アートの世界へ旅しよう!BnA HOTELで叶えるアート作品への没入体験

東京・日本橋に新規OPENしたBnA_WALLは、アーティスト自身が客室の設計から携わっています。天井、壁、カーテン、細かな小物まで気を配り、一室を創り上げるため、宿泊者はアーティストの世界観にどっぷり浸ることができます。

おそらく20~30代の人なら一度は聞いたことがあるだろう、NHKみんなのうた「メトロポリタン美術館」。この曲は最後にこう締めくくられます。

大好きな絵の中に閉じ込められた

この不思議でちょっとこわい一節を聞いて、「絵の中ってどんなだろう?」と想像したことはありませんか。
残念ながら現実において、平面世界に入り込むことはできません。

しかし、アートホテル「BnA HOTEL」なら、アート作品の世界に入って一夜を過ごすことができます。

「BnA HOTEL」の「BnA」は、Bed and Artの略。アートと宿泊施設を掛け合わせたアートホテルの類はほかにもありますが、客室内の作品や壁画展示をメインとするものが多いようです。

一方「BnA HOTEL」は、作品を展示するに留まりません。

アーティスト自身が客室の設計から携わり、天井、壁、カーテン、細かな小物まで気を配り、一室を創り上げるため、宿泊者はアーティストの世界観にどっぷり浸ることができます。

言葉で説明するよりも、いくつか実際の客室をご紹介したほうが早いかもしれません。
たった1枚の画像でも、その空間に好奇心を刺激されること間違いないでしょう。

菅本智《Double Dreams》BnA Alter Museum ©BnA HOTEL

EY∃ (BOREDOMS)《D/R/M》BnA Alter Museum ©BnA HOTEL

河野ルル《Venus’ Flower Basket》BnA Alter Museum ©BnA HOTEL

Ryuichi Ogino《Ten》BnA HOTEL Koenji

81 BASTARDS《RESPONDER》BnA_STUDIO Akihabara

81 BASTARDS《HAILER》BnA_STUDIO Akihabara

いかがですか?
アーティストが手がける唯一無二の空間に泊まってみたくなりませんか?

これまでに「BnA HOTEL」は東京の高円寺、秋葉原、そして京都にホテルを展開してきました。

そして2021年4月2日、4拠点目となる「BnA_WALL」(以下、WALL)を東京・日本橋にオープンさせました。

今回は、新拠点を中心に「BnA HOTEL」の魅力を存分にご紹介します!

■早速「BnA_WALL」のアートルームを覗いてみよう!

WALLの客室(アートルーム)は全26室で、14組のアーティストと9組のディレクターが制作に参加しています。

宿泊時には、利用者がアートルームでより濃密な時間を過ごせるように、体験ガイドやアートルームのナレーションを用意しています。また、(客室含む)館内に展示されたアート作品は販売しているものも一部あるので、気に入った作品があった際は、ぜひスタッフに問い合わせてみてください。

1)アーティスト magma《HARCORE GAME ROOM》

1部屋目は、あらゆるゲームやギミックが詰まったプレイフルなアートルーム!  “人間の根源は遊ぶことだ”と謳うアーティストが創り上げた空間には、いたるところにユーモアが盛り込まれています。

手書き風のスゴロクの床に、ポーカーゲーム?に興じる人々がドット絵でプリントされた壁とスクロールカーテン。ベッドサイド側、壁一面のオセロは実際に遊ぶこともできます。

鼻から牛乳ならぬ、鼻からティッシュ。
メガネも「見えたっっ!!」とばかりに光ります。

入った途端にワクワクが止まらないアートルーム。人は、大人になっても好奇心に従い、仕事や趣味にゲーム性を見出して熱中します。この部屋に宿泊して、その純粋な好奇心に身をゆだねてみませんか。

2)渡辺真子 a.k.a Mako Principal《SUSHI WARS》

期待感が高まる赤い入口を抜けると……


壁中に貼られた虹色のセロファンに、天井で回るミラーボール。ベッド背面に配置されているのは、お寿司や宇宙など“みんな大好きなもの”を融合したコラージュとペインティング作品です。

女流美術家で、芸術家アイドルユニットとして音楽活動も行うマルチタレントなマコ・プリンシパルさんが手がけるアートルームは、もうキラキラ、ハッピー、みんなダイスキ―な空間に仕上がっています。

作品解説には“スシロボットとスシ戦士たちと繰り広げられる「SUSHI WARS」を舞台に旅立とう”と書かれていますが……

深く作品を読み込もうとすればするほど、「SUSHI WARS」の世界観に飲み込まれてしまいます。底抜けの明るさと、突き抜ける楽しさに溢れているため、入った瞬間に元気になること間違いありません!

