定休日をお願いする張り紙がバズりまくったカレー屋「ナマステカレー」を取材してきた
定休日をお願いする張り紙が可愛いとTwitter上で話題になった、島根県浜田市の「ナマステカレー」に行ってきました。「休むタイミングがわからなくなりました」という店主のシンさんは、あの張り紙がバズったあと、果たして無事にお休みできているのでしょうか?お店の”その後”をライターが確かめてきました。
荒れ気味の海を背中にこんにちは。
十勝の記事を出したばっかりなのに4月末に東京に引っ越してきた、シスコンライターの佐々木かえでです。
突然ですが、皆さんはSNSでこちらの張り紙を見たことはありますでしょうか。
お客様へ
昨年十二月二十日より休まず、休むタイミングわからなくなりました。
で、休みたいので、三月より毎週火曜日を定休日にしたいと思います。
OKですか、大丈夫ですか?
予約を頂けたら火曜日も営業しますからお願いします。
だから火曜日がお休みです。
カレーをお楽しみのお客様は、火曜日以外でお願いします。ダイジョーブですか?
いつもありがとうございます。ナマステ
シンさん
か、かわいい……!
会社近くのインドカレー屋さん、なんかもうプラス要素しかない… pic.twitter.com/f3A110hJ9A
— 1日に必要な緑黄色クレネコの2/3が摂取できる。 (@t_tricker) 2018年4月25日
5月22日時点で32万いいねされてます。
すごくないですか? 32万とか、私が住んでた町の人口の8倍です。
“ちょっとした自治体レベル”どころの話じゃねぇ!
さて、ちょうどこのインドカレー屋さんがあるという噂の島根県に行く用事があったので、ついでに行って来ましたよ~!
張り紙がバズったことによるお店への影響は?
1日10食限定「にちようびのスペサルカレー」のお味とは?
店主のシンさんは、果たして無事に毎週火曜日にお休みできているのか?
実際にお店に足を運んで、店主のシンさんにお話を伺ってきました!
目次
島根県浜田市にあるナマステカレーは愛と優しさでできていた
鳥取県の米子鬼太郎空港から車で150kmほど走ったところにそのカレー屋さんはありました。
お持ち帰り専門 インドカレー
ここだ……!!!
私事ですが、余裕をもって家を出たのに電車を数回乗り間違えて飛行機を逃し、キャンセル待ちをさせてもらっていたら奇跡的に次の便に乗れて鬼太郎空港に着陸、午後2時過ぎから強風と豪雨の協奏曲(コンチェルト)の中ギリギリの海沿いとカーブだらけの山道を4~5時間運転して、ブラックコーヒーを浴びるように飲み、尋常でない回数のトイレ休憩を乗り越え、ときどき道を間違えながらやっとの思いでたどり着いたこのお店。煌々と輝いて見えました。
運転してから2時間くらいして思いましたが、ついでに寄るってレベルの距離じゃねぇ。
「こんにちは!遅くなってすみません…!(3時間半遅刻)」
「いえ、大丈夫ですよー」
みなさん。こちらのにこやかでお優しい菩薩のようなお方が、島根県浜田市にある「ナマステカレー」の店主、スケーシュ・シンさんです!例の定休日の張り紙を書いた人!
張り紙から連想されるままの優しい人柄。
あ、そうだ、張り紙張り紙……
こちらです!
本当にあった……!!!
これが、32万いいねを巻き起こした伝説の定休日の張り紙……!!!!!!
普段Twitterの中だけで生活していると、バズったツイートの元ネタを見るとウッヒョォォォってなりますよね。超尊い。
どうやらバズった直後に地元の新聞が即座に取材に来たようです。「お前ww有名人じゃんwwww」状態ですね。(Twitterには友人のツイートが伸びると「お前ww有名人じゃんwwww」とリプライ(返信)を送る風習があります)
SNSのちからってすげー!と思いました。
「にちようびのスペサルカレー」を注文したよ
「なににしますか?」
「あっ、えっと、うーん迷うな……オススメはありますか?」
「うーんと、1番人気なのはチキンカレーとナン」
「チキンカレーとナン!」
「あとは、日曜日だから今日は”スペシャルカレー”ありますよ」
「あ、スペシャルカレー。日曜日だから、スペシャルカレー……」
「にちようびのスペサルカレー」!!!
「え!じゃあスペシャルカレー頼んでもいいですか!」
「ああ!いいですよ」
「やったー!」
まさか10食限定の「にちようびのスペサルカレー」にありつけるとは思ってませんでした。ありがとう幸運、ありがとう日曜日!!!
ちなみに、シンさんは「スペシャルカレー」と仰ってたので「スペサルカレー」の発音は「スペシャルカレー」が正解だと思います。心得ておきましょう。
かえで「あと、おいしそうなのでチーズナンも食べたいです」
「できますよ!」
「やったー!」
こうして無事注文が終了。
プラス100円で普通のナンをチーズナンに変更できるとのことだったので迷わずそうしました。お得だ!
ちなみに、さっき話に出たチキンカレーとナンのセットだと500円。破格では……?
