2024年1月19日、鹿児島県庁『かごゆいテラス』にて、食産業ネットワーキングセミナー『FOOD TECH KAGOSHIMA』の第1日目が開催されました。

鹿児島県が主催し、県内の食品関連企業の新たなビジネス展開を応援する全4日間のこのイベント。

最新のテクノロジーやビジネスモデルについての知識を学び、参加事業者や講師で交流を行います。

 

第1日目は「フードテックと企業間ネットワーク」をテーマに、ゲスト講師2組がそれぞれ約45分ほどの講義を行いました。

参加費無料なのが信じられないくらい出し惜しみなくノウハウが共有され、非常に勉強になるセミナーでした。

事業者同士が「ふんわり繋がる場」を作るべく交流会も開催。ここでも、参加者同士が知見を共有しあいました。

企業人同士がコミュニケーションを取りながら新しい発見をしていく場面を何度も目撃し、とても有意義な場であると感じました。

プロ同士の横の繋がりって、新しい何かを創り出せるかもしれない、大人ならではの期待感がありますよね。

そんな、鹿児島の産業をもっと盛り上げていきそうな『FOOD TECH KAGOSHIMA』は、まだあと3日間の開催が予定されており、参加枠も残っています。

次回開催は2月2日

鹿児島県内の全食品関連企業の方に知ってほしいイベントですし、個人的に他の地域でも同じような企画があったら面白そうだなと感じましたので、この記事ではご参考までにイベントの様子をレポートしていきます。

舞台は鹿児島県庁の共創空間『かごゆいテラス』

さて、こちらが会場の鹿児島県庁です。皆さんは行ったことがありますか?

あまり馴染みのない方は鹿児島県に対して「西郷どんの地元で焼酎とかが美味しい県」という共通イメージをお持ちかと思いますが、

巨大な西郷さんと一面に並ぶ県産焼酎

鹿児島県庁のロビーを見ると、そのイメージがだいたい合っていることがわかります。

そんな巨大西郷さんの奥にある18F展望ロビー直行エレベーターに乗ると、

本イベントの会場である『かごゆいテラス』に到着です。

かごゆいテラスは展望デッキを改装して作られた共創空間です。

かごゆいテラスは、誰でも気軽に出入りして作業や休憩に利用可能なフリースペースや、観光にも最適な桜島を望む展望ロビーがある「あつまる拠点」であり、

有料のコワーキングスペースを利用する起業家、スタートアップ、学生など、集まった鹿児島内外の様々な人々が「つながる拠点」でもあります。

単純に、景色の良い日の当たる場所で仕事をするのは捗りますし、展望ロビーで息抜きもできる素敵な空間なので、近隣にお住まいのリモートワーク可能な方はぜひぜひ訪れてみて下さい。

イベント準備の様子

今回のFOOD TECH KAGOSHIMAは、そんな『かごゆいテラス』の展望ロビーにて開催されました。

雨空だったため桜島の全貌は見ることができませんでしたが、鹿児島湾の広い空と海と街を一望できる気持ちの明るくなる空間でした。

Day1のセミナーテーマは『フードテックと企業間ネットワーク』

さて、16時になりました。イベント開始の時間です。

今回のイベントの目的は、「鹿児島県の一次産業、観光業、食品関連産業の強みを最大限に活かすため、“フードテック” をテーマとした知の学習、ネットワーキングの構築を行う」こと

地元の企業や団体などから30名近くが参加しました。県庁主催で地元参加者ひとりひとりの顔が見えるこの規模感が、横の繋がりを深める意味で程よく作用していました。

ちなみに今後、FOOD TECH KAGOSHIMA第2回開催では冷凍技術を軸に食の価値向上について、第3回は IT、アプリを活用した効率化について、そして最終日はセミナーで得た知見の実践をテーマに開催していく予定です(内容は変更となる場合があります)。

