北九州市立いのちのたび博物館に行くべき10の理由

福岡県北九州市のいのちのたび博物館は、恐竜など見どころが満載。広報の方に見どころを紹介していただきました!充実の恐竜展示はもちろん、歴史や自然のゾーンも面白くて魅力的ないのちのたび博物館に、ぜひ足を運んでみてください。

SPOT読者のみなさま、突然ですが恐竜はお好きでしょうか?

こんにちは。ドライバー兼漫画ライターのぞうむしと申します。写真は恐竜の全身骨格です。

私は恐竜が大好きすぎて、足しげくこの「いのちのたび博物館」に通っております。

博物館正面。この日は雨でした

恐竜だけでなく、生命の起源から現代まで繋がる数多くの展示には、様々な工夫や見どころがたくさん。何度訪れても飽きることがありません。

家族だけでなく恋人やお友達と、もちろん一人でもアカデミックかつファンタスティックな気持ちになること間違いなし!

広報の浅川さんから、博物館の魅力を教えて頂きました!

では、さっそく「いのちのたび博物館に行くべき10の理由」という内容でお送りいたします。

いのちのたび博物館に行くべき10の理由

①全長35メートル! セイスモサウルスの全身骨格、もちろんティラノ・トリケラもいるよ

恐竜好きの私が一番に紹介したいのはこれ!!

セイスモサウルスの全身骨格です!

圧巻です、大きすぎて頭が写真に入りきれません。

のけぞるように上を見て、ようやく頭が見えました。

全長は35m。学校のプール(長さ25m)よりも長〜い体をもった生き物が本当にいたなんて、地球すごい・・・

他にもたくさん肉食恐竜が。

骨格標本が、見る人と同じ床の高さから展示してあるというのがいのちのたび博物館の特徴です。

ズシーンズシーン、ズンズンと足音が聞こえてくるような迫力。

恐竜たちが行進しているようでワクワクします。

みんな大好きティラノサウルスとトリケラトプス!

こちらに向かってくるような圧を感じます!!

「ティラノサウルスの全身復元骨格ほしいな・・・」

どうやらアメリカの業者が販売しているみたいなのですが、10万ドルはちょっと無理・・・。大迫力のティラノサウルスを見られるだけでも来館の価値ありです!

なにやら骨格標本について説明している方が・・・

展示についてわからないことや疑問があった時は、こちらの黄色いブルゾンを着ている人に質問してみましょう。seeder(シーダー)さんというボランティアで、展示の説明をしてくれます。(※平日はいない時もありますのでご了承ください)

②国内最大の月の石が見られる!

いのちのたび博物館には、貴重な月の石(アポロ計画によって月から持ち帰られた石)の実物があるんです。

ありました!

こちらの月の石は2018年に閉館したスペースワールドにあったもので、閉園になった際NASAへ返還されたのですが、北九州市がお願いして貸してもらっているとのこと。

児童文化科学館に置く予定だったのですが、セキュリティの関係で、児童文化科学館がリニューアル(22年以降)するまでの期間ここで展示することになったそう。

国内で月の石を常設展示しているのは国立科学博物館と当館の2カ所だけ。いのちのたび博物館博物館にあるものが国内では最大です。うう~ん、月までの距離384,400キロの旅をしてやってきたと思うとすごい!

このコーナーは地球の形成がテーマになっているため、他にも火山岩など様々な石が展示してあります。

なかでも私が気に入っているのがこちらの岩。

実はこれは大きな岩塩で、表面にある白い部分だけでなく岩そのものが全て岩塩なのです! なめてみた~い!

ここに来れば、月の石だけでなく沢山のマニアックな石を見られます!

③白亜紀の北九州を再現、恐竜ロボット360度の体感型ジオラマ「エンバイラマ館」

恐竜の全身骨格や月の石など、見る展示もすごいですが、いのちのたび博物館には体験型の展示もあります!

それがこの、博物館内で人気№1エンバイラマ館」。内部ではジオラマの空が激しく変化し、動く恐竜ロボットたちと大迫力の音響で白亜紀の北九州が再現されています。

長い洞窟を抜けると・・・

 

ゴオオオン ゴゴゴ

火山が噴火。子どもたちは食い入るように空を見つめます。

動く恐竜とリアルな岩や空などの空間演出に、本当に白亜紀にタイムスリップしたみたいです。ベロキラプトルやマメンチサウルスなど、色々な恐竜がいるので探すだけでも面白い・・・。

大人も子供も楽しめて、ずっといてしまうオススメのエリアです。

エンバイラマ館を出たところには、北九州の岩石や、化石など、環境復元の資料となった標本が展示されています。

なかでもぜひ見てもらいたいのはワキノサトウリュウです。

宮若市で見つかったのは歯だけですが、形状から考えられる大きさや種類を科学的に推測して復元されたものです。目の前で見ると、本当に大きくて強そう!

白亜紀はこの恐竜たちが北九州にいたんですよね。そんなロマンをリアルに感じられるエリア、オススメです。

④新生代から現代へ、行進する生物たちの骨格は圧巻!!

