北海道

狸COMICHI

狸小路の歴史と北海道観光の魅力を発信する新たなスポットが札幌・狸小路に誕生!食を通して地域を発信し、地域と繋がる拠点になる大注目のスポットです。

狸小路の新定番スポット狸COMICHIで食い倒れてきた!

2022年8月にオープンした「狸COMICHI」。施設をプロデュースした街制作室株式会社の手塚さんにコンセプトを伺い、北海道グルメにまみれ、食い倒れてきました。


破壊力抜群の美しき海鮮丼。あなたはこの艶やかさに抗うことができるでしょうか?

クラフトスパイス香る魅惑のスープカレー。あなたは人を惹きつけてやまないこの芳しい香りに抗うことができるでしょうか?

炭火でワイルドに炙った豪快な豚丼。……そうです、人類は北海道の食の魅力には、絶対に抗うことはできないのです!

そんな衝撃的な北海道グルメが集まった狸COMICHIがあるのは、狸小路発祥の場所と言われる狸小路2丁目。札幌市内にあり、明治6年から現存する狸小路商店街は、北海道の開拓とともに発展を遂げてきたといいます。

かつては狸小路5丁目にあった狸神社も狸COMICHIに移設。食べる前に参拝して、いざ北海道グルメを満喫します!

狸COMICHIで北海道グルメ食い倒れ

どれも魅力的な北海道グルメの中から7店舗を実食してきました。

麺荘しらかば【札幌ラーメン】

札幌ラーメン定番の名店「しらかば」の新たな形態「麺荘しらかば」。札幌ラーメンの枠にとらわれない多様なメニューが並びます。どれも魅力的に映るので、この中から「これ!」と思う一品を選択するのは至難の技です。

オーソドックスなラーメンも気になりつつ、タンメンやワンタンなどの魅惑ワードにも後ろ髪を引かれながら、強い意志をもって選び抜いたのは「肉麺(味噌)」。

こってりとした背脂の浮かぶ味噌ベースのスープに、大小様々なお肉が乱舞。濃厚でボリュームたっぷりで旨い!

そして「しらかば」の定番、フリーゆで卵のサービスも嬉しい心遣い。全席に茹で卵が盛ってあるので、ラーメンとあわせてどうぞ。

シハチ鮮魚店【海鮮丼】

ラーメンに続いて向かったのは「シハチ鮮魚店」。チラッと目に入ったボリュームたっぷりの海鮮丼に少し恐れを抱きながらも「お刺身なら無限に食べられるはず。何故ならお刺身だから」と意を決して入店。

ここは迷わず「生サーモンホタテイクラ丼」という大好物が乗った海鮮丼をチョイスします。この“映力(ばえりょく)”を前にして、人類は正気を保つだけで精一杯。

あまりの衝撃に語彙が消失し、「ホタテ、プリプリ?プリップリ?」「サーモン!サーモン!」「イクラ、ヤバイ。マジでイクラ過ぎる……」などと口走るのが限界だったのですが、周囲を見渡して見るとみんなそんな感じで微笑しい。

メニューはどれも衝撃の豪華さなので、北海道旅行の想い出にどうぞ。

通常盛りでも凄まじいのに「追いイクラ」「追いウニ」でさらにパワーアップできることに加え、「追いボタンエビ」「追いズワイガニ」というもはや「追い」というワードが適切なのかどうか判断不能な課金オプションも、常軌を逸していて最高です。

やきとり富士山【室蘭やきとり】

北海道らしい肉グルメでは「花尻ジンギスカン」と「やきとり富士山」の二択で悩んだ末、札幌ではなかなか食べる機会のなかった室蘭やきとりを食べに富士山へ。

「やきとり……といいつつ実は豚肉」という、何度説明を聞いてもわからなくて最高な北海道特有の食文化に、室蘭やきとりはカラシをつけて食べるという要素もローカライズされています。

やきとり富士山のおすすめ三大名物は「ヤキトン」「シロ(直腸)」「鳥レバー」というラインナップ。

とろけるような食感がクセになる「鳥レバー」、ただただシンプルにおいしい「やきとん」、噛めば噛むほどに旨い「シロ」。濃いめのタレにカラシが絶妙に合って手が止まりません。

十字屋珈琲店【コーヒー&函館アイス】

狸COMICHIのテナントには、お食事だけではなくカフェもあるのが嬉しいところ。

十字屋珈琲店は昭和な7年創業の歴史ある函館のコーヒーショップ。函館らしいスマートさと仄かなレトロ感が魅力的で、バニラの香りが優しく香るアイスクリームはシンプルで最高においしいです!