それでは、実際の講義の内容を簡単にご紹介していきます。

ゲスト講師1人目はユーグレナの北見さん。非常に勉強になる「企業間コラボ」について

微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を活用して、食品から化粧品、バイオ燃料まで幅広く開発・販売するバイオテクノロジー企業、株式会社ユーグレナから広報宣伝部部長の北見さんが登壇です。

数多くの企業間コラボレーションを行ってきたユーグレナの知見を、今まさに鹿児島県内で企業間ネットワークを構築しようとしている参加者に共有してくれました。

ユーグレナという会社の活動概要紹介に始まり、

実際にドリンクを飲みながら、ユーグレナの強み・持ち味を確認。その前提を踏まえ、これまでに行ってきた企業間コラボレーション事例の紹介・解説に移ります。

他の大手食品メーカーなど様々な企業とコラボしたり、

サウナとコラボしたり、多様なコラボレーションをしてきたからこそわかる、企業間コラボのメリットとデメリットや、意識すべき点が次々に語られます。

特にコラボレーションへの取り組み方、そのコツについての解説がとてもわかりやすく、各社すぐにでも取り入れられるよう噛み砕かれた非常に有意義な情報だと感じました。

「こんな有益な情報を惜しげも無くシェアしてくれることに驚いた」と、参加者の皆さんもノートをとるなどしながら真剣に聴講していました。

時間配分も完璧。

FOOD TECH KAGOSHIMAは、北見さんの素晴らしい講義で最高のスタートを切ることができました。

これが参加費無料って本当にお得だと思います。

JAPAN SAUNA-BU ALLIANCEも登壇。企業間ネットワークの意義を紹介しました

初日セミナーの後半は、毎度お馴染みJAPAN SAUNA-BU ALLIANCE(サウナ部アライアンス)から、JAL 岡本とコクヨ 川田が登壇。

フードテックについてはあまり語ることができませんが、サウナを通して繋がった企業間ネットワークから何が生まれたかを紹介しに行きました。

冒頭、参加者の皆さんのサウナに対する意識を質問したところサウナに親しんでいる人が多数だったので、安心してサウナについて語ります。鹿児島もサウナー多いんですね。

前半では「サウナ」という趣味をどのような文脈で「仕事」と結びつけていったのか、そこから企業同士の繋がりをどう構築していったのか、各企業内の実例をまじえて紹介しました。

そして後半では、JAPAN SAUNA-BU ALLIANCEで繋がった企業間での合同ネットワーキングイベントやサウナ施設との連携、企業間コラボレーションなどの事例を紹介。

超サウナ@ニコニコ超会議2023で実施した「サウナOB訪問」など、サウナ部のゆるい繋がりから始まった企業間ネットワークが、予想外の楽しい取り組みに発展することをアツく語りました。

こうして、FOOD TECH KAGOSHIMA初日のセミナーでは、フードテックと企業間ネットワークの持つ可能性を県内企業の皆さんと共有することができました。

しかし、ただ講義を聴いて解散!……ではないところがこのイベントの肝。さっそくこの後、企業間ネットワークの構築を実践する場が設けられていました。とても、とてもきちんとしています。鹿児島県、本気です。

横の繋がりに価値があることを実感する交流会。1分ピッチも開催

かごゆいテラス内のコワーキングスペースに移動し、交流会スタートです。

県商工労働水産部主催のこの会、全員が鹿児島県の産業を本気で盛り上げようと同じ方向を向いている感じがして、非常に良い雰囲気です。

もちろん名刺交換も行いつつ、

飲食しながら業界の情報交換を行いました。

意欲的な企業同士のコミュニケーションって、濃い。そんな県内食産業ネットワーキングの面白さを特に感じられたのが、1分間ピッチのコーナーです。

そう、交流会はおまかせでと放置されず、ちゃんとプログラムが用意されているんです。無駄な時間がなくてありがたいですね。真面目。

1分間ピッチは、希望した参加者が、事業内容の紹介と、自社の抱える課題を発表する形式で行われました。広報や販路、DXについての悩みなど、様々な課題が共有されていきます。

