こんにちは。福岡県在住のライター、大塚拓馬(@ZuleTakuma)です。
福岡県宗像市にはイズバ(@IZBA14)という、ロシア式のサウナ施設がありましたが、とある事情で一時閉鎖状態に。その後、クラウドファンディングに成功し、再オープンを間近に控えています。
そんな中、新型コロナウイルスの影響でサウナ界に逆風が……。イズバはどうなってしまうのでしょうか。
この記事では再オープン間近のロシア式サウナ施設イズバの現状と、ロシア式サウナの魅力についてレポートします。
目次
ロシア式サウナとは?イズバの概要
イズバに到着すると、ロシア人オーナーのアルビナさんと、村嶋さんにお迎えいただきました。
▲オーナーのアルビナさん(右)と村嶋さん(左)
――そもそもロシア式サウナって、どんなものなんでしょうか?
村嶋さん:「バーニャ」と呼ばれる、ログハウスの中で木の香りに囲まれながら汗を流す伝統的なサウナです。ストーブの温度はやや低めで室内は70度~80度程度になんですけど、蒸気をたっぷり発生させるので、体感温度はかなり高く感じます。めっちゃ気持ちいいですよ。
▲ロシア式サウナ(バーニャ)
――なるほど。イズバとはどのような施設なのでしょうか?
村嶋さん:イズバではそのロシア式サウナを貸切で利用できるようになっています。水風呂もついていて、自由に思いっきり楽しめる施設ですよ。
――おお!家族風呂のサウナ版みたいな!それは楽しみですねー!!
村嶋さん:ただですね……、肝心の施設は2018年に火災で焼失しておりまして…。
――えっ。
▲火災直後のイズバ
アルビナさん:イズバは今、再建中で工事中です。2020年5月には新しいサウナ施設がオープンする予定なんですよ。
▲再建中のイズバ
――そうだったんですね。再建には多額の費用がかかったのではないですか?
村嶋さん:そうですね。そこでクラウドファンディングで資金集めを行いました。全国のサウナファンの方に応援してもらい、1,686,500円の資金が集まったんですよ。
▲イズバのクラウドファンディングには150人ものパトロンが
――ええ!!すごい!それほどたくさんの人に愛されている施設だったんですね。
村嶋さん:はい。やっぱり日本唯一のロシア式サウナですからね。実は私も応援しているメンバーの一人で…。
――えっ、村嶋さんは社員の方ではないんですか?
アルビナさん:村嶋さんはご厚意で手伝ってくださっている、支援プロジェクトメンバーの一人です。他にも北村さんというメンバーもいるんですが、その2人のサポートがなければ、今回のクラウドファンディングの成功はありません。
▲村嶋さんは一利用客だった
――村嶋さんはどのようなことをされているんですか?
村嶋さん:ITや日本語が不得手なアルビナさんに変わって、クラウドファンディングの運営をしたり、このような取材対応をしたり……などさまざまですね。
――なるほど。村嶋さんはなぜ、イズバの再建を手伝おうと思ったんですか?
村嶋さん:僕も火災の知らせを聞きまして。とりあえず、現地に行ったんですよ。正直「もうダメかな」と思って…。アルビナさんに関しても「ロシアに帰っちゃったかも」と思っていました。
――現地についた時、アルビナさんの様子はどうでしたか?
村嶋さん:もくもくと後片付けをしていました。状況を尋ねると、アルビナさんが「私、またやるよ」って。
――アルビナさんは前を向いて頑張っていたんですね。
村嶋さん:アルビナさんが「やる」というのなら、僕も「絶対また入りたい」と思いました。僕自身は、とにかく「あの最高なサウナにもう一度入りたい」という気持ちで支援しています。
▲クラファンで集めた資金によりロシアから木材と職人が来日できた
――まさにたくさんの人の「情熱」だけで、今、ここは再建されようとしているんですか……。
村嶋さん:それだけ、イズバのサウナには魅力があるんです。このめちゃめちゃいいサウナをみんなに広げたいんですよ。
――このような情熱が集まって、クラウドファンディングを成功に導いたんでしょうね。
アルビナさん:クラウドファンディングに協力してくださったみなさんが、私たちを信じて期待してくださっているという事実が精神的な支柱になっています。
――完成するのが楽しみですね。
アルビナさん:今までのイズバよりもっといいサウナをつくろうと思っています。一度やって「もっとこうしたい」ということも思っていました。イズバの日本唯一のロシア式サウナを早く体感していただけるように頑張ります。
新型コロナウイルスの影響は?
――しかし、サウナの再建が間近に控えた状態で「新型コロナウイルス」の問題が出てきました。影響は感じますか?
