【新型コロナの影響は?】茅ヶ崎、東海岸商店会の魅力と現状
茅ヶ崎の商店街、素敵なお店が立ち並ぶ東海岸商店会の魅力をご紹介。また、新型コロナウイルスの影響を受けての現状もお伝えしていきます。ウイルスの影響は地域のお店にどれほどあるのでしょうか。
こんにちは! 茅ヶ崎市在住の小野寺将人(@roolues)です。
新型コロナウイルスの影響でイベントの中止が相次いで人々が外出を控えるようになり、飲食店や観光に関わる産業が経済的にピンチだそうです。
もちろん予防はすべきと思う一方で、お金が巡らないことも考える必要がありそうです。
……いや、すみません。考える必要が「ありそう」じゃなくて、「あります」!
この記事では、茅ヶ崎の商店街「東海岸商店会」の魅力と、新型コロナウイルスの影響を受けての現状をお伝えします。
私は5年前に茅ヶ崎に引っ越してきてから、商店街の皆さんと仲良くさせてもらっています。
今回はいつもお世話になっている、東海岸商店会の花屋さん、カフェ、レストラン、パン屋さん、魚屋さん、アイス屋さんにお話を伺いました。
↓東海岸商店会の紹介ムービー ふれあい編
この記事で地域のお店が今どんな状況なのかをご確認いただき、応援するアクションに繋げていただけたら嬉しいです!
※すべての地域のお店に当てはまる話ではないことを、念のため前置きしておきます!
目次
【花屋】オーダーメイド花屋「ewalu」
まずはオーダーメイド花屋の「ewalu(エワル)」です。
こちらは花を贈りたい相手の好みや、誕生日や送別会などの利用シーンを伝えると素晴らしいブーケやアレンジメントを作ってくれるお店です。
ewaluは、そのクオリティの高さと、店主の境はづきさんの面倒見の良い人柄から多くのファンがいます。そんな境さんに、近況を教えてもらいました。
小野寺
「3月の状況はどうですか?」
境さん
「ご予約数が例年の10分の1ぐらいまで落ち込んでいますね……」
小野寺
「そんなに……! やはり卒業式シーズンに直撃したのが原因ですか?」
境さん
「そうですね。卒業式、離任式、送別会のお花需要がなくなってしまいました。花はどんどん生産・出荷されるので、市場は品物で溢れちゃっています。市場では“震災のときよりひどい”って話していますね」
お花屋さんが厳しい状況にあることはニュースでぼんやりと知ってはいましたが、まさかここまでの影響が出ているとは! これはかなりの危機的状況では……。ewaluにはスタッフもいるので、そのあたりも聞いてみました。
小野寺
「あの、スタッフの方のケアとか、人件費とかも大変ですよね……?」
境さん
「ママさんスタッフもいるので、休校の発表後はすぐ子どもを連れて来られるようにしました。人件費は……そうですね、これだけ注文がなくなると経営的にもどうにかしないといけないんですけど、ただみんなの生活もあるので案配が難しいです」
小野寺
「ですよね……」
境さん
「でも悩んでいたらスタッフの方から“こんなシフトでまわせると思う”とか、“今日は早じまいしましょう”とか言ってくれて。ママさんスタッフからは、“うちは子ども大きいからシフト代われます!”という感じで自発的に助け合ってくれて、すごく助けられています。」
小野寺
「すごい! 全員で乗り切ろうという気持ちが伝わります。」
境さん
「いつも来てくれるお客さんからは“大丈夫? こんな時だから家にお花飾ろうと思って来たよ!”って、顔見に来てくださったりして。」
小野寺
「いいですね……」
境さん
「あとお店をやっている人同士の最近の挨拶は“お互い頑張ろー! なんとか乗り切ろー!”が定番になってきています(笑)微力ながら、お互いのお店にお金を落としに行こうっていう連鎖が起きていますね。」
地域や同業の仲間同士で、精神的にも経済的にも支え合っていまを乗り切ろうとしている、というお話でした。
皆さん、もしお知り合いでお花屋さんがいたら、注文をして支えるのも良いのではないでしょうか。
気持ちが落ち込んでいる方は、自分用に買っても良いですね。お店を訪れる必要は必ずしもないので、ぜひご検討ください。 (ちなみにewaluさんは、全国に発送対応もしてくれます!)