3)EVERYDAY HOLIDAY SQUAD《昼がみた夢 -daytime’s daydream-》

「外で遊ぶこと」をテーマに掲げるアーティスト、EVERYDAY HOLIDAY SQUADが手がけたスイートルームがこちら。東京の風景に潜む「町の記憶」を追想する空間として、床のタイルには3Dスキャニングした路面や壁面、街にあるモチーフが再現されています。

標識やサインが描かれたコンクリートの壁面に、街頭の照明、ソファに使用されているクッションも公共施設で採用されている素材です。ゴミ箱など、普段は屋外にあるものが調度品に据えられています。ベッドが置かれている床も、道路の縁石でできているという徹底ぶり!

改めましてこんにちは、このタイミングで顔出しをする筆者です。

部屋の隅に置かれた自動販売機では、制作したアーティストのステッカーを購入できます(宿泊者のみ購入可能)。

私たちの記憶の中にも潜む街のモチーフを眺めながら過ごすと、室内なのに外にいる感覚に陥ります。それなのに居心地良くも感じる、なんとも不思議な空間です。東京の公園や路上で一晩を過ごすような、心の静かな高ぶりを楽しんでみてください。

4)上山悠二《氷帽》

個人的にはいちばん泊まりたいと感じたアートルームがこちらです。氷帽(氷山の峰)の上に立てられたイグルー(スノーハウス)をモチーフにしており、とても静かな雰囲気をまとっています。

樹脂で覆われた床や白と透明な素材で統一されたニュートラル空間を、間接照明がほのかに冷たく照らし、氷の世界を演出しています。その世界には「冷たさ」よりも、「厳か」や「神聖」、はたまた「穏やか」といった言葉が似合います。

透明なパイプでつくられたイグルーの内側に入り込むと、時間の流れが止まったかのように、静寂の世界へと没入できます。外の喧騒も忘れて、ゆっくり心の内部まで癒されそうです。この空間で仕事も家事も育児も人間関係もぜんぶ忘れてボーッとしたい……!!!

■どうして室内に巨大壁画?!「BnA_WALL」が提供する機会と体験

ここで改めて外観を紹介します。2020年10月にオープンし、おしゃれすぎるフードコートとして話題の「COMMISARY(カミサリー)」から徒歩10秒。道路の対角線上にそびえたつ茶色いビルが「BnA_WALL」です。

一体どのような想いでこちらのホテルを運営されているのか、プレスの近藤さんに話を伺いました。

©BnA HOTEL

ホテルのエントランスから入ってまず目に入るのが、施設を象徴する巨大な壁画。取材時、壁画は制作途中でした。

室内にこんな大きな壁画があるのは珍しいですね。
制作途中ですが……もしかして完成がオープンに間に合いませんでした?

いえいえ!そんなことはないですよ。
壁画は一回描いて終わりではなく、アーティストが都度入れ替わって、次々と新作を制作していきます。なので、タイミング次第では、1階のバーラウンジで食事や会話をしながら、壁画の制作現場に立ち会うことができます

完成形だけでなく、変化していく過程のアートを見られるなんて、貴重な体験ですね! 絵画作品ってどんな風に描かれるのかいつも気になっていたので、制作現場に立ち会えたら、いつまでも見ていたくなるかも

日本は海外に比べると、壁画の数が圧倒的に少ないんですよね。間近で壁画を見る機会がなければ、ましてや制作時間を共有するなんてことはほとんどありません。なので、WALLでは壁画を交えた特別な体験の提供や、ワークショップなどを今後開催していきたいと考えています

コロナ禍もあって、今後ホテルは宿泊のための施設としてだけではなく、地域の人々や利用者に対して体験を提供する場として進化していきそうですね

そうですね。今回、オープン前の試泊でも、別の方が描いた壁画を、宿泊者とスタッフ一緒に白く塗りなおすというイベントを行ったんですよ。同じイベントを今後も続けていくかは検討中です

作品を消すイベントなんて聞いたことがないですね! それは体験してみたい!

■日本橋でアート×ビジネスのハブ的存在に

ところで気になっていたんですけど……壁画の下はどうなっているんですか?

地下にはあるのは『ファクトリー』ですね。アーティスト、デザイナーや建築家、起業家、エンジニアなど、創作に携わる人々に開放していく予定の制作スペースで、ここが彼らにとって新しい開発の場であり、実験場になればいいなと思っています

壁画も同じですね。壁画が少ない環境では、制作のオファーも限られたアーティストに集中してしまいます。そこで若手のアーティストに、この壁画を練習や新作発表の場として提供していきたいと考えています

WALLから、若手のクリエイターが世界にはばたいていくかもしれないんですね。この日本橋を開業地に選んだ理由も、そういったアーティスト支援と関係あるのでしょうか

理由はいくつかあります。もちろん誘致のご縁もありました。
あと、近年の再開発で、『COMMISARY』でも個店さんでも、コンテンツ力のある店舗が多く出店しています。それもあってか、最近は20代の若い方も日本橋で見かけるようになりました。そういう時流に乗ったというのも理由のひとつです。

また、日本橋は昔から商業の街で、まだアートカルチャーが成熟していないエリアです。おっしゃる通り、アート全体を応援する一環として、日本橋でWALLがアートとビジネスをつなげるハブ的存在になればいいなと……

アートとビジネスのハブ的存在?

