都心から1時間の登山スポット 大山・七沢は魅力がいっぱい!

神奈川県の大山・七沢エリアの観光を、地元民が丁寧に解説。グルメや阿夫利神社、大山豆腐や七沢温泉など全て楽しむコースになっています。

はじめまして。神奈川県のど真ん中に住んでいる、ライターの少年Bと申します。

神奈川の魅力的なスポットと言えば、横浜、鎌倉、湘南……いいえ、それだけじゃありません。
今日は県央エリア・伊勢原市にある「大山」の魅力をお伝えしたいと思います!

(画像提供:大山阿夫利神社)

この字面だと鳥取の大山(だいせん)が有名ですが、こちらは素直に「おおやま」。別名「阿夫利山(あふりさん)」とも呼ばれています。
大山阿夫利神社や大山寺を擁し、古来から山岳信仰の対象となってきた山です。
2016年には「大山詣り(おおやまいり)」が日本遺産に認定をされました。

そんな大山のアクセス・グルメ・景色などの観光情報を、地元民が解説していきます!

伊勢原駅からバスで大山へ

やってきたのは小田急の伊勢原駅。新宿駅から、急行でちょうど1時間ののどかな街です。

改札を出たら、北口のほうに進みます。

駅を出ると、大山阿夫利神社の「一の鳥居」が。バスロータリーの向かいにあり、旅情を盛り立ててくれます。
ちなみに大山まではバスで約30分の道のりです。なかにはこの鳥居をくぐり、歩いて大山に向かう人もいるそうですよ。

バスで街中を抜け、20分ほどすると、景色が一気に変わります。大自然!

少し自然も楽しみたいので、終点のすこし手前の「あたご滝」バス停で下車してみました。
ここには大山の第一駐車場もあります。駐車料金は1日600円。車で来る場合はこちらか、バス停終点付近にある第二駐車場(1000円)を利用することになります。

橋の向こうには、バス停の名前になっている「愛宕瀧(あたごたき)」があります。
大山詣りで心を清める「滝垢離(たきごり=滝に打たれる修行)」を行ったと言われる滝のひとつ。
階段で滝つぼのすぐそばまで降りることができます。夏には目でも涼しいですね。

「あたご滝」から徒歩約10分。坂道を600m登ると、バスの終点「大山ケーブル」バス停です。

コマ参道を抜けて、阿夫利神社へ

バス停の名前は「大山ケーブル」ですが、すぐ向かいにケーブルがあるわけではありません。

ケーブルカーの駅に行くためには、こちらの「こま参道」を20分ほど歩きます。
大山参詣の本道だった「もみじ坂」が関東大震災で崩れてしまったため、そのとなりに新しくつくられた参道です。参道沿いに「大山こま」を売る店が並んでいたので、「こま参道」と名付けられたんだそう。

こま参道はところどころ踊り場や平坦な道を挟んで、362段あります。
さんびゃく、ろくじゅう、にだん!!!

ケーブルカーに乗る前に疲れちゃうんじゃないかなぁ……なんて思うかもしれません。

でも、こま参道には、その苦労もたのしみにしてしまう仕掛けがあります。
友達や家族とコマを数えながら歩いていると、気付けばだいぶ登れていたりします。

コマ参道の両側には、ところどころにいろんなお店が立ち並んでいます。
いくつかご紹介しましょう。

ふもとからコマ参道を登って、最初に出会うお店がこの金子屋支店。
大山の木々から、いまも手作りで「大山こま」を作っています。

いろんなお店でそれぞれの「大山こま」を販売しているので、比べてみるのもたのしいです。行きにお店を覗いてみて、帰りに買っていくのもいいですよ。

金子屋支店
住所 神奈川県伊勢原市大山585
営業時間 8:00~17:00
営業日 年中無休

この中村屋のわらび餅はぷるぷるでなめらか。口のなかで溶けていくような食感なのです。わたしも大山に来るたびに買っていきます。

自社工場でつくったわらび餅に、黒糖わらび餅。両方の味が味わえるミックスもあります。
わらび餅であんこをつつんだわらび大福や、芋ようかんも人気です。

中村屋
住所 神奈川県伊勢原市大山599
営業時間 10:00~16:30(土・日・祝日は17:00まで)
営業日 不定休

お茶屋さんや土産物屋さんが充実しているので、目でもたのしめます。

疲れたら、そのへんでちょっと休憩……なんてこともできるのがうれしいですね。
大山はこまのほかに豆腐も名物。とうふアイスなんてものもありますよ。

クイズもあります。ちなみに、この正解は「雨降山」(あふりさん・あめふりやま)。
大山の別名・阿夫利山の「あふり」は元々この「雨降り」から来ているんですって。
いまでも、地元のひとたちは「大山に雲がかぶっているから、明日は雨だな」なんて言ったりします。

