福島の知られざるダムの聖地?摺上川ダムなら「ダムの底」に潜入出来るぞ!

ダムの底を見たことはありますか? たぶん、ないですよね。今回は福島県にある摺上川ダムに行き、その最深部を見学させてもらいました。近くには飯坂温泉などがあり、JR福島駅から1時間以内とアクセスも良好。変な言い方をすれば、"気軽に会いにいけるダム"ってわけです。ダムマニアに人気のダムカードもゲットできるので、福島観光のついでに足を運んでみては?

こんにちは!
福島の観光WEBマガジン『福島TRIP』を運営する臼井です。

ある日「福島のいい場所を地元民目線で紹介してほしい」と編集部から依頼を受けまして、

まず最初に思い浮かんだのが

「ダム」

そうです、ダムです

「おいおいダムなんて全国にあるじゃねーか」と思った方もいらっしゃるかと思うのですが、これから紹介する「摺上川ダム」では普段なら絶対に行くことのできない “ダムの底に行ける見学ツアー” ができるんです。
ダム初心者の方も、ここでダムの魅力を存分に堪能することができちゃいます。

JR福島駅から車でおよそ40〜50分ほどの場所にあり、近くには飯坂温泉という温泉地もあるので、ダムがてら温泉なんてのもできちゃいます!

 

福島駅から早速出発

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さて、早速向かったわけですが取材の前週くらいに大寒波の影響で大雪が降ったので道中が不安でしたが、さすが雪国。
除雪されて無事に通れました。とはいえ、やっぱり山のほうなので雪深い……。

 

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もう雪で歩道がなくなっちゃってますね。

 

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ちなみに、ここ一帯は豪雪地帯で冬になると生活に不自由なことから昔の人は市内にも家をもっていたらしい。
つまり、季節によって二軒の自宅を行き来しながら生活してたそうです。

道中こんなものを見つけましたよ!

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いわゆる男性器ってやつです。そしてその裏には……。

ひえっ

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木製の男性器が何本も……。

なんでもこれは「道祖神」といわれる神様で、道祖という字は中国の神様の名前から用いて名付けられたんだとか。
そして、この神様は流行り病や悪霊から村を守っていたそう。

よく分からないけど、こんなグローバルな神様が普通の道路脇にいちゃっていいのか心配になる……。

 

白い巨壁「摺上川ダム」に到着

大量の男性器に驚きながら、道沿いを進むとさらに雪深くなってきました。

ついに見えてきた、摺上川ダム!

見えますか? あそこの白い壁。もう全部白いからわかんないですよね。

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夏だと、すごいウォール感。巨人がでてくる人気漫画に出てきそうなくらい、高い壁が目の前に広がります!

 

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早速、ダムの駐車場に車を停めて、頂上から下を眺めようとしたけど雪深くてこれ以上進めない……。

 

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頑張って撮ったけど、真っ白でよくわかんないなこれ!

夏に撮ったのはこんな感じに峡谷みたいになってます。

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ダム敷地内にある摺上川ダムインフォメーションセンターにお邪魔しました。

 

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中には摺上川について学べる模型や展示品がいくつも飾られていて、例えば摺上川ダムに生息する魚たちをタッチパネル式の画面で捕まえるちょっとしたゲームがあるほか、ダム建設時に使われたダンプカーの実寸サイズのタイヤまであります。

 

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やっぱりこれくらい大きいものを建てるためには重機のサイズも大きくないといけないんですね。

 

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ちなみに、この後、滑って転びそうになりました。(雪国では室内だからって侮ってはいけないよ!)

そして、ここでは今回のメインイベントでもあるダムの最深部を見学できちゃうんです!(※要予約)

まずは、摺上川ダムに関する説明を30分ほど受けます。

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ここ摺上川ダムを簡単に説明すると、岩石を積み上げた「ロックフィルダム」というタイプで、高さは105m(24階建てのビルくらい)横幅は710メートル、面積にすると4.6㎡。

なんと東京ドームが100個分くらいの大きさらしい!

ちなみに福島県内では3番目の大きさで、東北だと4番めにあたる大きめなダムなんだとか。

もう桁がよく分からなくなってきたところで、続いて水を貯める貯水池は今現在で6000万トン(最大で1億5300万トン)の水が貯められていて、本日の貯水率は60%くらい。

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ようするに、落ちたらやばいので冬場なんか足を滑らせて……なんて洒落にならないので気をつけよう。
ちなみに、今のところ人が落ちたことはないとのこと。

他にも説明を受けていたのだけれど、我々のほかにモンゴルから来ていた人もいて、何故はるばるモンゴルからダムを見に来たのか、気になりすぎて説明を忘れてしまいました。

でも、このダム教室を通じて、いつも何気なく使っている水もダムのおかげなんだな……と、しみじみ思いました。ダムありがとう。

 

摺上川ダムの最深部へ向かう

ついにメインイベント、ダムの最深部へと向かう!
ダムの最深部にいくためには、一度外に出てエレベーターで向かうらしい。

途中こんな看板があったので、担当の人に聞いてみると「ここらへんは犬猫並にサルがでるよ」とのこと。まさに大自然。餌付けしちゃダメ絶対。

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そしてダムの地下へと向かう入り口。なんかちょっとワクワクしてきた!