ewalu 本店 住所:神奈川県茅ケ崎市東海岸北 2-3-36/TEL:0467-85-8741/サイト/Facebook/Instagram
【カフェ】沖縄純黒糖専門 和カフェ「黒糖茶房」
次にお話を伺ったのは、沖縄純黒糖を専門に扱う和カフェの「黒糖茶房」です。
こちらは「黒糖茶房鍋ぱふぇ」や「絶品 黒糖ドライキーマカレー」など、こだわりの黒糖メニューが楽しめるお店です。
黒糖茶房は、料理の味はもちろんのこと、その見た目の美しさ、店内の居心地の良さで人気が高いお店です。こちらの店主、大森健司さんにお話を伺いました。
小野寺
「カフェにも影響が出てますか?」
大森さん
「うちの場合、いま顕著に表れているのはお客様の層が変わりましたね。うちは地元の年齢層が高めの方々にも多くお越しいただいていましたが、最近はほぼいなくなりました」
小野寺
「黒糖茶房さんにとっては、売上を支えている層ですよね。」
大森さん
「そうですね……。最近は若いお客さまがほとんどです。もちろん、ご高齢の方はリスクが高いという話なので、無理に来て欲しいわけではありませんが、いつ収束して戻って来てくださるか見えないのがね。あと最近の変化としては、相席を避けられる方が増えました」
地域に根付いた商売をされているお店にとって、平日の日中も来てくれるシニア層がいなくなってしまうことは死活問題です。一日でも早く収束すると良いですね……。
小野寺
「商店街の中ではどんな会話をしていますか」
大森さん
「やっぱりお互いに声をかけ合っています。いつ収束するか見えないし、これからもっと影響が出てくる可能性もありますから皆さん不安なんですよね」
小野寺
「一人で抱えてしまうと辛いですよね」
大森さん
「学校が休校になってから、給食の食材が余っちゃう問題がニュースにもなってるじゃないですか。実際、近くに学校給食に食材を納めているお店さんもいるので、“困ったらうちで使うから声かけてくださいね”って伝えています」
地域の学校が休校になるとき、そこに通っている生徒や保護者はもちろんのこと、地域のお店にも影響があることがよくわかりました。
気が滅入ってしまっている方は、たまにはテレビを消して、近くのカフェでほっと一息ついてみませんか。
【レストラン】多国籍創作料理「arecole cuisine クーカイ」
次に、同じく飲食業界でお店を出されている多国籍創作料理「arecole cuisine クーカイ(アレコレ キュイジーヌ クーカイ)」にもお話を伺いました。
クーカイのマスターが作る料理は、プロも一目置くものばかり。「ずわい蟹とふわふわ玉子の炒飯(通称カニチャー)」や、「ベトナム風揚げ春巻き チャーゾー」など、絶品料理が食べられます。
クーカイの魅力はその料理だけではありません。ダンディーなマスターの人柄と、明るいマダムのみぽりんさんのキャラクターも人気の秘密です。
小野寺
「黒糖茶房さんはシニア層のお客さんがいなくなったと言っていましたが、クーカイさんもそうですか?」
みぽりんさん
「うちもぱったり……。その年齢層のお客様が多いお店だったので、特にここ一週間はヒマになっちゃいました。まあこれだけテレビでやっていれば、そうなりますよね。」
小野寺
「やっぱりそうですか」
みぽりんさん
「ただ特に高い年齢層の方々は外出を控えても仕方がない時期だとは思っています。クーカイは早めの段階からスタッフがマスクをしていますし、殺菌消毒などとても気をつけているお店なので、家を出られる方には安心してお越しいただきたいです。ただ、お客様は店にいる間マスクを外すので、私たちスタッフだけがマスクをしているのはちょっと気まずいですね(苦笑)」
やはり飲食店の客足は厳しい状況にありそうです。クーカイのように地元の常連さんが多いお店であれば、まったくお客さんがいなくなることはありませんが、それでも影響は小さくありません。
小野寺
「なにか売上を落とさない工夫など、考えていることはありますか。」
みぽりんさん
「まだまだ未定ですが、これまでやってこなかったテイクアウトは少し考え始めています。」
小野寺
「もし実現したら、個人的にめちゃくちゃ嬉しいです!(笑)」
みぽりんさん
「仕入れや儲けのバランスがガラッと変わることになりますし、やっぱり食品を扱うので慎重に考えています。ただ、いま外出が難しい常連のお客様がいらっしゃるのは確かなので、そういう方々のためにもなにか考えたいですね」
クーカイは創業して以来、常に進化を続けているお店です。だからこそ、この地域で20年以上も愛されて来ました。今回、時代が大きく変わるタイミングでまた新しい進化を遂げるかも知れません。