北堂【蝦夷前そば&豚丼】

そばと豚丼が名物の「北堂」。サラッとそばを啜りたいという欲望と、がっつり肉系の丼飯が食べたいという相反する欲望が衝突した時でも、そのどちらも満たしてくれるのが北堂の魅力です。

まずはセットの豚丼から。目の前で炭火で焼く様子は、食欲に作用する五感全てに訴えかけてきます。旨すぎる……これは間違いない。

そしてメインの蝦夷前そば。江戸前ならぬ蝦夷前のそばは、その名が示す通り北海道産そば粉にこだわっていて風味豊か。山わさびの香りで食欲が増進し、ツルッと爽やかで最高です。

おたる亭弥助【小樽寿司】

北海道観光でやりたいことの定番に間違いなく入ってくるであろう「小樽でおいしいお寿司を食べる」。でもなかなか小樽まで足を伸ばすことができない旅程の場合もあるでしょうし、お財布事情もあって勇気が必要だったりしますよね。

そんな時に心強いのが「小樽亭弥助」です。狸COMICHIにあるおかげでアクセスしやすいことに加え、ランチタイムには嬉しい価格設定のセットも最高です。

ランチセット1,300円でこのラインナップなのが驚嘆!どれを食べても北海道の海鮮力(かいせんりょく)がほとばしってとどまるところを知りません。

ちなみにこのお寿司、全て味が付けてあるタイプなので自分でお醤油をつける必要なし。寿司を口に運ぶ箸が止まらず、食べ始めて一瞬で食べ終わってしまうほどのおいしさ。通常でこの水準なので、上や特上はどれだけ素晴らしいのでしょうか?

天使のわたゆき【スープカレー】

「天使のわたゆき」は、札幌グルメの定番であるスープカレーとパンケーキが楽しめるお店。

あまり辛さに耐性のない私ですが、鼻腔をくすぐるスパイスの魅力には勝てません。クラフトスパイスというワードに心惹かれ、スープカレーにチャレンジ。

注文時「当店のカレーはかなり辛い方ですが大丈夫ですか?」との確認が。できれば最後までおいしくいただきたいので「できれば辛さ抑え目で」とオーダーします。

北海道らしい色鮮やかな野菜、ホロホロと崩れるチキンがかなりおいしい!だけどやっぱりかなり辛い!一瞬で汗が止まらない状態になります。

辛さ耐性に一抹の不安がある方は、少し辛さ抑え目でオーダーし、追いスパイスで調整しながら食べてもいいかもしれません。

全店で提供している狸COMICHI共通ドリンク「コーン茶」は、トウモロコシの芳ばしさ香る北海道らしいドリンク。なんだかホッと一息つく安堵感を感じさせてくれる癒やしの一杯でした。

狸小路商店街の新定番「狸COMICHI」のコンセプト

北海道グルメが一同に集結した新スポット「狸COMICHI」をプロデュースしている、街制作室株式会社の手塚さんにお話をお聞きしました。


すごくお客さんで賑わっていました!一見して洗練された雰囲気なのに、いざ中に入ってみると活気ある繁華街のような感じが素敵です。狸COMICHIは、どんなコンセプトなのですか?


「北海道食文化発信横丁」、そして「北海道の食べ歩き市場」をコンセプトに掲げています。


横丁!市場!確かにこの活気のある感じは、まさにそれを体現しているように思います。


狸COMICHIに入っているテナントは全部で20店舗ありますが、札幌だけでなく北海道全体の食文化を体験できる名店に入っていただいています。


ジンギスカン、札幌ラーメン、クラフトビール、豚丼などどれも魅力的で、横丁を歩いていても目移りしてしまいました。そして全てのお店にカウンターがあって人との距離が近く、店員さんもみんなフレンドリーで「横丁」というコンセプトがすごく素敵でした。


体感いただけたようで嬉しいです。お店の中もそうですが、それぞれのお店との距離も近いので、ハシゴして食べ歩き・飲み歩きもぜひ楽しんでほしいですね。


1店舗だけで済ませる方は恐らくほとんどいないのでは?「あれも食べたいこれも食べたい」ってなります。通路と座席の境界もほとんどないので、私のように気がついたら吸い込まれるように入店してしまいますよ、絶対。


さらに、この狸COMICHIは観光客だけでなく札幌市民も集うような場所にしたいと考えていて、札幌の、そして狸小路のサードプレイスにしていきたいと思っています。


旅行先で人に出会い、それによって想い出が強く残る旅って最高ですもんね。北海道の方々の温かい人情を感じられる新たなスポットとして楽しみです。

北海道観光の定番である狸小路。北海道開拓とともに発展を遂げ、そして今でも進化し続けていることを、狸COMICHIのオープンが実感させてくれました。

観光客も地域の方も関係なく人と人が混じり合い、新たな魅力を生み出していく狸COMICHI。最高においしい北海道グルメと、最高に温かい人との出会いを演出してくれる新たな拠点です。

狸COMICHI 施設情報・アクセス

公式サイト
https://tanukicomichi.com/

所在地
〒060-0062 北海道札幌市中央区南2条西2丁目5

アクセス
札幌市営地下鉄南北線・東西線・東豊線「大通」下車、徒歩6分
札幌市営地下鉄南北線「すすきの」下車、徒歩6分
札幌市電「狸小路」下車、徒歩4 分

 

取材・撮影・執筆:旅路編集工房 池田 優