ご当地サウナ委員会のタカヤマ(@takayamasauna)です。突然ですが、皆さんは「アヴァント」という存在をご存知ですか?北欧圏では凍った湖に穴を開け、サウナ後は極寒水風呂に入水する文化があります。

この、海外ならではの「アヴァント」体験・・・

実はなんと、日本で体験できてしまうんです!!!

北欧のアヴァント文化を日本で体験できるとは・・・、実に良い時代になりました。サウナ好きであえれば一度は経験しておきたい刺激的な体験、こちらの記事で詳しくレポートしていきます。

噂のアヴァントは冬の北海道にあり

北海道の玄関口「新千歳空港」からレンタカーで2時間。アヴァントが体験できるのは十勝エリアで、年間通して豪雪にならないのがこちらの特徴!車の運転に不慣れな方でも比較的容易に訪れることができます。

白のコントラストが美しい、北海道らしい原風景。サウナ好きなら反応してしまいそうな「ヴィヒタ」になる白樺が沢山生えています。北の大地ならではの、自然の豊かさを感じずにはいられません。

道中立ち寄ったのは、湖まるごと凍結した十勝の名勝地。凍った湖の上を歩くことさえ、人生で一度あるかどうか。こうした体験が容易にできてしまうのも、北海道の面白いところなんですよね。

凍った湖には氷のオブジェが多数設置されていて、散策しているだけでも面白かったです。中でもとりわけ目を引いたのが「ICE BAR」と書かれたオブジェ。これは一体?

えぇ、なんだこれ!!フォトジェニックすぎ!!!

「ICE BAR」はその名の通り、氷のオブジェの中でアイスカクテルを注文することができる、神秘的なバーラウンジとなっていたのです。

バーカウンターやテーブルももちろん凍っています。グラスさえも氷でできていて、旅の序盤から海外のような体験ができるとは思っていませんでした。いきなり大興奮で、取材がなければ「ICE BAR」に入り浸りたかったところでした。いやぁ、ここは本当にすごかった!

そして車を走らせ、到着したのは「くったり温泉レイク・イン」。かつてご当地サウナ委員会で紹介したことのある施設ですが、こちらにアヴァントがあるとのことで、また気持ちを新たにレポートできたらと思います!

ハイスペックサウナ多数で大充実

まずは施設内にある大浴場!こちらをサウナ好き仕様にリニューアルしたとのことで、以前取材した頃からは想像もできない、オシャレでパワフルなサウナ室に生まれ変わりました。

壁側にあったテレビが撤去され、代わりに設置されたのがストーンまみれの巨大ストーブ。たった一度ロウリュをするだけで、頭から足先まで猛烈な蒸気が降り注ぎます。北国仕様へ見事に生まれ変わりました!

さらにパワーアップしているのが、屋外のアウトドアサウナゾーン。こちらには世に珍しいアウトドアサウナが数多く設置されていて、一度に多くのサウナを体験することができます。男女混浴、水着着用で利用するスタイルです。

コンクリートが特徴的なアウトドアサウナは、ライティングが目を引くオシャレな内観。真ん中にそびえ立つサウナストーブにロウリュウをすると、アウトドアサウナとは思えぬリッチでプレミアムな蒸気を全身で浴びることができます。

他にも、グループで楽しむバレルサウナが設置されていたり、イベント時には多くのテントサウナが設営されたりと、例えるなら「サウナフェススティバル」に参加しているかのような、非日常で楽しいひとときを過ごすことができます。

とはいえ、真冬の北海道は凍りつくような寒さなので、内気浴ができるスペースもあります。サウナ好きが求めるものがなんでも揃っているのです。こういった施設がざらにあるのが、北海道の恐ろしいところですね。北海道サウナの進化が凄すぎる・・・

そしていよいよ本命のアヴァントへ

サウナで身体の芯まで暖めたあと、ついに本命のアヴァントへと向かいます。屋外気温は氷点下近く・・・。既に全身がブルブルと震えていますが、凍った湖の水温ははたして何度なのか、予測もつかない期待と不安が入り交じります。

凍った湖を切り抜いたアイスホールへと入水。命綱となる梯子に手を伸ばしつつ、地面に足が付かない、まるでブラックホールのような、極寒の湖に身体を沈めます。「あれ・・・、意外に平気かも?」

