目次
全国、サウナーの皆様こんにちは。ご当地サウナ委員会です。
今回は佐賀県「らかんの湯」にある「ととのえ石」の上にいるライター、ヨッピーさんの写真で失礼いたします。
「旅行」と言えば「温泉!」が定番でしたが、最近はサウナに入るためにわざわざ飛行機に乗って旅行する人も日本全国に出現しはじめました。
そんなサウナに目覚めた人達が、孵化した瞬間に海を目指すウミガメのようにトコトコ目指す場所といえば、ここ佐賀県にある「らかんの湯」です。
そんな佐賀県に来るサウナーに先に一言ヨッピーさんからアドバイスです。
「佐賀県の事を『何もない所でしょ?』みたいに言う人は 全員モグリです。ちゃんとあちこち巡ってて旅慣れてる人なら『佐賀は、いいぞ』って絶対なるので。かしこい皆さんはモグリの言うことに騙されないでください」
そんな佐賀サウナ旅は、
ここは海外?と思える絶景を前に大の字で浮かんでみたり、
化粧水のような極上水風呂でお肌ツルツルになったり、
そして入浴後のサウナ飯がとにかくバカ美味いのだ……!
ということで、ライターのヨッピーさんと、九州のローカルサウナメディア「九州とサウナ」にも協力してもらい、今回の特集ではサウナ施設とともに、その場所で食べるべきおすすめの佐賀のサ飯と、おうちでも楽しむための購入リンクも一緒に「佐賀サウナ」を紹介いたします!
佐賀の歴史がつまった「和多屋別荘」で佐賀の魅力について語る
佐賀のサ旅を紹介していくにあたり、まずは佐賀県の歴史と共に歩んできた施設「和多屋別荘」にやってまいりました!
和多屋別荘は九州・佐賀県を代表する温泉地、嬉野にある老舗旅館で、2万坪もの広大な土地にレストランやスパはもちろん、茶寮にBAR、月見台に足湯といった施設が併設。昭和天皇・皇后両陛下がご宿泊されたこともある、佐賀を代表する格式高い名旅館のひとつであります。
老舗であり格式も高い和多屋別荘ですが、日本の伝統芸能とサーカスを掛け合わせた独自のイベントを行ったり、旅館の各所に美術館を思わせるようなアート作品が展示されていたりと、ユニークな取り組みを続けております。そして宿泊料も実はひとり1泊1万千円程度~とリーズナブル!(※2名1室素泊まりの場合)
そんな歴史ある和多屋別荘の副支配人にある中島さんに「なぜ佐賀なのか」についてお話をお伺いしました!
僕はお仕事で佐賀県に色々関わらせて頂く事が多くて、これまでに何回も来ててその度に「 佐賀は良いところだな~~」って思ってるんですけど、世間では「佐賀には何にもない」みたいに茶化されたりしてるじゃないですか。あれがもう腹立って腹立って!
そうですねえ。佐賀は玄界灘にも有明海にも面してますから、それはもうお食事は美味しいですよね。
そうそう。玄界灘で揉まれた魚介類も美味しいし、有明海の海苔や牡蠣も美味しい。佐賀と言えば呼子のイカが有名ですけど、呼子に行ったら 福岡ナンバーの車ばっかり並んでるんですよね。だから東京の人に「お前ら、『福岡はグルメの街!』とか思ってるかもしれんけど、その福岡の人たちがわざわざご飯食べに来るのが佐賀やぞ?」っていう言い方を良くしてます。太良町の牡蠣やカニも、福岡の人に「佐賀の牡蠣は美味いよ~!」って教えてもらったのが最初ですからね。
当館にお越し頂くお客様も福岡の方がかなり見られますからね。
でしょう? 福岡の人がわざわざ遊びに来るぐらい、佐賀は良いところだぞ、っていう言い方をしなきゃいけないのがもどかしいんですけど。グルメで言えばこの嬉野だったら温泉湯豆腐がめちゃくちゃ美味しかったり、九州では唯一、焼酎の文化圏じゃないから日本酒も美味しい。
そうですね。お食事の際に大事な器、つまり焼き物も佐賀にはありますしね。有田焼に伊万里焼に唐津焼に、近年は肥前吉田焼とか。佐賀の歴史や名物って、かなり渋い、味のあるような良さなんでしょうね。
そう。 佐賀の良さって、渋いんですよ。名物のお茶、嬉野茶もそうですよね。派手さは確かに無いかもしれない。だからこれ、怒られそうですけど「ある程度の教養がある人にしか佐賀の良さは伝わらないのではないか?」とか思ってて。教養の無い僕が言うのもおかしいんですけど。この和多屋別荘さんの内装というかインテリアもアートっぽくてすごく恰好良いんですけど、やっぱりちょっと派手さは無いのかなぁ、って。イルミネーションがドーン!って感じではないし。どこを切り取っても「かっこいいな~」って思うんですけど。
実は、専属の大工を雇っておりまして、その専属の大工が空間のしつらえをしております。
へー!大工さんを雇ってる旅館って珍しい……。やっぱり2万坪もあるとそれぐらいしないとメンテナンスが大変なんですかね?
