長崎県

九十九島水族館海きらら

九十九島水族館海きららは西海国立公園九十九島に生息する生きものを紹介する水族館です。魚類やイルカ、クラゲなど約370種(16,000個体)を展示。国内最大級のクラゲ展示コーナーや、全国でも珍しい屋外型大水槽などがあります。

リアス海岸の群島、九十九島の地域に密着した水族館「海きらら」に行ってみた

海きららは九十九島の豊かな海をそのまま再現した地域密着の水族館でした


佐世保駅から車で約10分。

 

九十九島水族館海きららは海辺のリゾートにある地域密着型の水族館です。

イルカのキャッチボールを観たり、

写真提供:九十九島水族館海きらら

クラゲの美しい展示を鑑賞したり、

国内でも珍しい屋外型の九十九島湾大水槽で、約120種13,000匹もの生きものを鑑賞することもできるんです!

そんな九十九島水族館海きららの魅力を、担当の鶴田さんに教えてもらいました。

海きららのイルカのプログラムはキャッチボールが見どころ!

まずはこちらのイルカのプログラムをご覧ください。

海きららのイルカは何頭いるんですか?

写真提供:九十九島水族館海きらら

当館には雄のアイルと、雌のナミとニーハの3頭がいます。アイルはニーハの子どもなんですよ。

みんなとても愛らしいですね。そんな3頭が活躍するイルカのプログラムの見どころをぜひ教えて下さい!

海きららのイルカのプログラムは、なんといっても大迫力のキャッチボールが見どころです。

日本ではここでしか見られないイルカ同士のジャンピングキャッチボールが見られるんです。

ほらっ、いま始まりましたよ!

海きらら名物「イルカ同士のジャンピングキャッチボール」

おおー!思ったより剛速球で、信じられないほど正確なジャンピングキャッチ!

イルカの気分次第でボールを投げないときもありますが、最近はほぼ成功していますよ。

気が乗らないイルカもそれはそれで可愛いですね・・・!

海草のアマモが生い茂る「アマモ場」、背の高い海藻が生い茂る「ガラモ場」

アマモ場

鶴田さん、この「アマモ場」とは一体何でしょう?

海岸線が複雑に入り組んだ九十九島には、波静かな入り江がたくさんあります。

そこには多くの生きものを育む自然の砂浜が形成されていて、砂浜には、海草のアマモが生い茂る「アマモ場」があるんです。

アマモ場は様々な生きものたちの産卵・成育の場所になっています。

なるほど、海草の名前なんですね!

また、この水槽では九十九島湾で確認されている魚だけを紹介しています。

おいしそう・・・。

こちらは先程のアマモ場と似た名前の、「ガラモ場」です。

こんがらがりそうなくらい似ていますね。「アマモ場」には海草のアマモが生い茂るので、「ガラモ場」にはガラモが生えているのでしょうか?

だいたい正解です。沖合いに面した九十九島の岩場は、多様な褐藻類のホンダワラの仲間から構成される藻場「ガラモ場」なんです。
背の高い海藻が生い茂るガラモ場は小さなエビの仲間がすみついたり、小魚たちの格好の住処になり、豊かな海のみなもとになっています。ガラモ場は、九十九島のいたるところで見ることができるんですよ。

すごい大きなエイもいますね!

このエイは近海の漁師さんから貰ってきたものです。よく見てみるとエイの尻尾がなかったりするのですが、それは漁師さんが毒針をもつエイのしっぽを切ってるからなんです。

たしかに、尾の先がないですね。

ちなみに敷いてある砂も九十九島のもので、この大きさの水槽で砂が入ってるのは珍しいんですよ。

それは知る人ぞ知る見どころのひとつですね!

大迫力の九十九島湾大水槽

これはまた壮大な水槽ですね。

アマモ場やガラモ場も含め、当館の大水槽は国内でも珍しい屋外型です。なのでご覧のとおり水槽の中に陽の光が差し込んでおり、九十九島湾の海中を再現しています。

もはやダイバーの目に映る光景そのものですね。

九十九島湾の沖合いは対馬暖流の支流が流れ込んでおり、国内でも有数の豊かな海なんです。回遊性の魚やサメ類、エイ類など魚種も豊富なので、当館の九十九島湾大水槽には約120種13,000匹もの生きものたちが展示されています。

九十九島の海にいる生きものだけで水族館が完結するほど豊富なんですね・・・!

下からも見える!イルカのプール

これはさっきジャンピングキャッチボールをしていたイルカですね。

はい、ご覧いただいたイルカのプログラムのプールの深部は水槽になっていて、下層階からイルカをみることができます。

プログラムの時間外もボールで遊んでるんですね、いつまでもボールを離さなくて可愛い・・・。

プログラムの時間以外もボールやスタッフ手作りのおもちゃを使って遊んでいますよ。

やはりプロのバッテリーは違いますねえ。

幻想的なクラゲシンフォニードーム

こちらのクラゲシンフォニードームは、九十九島周辺で確認されている100種類を超えるクラゲを、随時入れ替えて展示している西日本最大級のクラゲ展示コーナーです。

クラゲもまた種類豊富ですね。そして、このシャンパンタワーみたいなものは一体?

いまはクリスマスシーズンということで、クラゲのグラスツリーを期間限定で展示しています。よく見ると中央の柱にクラゲがいるんです。

たしかに、すっごく小さくて可愛らしいクラゲがいますね・・・!

