「芋煮」という料理をご存知かね?
……博士みたいになってましたね、すみません。実は僕もあまり理解していない料理の一つでして、そしてこの「芋煮」に僕は憧れがあるんです。
――芋煮(いもに)とは、
山形県の名物郷土料理で、醤油ベースの味付けに、里芋をはじめ、牛肉、こんにゃく、ねぎ、きのこなどが入った心がほっとする味の鍋料理。
福島・岩手などの東北地方でも食べられる事から「これが芋煮のルールだ!」の様な決まり事はないらしく、山形県内でも味が異なり、味噌ベースで豚肉を使う地域もあるんだとか。なんか喧嘩してそっ!
そして、芋煮と行ったら忘れちゃいけないのが、「芋煮会」
夏が終わり、過ごしやすくなった秋の季節に家族や地域の方々お友達などとBBQの要領で芋煮をみんなで集まって食べる行事があるらしく、コレがハチャメチャに楽しいんだとか……。
やってみたい。
涼しい川辺。土曜日の13時とかから集まって、お肉や野菜を焼きながら芋煮を囲んでお酒を飲む。カーーッ!たまらんね!
紙コップにペンで名前変えてるのに意味なくなっちゃったり、紙の取皿がふにゃふにゃになって話してる間にタレがこぼれてたり、ぼーっと焦げ肉置き場と化した深皿を見たり、気をつけていても焼き肉のタレで手がベタベタになるの嫌だなぁって思ったり、解散する時10000%塩コショウが一緒になってる筒状のやつが残るから持って返ったり……
楽しそう過ぎるだろ! 芋煮って寄よりバーベキューの話だけど!
でも、無理なんだってさ。コロナだから。トホホ……。
しかも、山形県で毎年行われている「日本一の芋煮会フェスティバル」というイベントも中止になったって。
いい加減にしろ、どうもありがとうございました。って感じ。
芋煮会にかける想いは、現地の方の方が強いのはわかっていながらもいつか体験したい「芋煮会」。
あー!芋煮会……やってみたいなぁ!
――と、普通に路上で嘆いていた所、SPOT編集部から一通のオンラインチャットがポコン。
SPOT編集部「そんなに芋煮会がしたいなら、”日本一の芋煮会フェスティバル”が公式で出してるお取り寄せ商品を使って、家で本場の芋煮を食べてみませんか?」
みくのしん「!!」
そんな、アイデアをいただきました。ありがとうSPOT編集部……!
という事で、今回は家で一人、芋煮をしたいと思います!
そういう記事だ!わかったか!
山形日本一の芋煮会フェスティバル特製芋煮セット3~4人前(多っ!こっちは一人だぞ)
こちらが”日本一の芋煮会フェスティバル 特製芋煮セット”
僕はかなり食べるのが好きなので、もうこの時点で言えます。
これは美味しそうだ。
このロゴもかわいい。もうワクワクするし、こんなのが家に届いたら最高だ。クリスマスや誕生日で、包み紙開けてコレが入ってても大喜びする自信ある(その時の年齢によるけど)。
中身はこんな感じ。本当にこれだけで芋煮が作れる材料が揃ってる。作ったこと無いけどわかる。だって水から入ってんだよ?水道止まっててもカセットコンロで芋煮が出来るなんておったまげでしょ?
そして何より驚いたのがこの山形牛(250g)。美味そう過ぎる。成人式の朝でも食べないよ。こんなお肉。
普通に考えてくれ。いや、教えてくれ。ちょっと冷静になって!……山形牛ってグラムいくらですか?
今適当に調べてみたけど、通販は300gで6000円とかするぞ(ほぼ、報酬じゃん)!?そんなお肉が芋煮のセットに入って5400円てどうなってんの!?すき焼きやっていいか?
すき焼きはやっちゃダメとの事なので芋煮を作ります。
ただ、今は平日のお昼時間。これから作るとなると普通に仕事サボって芋煮作ってるのは会社と芋煮のどちらにも申し訳ないのでお肉は冷蔵庫に入れておきます。
冷蔵庫結構一杯になってきたな……。
ラードの上に置いておくか。
え、あれ、これ。
ダブルみょうが……。
おめぇっ!……冷蔵庫に自分でかったみょうがと大家さんからもらったみょうが(マジ)あんじゃねーか!!!!!!