ケーブルカーに乗ります

コマ参道を抜けると、いよいよ大山ケーブル駅が見えてきます。

大山ケーブルカーは、この大山ケーブル駅と阿夫利神社駅を結ぶ0.8kmの路線で、所要時間は6分ほど。

ちなみに、ケーブルを使わずに男坂・女坂と呼ばれる2つの山道を登っていくこともできます。
ゆるやかな女坂は40分、急な男坂なら30分で行くことができます。

大山ケーブル駅~阿夫利神社駅間は片道630円。往復は1,100円で、繁盛期は1,240円になります。
行きはケーブルカーで、帰りは女坂を通って途中にある大山寺に寄って帰っていく……なんていうプランもありですね。
なお、阿夫利神社駅までの切符を買った乗客は、途中にある大山寺駅で途中下車することもできます。

大山ケーブルカー
住所 神奈川県伊勢原市大山667
営業時間 9:00~17:00(この間20分間隔で運行)
営業日 年中無休

境内の茶店に立ち寄ろう

駅を降りると、すぐに神社になります。

敷地のなかにはお茶屋さんが。
「ルーメソ」ののれん、気になりますね。

こちらの「さくらや」は阿夫利神社の境内で長年営業をしているお店。
カラフルなお団子も店先で焼いていて、香ばしい香りが食欲をそそります。
ルーメソにしようかと思いましたが、左側に見えるかぼちゃ(350円)と紫芋(350円)を頼みました。

ちなみに「ルーメソ」の正体はラーメン。
元々は「ラーメン」ののぼり旗を、まちがえてのれんにしてしまったのがきっかけだそうですが、「おもしろいから」とそのままにしているんですって。

さくらや
住所 神奈川県伊勢原市大山12
営業時間 9:00~16:30(土・日・祝日は17:00まで)
営業日 年中無休

大山阿夫利神社の下社を参拝しよう

下社はこの石段の上にあります。

境内は広く、最近はあたらしくカフェもできました。
参拝をしたあと、眺望をたのしみながらお茶をするのもいいかも。

(画像提供:大山阿夫利神社)

時期によっては、夜間のライトアップも楽しめます。
ライトアップの情報は公式サイトからご確認ください。

ちなみに拝殿のとなりには、なにやらふしぎな通路が。

このなかは地下巡拝道になっていて、山中の水源から引いたという「神水」を飲むことができます。

大山を愉しむ

さて、大山阿夫利神社「下社」ということは「本社」があるわけですが、それは山の頂上にあります。

頂上へは、ここから約1時間半の登山が必要。

なお、「ガチ」の山道なので。

こんな道や岩肌を通っていきます。

帰りは難易度の低い別ルートを通りますので、登山初心者のかたはそちらも参考にしてみてください!

山頂の景色を楽しもう

石碑と鳥居。これを越えると……

頂上です!あいにく今日はこんな天気ですが……

山頂からの風景(画像提供:大山阿夫利神社)

晴れた日には、この絶景。

下社からの眺めもすてきですが、標高の高いぶん、さらに遠くまできれいに見えます。

富士山を望む(画像提供:大山阿夫利神社)

この「大山阿夫利神社からの眺望」はミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで二つ星を獲得しているんですよ。

なお、山頂には売店もありますが、不定休のため、山頂で食事をしたいというかたはご注意を。

日によっては、本社に神職のかたが上がっていないこともありますが、その場合は山頂まで行ってきたことを告げると、下社で御朱印を押してもらうことができます。

山頂付近にはテーブルや椅子も。景色を眺めながら少しゆっくりしていくのもいいですよ。

見晴台を通って下山

さて、景色を堪能したら下山しましょう。
帰りは見晴台を通るルートを選択します。

こちらは「見晴台ハイキングコース」。

行きに通った登山道よりも距離は1km以上長いのですが、整備がされていて、道がゆるやかなのが特徴です。
歩きやすいので、最初はこちらから登るのもおすすめですよ。

「大山の肩」と呼ばれる部分を尾根伝いに通ります。

下社から見える景色とはまた向きがちがうので、山頂まで行かなくても、下社から見晴台までを散策してみるのもいいかもしれません。
見晴台からは、日向薬師を通って七沢温泉までのルートも分岐しています。

見晴台から下社までの間はモミの原生林となっていて、神奈川県の天然記念物に指定されています。

こちらのルートの入口は、「ルーメソ」のさくらやの隣。登山道の入口とは場所がちがうのでご注意を。
山頂までの目安時間は、登山道だと1時間半、こちらのハイキングコースは2時間10分です(休憩時間を除く)。
時間や体力と相談してルートを決めるようにしてくださいね。

大山寺でかわらけ投げをしよう

さて、ふたたびケーブルカーに乗って、大山寺駅で途中下車です。

駅から舗装された道路を歩いて5分。ここでは「かわらけ投げ」という厄除けが体験できます。

かわらけは漢字で「土器」と書きます。ふりがなが逆なのが珍しいですね。
天日干しの土器でできていて、投げてもすぐに土に還るようになっています。

投げて厄を落とし、砕いて厄を払うという意味が込められています。
このかわらけ投道場から崖の下に向けて、思い切り投げます。

輪のなかを通ると願いが叶うんですって。
わたしも挑戦してみましたが、2投とも輪の手前で墜落してしまいました……!