 

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地下3階、高さにすると65mも降りるうえに、このメタリックなエレベーターが地下アジトに潜入するみたいで胸が高鳴る……。

 

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地下に到着。コンクリートで固められた通路が雰囲気あるなぁ。
しかもご丁寧に「ダムの底まで500m」の看板までありました。

 

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外が極寒なので、地下に行ったらマジでやばいんじゃ……と思っていたのですが、思いのほか暖かい。

 

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むしろ、快適なくらいの温度だけど湿度も高め。

 

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少し進んだら、ずううううううっと真っ直ぐな通路が続いていました。

 

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こういうところに来たら一度はやってみたかったシュールな撮影。

 

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ちなみに、全体図としてはこんな感じです。今回はエレベーターですが階段で降りることもできるらしい。

 

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ずんずん地下通路を進んでいきます。

 

 

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すると突然、「プルルルッ」と係の人の携帯音が鳴り響く。
「もしもし、今ツアー中だからまた後でね」

ここ地下65メートルなのに電波入るの!? と思ったら、どうやらダム専用のPHSがあるらしい。

 

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ようやく残り278mのところまで到着。

 

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ちょうどダムの真ん中あたりでしょうか?

 

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途中で階段を見つけたんですが、どうやら最上階から下るための階段らしい。エレベーターで良かった……。

 

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さらに進んだ先にめちゃくちゃ下りの階段を発見。残り165m。

 

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急な階段を下っていくと、残り121段という標識に変わった! それにしても下りの階段も続くと辛い……。かすかに遠くから水の流れる音が聞こえてきました。

そして、

 

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ようやくついたダムの底!

 

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ダムの底感がすごい……。

 

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地下には、いくつもの計器類が設置されていて、少しずつダムから滲み出てくる水の状態を計測しているそうです。さっきの水の流れる音はこれだったんですね。

 

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ちなみに、位置にすると本当に最深部。こんなにダムが大きいのに底はめちゃくちゃ小っさ!!!

 

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上から伸びている白い物体。なんだろう?

どうやら滲み出たセメント剤が結晶化したようで、鍾乳洞にある鍾乳石と同じようなものらしい。
それを聞いて、ちょっとだけ神秘を感じたので担当の人に、あれは伸ばし続けるんですか? と訪ねたところ「掃除しなきゃねぇ」と言っていた。
これはこれで残しておいてほしい。寂しい。

そして、ここまで下ってきたので戻るってなったら上るしかないですよね。

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きっつー。上りはマジできっつー。

 

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帰りはなぜか違う道に案内された。なになに、なんかやばいところに連れてかれるんじゃないの……。

 

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ひえっ、水滴が尋常じゃないことになってきたけど……?

その先にあるドアを開けたらインフォメーションセンターにつながっていました……。

じゃあ、最初からこっから行けたじゃん! っていうツッコミは無しで。

冒頭で説明してくれていた女性の方が「お疲れ様でした!」と言ってくれたときの安堵感たるや、シャバにでたときの感じとでも言うんでしょうか……。

 

最後はダムカードをお忘れなく

そして最後に忘れちゃいけないのが、このダムカード!
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ダムを訪問した方に配布されるもので、表面はダムの写真、裏面はダムの形式や貯水池の容量・ダムを建設したときの技術に関する情報などマニアックなことが書かれています。

全部で300種類以上あるそうで、ダムマニアはこれをコレクションするために全国のダムを巡るらしい。ちなみに、右下に書いてある「R」という文字。これは摺上川ダムがロックフィルダムという形式なので「R」となっていて、他にはこんなタイプもあるらしいです。

  • G = 重力式コンクリートダム
  • A = アーチ式コンクリートダム
  • GA = 重力式アーチダム
  • E = アースダム

名前がさっきからカッコよすぎ!

まだまだ、こんなに色んな種類があると考えればダムの世界は我々が思っていた以上に奥深いのかもしれない……。

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まとめ

今回ご紹介した内容は、ここでしか食べられない幻のグルメや息を呑むような絶景、といったよくある非日常的な体験ではありませんが、身近なところや生活の中にも非日常的な体験ができるスポットって意外とあるんですよね!

そんな非日常的な体験のひとつとして、ダム巡りをオススメしたいと思いますので、是非みなさんもダムカード制覇に向けてダム巡りをしてみてはいかがでしょうか!

住所:〒960-0271 福島県福島市飯坂町茂庭字蝉狩野山25
入場料:無料
開館時間:9時00分~16時30分
電話番号:024-596-1275
公式ページ:http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/j77301/info1/index.html

一部写真元:福島TRIP|マニアックすぎる福島の観光スポット「摺上川ダム」の魅力