【初心者向け!】自転車旅ライターが教える、旅のコツと国内サイクリングスポットまとめ

自転車がブームになっていて、クロスバイクやロードバイクを買ったという方も多いのではないでしょうか?この記事では日本全国を自転車で旅しているライターが、旅のコツや、国内のおすすめサイクリングスポットをご紹介。まだ初心者の方も、この記事を見て、是非自転車でしか味わえない旅行にでかけてみてください。

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こんにちは、自転車旅ライター 松田 もゆる(@moyulog)です。

今回は自転車の話をいっぱいします。

ただ、”ガチ”に自転車を楽しんでいる方に向けてではありません。

「チャリ乗るのは近所のコンビニ行く時くらい!」

みたいな、自転車ビギナーの方に、自転車旅の魅力を知っていただきたいと思っています。

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まず僕の話をすると、自転車旅に目覚めたのは中学2年生のとき。

東京から鎌倉までママチャリで走ること半日程……

目の前に湘南の青い海が見えた時の感動といったらもぅ、ね。

「自分の足を使って知らない土地に行くってめっちゃ面白い!」

と、中坊ながらに悟ってしまいました。

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それから20年以上経っても飽きずに旅を続けていて

47都道府県全てや海外も走りました。

ただ、ここが大事なポイントなんですが

好奇心と、旅のちょっとしたコツがわかれば誰でも自転車旅はできるんです。

 

そもそも自転車旅の何が楽しいの?

1、達成感がクセになる

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公共の交通機関や車などを使って移動する旅も楽しいですよね。僕も、こちらの方が快適なのでよく使います。

ただ、同じ目的地に辿り着いたとしても自転車なら……

  • そこまでに至るストーリーの濃さが違う
  • 汗を流してたどり着いた先の景色は数倍増しで絶景に見える
  • ご飯やお酒が数倍美味しくなる

自分の足でペダルを漕いで旅して目的地まで着いたときの達成感は、それまでの疲れとか、人生で大変だったこととか一瞬で忘れさせてくれる効果があるとか、ないとか!

2、スピードがちょうどいい

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電車や車だと通り過ぎてしまうような場所で

素敵な景色を発見したり

面白い人に出会ったり……

自転車は小回りがきくスピードで走れるので、ちょっと寄り道をするのにも最適な乗り物です。

もちろん徒歩やランニング旅も楽しいのですが、体力に自信のない方もいるので、1つの街を旅するくらいは自転車がベストな選択かもしれません。

そこからだんだんと距離が伸びて、頑張れば日本縦断や世界も旅できちゃう、奥が深い移動手段なんです。自転車というのは。

3、お財布に優しい?

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はじめに断っておくと、旅をするのに向いている自転車はそれなりの値段がします。パーツを揃えると、なかなか沼にはまります(購買意欲を刺激され、アイテムが増えていきます)。

安物だから危険、高価な自転車だから安全という結論ではないのですが、安い自転車は疲れやすかったり、破損のリスクが高かったりしますし、ある程度しっかりとアイテムを装備しないと、道中で後悔することにもつながります。

それも踏まえた上で……

自転車なら、旅の出費で多くのウエイトを占める移動費を抑えられるのが嬉しいところ。自宅から出発、自宅ゴールの1日旅なんてしようものなら、ほとんどお金がかからずとも充分した休日になります。

他にも、動力にガソリンを使わないので地球環境にも優しいエコな乗り物で、体力もつくしストレスも解消できるし、SNSの投稿で楽しそうなことやってる感をアピールできるし、人によっては一石二鳥以上の価値がある体験ができるのも自転車旅の魅力です。

走る前に、自転車旅で気を付けたいこと

1、体力はどのくらい必要?

IMG_20170413_131050_1コースの難易度にもよりますが、初心者の目安は1日100km走行。

「えっ、そんな走れないよ!」

と、はじめは多くの方が言いますが、それくらいなら走れます。ただ……疲れます。

そのため、観光が目的であれば1日に長い距離を走るより、サイクリングロードなどがある気持ちの良いロケーションの場所を、まずは10km〜30km目安に走るのがおすすめです。

自転車旅が小さな趣味になれば、少しづつ体力がついていくので、自然と走行距離は伸びていくはず。最初から無理して、本当の楽しさを味わえる領域にたどり着かないのはもったいない!

2、日帰りか、宿泊ありか?

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宿泊地を決めて、そこを目指すと、より走る気力が湧きます。ゴールしたら、宿で飲み食いして、温泉入って寝る……なんて想像しただけでも最高ですよね!?