村嶋さん:イズバは貸切で使うサウナなので、公衆浴場と違って、不特定多数と密集しないのは利点ではあります。ただ、サウナ自体への関心が下がったり、足が遠のくということは考えられますね。
――なるほど。まだ再建前なので直接的な影響はないですよね?
村嶋さん:いえ、この前サウナの展示会が中止になってしまうということはありました。イズバのサウナを知ってもらうための貴重な機会だったんですけど……。
――あー、展示会は厳しいですよね…。いったいどのような展示をする予定だったんですか?
村嶋さん:イズバでロシア式の「樽型サウナ」を販売しているんです。その「樽型サウナ」を展示する予定でした。
▲樽型サウナ
――あ、このようなサウナの販売もやってらっしゃるんですね。すごい!これいくらするんですか?
村嶋さん:サイズや形によっても違いますが、約130万円~で購入できます。これも自宅で貸切の状態なので、感染リスクの低いサウナでもあります。
――なるほど。日本のサウナとどんなところが違うんですか?
村嶋さん:いろいろありますけど、僕の思ういちばんの魅力は「香り」ですね。シダと言う木材から作っているんですけど、サウナの中はシダの良い香りがして…。リラックスできますよ。ぜひ入ってくださいよ!!ロシアサウナの熱を体感していただきたい!!
――(村嶋さん、サウナについて語りだすと急に熱くなるなぁ……。)
ロシア伝統の「樽型サウナ」を体験!
▲薪を燃やして室内を温める
――村嶋さん、実は僕はサウナ初心者でして…。こんな僕にロシア式サウナの魅力とか、違いとかわかるのかな~って、ちょっと不安なんですが。
村嶋さん:サウナ自体はお好きなんですよね?
――まあ、好きですけど、村嶋さんに比べると…。なんというか、普通に好きって感じで…。
村嶋さん:ぜったい大丈夫!入ればわかりますので!!樽型サウナは展示用なので、ふだん貸出し営業はしていないんですけど。今回はまだサウナ施設ができていないので、特別に。
――なるほど。わかりました…!
▲煙突からは煙がもくもく
アルビナさん:村嶋さんも入ったらいいじゃない。
――おお!!ぜひ、一緒に入ってくださいよ。
村嶋さん:えっ!そんな、だって僕、今日はそんなつもりでは…。まさかそんな…。
――(すげえ入りたそうだな)いけますよ!いっちゃいましょうよ!
村嶋さん:…そうですか?
――そうですよ!!
村嶋さん:…よし、いっちゃおう!!!
急遽、村嶋さんも一緒に樽型サウナを体験することになりました。村嶋さん、めっちゃ嬉しそう。
全身が同じ温度で心地よい
▲樽型サウナの室内にはベンチとヒーターが入っている
――すごい、もうしっかり温まってますね。
村嶋さん:夏場には20〜30分で温まります。冬場でも1時間程度で温まるので、結構早いと思います。さっそく入りましょう!!
――ああー、気持ちいい!全身が包み込まれるような、やさしい暖かさ。
村嶋さん:樽型サウナは円形になっているので、熱が循環するんですよ。だから、足先も頭上も温度差が少なくて、上半身だけ熱くて下半身がぬるいということがありません。
――なるほど、それでこの包み込まれるような暖かさがあるんですね。あと、香りがいい……。
村嶋さん:そう!!このシダの香りがいいんですよ。この木の香りがね、独特で…。いいんですよ……。
貸切なのでサウナに集中できる
――すぐに汗が出てきました。でも、そんなに温度は高くないですよね。
村嶋さん:今は75度くらいですかね。でも湿度があるので、体感温度は高いと思います。
――貸切だと、周囲を気にしなくていいのはいいですね。会話しても大丈夫ですし。
村嶋さん:そうそう。周囲を気にせずサウナに集中できるのがいいんですよ……。僕なんかは公衆浴場のサウナでテレビが流れてるのも苦手で……。あれがいいという人もいるんでしょうけど…。
村嶋さん:はぁー……いい……。はぁー……。
――(あんまり話しかけない方がいいのかな…)
セルフロウリュでヒートアップ
村嶋さん:そろそろ、ロウリュいきましょうか。
――えっ、どんな風にするんですか?
村嶋さん:この石に水をかけるんですよ。
――ここに水をかけると温度が上がるんですか?
村嶋さん:温度は上がらないんですけど、湿度が一気に上がるので、体感温度がグッと上がります。いきますよ?
ジュジュ―ッッ!!ジュジュ―!!
――すごい。すごいすごいすごい。上がってきた上がってきた。
村嶋さん:あー、これこれこれこれこれ。おおおおおおおおおお!!!!!
――おおおおおおおおおおおおおおおお!!!すげえ!水かけただけでこんなに変わるんか!!
村嶋さん:もっと…もっと、いこう!大塚さん、いっちゃおう!!!