そうですね。 この嬉野から、佐賀の良さ、歴史の伝統の良さを知って頂ければと思って頑張っております。佐賀の良いところって、佐賀市などの平野部と、この嬉野や武雄のような温泉地、あとは海の近くの唐津に伊万里ですとか、それぞれに違った特色があって、それぞれに歴史や文化があって味わい深いのが佐賀ですから、何度もいらっしゃる事で初めて佐賀の良さ、佐賀の深さみたいなものが理解できるのかもしれません。
あー確かに。なんかこう、わーっと観光地を巡るっていうよりは、それぞれにしっとり滞在してのんびりしながら食や器、お酒やお茶なんかをじっくり楽しむような旅が良いのかもしれないですね。
まさにそうだと思います。
和多屋別荘に行ったら食すべき「サ飯」情報
和多屋別荘のある嬉野市に来たら、ヨッピーさんも何度も激推ししている「湯豆腐」を是非食べていただきたいです。
この佐嘉平川屋の湯豆腐ですが、下記リンクから購入することも可能ですのでおうちで楽しみたいという方はこちらから。
まだまだ進化している。日本一のサウナ「らかんの湯」有する「御船山楽園」
さあ、そんなわけで「佐賀の良さは渋さにある」と言った舌の根も乾かない内から、今度は和多屋別荘とは対照的に尖りまくったホテル「御船山楽園ホテル」をご紹介します。
御船山楽園は江戸時代末期、武雄の領主鍋島茂義が作り上げた庭園で、15万坪の広大な土地に数十万の木々や花が植えられており、御船山楽園ホテルの宿泊者はこの庭園を回遊しながら美しい庭園を見る事が出来るのです。
更には近年、チームラボと組んでこちらの御船山を会場にしたアート展「かみさまがすまう森」を開催。全国から人が押し寄せる人気施設になりました。
そして!2019年、2020年のサウナシュランで連続1位を獲得した大浴場「らかんの湯」を併設するホテルでもあります!この言葉が正しいのかどうかわかりませんが、このらかんの湯のサウナがぶっ飛んでるんですよ……!
本日はこの、現在の御船山楽園ホテルを作り上げた代表の小原さんにお話をお伺いします!
いやー、いつ来てもすごいですね。御船山に展示されてる「かみさまがすまう森」も、以前お話をお伺いした時に、「デジタルアートなら、今ある庭園に手を加えなくても新しい見せ方が出来る」っておっしゃってて、「天才か!」って思ったんですよ。
そうですね。歴史のある庭園なのでなるべくそのまま残したい。でも新しい事もしたい。かと言って工事して庭園に手を加えるとそのまま残すっていう風にもいかないじゃないですか。でもこういうデジタルを駆使したアート作品なら、今ある庭に手を加えず、新しい見せ方が出来るんですよ。
で、更にサウナですよ。随所のこだわりと言うか、クリエイティブがすごいじゃないですか。
このサウナ室もやっぱり「アートだなぁ」と思うんですよ。
最初はこんな風に大規模にやるつもりじゃなかったんですよ。それが作ってるうちにどんどんこだわりが出て来て、結局当初の予定の倍ぐらいの大きさになったし、色んな所にこだわって作ってしまったので予算もすごい事になりました(笑)
らかんの湯と言えば「ほうじ茶ロウリュ」ですけど、あれもなんかすごいこだわって作ったとか。香ばしい香りがすごく良いですよね。僕ほうじ茶ロウリュやってから、「お茶でロウリュするのめっちゃ良いな」って思ってウーロン茶とか緑茶とか色んなお茶で試してみたけど、「結局ほうじ茶が一番ええやん」ってなった。
それも試行錯誤する中で、ロウリュ用の茶葉を開発したり、煮出す時もどういう工程にするかなど試行錯誤のたまものですね。
いやー、ほんと「 やりすぎやろ」って思う事がいっぱいあるんですよ。
例えばこれ、僕が寝てる「 ととのい岩」ですけど、ととのいスペースに「よし!岩を持ってこよう!」とは普通思わないじゃないですか。しかも岩ってめっちゃ高いらしいし。
(笑) ととのい椅子って、もちろん人間に合わせて作られてるわけじゃないですか。でも、岩だと逆で「 岩に人間が合わせてととのう」んですよ。「どう寝たら寝心地良いかな」とか、岩の形に人間が合わせる構図が面白いなと思ったんです。金額はご想像の通りやはり高かったです(笑)
その辺の発想がアートっぽいんだよなぁ。
圧巻なのがこちらの女湯(朝は男女入れ替え)もすごくて、これって壁や天井なんかは手作りですよね……?