ただ、旅の行程が長いほど、持ち運ぶ荷物も多くなりますし、予算も高くなります。まずは日帰りか、1泊2日くらいで行けるコースで検討してみましょう。

もし初めての自転車旅で宿泊するなら、おすすめなのは島です。宿に荷物をおいて、ぐるっと1周走ってまた宿に戻ってくれば、手ぶらで走行が可能です。

3、自転車はどうする?

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初心者にまずおすすめなのは、レンタサイクルです。

都市部の観光地であれば、最近は電動アシスト付き自転車や、高級ロードバイクをレンタルしてくれるところも増えてきました。

また、地方自治体がサイクリングロードの導入に積極的なところは、観光案内所などにも置かれている場合があります。

まだマイ自転車がない方は、まずはこういったところで自転車旅の楽しさを味わってみてはいかがでしょうか。

これから購入したい方は……

僕が初めて長旅をしたときは5万円以下のクロスバイクを購入し、東京から鹿児島の最南端「佐多岬」まで2週間ほどの貧乏旅行でした。その同じ日に、東京から佐多岬まで、2万円のママチャリで1週間かけて来たサラリーマンの方もいたので、体力と根性があればどんな自転車でも旅はできるかもしれません。

ただ、せっかくならおすすめの3タイプの自転車も検討してみてください。自転車選びをミスすると楽しみが半減します。

■風を切って快適に走りたい派はロードバイク

荒れた路面でもスムーズに走るRoubaix Elite | Specialized

荒れた路面でもスムーズに走るRoubaix Elite | Specialized

  • メリット:速い、長い距離乗っても疲れにくい
  • デメリット:値段が高い、持ち運びが大変(カーボンなどの軽いフレームは飛行機などで運ぶ場合注意が必要)

■持ち運びの快適性にこだわりたい派はミニベロ

ミニベロだけど疲れにくく速いVerge X10 | Tern Folding Bikes

ミニベロだけど疲れにくく速いVerge X10 | Tern Folding Bikes

  • メリット:持ち運びが楽(車や電車に乗せやすい)、漕ぎ始め(初速)が楽
  • デメリット:速度維持が大変、疲れやすい(車種による)

■本格的に旅を楽しみたい派は旅用自転車

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  • メリット:荷物をたくさん積める、長距離走るのに向いている
  • デメリット:車体が重く持ち運びが大変

4、何を持っていく?

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この項目だけで1記事できてしまうので、今回は割愛します。

Googleで「自転車 旅 持ち物」と検索しみてください。

ポイントは軽量コンパクトで必要最低限のものだけ

国内の旅であれば、足りなくなったものはだいたい現地にて調達可能です。

5、誰と行く?

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■一人旅

一人で旅する楽しさはマイペース。これに尽きます。人によって旅の楽しみが違うので、グルメ、絶景、観光名所、どこでも自分の意思で行きたいところに行けますし、自転車の場合体力レベルや自転車のスピードが違う場合もあるため、経験を積むと一人旅が多くなる傾向にあるのではと思います。

ただ初心者は、トラブル時の対応などができなかったりするので、最初から一人はあまりおすすめしません。次に述べますが、仲間との楽しさもまた格別です。

■仲間や家族、恋人と旅

誰かと一緒に旅すれば、感動の共有ができたり、思い出作りになります。何もしなくても目的地まで連れていってもらえる観光ツアーと違い、自分の足で漕ぎ、地図を見ながら目的地までいく自転車旅は冒険の共有ができる仲間がいると心強いし、楽しいはず。

自転車旅初心者におすすめスポット

そろそろ、走りたい気持ちになってきましたか?

自転車を持ち運ぶ(輪行)方法は?

どうやったらお尻痛くならない?

など、知りたいことはもっとありますよね。

でも、自転車に乗れる人なら体験してみることでわかることもあるはず。

今回は、アクセスの良い場所、サイクリングロードがある場所、レンタサイクルが借りれる場所という3つの指標のいずれかに当てはまる初心者向けのエリアを選んでみました。

■美瑛(北海道)

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広大な北海道の真ん中、美瑛は丘の町と呼ばれ、絶景スポットが点在しています。

初心者向けと紹介しておきながら、アップダウンがかなりあり”試される大地”です。事前に電動アシスト自転車を予約しましょう。

マイ自転車がある方は、旭川空港から走り初めて、美瑛から富良野に抜けたり、Macの壁紙にも選ばれた話題の青い池を見にいくのもおすすめコースです。

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運が良ければ野生のキツネにあえるかもしれませんよ。

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■伊豆七島(東京都)

