【就活が嫌になったから、鎌倉に行った】就活病み旅のすすめ。

6月ももうほとんど7月に差し掛かり、僕は鎌倉に向かう電車に乗っている。 就職活動で、第一志望の二次面接後に連絡がなく、落ち込んでひとり旅をしているのだ。 大学にいけばほとんどの人が経験するであろう、就職活動。 毎年同じ日に始まり、同じ年齢の人が、同じことをする。

※この記事は「SPOT 旅に出たくなる記事コンテスト」の入選作品です。
ライター : 奥岡(@ketokunsan)


 

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6月ももうほとんど7月に差し掛かり、僕は鎌倉に向かう電車に乗っている。
就職活動で、第一志望の二次面接後に連絡がなく、落ち込んでひとり旅をしているのだ。

大学にいけばほとんどの人が経験するであろう、就職活動。
毎年同じ日に始まり、同じ年齢の人が、同じことをする。

思うに、就活は「うそ」のかたまりだ。
「自分に合った仕事との出会い」と言えば聞こえはいいけれど、大抵そうはならない。
やりたい仕事があるのに、ほとんどのひとは、ただなんとなく「オトナ」になるんだろう。なんてこった。

でも、いいんだ。

今日は「就活のことは一切考えない日」と決めている。
面接が今週も数個あるけど、ネガティブな感情はすべて消して、思いつめないことが今の自分には必要なんだ。

鎌倉に行けば、綺麗な景色やヒトのぬくもりを感じて、終わった時には「来てよかった、明日から頑張ろう!!」と思えるはずだ。

そう思いながら、湘南新宿ラインに揺られていた。

 

 午前11時30分、北鎌倉駅到着

image2たどたどしい足取りで北鎌倉に到着。
今日は時間をゆっくり使う日。到着するのは12時半くらいがちょうどいい。

北鎌倉から鎌倉まで歩く散歩道を闊歩する。
でも、そもそもなんで鎌倉なのか。

「近いから」

それだけ。意外と都内から1時間半程度で行けちゃうからね。

他にも「自然に癒されそう」とか「6月は紫陽花のシーズン」とかもあるけど、今日はなにもかもテキトーでいいとおもう。

それに、
パワースポットらしいし、神とか拝んどけば内定もらえるだろう
(内定もらえない理由がわかった気がする)

 

スタートは円覚寺で

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image4こういうのって旅行っぽい。一回やってみたかった。(ミーハー感)

 

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あじさいシーズンなもんで中は大忙し。
カップル連れも多数で、羨ましい以外の感情が切り離されるも、一応戻ってくる。

そもそも僕には彼女とかいないわけだけど、いたらどうなってただろうか。

「今日は楽しみにしてた鎌倉旅行だね!」なんて言ってくれて、
「いっぱい写真撮ってあげる」
「え〜恥ずかしい〜」
とか言われつつも撮りまくって、

「そうそう、そのポーズだよ!もっと笑って!」
「こう?」
「はい、チーズ!」
なんてやってたら、

「カップルですか?僕が写真撮りますよ〜」
って、心優しい人が写真を撮ってくれるっていうイベントが発生するんだろうか。

そして、もし彼女がいたらどんな会話をするんだろう。
「就活頑張ってね」とか言われるんだろうか?

・・・・。

次にいこう。

 

明月院であじさい鑑賞

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あじさいの名所、明月院に到着。

久しぶりにこんなに鮮やかな青を見た。
今週の面接なんてどうでもよくなる。ほんとどうでもいい。

 

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ずっと見ていたい。ただその気持ちだけを楽しむ。
すると、この瞬間は「就活から目を背けた上でなりたっているのだ」と、ふと我に帰る。

「もし、今この瞬間を来週の面接練習に当てていたら?」
「先週の面接はなんで上手くいかなかったんだろうか・・・」

・・・。

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アブナイアブナイ・・・。あじさいを見て気持ちをリセット(ギリギリセーフ)。

 

そば屋でひと息

image9もう14時。そろそろお腹が鳴り出す時間。

ふらっと立ち寄ったお蕎麦屋さん(名前は知らない)で、人気No.1(たぶん)のけんちんそばなるものを食べてみる。ウマし。
普段牛丼とかで、さくっと済ませている分、今日はじっくり料理を味わう。

いつもは気にかけない隣に座っているひとをじっくり見てみると・・。
外国人カップル?食べ方がわからなくて困っているけど、笑いあってて楽しそうだ。

なんとなくだけど、こういう忘れそうになる小さな幸せが大事なんだとおもう。
自分がどれだけ色んなものを無視して突っ走ってたのかがよくわかる

 

鶴岡八幡宮

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鎌倉といえばここ。鶴岡八幡宮。
そういえば、受験の時に家庭教師がお守りを買ってきてくれたなぁ、なんて思い出したり。

せっかくだし、おみくじを引いてみる。(ワラにもすがる思いで)

小吉か・・・。

イヤ待てよ。。。

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“見るのも聞くもの総べてが騒がしい。その中に今も変わらぬものがある。それは未来も変化しないものだ。天来の声を聞くことのできる運に恵まれている。努め、励みなさい。”
By 鶴岡八幡宮

!??!?!?!!!??1?(興奮)

なんて気がきくな神なんだろうか、鶴岡八幡宮。

まとめると、「周りとかマジで気にしなくていいから。オマエはオマエの道をすすめよ。」
そういうことですよね??(たぶん違う)