恐竜の骨格標本の行進は、新生代へ、マンモスやナウマンゾウたちへと続いていきます。どの時代の生き物も本当に格好良く、壮大な「命の旅」の歴史を感じることができます。

新生代になるとグッと現代にいる生き物たちの骨格に近づきます。

インドリコテリウム

頭部だけですごい威圧感。

マムート

ファンタジー映画やゲームに登場するモンスターみたいな生き物も。生命の神秘。

現代ゾーン、改めてこんな生き物たちと同じ時代を生きてると思うとドキドキして幸せな気持ちになりますね~。

空中向かって右側のウシマンボウの剥製は、剥製としては世界最大です。生きているものではもっと大きい個体が見られています。

体重10キロを超えた獣に人間は勝てないらしいです。(ネット情報)

このスペースも人気で床がガラス張りになっていて、子どもも大人もはしゃいで歩いています。

こうして一気に見比べると、鳥はまるで恐竜のミニチュアみたいだと感じました。今生きている動物たちも数億年後は超レアな化石となるのでしょうね。

 

⑤生き物好き集まれ!昆虫や両生類、めずらしいシーラカンスの展示が集まるぽけっとミュージアム

常設展示の巨大な骨格標本はなかなか動かすことができないので、昆虫や生き物、歴史などについて、部屋をコンパクトに区切って作られたのがぽけっとミュージアムです。研究室のようですね。

世界の甲虫の展示。ぽけっとミュージアムの展示は細かくバージョンアップすることもあります。

こちらはシーラカンスに関する展示コーナー。

シーラカンスの展示は、国内でもなかなかめずらしいそうです。

3階には世界的に人気の高いモルフォ蝶たちが。神さまのデザイン、超クールです。

ぽけっとミュージアムには他にもカエルやサンショウウオ、貝など、小さなマニアックな展示ブースが集まっているので必見です!

 

⑥こんな形もあるの?!アンモナイト展示が充実

 

この綺麗な渦巻き状の形がアンモナイトと思っていたのですが・・・

これはうん・・・いやいやソフトクリーム

錆びたボルトかと思ったら・・・ひゃ~これはアンモナイトって言われないとわからない!

豆知識ですが、アンモナイトについてる名前、例えばイシカワさんに因んで名前が付けられ「ヨコヤマオセラス・イシカワイ」というのですが、このイシカワの後の「イ」はラテン語で男性名の所有格を表し、この「イシカワ」さんが男性であることがわかります。

奥深いアンモナイトの世界にぜひ踏み込んでみてはいかがでしょうか。

⑦触れる!! 恐竜の大腿骨にマンモスの牙

いのちのたびの博物館って、化石にがっつり触れるのも、嬉しいんですよね~。

まずはさっきのアンモナイト!質感(質量)がすごい!中身がどうなってるのか気になりますね。

マンモスの牙

機械で削り出したかのような艶、ヒンヤリしてました。

竜脚類の大腿骨!(足の付け根のあたりの骨)

大きな身体を支えるためにはこんな立派な足が必要なんですね!

ザラザラした触感で落ちてたら普通に石かと思っちゃいます。

カマラサウルスの脊椎骨!

骨格マニアにはたまらない~!カマラサウルスに申し訳ないけど石焼料理の器にピッタリ?な凹みと硬さです。

クラドフレビスの化石・・・って植物?!

シダ科の植物が地層に取り込まれて化石になったものだそうですが、説明を読まないと植物とはわかりません。

こっちは正真正銘の岩、ストロマトライト、石灰岩・・・鋭利な切り口から地球のエネルギーを感じます。

腕足類の化石! 沢山の貝が集まっています! 最高!

柔かったら嬉しいのですが、普通に硬かったです。玉(ぎょく)という触感でした。ずっと撫でていられる〜〜〜。

 

などなど、紹介しきれませんが触れるものは全部触ってきました。化石に触りまくれるなんて体験は中々できないので、子供にとっても良い刺激になる展示です。

 

⑧弥生と昭和の民家も再現!北九州の自然と歴史がわかる

自然発見館には北九州の自然を再現したジオラマ空間が広がっています。

リアル!

生き物や植物の生態もわかります。有害生物について学べば危険回避もできますね。

国の天然記念物の千仏鍾乳洞の再現もこのクオリティ。すごい。

 

個人的にツボだったのがこの展示・・・

ひっつきむしや様々なものがくっついてるタヌキです。

 

現代だけではなく歴史ゾーンもありました。昔の暮らしを等身大で知ることができます。

弥生時代の竪穴式住居、照明や音声で朝から夜までの一日の経過を演出します。

他にも進んでいくと・・・

阿吽!大興善寺の仁王像です。

レプリカですが、本物より間近で見られるのが嬉しいという声もあるそうです。

江戸時代コーナーには黒田の家臣の鎧・・・

こっちは小笠原・・・

昔は現在の八幡の辺りまでを黒田家(筑前)、小倉からは小笠原家(豊前)が治めていました。つまり、北九州には2つの国があったのです。

「これよりにしちくぜんのくに」とあります。

それと同じく石柱に向かって左側に筑前、右側に豊前を展示するという凝りっぷりです!