伊豆大島・利島・新島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島の東京都に属す7島。
※御蔵島は自転車の乗り入れ禁止となっております。

それぞれ個性が違うのですが、天然温泉があったり、ほとんど信号に止まらずぐるっと自転車で1周できたり、東京都は思えない絶景に出会えたりするのが魅力的。

個人的に好きなのは、都内から一番近くアクセスの良い伊豆大島や、

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飛行機で行けて、温泉やシュノーケリングや登山など他のアクテビティも充実している八丈島(一周すると坂が結構あるので難易度は高め)

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各島へは、東京・横浜・下田・熱海などから出ているジェット船の場合は輪行で、東海汽船の大型客船なら、輪行袋に入れずそのまま船に載せることができるため、船から降りてすぐに走り出せます。(船便は冬の季節風、夏から秋は台風で欠航することもあるので要注意)

■京都(京都府)

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観光スポットが点在している京都

京都駅周辺の清水寺、高台寺など神社仏閣や、風情のある竹林や渡月橋がある嵐山、宇治川のほとりをサイクリングして平等院鳳凰堂伏見稲荷大社へ。疲れたらカフェで休憩など、大人の休日を楽しめます。

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ただ、スポットからスポットまでは距離があったり、登り坂があったりするので、初心者の方は電動アシスト自転車を借りるのもおすすめ。観光名所だけあって借りれる場所がいろいろあり、1日2000円前後でしょうか。

■しまなみ街道(広島県・愛媛県)

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サイクリストの聖地、しまなみ海道。広島県の尾道と、愛媛県の今治の間の島々を結ぶコースは、瀬戸内海を望む絶景の宝庫です。サイクリングロードも整備されており、信号も少なく快適。グルメスポットも点在しているので、事前チェックは必須です(定休日が多かったり、人気店はすぐに閉まることもあります)。

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尾道から出発する際はサイクリスト向けのホテルに泊まったり、本格的なロードバイクを借りることもできたり、当日泊まるホテルまで荷物を届けてくれて手ぶらで旅ができたりと、自転車乗りに優しいサービスがいろいろあります。

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■高知(高知県)

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山が多く海岸線が長い高知。ジオパークに認定されたワイルドな地形を楽しめる室戸岬、日本遺産にも認定された森林鉄道がある中芸エリア、日本一の清流と呼ばれている仁淀川四万十川、絶景の宝庫の足摺岬柏島などおすすめスポットがたくさんあります。

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SPOTでも高知県を約800km走って、その土地の魅力を紹介する記事を書きました。
【高知自転車横断】『幕末維新博』全23会場を回って高知を味わい尽くしてきた!(東部編)
「志国高知 幕末維新博」開催中! 自転車旅ライターが全23会場を走って案内するぜよ(西部編)

また、四国はお遍路さん文化があり自転車でも回りやすく、高知だけではなく、愛媛、香川、徳島にも魅力的な場所がたくさんあります。

■その他

自転車旅の経験を積んだら、他にもこんな場所はいかがですか?

北海道のオロロンラインは、信号がほとんどない一直線の道が果てしなく続きます。コンビニや食堂などもほとんどないため上級者向けですが、景色は抜群です。

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長野県などの山岳エリア(排ガス規制のため自動車が入れない上高地も自転車なら走行可能)

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鳥取砂丘などがある中国エリアは、手つかずの自然が残っています。

2015-05-17 18.57.41-6 (1)沖縄の離島は島によって個性が違うので、いろいろ開拓してみるのも面白いはず。自転車旅初心者は、石垣島宮古島から?

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まとめ

「47都道府県走った中でどこが一番良かった?」

と、よく聞かれます。

でも、これは本当に好みの問題ですし、季節によっても誰と行くかでも全然印象が違います。

正直、今回は紹介できなかった素敵スポットも、僕自身がまだ行ったことがない場所もたくさんありますので、経験者の方は他にもおすすめがあればコメントでお知らせください!

ただ、どこに行くかも大事ですが、なぜ行くかの方がもっと大切だと思います。

それで言うと、自転車旅は、間違いなく非日常感たっぷりで旅の醍醐味を存分に味わえます。

体力がつく、リフレッシュできる、達成感を味わえるなど、やりがいも十分!

「自転車乗るのは近所のコンビニ行く時くらい!」

という方も、たまには自転車とともにとっておきの思い出を作りに出かけてみませんか?

自転車旅ライター 松田 もゆる(@moyulog)