arecole cuisine クーカイ 住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北 2-1-4 1階/TEL:0467-88-0805/サイト/Twitter/Facebook/Instagram/LINE@ @iqq7779u
【パン屋】地下にあるパン屋「B-grotto」
同じ食を扱う業態でも、テイクアウトがメインのパン屋さんはどうでしょうか。地下にあるパン屋さん「B-grotto(ビーグロット)」にお話を伺いました。
こちらには様々な食パンがありますが、中でも「ハード食パン」は傑作中の傑作! また一番人気の「レーズンとクリームチーズのパン」は冷やして食べるとまるでスイーツのようです。
B-grottoのパンを生み出しているのが、店主の石井幸男さんです。お店に入ると厨房から「いらっしゃいませー!」と笑顔で迎えてくれます。
小野寺
「なにかコロナの影響ってありますか?」
石井さん
「大きなパン祭りに出店予定だったんですけど、それが直前で中止になってしまいました」
小野寺
「あの人気のお祭りですよね。直前となると、その準備も既にされていましたよね」
石井さん
「そうですね、材料の仕入れは済ませちゃっていました。でも主催者やお客様の方ががっかりしていると思うので、こればかりはなんとも。あとは商店会の皆さんにパン祭りポスターの掲示をご協力いただいていたんですけど、それも無駄になってしまって申し訳なかったです」
新型コロナウイルスでイベントが中止になっているニュースはよく聞きますが、まさにその現象が近くでも起きていることを知り実感が増しました。お店のお客さんについてなにか影響はあったのでしょうか。
小野寺
「お客さんに変化はありますか?」
石井さん
「平日でも子連れのお父さんを見かけるようになりましたね」
小野寺
「そうか、平日でも家にいますもんね」
石井さん
「うちはパン屋なのでテイクアウトがメインなのですが、イートインもできるんですね。意外とそのイートインをされる方も増えた印象があります。たぶん遠出ができないので、プチお出かけみたいな感覚で息抜きをしているのかも知れません」
いまは世の中がざわざわしているので、少しの息抜きが必要な方が多いのでしょう。
こちらのパン屋さんはテイクアウトのお店なので、この状況でも活用しやすいと思います。普段行かない地域のお店を発掘する機会と考えても良いかも知れませんね!
B-grotto 住所:神奈川県茅ケ崎市東海岸北1-5-4 サザングランドハイツB1階/TEL:0467-81-3994/Instagram
【魚屋】新鮮な地魚が買える生鮮・鮮魚店「魚卓」
次は魚や野菜・果物など、食材を扱うお店にお話を伺いました。鮮度にこだわる茅ヶ崎の魚屋さん「魚卓」です。
魚卓はとにかく活気がある魚屋さんで、遠くからでも「いらっしゃいませー!!」という声が聞こえます。海の街・茅ヶ崎の地魚が買えるお店として、この街のシンボル的なお店の一つと言っても過言ではありません。
魚卓の魅力は扱う魚介の新鮮さや、お寿司・刺身盛りや浜漬けといった人気商品だけではありません。魚卓の活気の源である、店主の浅見卓也さんが最高に素敵な方なのです!
小野寺
「浅見さん、コロナの影響ってありますか?」
浅見さん
「うちの場合は一般のお客さんは変わらず来てくれるんだけど、それよりも卸先の飲食店がかなりキツい感じだねー。茅ヶ崎もそうだけど、やっぱり江ノ島とか鎌倉は相当ダメージを受けてる感じする」
小野寺
「たしかに、観光客に支えられている地域ほど厳しいですよね」
浅見さん
「もともと個人でやってるお店って、うちもそうだけどみんな余裕ないじゃない。そこに増税があってさ、それでもギリギリのところで踏ん張ってたけど、今回のでもう限界って感じになってるよ」
年々、地域密着の鮮魚店が閉店していく中で、魚卓には1日数百人のお客さんが訪れます。魚離れが叫ばれ、このムードの中でもその勢いが衰えない秘訣はどこにあるのでしょうか。
小野寺
「でも魚卓さんは、一般のお客さんが減っていないのすごいですね!」
浅見さん
「いやいや、やっぱり卸先の店が繁盛してくれないと。地域で商売するってことは、自分のところさえ良ければOKっていうんじゃないからさ。もちろん卸先の店が儲かれば、うちにとっても売上に繋がるわけだしね」
小野寺
「たしかに魚卓さんは、漁師さんや魚市場の人たちの生活まで考えて仕入れをしていますよね」
浅見さん
「そこはお互い様だからね。特に水産業はそうでなくても厳しいわけだし。自分なんかは茅ヶ崎で生まれて茅ヶ崎で育ってきたから、やっぱりここで新鮮な地魚が食べられる文化は守りたいじゃない」
厳しい水産業の世界で生き抜いてきた魚卓にお話を伺った結果、この逆境を跳ね返す秘訣の一端が見られた気がします。
ちなみに魚卓はYahoo!ショッピングで「おまかせ地魚セット」や「しらすの浜漬け」の販売もしています。そちらもぜひご利用ください!