こちらは昭和です。

八幡製鉄所の社宅、昭和33年10月20日の朝という設定です。父親は新聞を見つめ子どもたちとエースの稲尾や中心打者中西太の活躍について熱く語り合っています。

この日は日本シリーズの6戦目。読売ジャイアンツに対して2勝3敗の西鉄ライオンズは後がない、運命の一戦を前に福岡県民は静かに昂っていたはずです。(結果は西鉄ライオンズが2連勝して日本一となりました、22日の設定なら感じが変わっていたのでしょうね。)

この時代はまだホークスは関西で、市民の球団といえば西鉄ライオンズでした。その頃の名残である一定の年齢以上のひとは今でもライオンズファンは多い気がします。

いのちのたび博物館では、北九州の歴史をまとめて体験することができちゃうんです。

⑨溢れるホスピタリティ!ベビーカー、車いす、キッズスペースも充実!

「子育てしやすい都市」であることを自他ともに認める北九州市、入り口での車いすやベビーカーの貸し出しは当たり前。

バリアフリーのエレベーターはデザインも素敵。

キッズスペースでは折り紙などのワークショップが開催される日もあります。

図書も魅力的なラインナップで、子ども向けの本でも勉強になるものばかりです。

みんなが安心して利用できる施設です。

⑩珍しいお土産が大集合! 楽しいミュージアムショップ

旅博物館に欠かせない魅力といえば、楽しい楽しいおみやげが揃うミュージアムショップです。所狭しと並ぶ珍しい商品の中から、個人的に気になったアイテムをご紹介します。(※写真の価格は増税前の8%になっております。)

まず入り口に目を引くアイテムが。化石を発掘するためのアメリカ「エスティング社」のクラックハンマー。プロが使用する定番アイテムです。

アンモナイトなどの化石も買えちゃう!

恐竜のフィギュアも充実!

コンプリートしたい~!

博物館ならではの変わったお菓子も沢山。

様々な昆虫標本に種類豊富なぬいぐるみ。

このマグカップやクリアファイルはここでしか買えない限定品。蛙のデザインがかわいい!

このメモ帳や筆箱はなんと、象のうんちで出来ています。

思わず購入。書き心地というか使い勝手は普通のメモ帳のほうが優れてますが、人と会う時に使ったら鉄板でウケて盛り上がります! もちろん匂いません。

ミュージアムショップの名にふさわしく、展示の内容をコンパクトにした感じで嬉しい品揃えなので、ぜひ忘れずに立ち寄ってください!

いのちのたび博物館、ぜひお越し下さい!

今回、案内していただいた広報の浅川さんです。豆知識から展示に関する詳しい内容まで、丁寧に教えてくださいました。最後に、浅川さんからひと言いただきました。

「わたしは北九州市の職員で、この博物館に配属になるまでは、恐竜にあまり関心はなかったのですが、全身骨格とその行列群を見たときは圧巻で、見れば見るほど虜になります。今ではすっかり恐竜ファンになりました。

恐竜の全身骨格だけでも一見の価値ありですが、それ以外の展示も充実していて一日いても飽きない内容になっております、ぜひお時間をゆっくりとって来ていただけたら嬉しいです。」

いのちのたび博物館の職員の皆さんの展示の見やすさや企画にかける熱量はすごいので、ぜひ細かい工夫にも注目してみて下さい。

 

おまけの人気エリア紹介

最後に、遊びに来た子供や若者グループが盛り上がっていたエリアを紹介してお別れです。

セイスモサウルス体重計

この機械はセイスモサウルスの体重42トンに、自分が何人分で達するのか計ることができます。

さあ乗ってみますよ・・・

ドキドキ・・・

おおっ!?

530人・・おやおや体重がバレますな・・・次に乗った小学生は1600人分でした。

世界でここだけにしかないプリクラ

いのちのたび博物館限定のプリクラです

オンリーワンのプリクラが撮れちゃうのですが、おっさんひとりではちょっと照れますので次回に。

大人気の撮影ビュースポット恐竜デッキ

館内には展望エリアも。

この恐竜デッキから眺める骨格は最高なんです!

恐竜の大行進。何度来ても大迫力の眺めにため息が出ます。

翼竜も間近で見れます、バッシバッシ写真撮りたくなります。

 

名残惜しいけど本日はここまで。

充実の恐竜展示はもちろん、歴史や自然のゾーンも負けないくらい面白くて魅力的ないのちのたび博物館。まだまだ紹介しきれないところが山のようにありますし、きっと気付いていない魅力もいっぱいあるはずです。もしこの記事を読んで来館する方がいたら、ぜひ行ってみた感想も聞かせて下さい。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

 

北九州市立いのちのたび博物館

開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:年末年始、毎年6月下旬頃(害虫駆除)
常設展観覧料:大人600円(480円)、高校生以上の学生360円(280円)、小・中学生240円(190円)

 

所在地:福岡県北九州市八幡東区東田2-4-1
電話: 093-681-1011

その他詳細:http://www.kmnh.jp/