はい。職人さんに作って頂きました。やっぱり理想を追求するとありものじゃなくて1から作るしか無いんですよ。
女湯のロウリュはキューゲルと呼ばれるクラッシュアイスを固めたものをサウナストーンの上に置いて行う。「みかん」「和ハッカ」「ひば」「薔薇」の4種類から香りを選べ、組み合わせて使ってもお互いの香りが邪魔しないように計算されているらしい。
これも、「らかんの湯」ぐらいでしか見た事ない。
サウナ好きの人ならわかると思うのですが、ロウリュって、水をかけた時の音が良いじゃないですか。このスタイルなら「ジュー」っていう音が長く続くんですよ。
休憩室では塩プリン、デトックスウォーター、羊羹など佐賀の名品が楽しめる。
そして今回新設されたプライべートサウナ付きの特別室。
水風呂は深めに掘ったシャワーブースに水を溜める方式。これも御船山の天然水だそうです。
この水風呂もオーダーメイドですよね?
そうなんです。
まあ普通「ありもののバスタブを置こう」ってなるじゃないですか。なのにイチから作ってるのがすごい。配管とかもあるだろうし、既製品使った方がどう考えても安いのに……。
これもサウナと同じなんですけど、既製品だと本当にしっくりくるものがなかなか無いんですよ。だから1から作らなきゃしょうがないんです。
だからね、僕この御船山楽園ホテルにしろ「らかんの湯」にしろ、「 絶対好き放題作っただけでしょ」って思ってるんですよ。たまに、ちょっと変わったおじさんが自宅の庭に変なオブジェたくさん並べて、テレビに「珍スポット」とかって取り上げられるやつと同じパターンで。たまたま小原さんがセンス良かったから成功しただけじゃない?っていう。
そんな事ないですよ!一応、「自分のやりたいこと」と「お客様に喜んで頂けそうなこと」が上手く交わる部分を追求してるつもりです!
えー、本当かなぁ。そういう計算してたら「岩持ってくるぞ~!」ってならない気がする……。
本当ですって!
もし、「世間は無視して好き勝手やっていいよ」って言われたらどういうホテル作ります?
あー、良いですね。今考えてるのはやっぱり、アマゾンの秘境とかヒマラヤとか、そういう大自然の中にサステナブルなホテルを作りたいです。
おーーー。
例えば大自然の中にホテルを建てようと思っても、今のやり方だと絶対に インフラが必要じゃないですか。電気も水道もガスも通さなきゃいけないし、ゴミや排水をどうするかみたいな問題もあって、ホテルを作る以上、間違いなく周辺の環境を変えちゃうんですよ。だから元からあるものをいかに傷つけずにやるか、っていう。考え方は御船山でアート展をやってるのと近いんですが。
確かに。自然保護区域とかだとホテルを作るの難しいですよね。
そう。だけど、今だとドローンの技術がどんどん進歩していてるから、例えばお食事や飲み物なんかは全部ドローンで遠隔地から運んで、出て来るゴミなんかも全部そのドローンで回収して、っていうやり方をしつつ、従業員も最小限にしたら周囲の環境そのままにホテルの経営も出来るんじゃないかって思ってて。
道路も作れないだろうから客もドローンで来るのかな。それはそれでウケそう……!