――よ、ようし、オレも!!!!いっちゃえ!!!
たっぷりいっちゃおう!!!
ジュジュウウウウ!!!ジュッ!!ジュウウウウ
――うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
村嶋さん:キタキタキタキタキタキタキタ!!!!!!
――やばい!!このメリハリやばいわ~!!!おおおおおおお!!!!
村嶋さん:クゥーッッ!!
――アツイアツイアツイ!もう限界だ!!!
村嶋さん:ロウリュやり過ぎたかも!!!出よう出よう!!!
水浴びの解放感&貸切サウナならではの自由さ
――やべーーーー!!アツイアツイ!!
村嶋さん:水浴びて!早く水!!!!
かああああああああ!!!!!!
さいこおおおおおおお!!!!
村嶋さん:水貸してっ!!!!
カァーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!
アァーーーーーーーーッッ!!!!!!!!!
▲僕らは完全にキマッてしまいました。俗にいう「ととのう」。
――いやあ、いい。いいっすね。こんっっなに気持ちいいんですね。
村嶋さん:そうでしょ、いいでしょ。
――ちょっとのぼせたかな?やりすぎたかな?と思ったんですけど、この冷たい水を浴びて身体がクールダウンして、蒸発しながら急激に体の熱が冷めていく感じ、最高っすね。
村嶋さん:そうでしょ、そうでしょ。これなんですよ。イズバができたら、ちゃんと水風呂に入れるようにもなるので、それができたら最高ですよ。
――このキマってる時に見える緑も心地よいですね。
村嶋さん:ここは山の中だし、海も近いですからね。波の音も聞こえるので、最高ですよ。
――貸切サウナだからこそ、はしゃげるのもいいですね。
村嶋さん:公衆浴場で僕らみたいにはしゃいだらダメですからね。セルフロウリュもできないところが多いですし。
――昨今のサウナブームで、公衆浴場ではしゃぐ人が出てきてるそうですけど、はしゃぎたい人は貸切がいいのかも。
村嶋さん:公衆浴場は公衆浴場で良さがあるけど、貸切で人目を気にせずサウナに集中して、思いっきりキマるのもいいもんです。
――よし。村嶋さん、もっかい行きましょう!!!!!
村嶋さん:ですね!!!
福岡県・宗像にロシア式リゾートを!イズバが見据える未来
――アルビナさん、ロシア式サウナ最高でしたよ!気持ちよかった!!
アルビナさん:そう!よかった~。
村嶋さん:いやあ、イズバを思い出しましたね。
――火災前のイズバもあんな感じでしたか?
村嶋さん:そうですね。もっと広くて、水風呂があるのが違う点ですけど、本質的にはあんな感じですね。
――なんかサウナを通じて、僕と村嶋さんも打ち解けた気がします。
村嶋さん:ホントに。一緒に非日常体験するのがいいんでしょうね。笑
――イズバができあがったときに、このサウナにまた入ってみたいなー。
村嶋さん:そうですね。まずはサウナから始まりますので。
――「サウナから」ということは他にもあるんですか?
村嶋さん:実はここ、もともとは某大企業の福利厚生施設だった土地なんです。立派な建物も残ってるんですよ。
――本当だ。旅館みたいな。
アルビナさん:将来的にはここをロシア風に改装して宿泊したり、食事ができるようにしたいと思ってるんです。
――客室はだいぶキレイですね。ここもロシア風に改装するんですか?
アルビナさん:そうですね。ここは景色もよくて、キレイなんですよ。
――本当だ。窓からは海が見える。ロシア式サウナでキマッて、ロシア料理に舌鼓。そして、オーシャンビューの景色を楽しみながら宿泊……。
アルビナさん:そうそう。でも、まずはサウナを軌道にのせないと。
村嶋さん:そんな夢が叶うのも、サウナの成功にかかっています。
――そうですね。みんなでこの場所の成長を一緒に楽しんでほしいですね。できてすぐ行った方が得ですよ。成長していく様子を楽しめますし。
村嶋さん:みんなで夢を共有したいですね。
――本日は貴重なお話と体験をさせていただき、ありがとうございました!
イズバ=宗像の大自然×ロシア式サウナ=最高!
取材の終了後、ふと気になってオーナーのアルビナさんに「なぜ宗像でイズバを始めたんですか?」と尋ねてみました。
するとアルビナさんは「ここじゃなきゃできない」と一言。アルビナさんは山と海が共存している宗像の自然を愛していました。
海と山の自然に溢れた宗像。そこにこれからロシア式リゾートが復活しようとしています。
2020年5月にオープンした暁には、ぜひイズバの貸切サウナを体感してみてくださいね。
僕もオープンしたら、絶対に行こうと思っています。
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