魚卓/住所:神奈川県茅ケ崎市東海岸北 2-1-56/TEL:0467-81-4066/サイト/Twitter/Facebook/Instagram/LINE@ @hrs0605z/Yahoo!ショッピング
【アイス屋】アイスクリーム・ワッフル・クッキーのお店「Plenty’s」
最後に、茅ヶ崎を代表するアイスクリーム屋さんの「Plenty’s(プレンティーズ)」にお話を伺いました。
TVチャンピオンに輝いた「生チョコスペシャルアイス」や、マイナス20度の大理石の上でまぜまぜするアイス、他にもワッフルやクッキーが楽しめるお店です。
季節を問わずお客さんがたくさん訪れるPlenty’sの店主が、長谷川裕さんです。この東海岸商店会で会長もされている長谷川さんに、お話を伺いました。
小野寺
「最近はどうですか?」
長谷川さん
「うちの場合は、茅ヶ崎の路面店でいうと客層の変化はあるかな。ショッピングモールやデパートの店舗もあるんだけど、そっちは全然お客さん来なくなっちゃったね」
小野寺
「人が大勢集まる所は厳しいんですね」
長谷川さん
「いまはそういうムードがあるじゃない。ただ茅ヶ崎の路面店だけで言えば、平日の親子連れは増えたよ。親は在宅勤務、子どもは休校で普段できないコミュニケーションができてるのかも知れないね」
観光地と同様、人が集まるショッピングモールやデパートも集客が厳しいようです。その一方で、親子のコミュニケーションの機会になっているのは、ほっこりエピソードですね!
小野寺
「長谷川さんは商店会の会長ですから、周りのお店とのコミュニケーションも多いですよね」
長谷川さん
「うん、やっぱり業態によって影響はだいぶ違うね。皆さん生活がかかってるから、嘆いてばかりじゃいられないっていう風になんとか頑張ってるよ」
小野寺
「地域の方に、なにかメッセージはありますか」
長谷川さん
「地域の皆さんには、普段は行かない近所のお店も気にしてもらえると嬉しいですね。家にこもってテレビを見ていると、どうしても落ち込んじゃうじゃない? たまには外に出て、お店の人と挨拶や会話をしてもらえれば、少しは気持ちが晴れるかも知れません」
地域のお店について詳しい、商店会の会長さんにお話を伺いました。住んでいる地域にいる時間が増えている方は、平日の商店街を歩いてみると発見があるかも知れません。
気分が落ち込んでいるときには、アイスやクッキーのようなウキウキするものを買ってみるのも良いですね!
プレンティーズ 茅ヶ崎本店 住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-7-28/TEL:0467-88-0013/サイト/Twitter/Facebook/Instagram/LINE@ @yfc8346/Yahoo!ショッピング
おわりに
いかがだったでしょうか? 地域のお店がどのような状況にあるのか、少しでも伝わったでしょうか。
ここに書いてあることは、とある地域の、とあるお店の、たった一部分の話でしかありません。もっと悲惨な状況のお店もあれば、まったく影響がないお店もあると思います。
また世の中の自粛ムードを批判するつもりもありませんし、リスクを感じてお店には行かない方がいるのも、当然のことだと思います。
個人的には行って応援することが必要だと思っていますが、それ以外にも地域のお店を応援する方法はあります。
たとえば商品の発送ができるお店には電話やインターネットで注文をしてみるとか、もしくはSNSや口コミサイトに実際に行った時に感じたお店のおすすめポイントを書いて投稿することも良いですね!
この記事が、地域のお店が元気になるアクションを考えるきっかけになれば幸いです。
最後に、繊細なテーマにもかかわらず快く取材協力をしてくださった、東海岸商店会の皆さまに御礼申し上げます。
お近くの方は、ぜひご贔屓くださいませ!
↓今回取材協力をしてくださったお店のマップ(すべて茅ヶ崎駅から徒歩8分以内、雄三通りの近辺です)
↓東海岸商店会の紹介ムービー KEEP LEFT編