チームラボの作品が大集結!お台場のデジタルミュージアムで本気で迷子になってみた

森ビルとチームラボによる、デジタルミュージアムがお台場に新オープン。現地取材で感じた情報をお届けします!

チームラボファンのみなさん!朗報です!
これまで国内では期間限定でしか展示していなかったチームラボの作品が、なんとお台場に大集結します。しかも(半)未来永劫!!

6月21日、お台場パレットタウンにオープンする『MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless』。10,000平方メートルという巨大空間に、チームラボの世界初公開作品を含む約50作品が展示されます。

隣の大観覧車とひけをとらないデカさ!

隣の大観覧車とひけをとらないデカさ!

6月21日の初日は長蛇の列!国籍、年齢関係なく多くの人が並びます

6月21日の初日は長蛇の列!国籍、年齢関係なく多くの人が並んでいました

ウルトラテクノロジスト集団、チームラボがアートを通じて模索するのは、アートによる人間と自然、そして自分と世界との新しい関係です。物質とアートががっちりと融合する絵画や彫刻作品とは違い、デジタルテクノロジーによって物質からアートを解放させます。自分たち、人と自然のあいだに、自分と世界とのあいだに境界はないと考えているのです。

このデジタルミュージアムは、これまでの展示作品をただ集めただけではありません。チームラボが掲げる“Borderless”というコンセプトを体感できるように、展示作品に境界がなく、作品は部屋から出て通路を移動したり、他の作品とコミュニケーションしたり、ときには他の作品と融合するというのです。

境界がないってどういうコト?
アートを物質から解放するって?

頭の弱い私にはわからないので、実際にミュージアムに訪れ、作品を体験してきました!

 

ボーダレスってこういうこと 歩く、踊る、寝る作品たち

まず作品についての基本を押さえておきたいと思います。他の美術展とは違い、チームラボの作品は鑑賞者が「触る」ことで、様子が変化します(中には触ってはいけない作品もあるので、係の方にきちんと確認しましょう!)

どういうことかというと……

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入ってすぐに現れる作品『花の森、埋もれ失いそして生まれる』では、花がところどころに咲き乱れています。

空いた黒い隙間にじーっと待機していると……

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花がぶわーーーっと集まってきます!

こちらの作品は静止している人に反応して花がぽつぽつと咲き始め、反対に動くと散ってしまいます。

また同じ空間で、蝶の群れがきたので触ってみると…

今度は触れた途端、蝶が落ちていってしまうのです。なるほど、罪悪感がすごい(めっちゃ笑顔だけど)。

そして廊下に進んでみると、陽気なおっさんたちが壁に出現。

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館内を散策していると、おっさんが大名行列のように、意気揚々と廊下を歩いていきました。

 

『Walk, Walk, Walk: Search, Deviate, Reunite』photo by teamLab

『Walk, Walk, Walk: Search, Deviate, Reunite』photo by teamLab 私が撮ったのは興奮のあまりブレブレでした

これが「作品が移動する」ということか……!!さらに移動してきた蝶やカラスが合流して、一層華やかに。

このような作品の移動と融合は、同時多発的にありとあらゆるところで起こっているので、ほかの美術展とは異なり、順序よく周り一定時間作品を見たら「はい、終わり」とはなりません。

でもこの時間の運びや、一方を見たら他方を見られないという視界の限界は、現実世界ではよくあることです。アートが自分と同じ時間軸で動いているため、非日常的な空間で、当たり前のようにスルーしてきた感覚を再認識できます。

ミュージアムの端っこで居眠りしているおっさんたちも発見。

親近感わくわー

親近感わくわー

また、普段なら鑑賞の邪魔と考えがちな他人の存在もここではありがたい存在になります。

 

『花の森で生まれ、花と共に生きる動物たち』photo by teamLab

『花の森で生まれ、花と共に生きる動物たち』photo by teamLab

花まみれの動物たちが練り歩いていたので「きれいだなー」と眺めていたら、男性がおもむろに動物たちに触れました。するとどうでしょう。

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ハゲました。

否、花を脱皮しました。これには私だけでなく、周りの人もびっくり。

男性が触らずにいたら、この作品のもう一つの面を知らずに帰ることになっていたので感謝感激です。そして触発された他の鑑賞者の手によって動物たちは、かわいそうに、ハゲ散らかして去っていきました……。

 

ここが面白いよ、厳選に厳選を重ねた作品(エリア)5選

暗く迷路のように入り組んだ空間で、鑑賞者は好きなように周ることができ、鑑賞の仕方は十人十色というデジタルミュージアム。今回は特に筆者が取材と忘れて、のめり込んでしまった作品(エリア)と楽しみ方をご紹介します。

 

時間経過が面白い × 『人々のための岩に憑依する滝、小さきは大きなうねりとなる』

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プレス発表会の会場となった『人々のための岩に憑依する滝、小さきは大きなうねりとなる』に流れる滝は、人を感知して、水の流れが変わり、また花が咲いていきます。

しかし面白いのは、忘れた頃(迷子になって)もう一度この場所に訪れると…

全然違う様子になっている!!

