日本一の採石場!石切山脈は完全に「茨城のラピュタ」だった
茨城県笠間市稲谷にある日本一の採石場「石切山脈」が、ガイド付きのツアーサービスを開始!さらに地元・笠間産の栗をふんだんに使ったスイーツが食べられる「U-A cafeモンブラン」も併設オープン。「これは行かねば」ということで早速リポートしてきました!
みなさんこんにちは。
今回の記事、結論から言うと
ラピュタ、茨城にありました。
まずはこちらの写真をご覧ください。
完全にありました。
ここは、茨城県笠間市稲田にある日本一の採石場・石切山脈(いしきりさんみゃく)。
その規模は東西10㎞、南北5㎞にも渡り「茨城のグランドキャニオン」として紹介されることも。
この山脈から採れる稲田石(正式名称「稲田白御影石」)は、「白い貴婦人」と呼ばれ、白く澄んだ美しい岩肌が特徴的。
石としての評価は非常に高く、国会議事堂、最高裁判所、東京駅、第一生命ビル、国立代々木体育館、三菱銀行本店など、日本を代表する数々の建造物にも使用されるほど。
また、山脈の中でも2014年から採掘を停止している前山採石場には自然と水が溜まり、「地図にない湖」としてここ数年注目を集め、前年は2万5000人を超える観光客が訪れたそうです。
そんな石切山脈では、2020年11月14日(土)9時から新たに
- 採掘現場をガイド付きの車で巡る「プレミアムツアー」
- 地元の特産品である栗をふんだんに使用したスイーツを提供する「U-A Cafeモンブラン」
というふたつのサービスを開始。
今回は11月12日(木)にメディア向け内覧会が開催されたため、SPOT代表として突撃してきました!
※編集部注:その広場の歩道が稲田石です。
目次
石切山脈に到着!まずは入場チケットを買おう
東京駅からバスに揺られて約2時間。石切山脈に到着です。
到着後は、ツアーに参加するしないに関わらず、まず売り場で入場チケット300円(中学生以下無料)を購入しましょう。
チケットを購入すると、奥にある広場に進めます。
何やら稲田石で作られたオブジェ?のようなものが……。
広場をさらに進んでいくと……
出たーーーー!!!
これが噂の「地図にない湖」。写真ではうまく伝えられませんが、圧巻オブ圧巻でした。オラわくわくすっぞ。
いざ、ゆかん!プレミアムツアーへ
さて、そうこうしているとプレミアムツアーの時間に。
ツアーの概要は以下の通りです。
- 時間:ツアーは1日4回で1回につき約1時間。降車は4箇所だが、希望すればそれ以外の場所で降車できる場合もあるらしい。
- 移動:4人乗りのバン×2台(今回はメディア向け内覧会だったためマイクロバスで移動)。
- 料金:大人1,000円、中学生以下500円。
- その他:事前予約は必須。
公式HP…https://www.ishikiri-sanmyaku.com/
ざっくり言ってしまえば、サファリパークツアーのようなイメージでしょうか。
それでは行ってみましょー!
降車場所その1:断崖絶壁から見る絶景
最初の降車場所に行くまでに実感したのが、
「ヒールダメ、絶対」
です。
というのも、歩く道は基本的に石で凸凹。さらには急な坂道もちらほら。ガイドさんからも「ヒールの方はこの先に進むのはオススメしません」とのアナウンスがありました。おそらくパンプスでもキツイと思います。
ヒールでツアーに参加するのは絶対NG、というわけではありませんが、おそらく場所によっては止められますし危ないのでスニーカーを履いていくのが無難です。
悪路の先に姿を現したのは、申し訳程度に設置されているロープ。
恐る恐る身を乗り出してみると、
ヨイショーーー!!!
断崖絶壁から見る絶景。これぞ自然、これぞアウトドア。ありがとう茨城。ありがとう石切山脈。
ただ、周りにロープがない箇所もあるため、落ちてしまわないよう見学は慎重に!
降車場所その2:石切山脈の全体像が見える
次は、山脈の中程まで進んでいきます。
作業箇所を横目に停車。
歴代アメリカ大統領の顔が掘られた壁みたいな山(=ラシュモア山)がありました。
上の黒い部分はすでに採石が終わっているらしく、現在は下の白い部分を徐々に削り出しているそうです。
「白い貴婦人」と言われるだけあって、天然でも相当な白さ。
ここでダイナマイトを使用した発破作業をすることもあるそうですが、その頻度は年に数回とのこと。
さらに発破作業は危険性が高いため、運よくツアーの時間帯で発破の予定があったとしても、余程小規模かつ安全なケースでない限り見学はできないそうです。
降車箇所その3:一番の見せ場!これぞ茨城のグランドキャニオン
それでは、さらに山壁に近づいていきましょう。
コレだ。
求めてたのコレだわ。
思わず手を合わせ、祈りたくなるような光景。山壁の偉大さに、ただただ立ち尽くすのみ。
ふと「100年以上前の人がコレ削ってたの?スゴない?」と思ったり、「海外の遺跡みが強い」と感じたり。
コレだけでも見にくる価値は十分にあります。
降車場所その4:けもの道には気をつけるべし
最後の降車場所に向かう途中、ガイドさんから
「ここから先は本当にけもの道です。イノシシのうんことか普通に落ちてるので気をつけてください」
というパワーワードが。
実際、そこそこのけもの道でした。慎重に下って行くと……
逆光。
これはこれで趣があるというか、幻想的な雰囲気というか。
撮る角度を変えてみると、いい感じ。
あと、ここでは「石を削った壁面」を一番間近で見ることができます。
自然界における悠久の時を感じられるような、そうでないような。
と、このあと出発場所に戻ってツアーは終了です!
