】
https://www.morinaga.co.jp/factory/tsurumi/

【所在地】
〒230-0012
神奈川県横浜市鶴見区下末吉2丁目1-1
森永製菓株式会社 鶴見工場

【問い合わせ先】
0120-560-162(電話でのご予約は承っておりません)

【見学日・見学時間・利用料金等】
・見学日
…平日(土・日・祝日、年末年始、工場指定定休日を除く)
・見学開始時間…9:30~/11:00~/13:30~
・利用料金…無料(完全事前予約制)
・対象者…小学生以上(保護者同伴の場合も未就学児のご入場はご遠慮ください)
・その他…学校予約 受付人数は各回1学級(1日3学級まで)

【アクセス】
鶴見駅から鶴見工場までは、バスでのご来場をお願いします。
JR京浜東北線「鶴見駅」東口又は京浜急行「京急鶴見駅」 西口を出て、バス乗り場1番、2番から乗車し、「森永工場前」※で下車ください。

※「森永工場前」は「鶴見駅」停留所から4つ目、所要時間約10分です。

見学のお客様専用入り口は工場正門を正面に見て右手にあります。バス停で下車後、横断歩道を渡り、工場を正面にして右折し、塀沿いにお進みください。

・バス乗り場 1番
横浜市営バス:13系統「綱島駅」行き、「一の瀬」行き、「新横浜」行き、臨港バス:11系統「江ヶ崎」行き

・バス乗り場 2番
横浜市営バス:29系統「横浜駅東口」行き、155系統「東部病院」行き ※16系統は乗車しないでください

・徒歩の場合
所要時間約20分。

 

取材・執筆:マッサー