フンっーーーーーーー………………………………。
あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”
ー仕事とあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”後ー
作る(嘘)
それでは!仕事も終わって夜になったの実際に作ってみます!
このパッケージには芋煮の作り方が書いてあるのでまじで安心!まぁ、そんなに難しくないんでしょうけど、「本物の芋煮」に近づけるために一応ちゃんと見ておくか。
どれどれ……。
ん……?
お……?
芋煮鍋の作り方(出来上がりまで約40分)
1・里芋を一口大に切って、一度固茹でします。 ざるに上げて里芋を水洗いし、ぬめりを取り除きます。
2・鍋に、こんにゃくを一口大に手でちぎって入れ、里芋と、月山自然水2本、 芋煮のタレを1/5ほど入れ、強火で煮立たせます。煮立ちましたら中火 にします。(あくが出ますので、なくなるまで取り除いてください。(こんにゃくは一回あく抜きしなくていいの?))
3・里芋が柔らかく煮えましたら、10cm位に切った牛肉と、芋煮のタレの残 り全てを入れ、里芋に少々味がしみるくらい煮込みます。
4・ 最後にそぎぎりにしたネギを入れてひと煮立ちしたら出来上がりです。
里芋の固茹ってなに?固く茹でる?茹でるのに?とんこつラーメンの固茹でみたいな感じ?え?
そんでこんにゃくはさらっとあく抜きせずに鍋に入れてるけど、いいの?それ、いいの?「あくが出ますので、なくなるまで取り除いてください」って書いてあるけど、コレって、なんかモコモコ出るタイプのあくだよね?それってこんにゃくのあくとは違うよね?
っていうか待ってくれ……あくってなんだよ……?悪……違うか……
あ。
あ。。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
BADイチロー状態
作ったこと無い料理のレシピを目の前に、そしてそれを100点で再現したい時、人は皆BADイチロー状態になるといいます。
押し寄せる、不安が。
……というのも、実は本場の芋煮を一度食べたことがありまして、山形県に実家がある友人の家にお正月お邪魔したことがあり(なにそれ)そこで食べた芋煮がそれはもう美味しかったのです。
あれを食べれるかと思ったのに、「里芋の固茹で」と「こんにゃくのアク抜き」の件が意味不明すぎて失禁寸前。なんか不安ついでに言うけど、具材がもっと盛りだくさんだったような気がするぞ!?
……もちろん疑ってるわけじゃないし、芋煮に反則でレッドを切られるルールなんて無いのはわかってる……けども!
あの、美味しい芋煮を俺は再現したい……!手札は揃ってるのにどうやってワンキルしていいかわからない。
という事で、山形出身のその友人に連絡を取ってもろもろ確認しました。
友人曰く、
「こんにゃくはあく抜きした方がいい」
「里芋は、爪楊枝が入るくらい下茹でして水洗いすると美味い」
「ごぼうと舞茸は絶対入れた方がいい」
「BBQで芋煮するんだけどその時は最後大体カレーになってる」
「そして、そこにうどんをいれる」
「シメのカレーうどんを食べるためにやってる節もある」
と、芋煮の事を聞くとその勢いは止まらず、何故か後半は「シメのカレーうどんが美味い」の話ばっかりで、お腹いっぱいになったり具材が残ってなかったりしないの?と聞くと、「そこは長年の勘でみんなセーブするから」と言ってました。芋煮にかける熱意すげぇ。
ただ、コレで安心!芋煮美味しく作るぜ!