WALLの1階は、誰でも出入りできるオープンスペースとして開放しています。ビジネスマンがふらっとWALLのバーに立ち寄って、アーティストと気軽にコミュニケーションをとったとき、新たな化学反応が生まれたら……。

BnAも元々、ビジネスに強いメンバーとクリエイティブに強いメンバーとの出会いから始まって、今や世界から注目されるアートプロジェクトとなりました。 同じように、これまで接点がなかったビジネスとアートを近づける機会の場を提供したいと考えています

WALLを中継して、日本橋の人々と共に新たなアートカルチャー、もしくはアートビジネスを育てていきたいというわけですね

そうですね。『BnA HOTEL』は高円寺からスタートして以来、外国人アーティストや国内外問わずアート好きな方々に利用して頂いています。外からの人に向けても東京のアートを発信しつつ、地域の人と共にカルチャーを育てていけるように。 旗艦店として、『BnA HOTEL』の想いを伝えていきたいですね

■まだまだある!おすすめのBnA HOTELアートルームをご紹介

「BnA HOTEL」は2021年現在、日本橋以外に、高円寺、秋葉原、京都の3つのエリアにホテルを展開しています。基本的に各地域で活動しているアーティストに依頼をするため、アートルームには自然と地域のカラーが出ているのだとか。

ではそれぞれどのような施設なのでしょうか。筆者が独断と偏見で選んだ1部屋と一緒にご紹介します。

1)東京・高円寺「BnA HOTEL Koenji」

©BnA HOTEL

プロトタイプを経て、2016年にオープンした1号店。高円寺というローカル色の強い地域にもかかわらず、開業当初より世界各地からクリエイターが訪れています。また、1階のバー&カフェ「フロントデスク」には夜な夜な地元の人々が集まり、高円寺ならではの魅力である“人と人との近さ”も感じられます。

かつては高円寺のコミュニティは内々での盛り上がりを重視していましたが、「BnA HOTEL」をきっかけに外側から注目を受けるようになると、だんだん自分たちのカルチャーを外へ発信していこうと、意識に変化が起こったそうです。そんな高円寺の街と共に、「BnA HOTEL Koenji」では不定期にイベントを開催し、結びつきを強めながら地域を盛り上げています。

©BnA HOTEL

・高橋洋平《Into the foreign》

高円寺のおすすめは、ニホンオオカミが駆け抜ける一室。扉を開けると鬱蒼(うっそう)とした森の闇に包まれます。しかし寝室のほうへ進んでいくと、森からニホンオオカミの群れが現れ、宿泊者の横を颯爽と駆け抜けます。

©BnA HOTEL

客室の反対側から見ると、この通り。天井と壁の接合部分には角がなく湾曲しているため、オオカミたちの躍動感がリアルに宿泊者に伝わります。

©BnA HOTEL

夜は焚火のように灯る間接照明で、ニホンオオカミが幻想的に壁面に浮かび、思わずうっとり。オオカミの顔つきもそれぞれ異なり、人間のような表情を浮かべるオオカミもいるので注目してみてください。

2)東京・秋葉原「BnA_STUDIO」

©BnA HOTEL

2店目となる秋葉原の1階には、クリエイター集団『MIKKE』が共同企画、運営する『HOT DOG SHOP SPELL’s』があります。スタッフ全員かストリートダンサーとしての顔を持ちながら、「飲食提供」を通して、アートやエンターテイメントの可能性を伝えるパブリックなスペースとして開放しています。客室は5つに増え、部屋の形から造作の素材まで、空間に関わるすべての要素にアーティストのコンセプトを息づかせています。

©BnA HOTEL

・5.13 G-WAVE《ZEN GARDEN》(デラックススイート)

いまや諸外国で注目されている「ZEN」。禅宗のそれとは異なり、諸外国で歪曲されてしまったZENの世界を拡張し、東京らしいカオス感とミックスさせたのがこの一室です。

この一室に近いものとして、筆者がイメージするのは、アメコミの「ニンジャタートルズ」。忍者をひとつの記号として扱った結果、ミュータントの亀たちがピッツァを食べ、ヌンチャクや刀をぶん回しながら悪と戦うという、ハチャメチャな世界観ができあがっています(私は大好きです)。

そんな風に、この客室に散りばめられたZEN(日本?)的な囲碁や掛け軸、枯山水的なエッセンス、そして現代的なネオンなどの調度品は唐突ながらもどこか調和していて、宿泊者たちにはキャッチーに映ります。