そういうものを追求するのは楽しいですね。
この御船山楽園ホテルも、まだまだ変わってくんですよね。なんか、新しく薪サウナが出来たとか。
これ、写真だとなかなか伝わりづらいですけど、ストーブが死ぬほどデカいんですよね。マジでバカなんじゃないか、ってぐらいにデカい。
そう。間違いなく日本一大きな薪サウナです。やはりこれも特注品でして(笑)
壁を黒くして採光を入れてるのも良いですね。入るの楽しみだな~~。
ロウリュは、こう少し離れたところからビシャッと投げ入れるような感じで行うんですよ。
なんかこう、ちょっと仏教っぽさありますね。火を囲んで座禅組んでっていう。
そう。御船山って、1300年前に行基が入山して五百羅漢を作った場所でもあるんですよね。そういった流れを汲んで作ったつもりでおります。
今後もこんな感じでどんどん拡張していくんですか?
そうですね!まだまだやりたい事がたくさんあるので!
最終的には「泊まれるサグラダファミリア」みたいな感じにして欲しい!
「らかんの湯」に行ったら食すべき「サ飯」情報
そして「らかんの湯」に来た時に是非食べて欲しいサ飯が「kaji」のコースです!
こちらも御船山にあるレストランで、「らかんの湯」のある御船山楽園ホテルから歩いて来れる!
「佐賀牛」や「若楠ポーク」など佐賀県産の食材を中心にしたコースメニューが伊万里焼や有田焼といった、佐賀の器で提供されるぞ!ここに来れば佐賀のグルメが堪能できる!
コースはひとり5,000円から!お酒のペアリングも楽しめるぞ~~!
他にもまだまだある!佐賀サウナの真の実力
ここからはWEBメディア「九州とサウナ」の金沢さん監修のもと、まだまだ知られていない佐賀サウナの魅力に迫ります。
1セット130分!?「唐津シーサイドホテル」流のととのい方
佐賀といえば、緑が広がる平野の印象が強いかもしれませんが、実は海を見渡せる絶景もあります。
風光明媚な観光地、虹の松原にある 「唐津シーサイドホテル」はサウナ好きにも一見の価値がある施設です。
唐津シーサイドホテルは、 オーシャンビューが楽しめるインフィニティプールと絶景外気浴がオススメですね。サウナの種類も豊富で、あの御船山楽園ホテルに匹敵する数があるのは注目に値するかもしれません。
今回はサウナの取材ということで、唐津シーサイドホテルさんのサウナの特徴をうかがってもよろしいでしょうか。
はい、サウナ好きの方に伝わるようにお話させていただきますね。東館のスパエリアは2年前に新設したばかりで、設計では海外のスパを視察し、参考にしています。特にローマンアイリッシュバスは、国内唯一のプログラムではないかと思われます。
あれ、ちょっと待ってください。このローマンアイリッシュバス、サウナに入っている時間が長くありません?というかこのプログラム、よく見てみると、 1セットでトータル130分なんですか・・・!?
そうなんです。ヨーロッパで古くから伝わるプログラムで、125年もの歴史がある入浴法と言われております。このプログラムは130分という長い時間をかけて、人間の正常体温に戻していくところが、日本の温浴習慣と大きく異なる点かもしれません。
125年、日本のととのう文化よりも歴史が長いですね。1セット130分を体験したらどのような感覚になっているのか、想像もつかないところが興味深いです。
物は試しということで、ローマンアイリッシュバスをぜひご体験いただけたらと思います。長い時間をかけて身体を暖めますので、プログラムの合間に海洋深層水をこまめに摂るようにしてくださいね。
ローマンアイリッシュバスは、まずは岩盤浴からはじまります。サウナ好きからすると、岩盤浴の温度は物足りなく感じるかもしれませんが、暖かい大理石と身体がぴったりくっついているおかげか、しっかりと汗をかくことができます。
岩盤浴のあとはリクライニングサウナへ。サウナといっても40℃ほどの室内温度ですが、身体にぴったりとフィットする背もたれのおかげで、リクライニングから伝わる熱を直接感じることができます。ほのかに香る、アロマの香りが印象的ですね。