栗本来の風味で勝負したモンブランは「10分以内」に食べるべし
ツアー終了後は、地元・笠間市の特産品である「栗」をふんだんに使ったスイーツと石挽きのコーヒーをいただくことに。
僕が今回いただいたのは、「モンブラン」と「石臼コーヒー」の2つ。
最初に謝っておくと、僕はバカ舌なのでそこまでコーヒーの違い?味?がわかりませでした。スミマセン!!
もちろん、美味しく飲みやすったんですが「他のコーヒーに比べてどこかどう栗にマッチしているのか」といった微妙な差がわかりませんでした……。
ただ、そんなバカ舌の僕でも「あっ、コレうま」と思ったのがモンブランです。
スイーツ開発者の方曰く、
- 栗の甘味と風味を活かすために、砂糖は最小限しか使っていない
- 風味は表面積に比例するため、栗のペーストはあえて相当細く絞っている
- ただし、表面積を大きくすると水分の蒸発もはやい(=風味が失われるのも早い)ため、出来上がって10分以内に食べて欲しい
とのこと。
食べてみると、たしかに「凝縮した栗の塊を食べている」ような感覚。
「うぉっ、栗だ。めっちゃ栗だわ、コレ」みたいな。
しかも、舌に残るようなくどい甘さはまったくなく、食べている最中は濃厚、食べ終わった後はさっぱり。そんな不思議で美味しいモンブランでした。
中にはスポンジ、生クリーム、クッキーもあったんですが、個人的にはこの栗ペーストだけをずっと食べていたい。そう、強く思いました。
なお、来年の夏には「モンブランソフト」を発売予定とのことで、オールシーズン楽しめるスイーツ開発に励まれているそうです。
「栗」×「ソフトクリーム」は間違い無いので期待大。
そのほか、スイーツ試食会の横では石割りの実演がおこなわれていました。通常はやっていないそうですが、人気が出そうならレギュラー化するかも?とのことです。
ということで、今回のレポートはコレまで!
石切山脈観光を100%楽しむためのたった2つのコツ
ここからは、実際に現地へ行って感じた「石切山脈観光を100%楽しむためのコツ」を2つご紹介します。
コツ1.服装は「動きやすい服」×「スニーカー」×「ラフな髪型」がマスト
まず、服装と髪型は以下がオススメです。
- 服…動きやすく汚れてもいい服。砂埃がかなり付きます。気温は都心よりも若干低めです。
- 靴…スニーカー一択。ヒールはもちろん、パンプスやブーツもやめておきましょう。
- 髪型…ラフな髪型がベター。ヘルメット着用必須のため、セットしても意味がありません。
特に靴は絶対にスニーカーにしましょう。足を挫いたり、滑らせたりして怪我をしては元も子もないので。
コツ2.ガイドさんに「降りたい場所」をリクエストしてみる
今回のツアーはメディア関係者全員が一緒にマイクロバスで移動しましたが、通常は8人乗りのバンで移動します。
ガイドさんに確認すると、
「お客様から要望があり、かつガイドが安全な場所だと判断すれば、今回降りた場所以外でも降車することは可能です」
とのこと。他の観光客の方と相乗りになった場合は難しいとは思いますが、自分たちだけしかいない場合は積極的にお願いしてみるといいでしょう。
【提案】周辺の観光スポットと合わせて1泊2日のアウトドアツアーを組むといいかも
ここからは僕の個人的な提案です。
それは、
「茨城県の周辺観光スポットと合わせて、1泊2日のアウトドア中心プチツアーを組むといいかも」
です。
というのも、東京駅から石切山脈までは車で約2時間。往復4時間。そこから現地でプレミアムツアーに参加したりスイーツを食べたりしても、滞在時間は1時間30分ほどでしょう。
僕的に、移動に往復4時間かかるのに観光は実質1時間30分というのは、ちょっともったいない気がしてなりません。
SPOTには茨城関連の観光記事もいくつかあるので、そのあたりを参考に1泊2日くらいでプチツアーを組めば、茨城をもっと堪能できそうな気がします。
例えば、
- 1日目…竜神大吊橋で日本一の高さからバンジージャンプ。日本三名瀑日本三名瀑の「袋田の滝」を観賞。
- 2日目…水戸市周辺を食べ歩きして、帰りに石切山脈でツアーに参加。
といった感じで、石切山脈を軸にして自分だけのオリジナルツアーを考えてみるのも面白そう。
まとめ
日本一の採石場、石切山脈。
その名に恥じぬ圧巻の貫禄でした。普段インドア派な僕でも楽しめたので、アウトドア好きな人はもっと楽しめるかと思います。
個人的には、石切山脈だけに観光へ行くのではなく、周辺の観光スポットも合わせて回ってみると良さげな気がしています。
ではでは、茨城観光に行く際は、ぜひ「石切山脈」を選択肢のひとつに加えてみてください。
・名称…石切山脈(管理会社:株式会社想石)
・所在地…〒309-1635 茨城県笠間市稲田4260-1
・電話番号…0296-74-2537
・営業時間…9:00~16:00(売店 9:30~15:00)
・定休日…不定休
・料金…一般入場料:大人300円、中学生以下無料。プレミアムツアー:大人1,000円、中学生以下500円(※プレミアムツアーは要予約。実施時間 / 9:30~、11:00~、13:30~、15:00~)
・公式HP…https://www.ishikiri-sanmyaku.com/