正月に新たな挑戦を!「あんもち雑煮」を作ってみた

あんもち雑煮とは、香川県で食べられているお雑煮のこと。白みそ仕立てのお汁に、白餅ではなくあんこ入りのお餅が入ったものです。字面だけ見るととんでもないですね。あんもちとお雑煮をドッギングさせるだなんて、不思議すぎてもはや異次元の食べ物とすら思えます。

突然ですが、問題です。「お正月に食べる、地方色が強いものといえば?」

はい!正解は、お雑煮~!

こんにちは、鳥取県生まれ香川県在住ライター・すぎゆうです!

お正月直前になると、各メディアでお雑煮の特集が組まれ、変わり種雑煮が話題になることがありますが、そこでよく取り上げられるものの一つで、「あんもち雑煮」って聞いたことはありませんか?

 

我が家では、元日は香川県の郷土の味・あんもち雑煮を作り、2日には鳥取県の郷土の味・ぜんざい(別名・小豆雑煮)を作るのが正月の風物詩。つまり我が家の正月の6割はあんこでできています

あんもち雑煮もぜんざいもどちらもおいしいのですが、今回はあんもち雑煮をより多くの人に試してもらいたいと思い、実際に作ってレポートします!

あんもち雑煮とは?

あんもち雑煮とは、香川県で食べられているお雑煮のこと。白みそ仕立てのお汁に、白餅ではなくあんこ入りのお餅が入ったものです。

あんもち雑煮、字面だけ見るととんでもないですね。あんもちとお雑煮をドッギングさせるだなんて、不思議すぎてもはや異次元の食べ物とすら思えます。

意外と簡単に作れるので、こちらのサイトのレシピを参考に作ってみます!

材料をそろえる

参考サイトを元に、基本となる材料をそろえてみました。

大根、人参(今回は金時人参を使用)、豆腐、白みそ、あん餅

今回は、香川県内で作られている白みそを使用しています。

 

お雑煮は縁起をかつぐものなので、餅だけでなく、大根や人参は縁起の良い丸い形が基本。

しかし撮影時(11月中)は、雑煮用の雑煮大根は売っておらず、普通のぶっとい大根しか売っていません。

今回はクッキーの型を使ってちまちまと作業しました。めんどくさいので、雑煮大根を買うか、いっそのこと普通の大根をいちょう切りしてもいいと思います。

それと、あん餅雑煮の陰の主役・いりこだし。

 

今回は香川県の会社「鎌田醤油」から出ているだしパックを使いました。

普段からいりこラバーな方は、いりこを水に一晩漬けた水だしを作ってもいいですし、いりこの粉末だしでもおいしく作れます。

とにかく、だしの形状は何でも、おいしければOKです!

作ってみた!

早速、サイトを参考に作っていきます。

1.いりこで取っただし汁に、人参、大根を入れて火にかけます。

具材が柔らかくなるまでくつくつと煮ていきます。今回の雑煮づくりの中で一番時間がかかるのがこの作業です。気長にひたすら煮ていきます。

ただ、「そんなに気長に待てない!」という方は、大根と人参をタッパーなどの耐熱容器に水と一緒に入れ、レンジで数分チンして柔らかくしておいてもいいかと思います。

2.具材が柔らかくなったら、あん餅を入れる

早くも主役の登場です!!

早くね!?とは思いましたが、餅が柔らかくなるのは案外時間がかかるので、このタイミングで間違いないだろう!と思ってどんどん先に進みましょう!

3.豆腐を入れる

豆腐はさすがに丸くくりぬけないので、小さめの正方形に切ってから入れます。でも、ご覧の通り崩れました!!

でも、多少崩れても白味噌のお汁に隠れるので気にせずどーんと入れちゃいましょう!

4.鍋の火を止め、白味噌を入れる

あん餅が中に隠れちゃっているので、この時点では味噌汁にしか見えませんが大丈夫です。

 

実食!

実際に食べてみると、甘いあん餅×甘じょっぱい白みそ=無限大のおいしさが口の中で広がります。

食べ始めると程よい甘じょっぱさの無限ループに箸が止まらず、気づけば二杯目に突入していました。

あん餅雑煮、恐ろしい子……!

ちなみに、今回は材料に基本の大根・金時人参・豆腐の3つで構成しましたが、里芋や白ねぎ、かまぼこ、油揚げを入れるレシピもあります。家にあるものを入れて、オリジナルのあんもち雑煮を作っても楽しいかもしれませんね!

あんもち雑煮考えた人天才説

食べてみて分かったのは、あん餅雑煮を考えた人は天才ではないかということです。

冒頭で紹介したサイトによると、その天才はどうやら明治時代にいた模様

江戸時代当時の香川県では、「讃岐三白」といい、綿、塩、砂糖の三大白いものが特産品の代表格でした。

しかし、県内で砂糖を作っていたにも関わらず、当時の一般家庭にとって、砂糖は大変な貴重品という扱い。

つまり、砂糖を作っていても食べられなかったのです。残念な話…!

明治時代に入り、「貴重な砂糖をどうにかして食べたい!」という思いが募った天才。そこで「お正月だけなら……!」と、年に一度どーんと砂糖をたっぷり使ったあん餅雑煮を食べるようになったのです。

今ではあらゆるメディアで取り上げられる度に「あん餅雑煮なんて変わってるなぁ!」とネタにされるものの、実はその歴史はなんと150年を超えていたのです。

甘いものに焦がれた香川県民の歴史に思いを馳せつつ、2022年のお正月はあん餅雑煮にぜひ挑戦してみてください~!