話題の最新作からあの名作まで!”爆音上映”で新しい体験を。6/29より2週間「新宿ピカデリー爆音映画祭」が開催!【インタビューあり】

映画館だからこその楽しみ方のご提案。あの名作映画を爆音で楽しもう!

こんにちは!SPOT編集部です。

みなさま、「爆音上映」って知ってますか? 応援上映ではなく、”爆音”上映です。

……その名の通り、”爆音”で映画が楽しめるんです。もちろん好き嫌いもあるかと思いますが!!
通常だと聞き逃してしまうような「音」からその作品の世界観を楽しむというのも魅力の1つです。

 

新宿ピカデリーで「爆音映画祭」が開催されます!

新宿ピカデリーにて、話題の最新作からあの名作まで。一挙”爆音”上映される「爆音映画祭」6月29日〜7月12日の2週間に渡って開催されます! 

爆音上映とは?

通常の映画用の音響セッティングではなく、音楽ライヴ用の音響セッティングをフルに使い、大音響の中で映画で見・聴く試みです。その爆音によって視覚までもが変容して映画そのものも違って見える。大音響でなければ聞こえてこない幽かな音を聴くという、大胆かつ繊細な上映となります。

引用:http://www.bakuon-bb.net/

 

音響や臨場感、画面の大きさ等の問題から「映画は自宅で見るよりも、絶対映画館派!」の人は多いでしょう。

このイベントは、その音響がさらに「音楽ライヴ用」のセッティングへとグレードアップしているんです…!! しかも、一律1,800円通常の映画の一般料金と同じというところがびっくり!

応援上映・絶叫上映などの、大きな声を出したりサイリウムを振ったり…という見方とはまた異なり、基本的に爆音上映中のリアクションは通常の映画上映時と変わらないそう。「周囲の鑑賞の邪魔にならない」というのを第一にしているので、鑑賞者は最大限”爆音”での上映を楽しむことができるんです。

 

新旧9作の豪華名作を一挙爆音上映 

当日は豪華9作品を一挙上映! 「何回も見たことがある!」なんて映画ファンも大勢いるのではないでしょうか?

どうですか? この映画たち、爆音で見てみたくありませんか…?

【上映作品】
■グレイテスト・ショーマン
■レ・ミゼラブル
■ラ・ラ・ランド
■マンマ・ミーア![初]
■キングスマン
■キングスマン:ゴールデン・サークル
■ベイビー・ドライバー
■バーフバリ伝説誕生
■バーフバリ王の凱旋<完全版>(オリジナル・テルグ語版)

 

「爆音上映」企画者、樋口泰人さんインタビュー

この爆音上映での企画者・総合プロデューサーであり、株式会社boidの社長でもある樋口泰人さんに、爆音上映及び、今回のイベントについてお聞きしました。

なぜ爆音上映・爆音映画祭を開催しようと思ったか?

「2003年の秋、ニール・ヤングが久々の来日公演を行いました。その際、吉祥寺バウスシアターでは、来日記念としてジム・ジャームッシュが監督したニール・ヤングのライヴ・ドキュメンタリー『イヤー・オブ・ザ・ホース』の上映を、バウスシアターが所有している音楽用のライヴ音響セット(スピーカーやアンプ、ミキサー)を使って上映を行っていました。バウスシアターは80年代から90年代にかけて、映画だけではなく、ライヴや演劇も行う場所として使われていたのです。で、その上映を観に行った私は、元々バウスのスタッフたちとも仲が良かったので、

・もっと大きな音できちんと調整をして上映を
・この映画だけではなくほかの作品もやったらどうか
・通常の劇映画もやると面白いのではないか
・そんな音に特化した上映の企画をやると面白いのではないか