続いてはアロマヒーリングサウナへ。こちらはオートロウリュとヒノキのアロマが香る、本格的なサウナです。一度に異なるサウナをハシゴするのは、サウナ好きにはなかなかレアな体験かもしれません。ちなみに、ここまでの所要時間は25分でした。
汗をたっぷりかいた後は、アイスサウナでクールダウンを行います。わずか5℃の室内で、中央に山盛りされたコールドアイスを身体に擦り付けると、言葉にならない心地良さを感じられます。まさか佐賀でアイスサウナの体験ができるとは。
ここで10分間の休憩です。ふかふかのガウンを羽織り、リクライニングチェアに全身を委ねます。ととのうというよりも、日光浴が心地よいと思える感覚に近いでしょうか。
休憩後は、男性浴室にあるドライサウナで汗を流します。こちらの温度は90℃ほどと、サウナ好きも納得のセッティングになっていました。サウナ室の大きな窓からは海が一望でき、心地良い時間はあっという間に流れていきます。
ローマンアイリッシュバスには水風呂のプログラムはありませんが、ドライサウナの後なら、ほんの少し水風呂に浸かってもよいそうです。18℃と程良い水温なので、ついつい長く入れてしまうのですが、入りすぎにはくれぐれも気を付けたいところ。
水風呂から出てすぐ外湯に浸かるのも、サウナ好きにとっては新鮮な体験です。外気浴でととのわない代わりに、海から聞こえる波の音が、壮大なリラクゼーションサウンドとなって頭の中を揺さぶります。
外湯に浸かったあとは、内湯に移動してさらに10分間浸かります。唐津シーサイドホテル独自の天然温泉で、ナトリウム-塩化物強塩泉と呼ばれています。塩分が肌に付着して汗の蒸発を防ぐ効果があり湯冷めしにくく、保湿効果も高いそう。
いよいよ最後のプログラムですね。最上階に移動し、唐津シーサイドホテル自慢のオーシャンビューを楽しみましょう。
こ、これはやばすぎる!!!!
海を一望できる圧倒的なロケーション。これまでの体験、そのすべてを上書きするほどの感動的な絶景に目を奪われます。玄界灘と虹の松原が織り成す美しい光景は、もはや日本を飛び越え、海外の景色ではないかと思えるほどです。
佐賀のマリーナベイサンズ。
一見相容れることのなさそうな固有名詞が、この景色を目の当たりにするとしっくりくるから不思議なものです。目の前に広がる景色を我が物にしたくなり、天然温泉のプールで大の字になって世界を独り占めします。
ふかふかのガウンを再び身につけ、五感を全開にしながらクールダウンを行います。スパエリアのコンセプトとしては、ローマンアイリッシュバスのみならず、男女混浴で非日常を楽しむことができるように設計されているそうです。
最後はホットベンチに寝そべり、常温に戻していきます。130分のプログラムを終えると、サウナでのととのいとはまた異なる、身体の芯から暖まる不思議な感触を得ることができます。身体だけでなく、心もぽかぽかと暖かいのは気のせいでしょうか。
唐津シーサイドホテルは、JALサ旅からも申し込み可能 ですので、佐賀サウナ旅の拠点としての宿泊をオススメします。
「唐津シーサイドホテル 」に行ったら食すべき「サ飯」情報
そして唐津エリアのサウナ飯といえば、SPOTでも過去何度か登場している「呼子のイカ」です。このイカを食べたいがために、全国のサウナ好きがこの地までわざわざ足を運びます。イカの概念が覆る程の、極上サウナ飯となることは間違いありません。
そんな呼子のイカもネット注文が可能ですので、絶品サ飯を自宅を体験してみてはいかがでしょうか。
「湯招花」の温泉ハーブスチームは国宝級のサウナだ
お次は佐賀市内にある「湯泉郷 温泉館 湯招花」です。
青もみじが眩しい景観と、まるで和を感じられるような趣きがある空間で、佐賀県にサ旅に来る際には是非おすすめしたい温浴施設です。
こちらの施設は「 温泉ハーブスチームサウナ」がオススメです!
温泉由来の天然モノのサウナは全国的にも珍しく、佐賀サウナの特徴でもある「温泉×サウナ」の魅力を堪能することができます。
湯招花は無色透明で癖がなく、軟らかな肌触りの美肌の湯!
西九州最大級の豊富な湧出量(毎分500リットル)を誇ります!