ナマステカレーのシンさんにインタビューしたよ
注文も済ませたし、せっかく来たんだからいろいろとお聞きしたいところ。
「ということでシンさん、いくつかお聞きしたいんですけど…」
「はい」
「日本語で大丈夫ですか?」
シンさんはめちゃくちゃ一生懸命に私の話を聞いて、質問に答えてくれました。
「最初は大変だったけど、日本語喋れなかったけど、間違えてたけど、今は大丈夫です」
「おお! じゃあ、日本語が喋れないときから日本に来て、」
「そう」
「だんだん慣れて、こんなに喋れるように?」
「そう。日本語、結構喋れるようになった」
「日本が好きだったんですか?」
「そうです!うん、そうそう!」
「おお~! 日本人としてうれしいです!」
「ありがとうございます!日本、ほんと、大好き!」
「大好き」
そう言ってにこっと笑うシンさんに超絶萌えながらカメラを向けた私。ピースしてくれたシンさん。この時間が永遠になることを願いたくなるような、平和な時間が流れていました。
ネットで噂のスペサルカレーを食べたよ
「できましたー」
「はやい!」
これが日曜日限定10食のスペシャルカレーとチーズナンのセット(950円)。うお~興奮してきた……。
この、
超高温の窯で、
焼き上げたナンですからね。(写真左に貼ってあるのがそう)
チーズの伸びを見てくれ…
綺麗に撮れた写真も見てくれ……
というわけで食べます!!!
いただきます!
おいしい!!!!!!!!
※長時間運転による疲労とブラックコーヒー過多により目がギンギンにキマっています。
さて、いよいよスペサルカレーを食べる時がきました……。
いただきます。
ゴクゴクゴクゴクゴクゴク
うまい!!!!
最高でしたね。
スペシャルカレー、辛さはほぼゼロでサラサラいけるのですが、一拍置いたのちにスパイス由来の独特な刺激を感じられます。
辛くないような、でもスパイスが味わえるような、そんな絶妙な配合です。
めちゃくちゃ敏感なタイプとかじゃなければお子様でも普通に食べられると思います。
シーフードがたっぷり入ってました。スペシャル~!
チーズナンは少し甘い生地にスパイシーな香りを纏っていて「本場のナン」といった感じ。
モッチリというよりはふんわりという印象でした。まずは「ぽふんっ」とかじりつきましょう。
そしてチーズの伸びる姿を楽しんだあとは、カレーに浸けつつゆっくり楽しみたいですね。
あまりにおいしかったので、私は一瞬で飲んでしまいました。菩薩の優しさのシンさんもさすがに引いてたような気がするけど、気のせいってことにしておきます!
疲れた体に優しいスパイスが沁みたぜー!
(取材ということでラッシーをオマケしてくれました。飲むヨーグルトをサラサラにして酸味を極限まで取り除いた感じの甘い味付けでした! すっぱいものが苦手なので、ありがたい飲み物です!)
ちなみにシンさんは、自分が書いた張り紙がTwitterで話題になっているのを見て最初はビックリしたらしい。
でもネット上の反応はみんな好意的だし、お店に来てくれるお客さんも親切で嬉しくなった、とのこと。
GW前ということもあって、Twitterで張り紙を見た人が全国からたくさん来てくれたんだとか。
ちなみに、この張り紙は、
・シンさんが何を書きたいのかをまず日本人のオーナーに話し
・オーナーがシンさんの言葉をそのまま日本語に書き
・シンさんがその日本語を見て張り紙に書き写す
という工程で作られたそうです。だから「以下インド人原文のまま引用」って書いてあったのか。
ちなみにこの「ナマステカレー」のオーナーさんは、隣にあるバー「elf」の経営者の方でした。
日本のレストランで働きたいけど、人員過多で働き口が見つからず路頭に迷っていたシンさんをなんとか助けようと考えて「カレー屋をやるか」と聞いたところ、シンさんは「やります」と即答。
それならと、自分の店舗の屋根しかなかった部分に壁を増築してキッチンにして貸し出し、細かい日本語が分からないシンさんの代わりに保健所への申請などの法的手続きをやってあげたそうです。ほぼボランティア!
それから、自身のバーを経営する傍ら、毎日ナマステカレーにも立っているというオーナーさん。
「ちょっとドラマチックでしょ?」と笑っていました。いい話だ…
この話が2時間ドラマスペシャルになったら観たいので、映像関係者の方やりませんか。
みんなで食べよう、ナマステカレー
最後に一緒に写真を撮らせてもらいました。
とても気さくで優しくて、笑顔が無邪気で一生懸命でノリがいいナマステカレーのシンさん、遅くまでありがとうございました!!
みんなも行こう!絶対おいしいから!なますテ!!!
ナマステカレー
住所:島根県浜田市田町1664 ※2019年3月に移転※
電話:080-4084-2685
営業時間:11:00~14:30、16:00~21:00
定休日:火曜日
ちなみに、あの張り紙をしてからは毎週火曜日バッチリお休みできているそうです。よかったね、シンさん!
というわけで佐々木かえででした!またねー!
佐々木かえでの出身地情報ブログ→あちこちトカチ
QOLを上げていくブログ→かえでパンの皮
Twitter→@_sasaki_kaede_
※この後、何度か道を間違えながら3時間近くかけて松江のホテルに帰りました。何度も崖から落ちそうになり死ぬかと思った。