他にも個性豊かなクラゲがたくさんいますよ。

ライトアップされたクラゲって美術品のように美しいですね。

見るぶんには美しいのですが、実際は多くのクラゲが毒をもっているのでおっかないところもあります。

よく見たら水槽の隣に全部「毒レベル」が書いてありますね・・・。

どれも海で出会ったら思わず触れてしまいそうです。

この「ハナガサクラゲ」もカラフルな見た目で思わず触りたくなるのですが、実はとても強い毒をもつクラゲです。

でしょうね。「毒持ってますよー!」というメッセージが見た目からひしひしと伝わってきます。

クラゲ研究室

ここは一体なんですか?ワークショップを行う場所かなにかでしょうか?

ここはクラゲの研究室です。研究員が日々「九十九島にはどのようなクラゲがいるのか、どんなくらしをしているのか」その謎を解き明かすため、調査・研究・繁殖などに取り組んでいます。展示しているクラゲは、海で採集したりこの研究室で生まれ育ったクラゲたちなんです。

なるほど、研究室と言えば閉鎖的なイメージがありますが、来館者も研究室の様子を覗けるオープンな設計なんですね。

しかし鶴田さん、「禁断の実験室オーラ」がすごいです。

みなさん研究室を目にする機会は少ないので、けっこう見た目は怪しいですがどこも研究室はこのような雰囲気ですよ(笑)

数多くのクラゲの中でも、当館の研究室で繁殖が成功した大変珍しいクラゲがいます。

このホシヤスジクラゲ日本で見れるのは今は海きららだけで、当館がSNSの投票で行う第1回クラゲ総選挙では、ホシヤスジクラゲが842票で初当選するなど、とても人気なんです。

ホシヤスジさんが発見者なんですか?

実は、発見者はやまさきさんなんです。

ホシヤスジクラゲなのにホシヤスジさん関係ないんですか!?

よく聞かれるのですが、8本の放射管と、星のように鮮やかな8個の黄色い生殖腺を持つのが特徴で、それが名前の由来となっています。

なるほど。そもそもなんですけど、九十九島にクラゲの種類が多い理由ってどのような環境が要因となっているのでしょう?

九十九島周辺は、波静かな入り江が多く、沖合いからは対馬暖流の一部が流れ込んできています。このような環境は国内でもめずらしく、多くのクラゲたちを見ることができます。

中にはホシヤスジクラゲのような大変珍しいクラゲも数種見つかっています。この海域では、1年中クラゲが確認できますが、特に春から夏にかけて多くのクラゲが発生します。

特徴として、大きさが数ミリ程度の小型クラゲが非常に多いことですね。

クラゲファンにはたまらない環境ですね!

海きららは近隣も楽しい!

水族館の外も賑わってますね!

アイスクリームやハンバーガーの販売店もあります。このあたりは牡蠣の養殖が盛んなので、ぜひ牡蠣も食べてみてください。

このあたりは真珠の養殖も盛んと聞きました。日本の真珠の養殖場はほとんど閉まったと聞いたことがありますがこのあたりは影響ないのでしょうか?

九十九島はその漢字のとおり島が多く、島から栄養分が流れ出すので植物性プランクトンが豊富に育ち、その植物性プランクトンをエサとする貝類の養殖にも優れた環境なんです。

なるほど!九十九島の自然環境は生息する生物の豊かさからわたしたちの食卓まで幅広く影響しているんですね

海きららは九十九島の豊かな海をそのまま再現した地域密着の水族館でした

屋外型の大水槽は光の差し込みがとても美しく、水族館の無骨さを感じさせない自然の再現性がありました。

九十九島という独特な環境による豊富な種類の生きものたちを鑑賞することもでき、水族館巡りでは外すことのできないスポットです。

イルカのジャンピングキャッチボールや希少なクラゲなど、海きららならではの見どころも満載なので、長崎旅行のプランに含めて損はありません。

海きららでは季節の特別展や、SNSで行う投票イベントなど様々なイベントも開催していますので、ぜひ最新のイベント情報をチェックしてみてください。

九十九島水族館海きららの施設情報

営業時間

・3月〜10月:9:00〜18:00(最終入館17:30)

・11月〜2月:9:00〜17:00(最終入館16:30)

 

休館日

なし(年中無休)

 

入館料

大人
(高校生以上)
小人
(4歳〜中学生)
シルバー
(70歳以上)
個人
(団体15名様〜)
1,470円
(1,250円)
730円
(630円)
1,250円
佐世保市民 1,040円 530円
年間パスポート 3,150円 1,570円

※3歳以下は無料です

※団体料金は15名様以上でご利用いただけます

※70歳以上のお客様は身分証のご提示でシルバー割引料金を適用いたします

※佐世保市民のお客様は現住所がわかる身分証(免許証等)のご提示で割引料金を適用いたします

 

アクセス:長崎県佐世保市鹿子前町1008

・車

佐世保中央ICより約7分

「西九州自動車道佐世保中央IC」出口の信号を右折→平瀬町交差点(米軍基地入口)を右折→SSKバイパスを直進→バス停「第4ドック前」通過後、はじめの信号を右斜め下→トンネルを抜けて信号左

 

・バス

佐世保駅前→[パールシーリゾート・九十九島水族館行き25分]→パールシーリゾート・九十九島水族館

取材・執筆:KOH