このクオリティの温泉に毎日入れる佐賀市民が羨ましすぎる。
こちらが温泉ハーブスチームサウナ。ラドン源泉から発生する蒸気に、自家製のハーブ数種類をブレンドした天然モノのサウナです。
まるで嬉野茶を彷彿とさせる、上品かつ独特な香りがたまらなく良いです。
50℃-60℃と控えめの温度ですが、湿度が高いのでしっかりと蒸されている感覚があります。
水風呂は井戸水で軟らかな感触がたまらなく良い!取材時は表示18℃ほどと、長く浸かっていられる水温でした。身体全体をすっぽり埋められる深さで、身体と水が一体になる感覚を味わうことができます。
水風呂のあとは露天スペースで外気浴。緑が印象的な眺望と、やさしい木々のせせらぎ。自然と調和した露天空間で、だんだんと五感が研ぎ澄まされていきます。和の魅力が存分に盛り込まれた、これぞ国宝級のととのいであると言えるでしょう。
温泉がウリだったのに、 スチームサウナが思わぬ反響を得ているというお話を聞きました!
そうなんです、実はお客さま側からの要望で、ラドン蒸気を用いたサウナを導入することになったんですが、当館のお客さまは健康志向が強くてですね。お客さまの要望にお応えするためにも、 数種類のハーブを当館の自前で育てていたりもします。
それはすごいこだわりですね!
佐賀県の他の地域とは違い、当館の温泉はラドン式で高温ではなく、湯に長く浸かることができるのは特徴かと思います。主に皮膚病に効果があると言われてまして、ラドンは呼吸から直接血液中、または皮膚から組織へ吸収されイオン化作用により新陳代謝を促します。
確かに、実際に入ってみて、特に女性が喜びそうな泉質だなと思いました。
お湯に浸かるだけではなく、湯気を吸ったり温泉水を飲んだりして美肌、健康の効果をご堪能いただけますと幸いです!
「湯招花」に行ったら食すべき「サ飯」情報
入浴後は佐賀市内でサウナ飯を堪能。今回は温泉ハーブスチームサウナと相性が良い薬膳鍋をおすすめします。
薬膳マイスターが15種類以上の植物エキスとコラーゲンを加えた、女性も喜ぶであろうヘルシーなサウナ飯です。
県外から来るファンもめちゃくちゃ多いとのこと。
税込2,750円の薬膳鍋ランチでは、佐賀県太良町産の金星佐賀豚ロースを頂くことができます。ぐつぐつと沸騰した鍋にこちらのお肉をくぐらせ、薬膳スープをつけダレにして食するスタイルです。
う、うまい!!!
肉の旨味とコラーゲンのみずみずしさ、薬膳スパイスのピリッとくる辛みが、絶妙なバランスで口の中を駆け巡ります。発汗で塩分やミネラル成分等が抜けた後なので、余計に美味く感じる。こんな美味すぎる鍋、食べたことないぞ!
薬膳鍋の〆にはうどんを頂くことにしました。薬膳鍋のイメージからは想像もつかない、サウナーが歓喜するであろう旨味の強さを何度もリピートすることができます。佐賀はサ飯が強いとの噂でしたが、サ飯ランキングの上位を独占しそうな勢いです。
なべ家 きぶん・和元
https://www.kibun-wagen.com/sp/kibun/
そしてこのお鍋もネットから注文することが可能です!
和元のダシをそのまま真空冷凍しているため、お店の味をそのまま楽しむことができます。
跡の水風呂「ヌルヌル有田温泉」
続いてやってきたのは「ヌルヌル有田温泉」。らかんの湯がある武雄市からは車で30分ほどなので、「らかんの湯」へ訪れた時は必ず立ち寄りましょう!
まるで銭湯のような佇まいの建物ですが、ここもぜひ佐賀県に来るサウナーの方には寄っていただきたい場所です。
こちらの施設の看板猫のももちゃん。ももちゃんに会いに来るお客様も多いとか。
こちらの目玉はなんといっても「水風呂」ですね。天然の、いわゆる冷鉱泉と呼ばれる水質ですが、 デカい水風呂が広い露天スペースにあるので、サウナーにとっては夢のような銭湯なんです!
ここのサウナは、銭湯でよくみられる、遠赤外線で暖まるタイプのサウナで、ラジオの有線放送が流れております。温泉による保湿成分が全身をまとい、まるで湿度の高いサウナに入っているような心地良さが感じられます。
そして外の水風呂へ。これこれこれこれ!