鹿児島県内に面白いチャレンジをしている食品関連企業が多くあることを知れるだけでもとても楽しい時間です。

発表された課題に対しては、県の担当者が活用できる制度などを紹介したり、

知見を持つ参加者や、同じ課題を抱える参加者が役立つ情報を共有していました。

一目瞭然で「企業間ネットワークの意義」を感じることのできる時間。

ユーグレナの北見さんもそうでしたが、皆さんもったいぶらずに情報交換していて、いわゆるwin-winな会になっているように感じました。このネットワークが続いていったら鹿児島県の食品業界全体が更に盛り上がりそう。利害関係とは違う企業人同士の繋がりっていいなと羨ましくなりました。

かごゆいサウナ部、発足!

そして、せっかくできたこの日の関係を継続し深めていくべく、鹿児島県の新しいサウナ部が設立されました!

部長は商工労働水産部 新産業創出室の福坪さん。かごゆいテラスを拠点に「ふんわり繋がる場」となる異業種・企業間交流会にすることを目指していきます。

メール等で連絡が来て、その交流会やサウナ会に参加したければ参加する形。そのゆるさなら是非ということで、今回の参加者全員が部員になりました。

県庁が旗振り役だから安心感がありますし、それでいてこの交流会のようにざっくばらんで有意義な繋がりになりそうなのが良いですよね。

これにて『FOOD TECH KAGOSHIMA』の第1日目は終了。地元愛がある意欲的な大人が集まるとこういった良いな出会いになるんだなと希望をもてるイベントでした。

ちなみにこの翌日、一部有志で早速朝サ活をしたそうです。

次回2/2(金)にぜひご参加ください

最後に、かごゆいサウナ部部長となった福坪さんからメッセージをもらいました。

第1回は企業間交流をテーマに色々な方が集まり、壁なく交流を進めることができました。次回以降も更に企業間ネットワークを広げていく企画ができればと考えております。
 
第2回以降も,フードテックを軸としながら、様々な業界で課題となっている人手不足や付加価値向上,販路開拓などについてのスキルをインプットできる機会を創っていきたいと思っています。様々な企業の方に、是非ご参加いただき、互いに気づきのある場にできれば幸いです。
かごゆいテラス自体、異業種交流がテーマの場なので、どの方も気軽にお越し頂き、新しい繋がりを作ってもらえれば嬉しいです。

「かごゆいテラス」を拠点にふんわりと企業の垣根を超えて繋がる場『かごゆいサウナ部』に皆さん是非、入部してください(^^)

鹿児島県は全力で繋がりづくりを応援します!

ちなみに、次回登壇予定の講師、特殊冷凍技術を使用した食品関連事業「マルカケ」プロデューサーの橋田さんはなぜか今回聴講者として参加して1分間ピッチしてました。みなさん情熱がすごい。

交流会で少しお話を聞いただけですが、かなり勉強になる最先端の知見をお持ちのようなので次回のセミナーも期待大です。

実際に一部始終を見学してみて、別の業界や別の地域でもこんな熱い/厚い繋がりが生まれたら、私達の未来はどんどん明るくなりそうだなと感じる素敵なイベントでした。

参加費は無料で肩肘張らないセミナーなので、少しでも「面白そうだな」と感じた鹿児島県の皆さんは、次回以降(あと3回)の参加をぜひ検討してみてはいかがでしょうか!

DAY2 参加者申込フォームはこちら

https://forms.office.com/e/hJ0Eptyqej

 セミナー詳細のチラシはこちら

以上、食産業ネットワーキングセミナー『FOOD TECH KAGOSHIMA』初日のレポートでした。

 

 

取材・執筆:勝山ケイ素

この記事をシェアする
B!
おすすめ記事