冬至である2022年12月22日。

天然温泉満天の湯で、ひとつの浴槽に投入したゆずの個数が4507個を記録し、ギネス世界記録「最大のゆず湯(Largest yuzu bath)」に認定されました!

1週間で134名の方から約1,340kg(約22,300個相当)のゆずが集まり、盛況となったこのイベント。実施の背景や当日の様子をレポートいたします!

「お風呂で使ってほしい」利用者の声から始まった『みんなで作るゆず湯』

日本では、昔から冬至の日にゆず湯に入ると「風邪をひかずに冬を越せる」と言われています。

もともと満天の湯周辺では、ゆずの木を持つ方が多かったことから、「ぜひお風呂で使ってほしい」という申し出があったそう。そこで、『みんなでつくるゆず湯』と銘打って、10年前からゆずを“ゆずってもらう”イベントを開催してきました。

店舗フロントへゆずを持ち込むと、提供特典としてゆず2kgごとに入浴招待券が1枚もらえる、というみんなに嬉しいルールのもと、口コミも相まって毎年多くのゆずが集まるように。

開始当時は100kgほどのゆずが集まっていましたが、年々ゆずの数は右肩上がりに増えていき、ここ2〜3年では1000kgを超える年もあったそう。

現在では全国の温浴施設で行われているこの「ゆずを募る」企画は、実は満天の湯発祥なんです…!

そうして今年で10年目を迎えた『第10回みんなでつくるゆず湯』。10回目の開催を記念し、ギネス世界記録™「最大のゆず湯/Largest yuzu bath」に挑戦しました!

なぜ、ギネスに挑戦しようとしたのか?

そもそも、なぜ「ゆず湯」でギネス世界記録™に挑戦しようとしたのか。

常務取締役の久下沼さんにお話を伺いました。


「やろう!」と決めたのは2021年の夏ごろです。暗いニュースが多いなか、「元気になるお風呂屋さん」をコンセプトとしている満天の湯から元気を広げていきたい、と思ったのがきっかけです。

これまで『みんなでつくるゆず湯』を通じて、たくさんの地域の皆さんとの関わりが生まれました。自分の持ってきたゆずがお風呂に浮かんでいる様子を眺めたり、ゆず湯をきっかけに会話が生まれたり、新しい人と繋がったり。

『みんなでつくるゆず湯』のイベント名のとおり、このゆず湯は地域の皆さんと一緒に作り上げたものです。そんなゆず湯で、世界記録を作ることに大きな意味があると思いました。

ギネス認定されるってすごく大変だと思うのですが、いかがでしたか?


ご提供いただいたゆずに対して厳格な審査が必要だったので、事前にゆず生産農家にゆずの確認をして頂き、当日は開店前に公式認定員による確認作業がありました。

ほかにも、ギネス認定は「ひとつの浴槽に投入したゆずの個数」を基準としていたのですが、下記のルールがありました。

  • 特定の品種であること
  • ゆずが水面に浮いていること
  • 挑戦終了後すべて再利用されること

特にゆずの再利用に関しては、計画書の事前承認も必要だったんですよ。

き、厳しい……!


だからこそ、こうして皆さんにご協力いただいて無事に認定を受けられたことが本当に嬉しいです。

今回は地域の方々だけではなく、県内の松田町や道志村からもゆずを譲っていただいたことで、本当にたくさんのゆずが集まりました。これは「一人ひとりの善意の集結」なんですよね。

皆さまがゆず湯に浸かり、楽しんでいただけたら幸いです。無病息災を願っております!

実際に「ゆず湯」に浸かってみた

実際に筆者もゆず湯に入ってみたのですが、「これでもか!」というほど大量のゆずが浴槽を満たしており、全身ゆずの芳醇な香りに包まれて至福のひとときを送りました。

手にとって香りを嗅いでみたり、形を比べてみたり、皆さん思い思いにゆず湯を堪能されている様子でした。

そもそもが温泉であるところにゆずが投入されたことで、よりお肌がスベスベになった気がする……。

身体を洗ってからゆず湯を堪能したのち、サウナを3セット決めて、最後もゆず湯で〆る、というとても贅沢な体験をさせていただきました。

使用されたゆずは、アロマオイルや手拭い染めで再利用!

そんな『みんなでつくるゆず湯』では、今回からゆず湯で使用されたゆずを、SDGsの取り組みの一環として、再利用しています。

天日干ししたあとに皮を剥いて蒸留し、ゆずのアロマオイルとゆずの精製液を抽出。アロマオイルは期間限定でサウナの「ゆずロウリュ」にて使用され、精製液は手拭い染めのワークショップで使われるとのことです。

搾りかすは細かく粉砕をして土に混ぜ、植栽の肥料として再利用。余すことなくゆずを使い切ります!

また、お食事処「山水草木」では、12月22日限定でゆずの香のおうどん」を販売。

甘酸っぱいゆずとやさしいお出汁がマッチして、何とも食欲をそそる一品。うどん鉢に顔を近づけるたびに、ゆずの香りが鼻を抜けていく! やわらかく煮込まれてクタクタになったゆずは皮までペロリでした。

今年は見逃してしまった! という方、2023年の開催時にはぜひ、訪れてみてください。

満天の湯に行ってきた!思いやりと魅力に溢れた大衆温泉

「天然温泉 満天の湯」施設概要

施設名:天然温泉 満天の湯
住所:神奈川県横浜市保土ケ谷区上星川3丁目1-1
営業時間:6:00~25:00(最終受付 24:30)
電話番号:045-370-4126
入浴料:大人(中学生以上)950 円・小学生 350 円・未就学児 250 円 ※平日一般料金
公式サイト:https://mantennoyu.com/2022/12/01/3154/

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