ヌルヌル有田温泉は、有田川の源泉をくみ上げていて、水風呂の温度(17℃前後)は源泉そのもの。内湯の温泉は加熱したものが使われているのですが、 超軟水で、アルカリ性を多く含んでおります。
そのため化粧水のようにトロトロとした感覚があり、入った瞬間に肌がなめらかになるのを実感できる、身も心もとろける奇跡の水風呂なんです!これは是非体験して欲しい!「ヌルヌル有田温泉」の名前はダテじゃない!
かの銭湯神ヨッピー氏も「ヌルヌル有田温泉の水風呂は、熊本の湯らっくすに並ぶ」と高く評価しました。熊本に移住し、湯らっくすの水風呂を連日体験している銭湯神にも、この奇跡の水風呂は格別に感じられたのかもしれません。
「ヌルヌル有田温泉」に行ったら食すべき「サ飯」情報
奇跡の水風呂でととのった後のサウナ飯。おすすめしたい駅弁があるとのことで、有田町の中心・有田駅を訪ねてみました。「駅弁ってサ飯になるのかな?」と思うかもしれませんが、予想の遥か上をいくサウナ飯に驚愕します。
え、有田焼カレー!?駅弁というネーミングからは想像もつかない、衝撃的な外見。有田町といえば全国クラスの認知度を誇る「有田焼」の聖地ですが、サウナーがサ飯の筆頭に挙げるカレーと見事なコラボを果たしています。
駅弁のイメージとは裏腹に、28種類のスパイスや佐賀県産和牛を使った超本格カレー。サウナ後は塩気や旨味、辛さがある食べ物が欲しくなりますが、それらの条件を全て満たしています。これは一本取られました。
完食後の有田焼は、新品の器をお土産品として持ち帰ることができます。かつて九州の駅弁ランキング1位に堂々輝いたこともある有田焼カレー。
もしもご当地サ飯ランキングがあったなら、上位にランクインしてもおかしくない逸品でしょう。
有田銘品館
https://www.arita.jp/gourmet/post_6.html
そしてこちらのカレーもまた、ネットで注文可能でした!佐賀県、ぬかりない。。
神聖なる秘密基地「オクチル」のサ滝で命の洗濯をする
最後は地元の人のみぞ知る、とっておきの”サ滝” スポットを案内します。佐賀でしか味わえない、エクストリームなととのいを体験できますよ!その前に手に入れたいものがあるので、佐賀空港へ立ち寄りましょう。
なぜ佐賀空港?と思われたかもしれませんが、まるで蔦屋書店のようなオシャレな佇まいの物産店「sagair(サガエアー)」があるんです。佐賀は渋いという印象をサガエアーで払拭できるほどの空間なので、ここは一見の価値ありですね!
今回はここでEN TEAのほうじ茶とサガエアー限定ボトルを購入。
御船山楽園ホテルでも使用されている嬉野茶ブランドで、こちらの茶葉を用いてロウリュ体験を行える場所に向かいます。
金沢さんに連れられてやってきたのは、鹿島市奥山渓谷にある「オクチル」。
鹿島の山奥にあり、知る人ぞ知るチルスポットとして開放されています。写真の小屋はすべて手作りで、例えるなら大人の秘密基地といったところでしょうか。
おー、よく来たね。じゃ、まずは ”滝” 行こうか?
最初に滝ですか!?
こちらがサ滝スポット。マイナスイオン全開、まるで絵画の世界に飛び込んだかのような神聖な空間です。初夏になると蛍が辺り一帯を飛び回り、神秘的なととのいを味わうことができます。
特にご覧いただきたいのが、サ滝の水の透明度。全身と清流が一体となり、まるで自分の身体が溶け出すのではないかという錯覚に陥ります。ごうごうと流れる滝の音と、蛍の光が五感を刺激する、身も心も洗われる唯一無二のチルスポットです。
そしてサウナで身体を暖める前に、なんと滝壺へダイブ。ととのう順番をすっ飛ばし、エクストリームな体験から入るのはオクチル流の楽しみ方と言えるでしょう。
滝壺に飛び込んだ後は、オクチル所有のテントサウナで身体を暖めていきます。サガエアーで手に入れたほうじ茶や、龍司さんブレンドの和紅茶や珈琲のアロマにより、型にはまらない香りを堪能します。
いきなりの滝壺、すごかったです。あらためて、オクチルってどんなところなのかを聞かせてください。
いろんな人がこの場所にやってきて、ただみんなで楽しむということだね。ただ美味い水とシンプルな食材で鍋をやったり、満天の星空を眺めたり、それを繰り返していくと、どーでもよくなる感じになっていくんだわ。
みんなで楽しむというのは良いですね。オクチルには、主にどんな人達がいらっしゃるんですか。
20代のグループとか、最近は女性や会社員も全然来るよ。みんなどーでもよくなる感覚を味わうと、最初は騒がしかった人達も、最後はおとなしく、綺麗に掃除をして帰っていくのね。こちらからお願いもしてないのに、不思議だなぁってつくづく思うわ。
どーでもよくなる感じですか。ちなみにそれって、サウナでととのう感覚に似ているってことですか?