思い返せば、美術館では純粋にアートに酔いしれたいのに、意外と「時間」に雑念を囚われがち。人が同じ作品の前でずっと居座っていれば「早くどいてくれ」と思いますし、混雑していると見終わった作品の前から移動できずにイライラ。

しかしここでは、人からの影響と時間経過でアートの様相が変わっていくので、ポジティブな気持ちが続きます。どこを見ても、いつ見ても美的感覚をくすぐる景色ばかりで眼福感がすごい。

 

三半規管の限界に挑む × 『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして超越する空間』

『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして超越する空間』photo by teamLab

『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして超越する空間』photo by teamLab

こちらは三半規管の限界を感じながらも見続けてしまう、好きな作品。平面に映し出されている映像なのに、カラスを追い続けると独特な浮遊感が生まれて、自分が一体どこにいるのかわからなくなってしまう不思議なインスタントーレション作品です。

文字での説明よりもまずは体感してほしい!ということで、こちらの動画をどうぞ。信じられるか、これカメラ固定してるんだぜ……。

 

インスタ映えの幻想空間 × 『呼応するランプの森』

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まるで世界のランタンフェスティバルのような!ベネチアンガラス(おさわり禁止)が、静止する人を感知して光り、その光が周りの光を誘発していくことで、まるで光が飛んでいくような幻想的な空間をつくりあげています。

ほぼ鏡張りなのでランプが無尽蔵に広がり、インスタ映えMAX。

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セルフィー棒などはガラスに触れる可能性があるので、撮影したらぼーっと光の通り道に酔いしれてみてはいかがでしょう。

 

翌日肉体が悲鳴を上げる × 「チームラボアスレチックス 運動の森」

頭ではなく筋肉でアートを感じたい肉体派のみなさん、お待たせしました。

『グラフィティネイチャー 山山と深い谷』photo by teamLab

『グラフィティネイチャー 山山と深い谷』photo by teamLab

「身体で世界を捉え、世界を立体的に考える」をコンセプトにした運動の森は、今回初お披露目の新プロジェクトです。この立体的なデコボコとした空間は脳の海馬を刺激するため、目、腕、足、全身をつかって世界を捉えられる「創造的運動」ができる空間となっています。

 

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複数人が同時に参加できる『マルチジャンピング宇宙』は、ほかの人の動きや位置によって深く沈んだり、より高く飛んだりできるトランポリン。人の体重で生まれた宇宙のひずみに、チリが集まり、さまざまな星が生まれ、そして散っていく様子は幻想的。しかし調子こくと、自分の足が翌日死にます。

 

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『色取る鳥の群れの中のエアリアルクライミング』ではこんなインスタ映えする自分も撮影できますが、ロープに支えられた棒を移動するのが意外と難しく、運動神経ゼロの私が必死に大股広げる姿はジャングルに住まうゴリラのよう。

 

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我、創造主也 × 「学ぶ!未来の遊園地」

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『お絵描き遊園地』では自分が色を塗った海の生物たちをスクリーンいっぱいの水族館に泳がせることができます。しかしアスレチックスで疲れすぎた私はここをスルーしてしまったので、『運動の森』の生物誕生に寄与。

 

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にじみでるガサツさはさておき。

とかげちゃんをスキャンして、既にほかの鑑賞者の作品でカラフルになった『グラフィティネイチャー 山山と深い谷』に産んでもらいます。出てこい!とかげちゃん!

 

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生まれたー!!!!

 

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死んだ――――――!!!!!!!

生まれて数秒で人に踏まれた、私のとかげちゃん。

ご安心ください、ちゃんと生きています。踏まれるとどうやら、塗った色の絵具が飛び散るらしいですね。よく考えてしまうとちょっとグロイですね。クリエイティビティはもちろん、「生命とは」を考えさせられるため、大人こそ参加してほしいアート作品です。

 

境界を連続させて「他」をポジティブに捉えるミュージアム

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『裏返った世界の、巨大!つながるブロックのまち』

まだまだまだ語りたいことはありますが、言葉で説明しすぎるのも野暮なもの。暗い館内を自分の足で探索して、発見して初めて「こういうことか」とわかる体験もあります。

チームラボの代表・猪子寿之さんは、「この世界はここにいる人々と共に、新しい体験を創っていく」とプレス説明会で話していました。

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「作品は、ほかの作品と境界がなく、そして人々との境界をなくし、人々を世界に没入させ、人々の他者との境界を連続的なものにしていく。このような作品群による境界のないひとつの世界が、チームラボボーダレスです。

人々の固定概念を外し、世界と自分との境界、自分と他者との境界をなくし、人々の価値観をもう少しでも広げることを、ほんの少しでもできたらと思っています」(猪子寿之さん)

『地形の記憶』実際の季節によって投影される植物の様子が変わります

『地形の記憶』実際の季節によって投影される植物の様子が変わります

2時間強探索したのにも関わらず、帰りにプレス用資料を眺めていたら、まだ見逃した作品をいくつか発見し、頭を抱えました。作品によっては実際の季節と連動するものもあり、行く季節、また一緒に行く人によって、ほかの鑑賞者によっても楽しみ方が変わるように思われます。まるでRPGゲームのマルチエンディングのような面白み。

何度でも訪れたくなるデジタルミュージアムは本日6月21日、いよいよオープンです。

森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス
MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderles

所在地:東京都江東区青海1-3-8(お台場パレットタウン)
営業時間:
月~木    11:00 -19:00 (21:00)
金・祝前日 11:00 -21:00 (22:00)
土 10:00 -21:00 (22:00)
日・祝日   10:00 -19:00 (20:00)
※最終入館は閉館の1時間前
※()内は6/21(木) – 8/31(金)までの特別延長時間です。
休館日:第2・第4火曜日
料金:一般/高・大学生3,200円(※6月21日~7月31日までは2,400円)子ども(4歳~中学生)1,000円
販売場所:展覧会公式ウェブサイト https://borderless.teamlab.art/jp/
ローソンチケット、セブンチケット