作る(本当)
まずはこんにゃくと里芋の下準備をしてきます。
要するに芋にはこんにゃくと里芋を処理すれば後は鍋に入れていくだけ。と理解したので、気をしっかり持って作っていきます。
こんにゃくは手でちぎるとのことなのですが、正直一口大のこんにゃくを手でちぎるのが僕はあまり好きじゃなかったので(ヌルヌルしてて疲れるから)、スプーンで削いでいきます(これもまぁまぁ疲れる)。包丁で切ってもいいと思いますが、不揃いな感じが芋煮っぽい気もするので、折衷案のスプーン削ぎです。苦しゅうない、ちこうよれ。ほら、もっと近くに!!!ほら!!!!!!!!!!!!
そして付属の里芋は皮もむいてあって優しい簡単設計。めちゃめちゃ便利でした。
この時、かなりヌメヌメしてるの気をつけながらカットしていきます。
うん。いい感じ。
里芋とこんにゃく。どちらも一回下茹でするのですが、この2つを同時に下茹でしていいのかわからず結局ストレスで心を痛めながら2つの鍋を使いました。多分ですけど、コンロが一つしかない人でも順番にやっても大丈夫だと思います。普段適当な自炊をしている僕が言ってるんだから大丈夫。
ただ、一点。里芋を茹でてるとなんか見たこと無いくらいキメの細かい泡が立つし(LUSHの店頭か?(もしくは美味いビールを出すお店の泡か(ちゃんとトロトロの泡にしてくれるお店本当に最高)))それを箸で触ると粘つくしで、かなり不安になりますが、大丈夫です。安心してください。
それぞれ下茹でが終わったらザルに開けて置いておきます。
里芋に関しては一度水でぬめりを取ると美味しいらしいので、ひと手間惜しまず流水で洗っていきます。
こんなもんはザッと。石鹸で手を洗うみたいにやっていけばOKです。
ですが一つ。注意点が……
あ。
これだけは、
注意してください。
※ 人間は全部切ったと思ったらきれてない里芋を見つけるとブチギレてしまいます故。
その後、ネギを切ってきのこをもぎれば下準備は完成。里芋とこんにゃくさえやれば簡単ですね。さすが鍋。
ちなみに山形県出身の友人から「ごぼうと舞茸は絶対入れた方がいい」と言う助言があったので、舞茸とごぼうのささがきを用意しました。流石に面倒くさい日だったので、ごぼうは水煮?を使用しましたが良いでしょう。面倒くさい日だったので、良いに決まってます。咎める人はいますか?……結構。ただ、発言には責任を持ったほうが良い。いつか自分に返ってくるぞ。
次に水とこんにゃく・里芋・ごぼうと、芋煮のタレ1/5を入れて煮込むそうです。なんだ1/5て。
まぁ、こういうのはざっとでいいんで入れていきます。下味的なことなんでしょう、まったくもってわかりませんが。でも芋煮タレがついてくるのは嬉しいですね。本場の味のタレがあれば、「はい、確実にこの味なんですね」と納得できるから迷子にならなくて済むし。
どんな味なんだ……気になるな。ちょっと味見してもいいですか?
/ナンダヨオメェ\
……。
/ワッ\
ドンッ。
えんだ〜〜〜〜
いあ〜〜〜〜〜〜
うぃるおーゔぃん
らじゅゆ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美味しいです。
※ 何をやっているかわからない人にご説明しますと、
タレの内蓋を外してそこについてるタレを舐めています。
※ どうだ。
あとは、ひと煮立ちさせてきのこをいれて……
たっぷりのお肉(なんてキレイなお肉なんだ。贅沢過ぎる)も入れて
そして残りのタレとネギを入れれば……
とぽぽぽぽぽ・・・・・・
すこここここーーーーー。
チャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッ
完成もに!
※ “完成もに”とは、
完成と芋煮をかけ合わせた
ギャグです。
実食う
すごい量ができてしまった。
ただこれは1人芋煮会だから、芋煮がミニマムな感じで出来ても嬉しくないってことで、これでいい。これがいい。これくらい無いとテンション上がらない。
かつて、どっかのパーキングエリアで赤ちゃん茶碗一杯くらいの具材スカスカ芋煮を500円で買った事を思い出した。
あれは芋煮じゃない。コレが芋煮だ。
それでは器に盛り付け、いただきたいと思います。
牛肉〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
脂身ぷるっぷる!