宿泊者が滞在することで完成する、インスタレーション作品として提示されたこの一室。果たしてどのようなZENを体験できるでしょうか。

3)京都・河原町高辻「BnA Alter Museum」

©BnA HOTEL

©BnA HOTEL

クリエイターの実験と創造を発信する場として京都にオープンしたのが、宿泊型ミュージアム「BnA Alter Museum」です。10階建てのビルには、9組のアートディレクターと16組のアーティストが携わった31のアートルームが設けられています。

建物の前面には、世界に類を見ない高さ30メートルのタテ型ギャラリーが設置され、定期的に実験的な展示を開催しており、宿泊者以外の人でも楽しめるアート施設となっています。もちろん1階には、「BnA HOTEL」おなじみのバーラウンジがあり、アーティストの作品を購入できる一期一会なミュージアムショップが併設されています。

・中野裕介/パラモデル《鳥は池辺の青樹に宿し 魚は月下の青波に伏す(五条河原の模型楽園)》

©BnA HOTEL

おすすめしたいのは、私が実際に宿泊した一室。能楽 『融(とおる)』をイメージの土台とした客室で、ベッドに寝転がると水面に浮かぶ言葉が目に入ります。『融』をざっくり説明すると、夢、現実、もしくはその狭間で、登場人物たちがかつての栄華を夢見ながら、各々語っていく演目です。

そして次に目が留まるのは、床や天井に張り付く小さな模型たち。子どものとき、模型や人形に自身を投影して、今いる場所とは違う場所へ行き、好きなストーリーをつむぐ「ごっこ遊び」をした人も多いのではないでしょうか。

©BnA HOTEL

これら模型の「ごっこ遊び」や『融』の台詞や謡がギミックとして手伝い、宿泊者は部屋から別の場所へと心を旅立たせることができます。昼と夜とで、場面が切り替わったように表情を変える客室で、夢うつつな時間を過ごしてみてください。

■BnA HOTELで没入するアートの世界

アートの世界に没入して、心を旅させる「BnA HOTEL」。

アート作品と対峙した際に、その世界に強く惹き込まれるような引力を感じた経験はありませんか。美術館やギャラリーでは展示期間もスペースも限定的なので、アートの観賞に慣れていないと、「なんとなく気になるな」くらいで終わってしまうかもしれません。

しかしアートルームは、アーティストの世界観がまるまる一空間に表現されています。宿泊者は360度作品に囲まれるため、作品に集中して心を向けることできます。

作者の思考や想いに存分に浸ってみると、まるで海外の異文化に触れたように、言葉では説明しにくい、でも確実に起きる自分の中のちょっとした変化を体験できます。ぜひアートルームで心行くまで、自分自身を旅させてください。

また、「BnA HOTEL」全体のコンセプトには“アーティストの支援”があります。

『アートに泊まる、パトロンになる』

この言葉通り、宿泊すると滞在費の一部がその客室を制作したアーティストに還元されます。美術館やギャラリーの入館料とはまた違う形で応援できる、この新システムであなたもアーティストのパトロンになってみませんか。

 

BnA HOTEL
https://www.bna-hotel.com/001108439337

※緊急事態宣言などにより、営業時間が通常と異なる場合がありますのでご注意ください。

 

BnA_WALL
住所:東京都中央区日本橋大伝馬町1−1
電話番号:03-5962-3958
営業時間:
Café :11:00 –18:00
Bar: 18:00 – 25:00
チェックイン: 16:00- /チェックアウト 12:00
問い合わせ先:pr@bna_wall.com
料金:1泊1万6,000円~
公式サイト:https://bnawall.com/

 

BnA HOTEL Koenji
住所:東京都杉並区高円寺北2丁目4-7
営業時間:
Cafe (Colored Life Coffee):10:00 – 17:00
Bar (Bar Front Desk):19:00 – 25:00
チェックイン: 15:00- /チェックアウト 11:00
料金:1泊1万6,000円~
公式サイト:https://www.bna-koenji.com/
※現在5月末まで休業中

 

BnA_STUDIO Akihabara
住所:東京都千代田区外神田6-3-3
料金:1泊1万6,000円~
チェックイン: 15:00- /チェックアウト 11:00
問い合わせ先:studio@bna-hotel.com
公式サイト:http://bna-akihabara.com/

 

BnA Alter Museum
住所:京都府京都市下京区天満町267-1 (河原町高辻の交差点の北東)
電話番号:075-748-1278
営業時間:
Bar :19:00 – 25:00
料金:1泊1万6,000円~
チェックイン: 15:00- /チェックアウト 11:00
問い合わせ先:info@bnaaltermuseum.com
公式サイト:https://bnaaltermuseum.com/