厳選グルメ&温泉情報

さて、下山したらおいしいグルメをたのしみましょう。登山でカロリーを使っているからセーフですよね。
バス通りにも、おいしいお店がたくさんあります。

大山豆腐

創業400年の「東学坊」。大山豆腐の懐石料理を味わえるほか、宿泊や写経の体験もできます。

小町膳(2,500円)は手作りの豆腐を使った料理を味わえます。

季節によってメニューも変わるので、時期を変えて訪れるのもたのしいかもしれません。

大山の湧水を沸かしたお風呂も完備。山登りでかいた汗を流せます。
通常、日帰り入浴は1,000円ですが、なんと食事をすると無料で入れるんです!

東学坊
住所 神奈川県伊勢原市大山437
営業時間 12:00~21:00 (L.O. 19:00)
営業日 不定休
参考サイト ぐるなび

大山豆腐はおみやげにも

その東学坊の向かいにあるのが「湧水工房」。
東学坊の手作り豆腐を購入することができます。

大山の湧水を使用し、昔ながらの製法で作った大山豆腐は、うまみが凝縮されたコクのある味わい。
1パックから買うことができるので、お土産にも最適です。

湧水工房
住所 神奈川県伊勢原市大山438
営業時間 10:00~17:00
営業日 水曜・不定休
参考サイト ぐるなび

ふわふわのかき氷

さらに山を下っていくと、巨大なかき氷で有名な「清水屋」があります。

こちらも昔ながらのたたずまい。落ち着いた空間でゆったり時間を過ごせます。

さくらんぼ杏仁(800円)をオーダー。
きめ細かく、ふわふわのかき氷は、大きくてもするっと食べられてしまいます。

お店の目の前にバス停もあるので、ここまで歩いて、あとはバスで……なんてプランもいいですね。

清水屋
住所 神奈川県伊勢原市大山295
営業時間 9:00~17:00
営業日 水曜定休
参考サイト ぐるなび

七沢温泉に入ろう

大山の見晴台から日向薬師を通って、七沢温泉まで行くルートもあります。こちらは、見晴台から約2時間半の下山コース。
自家用車の場合は、大山から約20分。伊勢原駅に向かうバスに乗った場合でも「片町十字路」バス停で「七沢」行きに乗り換えればOKですが、七沢行きは本数がすくないので、注意が必要です。

七沢温泉の外れにある七沢荘。「広沢寺温泉」のバス停から徒歩7分ほど。

この七沢荘は「ゼロ磁場」に存在するらしく、ちょっとおかしなパワースポットが敷地内にいくつもあります。

「九宮飛びの秘伝」だったり「宇宙パワーボックス」だったり。ちょっと珍スポットの香りがします。

露天風呂の写真(画像提供:七沢荘)

ただ、お湯は抜群。アルカリ性の温泉はとろけるような肌ざわりの「美肌の湯」。
湯船だけでなく、洗い場のシャワーにまで温泉水を使っているんですよ。

七沢荘
住所 神奈川県厚木市七沢1826
営業時間 8:00~21:00
営業日 年中無休
参考サイト:Yahoo!トラベルじゃらん楽天トラベル

〆はおいしいラーメンで

七沢で人気のお店と言えば「ZUND-BAR(ズンド・バー)」。
近年、都内で人気の「AFURI」というラーメン屋さんをご存じでしょうか。あのお店も元々はこのZUND-BARから始まったのです。
AFURIの名の由来はもちろん、大山の別名・阿夫利山から。

ラーメン屋さんとは思えない、クラシックで落ち着いた店内。
そして、AFURIにはない、このお店限定のメニューもあるんです。

それがこのズンド・バー クラシック(1,370円)。
オープン当初に出していたという、かけラーメンと少量のごはんの上に具をトッピングしたもの。
繊細かつクリアなスープを、お好みに合わせて味を変えながらたのしむことができます。

新鮮素材にマダガスカル産のバニラビーンズをたっぷり加えたソフトクリームも、ZUND-BARの名物のひとつ。
ここでしか味わえないおいしさ、食べにきてみませんか?

七沢からは伊勢原駅行きのほかに、本厚木駅行のバスも出ています。そちらのほうが本数も多いので、都心方面へのかたにはおすすめです。

ZUND-BAR
住所 神奈川県厚木市七沢1954-1
営業時間 11:00~21:00(土・日・祝日は9:00から営業)
営業日 年中無休
参考サイト:ぐるなび

まとめ

神奈川県央エリアの観光地、大山・七沢をざっくり紹介させていただきました。
朝から晩まで、たっぷり密度の濃い日帰り旅行が、都心から1時間の場所でできてしまうんです。
もちろん、大山の宿に泊まっていっても、この中からいくつかを選んで巡ってもOK。体力に合わせて、無理なくたのしんでみてください。
きっと、今まで知らなかったワクワクに出会えますよ~!

 

ライター/少年B(@raira21
写真/ナカノサキ(@nakkanasa