みんなが裸になって、等しく汗を流して、きれいな水で自然の恵みを味わって、椅子でぼっーとしていると、どーでもよくなってくるよね。そして最後は自然とみんなから拍手が出るような、目には見えない大切なことだと思うのよ。
なるほど。型にはまるということではなくて、みんながみんな、自然とやりたいことをやるというのに近いのかもしれないですね。
みんなあるべき姿とか立場とか、色々と型にはめたがることが多いけども、ここにいると誰かと比べるとか、自分がどうだとか、どーでもよくなるのよ。人間も自然の一部でしかないことに気付かされるばかりだね。
「オクチル 」に行ったら食すべき「サ飯」情報
冬のサウナ飯には竹崎カキや竹崎カニといった海鮮グルメをいただきましょう。
竹崎カキはつるっとした食感でありながら、濃厚かつクリーミーな味わいはサ飯にふさわしく、言葉を失うほどの多幸感に見舞われます。
そんな竹崎カキや竹崎カニのネット購入はこちらから。(11月まで竹崎カニ、12月~3月が竹崎カキのシーズンです!)
以上、佐賀サウナの旅はいかがだったでしょうか!
らかんの湯はもちろん、佐賀にはわざわざ訪れたくなるサウナが沢山あります。サウナ目当てで佐賀を巡るツアーは今後流行ることは間違いないので、今から旅の予定を立てておきましょう!
企画・編集 : JAL、SPOT編集部
執筆協力 : ヨッピー、九州とサウナ
取材協力 : SAGAマルシェ、各施設さん
(おまけ)ところでJALさん、佐賀空港飛んでないけど
JAL社員の岡本さん。400名近く部員のいるJALのサウナ部幹事長で、JALのサ旅事業を取り仕切っており、
日本サウナ熱波アウフグース協会公認熱波師、
フィンランドサウナアンバサダー(フィンランド政府観光局公認)等、狂気のサウナ好き。パソコンのシールもやばい。
以前はJAL社員としてニコニコ超会議で踊っていたこともあり、ご存知の方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
ところで、「JAL、佐賀空港就航してないじゃん!」って声も届きそうですが。
(本メディア「ご当地サウナ委員会」はJALとおでかけ体験型メディアSPOTで運営しております)
全国のサウナ旅が盛り上がるならそれでいいんです!佐賀に良いサウナがあるのであれば、JAL便が飛んでるとか飛んでないとか関係なく、忖度なしで発信していきたいんです。
まぁ、とはいえ実は福岡空港から佐賀県へ行く人の利用も多いんですよね。福岡空港は羽田から一日に17便も運航してますし、車で1時間も走ればすぐ佐賀県です。鉄道で唐津や武雄温泉にも行けます。更に 来年は西九州新幹線もオープンし「嬉野温泉駅」も誕生します。福岡でサウナラボやウェルビーといった王道施設に寄りつつ、佐賀県へ足を運ぶという楽しみ方もサウナーの方にはオススメです。
確かに福岡から佐賀へのサウナ旅もいいですよね。とりあえず、JAL飛んでいるかどうか忖度なく、このメディアは全国の情報を発信していくということで!
はい!そしてもし、そのサウナ旅にJALを使っていただけるなら、快適な空の旅をお約束いたします!
JALは現在、サ旅のLINEスタンプも販売中です。スタンプの半分以上が「どのタイミングで使うか分からない」というのでサウナー界隈で話題になっています。
https://store.line.me/stickershop/product/17006042
サウナー特有のスタンプとして使いたい方は是非ご活用ください!