しかし入水の10秒後、急激な違和感が全身に襲いかかります。

つ、冷たすぎて痛い・・・!」水温はおそらくシングル以下、0度あるかどうかの強烈な冷たさ。

30秒入水できたら上等、60秒入水できたら賢者認定ということで、先人たちの武勇伝を笑って語るスタッフ達。彼らはなぜ、こんなやばい水風呂を笑い流せるんだろう。それほど衝撃で、凄まじい水風呂でした・・・

カルーセルと呼ばれる外気浴エリアで、茫然自失となる筆者。ポンチョを羽織っているものの、身体が寒く感じているのか、暖かく感じているのかも、よくわからない状態。全身の身体感覚が良くも悪くも「バグって」いる感じでした。

そしてこちらのカルーセル、メリーゴーランドのようにぐるぐると回る仕組みになっているのです。この仕組み考えた人、まじで狂ってる。実に狂ってる。アイスホールも含めた体験すべてが異次元で、妙な笑いさえ出てきてしまいました。

いつものととのいとは異なる、未知のととのい体験でした。

アヴァントを作った人の頭の中が知りたい

  • このアヴァント、普通ではない。こんな狂った体験を作ってしまった、中の人の考えを知りたくなりました。くったり温泉レイク・インを運営されており、「十勝サウナ協議会」の代表も務めている後藤陽介さんにお話を伺います。

日本でアヴァントを体験することができ、とても衝撃的でした。北極の文化であるアヴァントを、日本で始めることになったきっかけは何でしょうか?

実は、内輪のノリで始めてみようというのが最初のきっかけだったんです。「北極にはアヴァントという文化があるらしい」という情報を知ってから、北海道でもやろうということで、仲間内でアヴァントを作ってみたところ、それが予想以上に刺激的な体験だったんです。北海道の知人にも好評で「来年は友達を連れてきます」という人が増えて、昨年から一般公開をする流れになりました。

なんと、内輪のノリで始まったとは意外ですね!でもアヴァントって、そんな簡単に作れるものなんでしょうか?

はい、やってみると想定外のことばかりで、アヴァントの一般公開までには3年を要しましたね。知人の反響はあったんですが、安全面の部分を担保しながらやらなくてはいけないので。。それからしばらくテストを経て、プロガイドやライフセーバーの常駐も含めた安全面が保証できたので、昨年の冬から一般公開ができました。

テストに3年!最初はノリだったというのが想像もできないほど、テストに長い時間がかかったのですね。一般公開後、運営で大変なところはありますか?

アヴァントの仕込みそのものが大変だったりしますね。一晩放っておくと、せっかく穴を開けたアイスホールもカルーセルも凍ってしまうんですよ。だから毎朝、2cmから5cmの穴を開ける作業をやるには精神力が求められますね。ですが「来年もまた来ます」と言って満足してくださるお客さんが9割以上もいて、高い値段設定の割にはリピート率が高いので、我々もやって良かったな、と思っています。

「来年も来なくちゃ」と思えるのはここにしかない、唯一無二の体験を提供されてらっしゃるからですよね。今後やりたいことや目標などあったりしますか?

国立公園ではない湖を保有している温浴施設って、実は珍しいんですよ。なので日本でアヴァントといえば我々、と言われるぐらい国内で認知されることが目標かなと。そしてさらなる目標でいうと「冬サウナを楽しむなら十勝」と認識されるように、十勝のサウナ文化を育てていきたいですね!

最後にまとめ

北海道のアヴァント体験レポート、いかがだったでしょうか?サウナ好きの皆さんは、全国各地のサウナ旅に出掛けてらっしゃると思いますが、たとえ海外まで行けなくとも、唯一無二のサウナ体験がしたい人もいるはず!

そう思われた方にこそ、こちらのアヴァント体験を心からおすすめしたいですね。これまでのサウナ観そのものが上書きされること、間違いなしです!

北海道アヴァント 詳細

HP:https://www.lakeinn.jp/test/
予約:https://select-type.com/rsv/?id=QKJtdST_8N8&c_id=186908
日程:2023年1月〜3月上旬頃まで
時刻:時間交代制 (①10:00~12:30 / ②13:00~15:30)
場所:北海道上川郡新得町屈足
料金:20,000円(税込) / 人

取材・執筆:タカヤマ(@takayamasauna

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