というようなことを提案し、翌年、2004年5月のオールナイト上映にこぎつけました。その際、通常の劇映画としてはニール・ヤングが音楽をつけたジム・ジャームッシュの『デッドマン』、マーティン・スコセッシがダライ・ラマの半生を描いた『クンドゥン』、数多くのパンク・ミュージシャンが出演したアレックス・コックスの『ストレイト・トゥ・ヘル』を上映。中でも『クンドゥン』のチベットの荒野を走る馬の蹄の音、風の音、戦いの音が予想をはるかに超えて面白く、それらのおかげで映画がまったく違ったものに見えたのでした。聴覚への刺激が視覚にも影響を与え、映画だけではなくそれを観ている自分も変わったような、衝撃的な体験でした。音楽映画だとこうはいきません。自分の好きなミュージシャンの奏でる自分の好きな音を聴こうとしてしまうからです。思わぬものが思わぬ姿をとって目の前に現れ、それによって自分も変化してく、そんなかつてない映画体験を『クンドゥン』はもたらしてくれました。それ以降、爆音上映は劇映画を中心に行うことになりました。」

映画祭として始まったのは2008年からです。今年で10年目。これは単純に、吉祥寺のバウスシアターというローカルな劇場での小さな試みを、より広く世間に知ってもらうために、それまでよりも大きなイヴェントとして多くの人に伝えたい、という気持ちから、年に1度のお祭りとして企画を立てました。同時に、それまでオールナイトやレイトショーの枠の中で行ってきた通常の爆音上映も、年間で5回から8回くらいのペースで行っていました。また、爆音映画祭を始めたころから、バウス以外の場所でもできないかというオファーが入り始め、カナザワ映画祭や京都、神戸などでの爆音上映、爆音映画祭が始まりました。
爆音、というとどうしても大きな音、攻撃的な音のイメージが先行しますが、確かにそれがまず第1の爆音上映の魅力ではあるものの、通常音量の上映では聴き取れないような、あるいは聞き逃してしまうような小さな音が際立ち、それまでは物語の背景に隠れていた音が作り出す物語を観る、という一面もあります。大きな音(目立つ音)と小さな音(隠されていた音)のふたつが、爆音上映を支えていると言っていいと思います。

1,800円という、通常の一般料金と価格設定については大丈夫なのか?

「劇場に持ち込む音響設備や音の調整にかかる時間など、経費は相当掛かっています。その分の料金は上げたいところなのですが、映画祭として数多くの作品を上映し、なるべく多くの方に多くの作品を鑑賞していただきたいということもあり、できる限りリーズナブルな金額で、ということでこの金額に落ち着きました。」 

過去の反響について教えてください。

自分の好きだった作品が音によってまた違って見えた、作品の中にどっぷりとつかれた、のめりこんだ、という声が圧倒的に多いです。あとは、さまざまな方式での上映を聴き比べている方や、同じ爆音上映でも会場での音の違いを確認されている方など、マニアックな観方、聞き方をされている方たちのツイートなどもありました。具体的には、#爆音映画祭というので確認してもらえるとわかりやすいかもしれないです。」 

最後に、今後の展望、爆音映画祭の最大の魅力を教えてください!

「まず、東京のベースをしっかり固められたらと思っています。また、現在シネコンで上映しているメジャー作品をベースにしたセットと、かつてバウスで時々やっていたような、よりコアな映画ファン向けの小さな作品で音の面白いものを上映できる会場を確保できるといろんな意味でバランスが取れて、面白くなるのではないでしょうか。」

「最大の魅力は音によって映画の見え方が変わる。聴覚への刺激によって視覚が変わるということだと思います。そこにはふたつの要素があって、ひとつは音によって映画が変わる。もうひとつは、音によってそれを観ている自分が変わる。音によって変わった映画を観ながら自分も変わっていく、それまでの自分から解放されるという、どちらかというと音楽のライヴでの体験に似た体験を味わえると思います。つまりその後の人生がより豊かになるということだと思います。」

 

樋口さん自身が音楽ライヴ用の音響で映画の上映を体験したことから、爆音での可能性の広がりを感じ、「爆音映画祭」の開催へと至った経緯を教えていただきました。

吉祥寺の小さな劇場から、新宿の真ん中へ。そして全国へと広がりを見せる試みは、これからどうなっていくのだろう?とドキドキしますね。

何度も見た映画でも、いつもと違った“爆音”という環境で見ることで、新しい発見があったり、そしてまた好きになったり…そんなきっかけとなり得る「爆音映画祭」。是非足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

「新宿ピカデリー爆音映画祭」開催概要 

期間:6月29日(金)〜7月12日(木)

料金:一律1,800円(税込)
※各種前売り券・招待券・割引券の適用はなし

場所:新宿ピカデリー

チケット購入:こちらから

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