6月になると、みんなポンポンと内定をもらって就活を終わらせていく。
そのプレッシャーのなか、内定がもらえない自分がどうしても惨めに思えていただけあって、神のありがたみを知る。

「色々あって辛そうだし、内定あげるよ」ってことですね。ワーイ。
(こういうのがよくないんだとおもう)

ともあれ、「自分の軸はぶらさなくていいんだ」なんて思ったり。
ほんのちょっとだけ、勇気付けられました。

 

鎌倉駅周辺

image12鶴岡八幡宮を抜けると、もうそこはほとんど鎌倉駅。
北鎌倉駅から鎌倉は全然歩けますね。

お腹いっぱいだから、小町通りは雰囲気重視で通り過ぎる。
混んでるし、さっさと通り過ぎて由比ヶ浜にいくために江ノ電に。

 

由比ヶ浜

image13江ノ電に乗ると同時に、「江ノ島エスカー」を再生。
爆音とグルーブでテンションを上げながら、移りゆく景色とともにひとりフェスを決行。

旅もエンディングに近づく。

なみおとーのかーなたにぃーー、響く声揺れるエスカァー
鼻唄交じりで、体を揺らしてみる。
(正確には江ノ島じゃないんですけどね。)

 

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旅の終点、由比ヶ浜に到着。

海をながめていると、一日考えないようとしてた現実が、頭のなかを駆け巡った。
目一杯忘れて遊んでみたけど、やっぱり面接に落ちてしまったのは変わらない。

僕は第一志望の企業では働けないのだ。

そして、別にそれは特別なことじゃない。人気企業に入ろうと思ったら、一部を除いた大多数は落ちるんだから、自分がそのひとりであってもなんらおかしいことではない。

でも、ぼくはどうしてもその現実が受け入れられない。

「どうしてもこの企業だけは受かりたい」
その一心で、OB訪問も何十人もして、応援してくれる人がたくさんいて、インターンもして、これほどかというまでに頑張ったつもりだった。少なくとも自分ではそう思ってた。

「受かってくれたっていいじゃないか。」

これが本音だ。そう思いながら、ボロボロ泣いた。止まらなかった。
滲む由比ヶ浜を見ながら、もう一度よくよく考えた。

「そもそもなんでA社にいきたかったんだっけ?」

えっと・・・。
僕がA社に行きたかったのは・・・・。

人が変わっていく瞬間、自信にあふれて、みるみる行動が変わっていく瞬間が見たいからだ。

そう思うのは高校生の時、親が失業したことがきっかけだ。
母子家庭だったから、失業中の一年間は本当に辛かった。母も鬱になり、家庭も荒れて散々だった。

でも、その後に母は適職を手に入れ、みるみる変わっていった。
母が応援してくれることで、僕も色んなことにチャレンジできた。

“働いた”ことはないけれど、自己実現のツールがあるだけで、どれほど人がイキイキするのかはわかる。
そういう思いで、大学時代は人材会社でアルバイトをしていたのだ。

だから、大手の人材会社に行きたい。キャリア教育やキャリアアドバイザーがしたい。我ながら立派な志望動機だと思う。

でも、あれ・・・?ちょっと待って。
そしたらそれってA社じゃなきゃできないんだろうか?
キャリアアドバイザーじゃなくても、「会社で部下を持つこと」でも誰かの自己実現を応援することはできるし、「先生になること」でも、その価値観は実現できるはずだ。

ふと、笑みがこみ上げてきた。
よく考えてみると、僕が実現したいのはどんな”コト”をするかではなく、どんな”価値観”を実現したいかだったのだ。

そう思うと、それは僕がどこの企業に入ろうが、関係ない。
A社に受からなければ、B社にいけばいい。できなければ、自分でやればいい。なんとでもできる。

「大事にしたい価値観」は誰に言われるでもなく、ずっと自分の胸にあったんだ。
そう思うと、胸がすっとした。もう落ちてもへこんだりしない。この会社に入らなくとも自分の大事にしたい価値観は実現できる。

ウン。元気が出てきたぞ。正直、これから他の企業の面接もあってそれも不安だけど、自分なりに頑張ればいい。そう思えた。

 

鎌倉旅行、あれから10日後

その一週間後、僕は第一志望だったA社から内定をいただいた。
なんでも、面接で通しすぎて人事が回らなくなり、連絡が遅れただけだったそうだ。

二次面接通過後、最終面接に臨み、役員の前で
「別に僕の実現したい価値観は、ここの企業じゃなくても実現できます。落ちても構いません。」と言った。

そしたら内定をいただけた。

あの旅は僕にとってなんだったんだろうか。振り返るとあの旅は、度重なる試練で折れそうになっている僕の軸を再確認する一日だった。
青いあじさいを見て喜ぶ人たち、そば屋のカップル、由比ヶ浜で遊ぶ人たち、そのひとつひとつがその人にとっての、大事にしたいことなんだとわかった。

そして、「僕にとって大事なものは自信を持って、ずっと持っていればいい。」そう気付けたのは彼らのおかげだったのだ。

 

僕は、来年第一志望だったあの企業に入社する。

けれど、また鎌倉に戻ってくるんだろう。
場所に戻ってくるのではなく、あの時の感情を何度でも思い出したい。

「僕は、人の”自分ゴト”を応援し続ける人になる」
これだけは絶対忘れちゃいけないな。

そしていつかA社を辞める時は、変わらず同じ軸を持っているはず。
「ここじゃないどこかで、僕の価値観を実現させます。」
満面の笑みでそう言ってるにちがいない。

僕は、鎌倉で過ごしたあの日を一生忘れないだろう。

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