いや、ぷっっっっるぽっっっぽ………るっぷぷぷ!!!!!!じゃん!!!!ね!?
どゆこと!?
それではいただきます。
がっ
おんっ!?
うめぇ……。
マジクソうめぇ……。
そして、あったけぇ……。
がつ。
たぁあ
たぁあ
めっちゃ「たぁあ」です。
この、どこか素朴なんだけど、めちゃくちゃ贅沢でテンションあがる最高の感じ……。おれの求めていた芋煮……。コレです。
上品な牛肉の脂浮かぶ醤油ベースのスープが体に染み渡る。
下処理をしたからか明確に角が立ってる里芋も食べるとトロッとほぐれて心が安心する。
こんにゃくにネギ、きのこもシャクシャクいって旨さが鼻からぬけるこの感じ。
たまんねぇぜたまんねぇぜたまんねぇぜ……。(美味すぎです。誰か歌にしてください)
なんで一人で食ってんだって感じですけど、本当に美味しかったです。ごちそうさまです。
次の日
食べきれるわけもなく(それでもかなり食べた)
かなり残して次の日もいただくことにしました(※ これはとても幸せなことです)。
ただ、山形出身の友人はシメで「カレーうどん」にするという事なので、実際にそれも試してみたいと思います。
ただ、芋煮の感動をまだまだ味わいたいので、一人前だけ……。
作り方は簡単。カレーの為に具材余らせた芋煮に市販のカレールーを入れて混ぜ合わせるだけとのこと。分量を見ながら僕は今回一欠片入れました。
ちなみに、市販のカレールーでもなんかダマになっちゃうんだよなぁ…って人いると思うんですけど、作り方をちゃんと見て作るとそういう事は起こりにくいです。
というのも、最近は大丈夫なルーも多いんですけど、具材が煮立つ鍋にルーを入れて混ぜ合わせるのがダマの原因なんですよね。
なので、一回鍋の火を消してからルーを入れて、軽く混ぜてルーが溶け切るのを一回放置して待ってから、火をつけて混ぜると、「豚肉にルーが固まってんだけど?あ?」がなくなります。ルーをいれれば終わり!と思って説明見ないで作りがちなんですけど、一回見てみると美味しく出来ますよ!
という事で、ルーが溶け切った鍋にうどんを入れて盛り付ければ完成。
へー……美味しそうじゃん……。
ふーーーん。
あぇああぁ
ぇえぁああ
ずぼぼぼぼぼっ
・・・・・・。
たぁあ
こっちもめっちゃ「たぁあ」でした。
おわり
1人芋煮会、いかがだったでしょうか?
山形出身の方、間違いなかったでしょうか!?失礼していたらすみません。不慣れなもんでして、教えていただければ次作る時に気をつけます。
ですが、本当に美味しかったです……!これはみんなで囲んでBBQとかしたいよ!誰も大きい声出してないのすごいな……。泣いてる大人いなの?いるよね?ニワカですけど、気持ちわかります。コロナが開けたら絶対芋煮したいです。しよ!もう約束しよ!……やっぱりやめよう!下手に約束すると良くない事起こりそう!計画的に約束はしよう!ノリで約束するのはやめよう!
そして、カレー!すっげぇ美味い……。「たぁあ」とか言って濁したけど、本当に超うまうま蕎麦屋さんのカレー南蛮を凌ぐ!凌ぐ勢い!いや凌いだ!凌ぎすぎた!!!!あざっす!まじで!あざっす!!!!!!
――今回購入した芋煮セットは本当にお肉も高級で、お水まで入ってるからこれだけで出来る完璧なセットなのですが、芋煮のタレは通販で買えますし、多分調べたらレシピも出てくるはず!そしてスーパーで揃うような材料しか無いので、食べたこと無い人は是非つくってみてはいかがでしょうか?
心と体。温まるぜぇ……?
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。また、別の記事でお見かけすることがあるやもしれません!その時は……!「ニコッ!」ってしてくださいね!僕も「ニコッ!」ってしますので。