歩いて回るのにぴったり!大分県竹田市の城下町巡り

大分県竹田市の観光に、岡城跡近くの城下町巡りはいかがでしょうか。ランチに丸福のから揚げやイタリアン、観光では瀧廉太郎記念館・願成院本堂(愛染堂)・竹田キリシタン研究所などを巡りました。ゆったりした時間が過ごせる、歴史と自然が感じられる街並みに癒されてみるのもいいかもしれません。

こんにちは!ライターのちえ(@kirishimaonsen)です。

今回は、大分県竹田市にある城下町エリアをご紹介したいと思います。

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竹田の城下町は周囲を切り立った山に囲まれており、トンネルを通らないとアクセスできません。まるで天然の要塞に囲まれたような立地にワクワクしませんか?

 

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近くにJR豊後竹田駅がありアクセスも便利。
歩いて周るのにちょうどいい広さの城下町で、ゆっくり歴史的建造物や石畳の道を楽しむことができます。

 

からあげ定食(はね)720円。

そして、おいしいグルメスポットもたくさんあります。

車で10分~15分ほどの近くに長湯温泉もあり、城下町で歩き疲れた後はゆっくり温泉に浸かることもできますね。竹田市の温泉については、こちらの記事を参考にしてください。

【保養にぴったり】大分県竹田市の炭酸泉&炭酸水素塩泉を特集!
https://travel.spot-app.jp/takeda_onsen/

【アクセス】

竹田市の城下町近くにはJRの「豊後竹田駅」が通っています。竹田城下町も歩いてまわれる規模感なので、運転のできない方にもおすすめのスポットです。

JR「豊後竹田駅」へは、大分空港からよりも、熊本空港からのアクセスが早くて便利です。所要時間も1時間短く、バス一本乗り換えなしでたどり着けるからです。

・熊本空港→JR豊後竹田駅付近(「竹田温泉花水月」で下車)
熊本空港から特急バス「やまびこ号」に乗り、豊後竹田駅から徒歩3分の「竹田温泉花水月」で降ります。所要時間は1時間25分、料金1,750円。一日に7便でています。
時刻表は「産交バスポータルサイト」で確認できます。

 

【観光スポット】

 

「荒城の月」のモチーフになったと伝えられる「岡城跡」

 

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国指定史跡「岡城跡(おかじょうあと)」は、城下町を見下ろす丘の上にあります。難攻不落の城とも呼ばれ、天正14年(1586年)に始まった島津氏と大友氏の戦い「豊薩戦争」においては岡城に攻め寄せた島津勢を撃破しました。

 

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明治維新後の廃城で取り壊されてしまいましたが、石垣や屋敷跡にありし日の面影を偲ぶことができます。

 

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岡城跡は、竹田ゆかりの作曲家・瀧廉太郎の代表作「荒城の月」のモチーフになった場所とも伝えられています。

小学校の音楽で習う「荒城の月」。歌詞を覚えていますか?このような二節から曲はスタートします。

春高楼の花の宴 めぐる盃かげさして
千代の松が枝わけいでし むかしの光いまいずこ

曲の解釈はそれぞれですが、「かつては華やかな宴が開かれ、多くの盃が交わされた高楼。今は松が枝を伸ばし、かつての面影は見当たらない」といった栄枯盛衰を描いた曲だと思われます。

 

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岡城跡を散策してみると、石垣に力強く張り巡らされた木の根や

 

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城跡に咲き乱れる曼殊沙華など、建造物がなくなっても変わらずに成長していく草木の力強さが見られます。人間が築いた文明の脆さ、自然の変わらない力強さのコントラストを感じられる場所でした。

 

画像提供:ツーリズムおおいた

画像提供:ツーリズムおおいた

また、秋には紅葉、

 

画像提供:ツーリズムおおいた

画像提供:ツーリズムおおいた

春には桜が、灰色の石垣に色を添えています。冬枯れの草木が織り成す寂しいような風景や、緑輝く新緑の時期もそれぞれに美しく、春夏秋冬いつ訪れても楽しめる場所です。

 

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眼下に望む川や田園風景も絶景でした。

ちなみに、「荒城の月」作詞家・土井晩翠の方では、仙台の青葉城あるいは会津若松の鶴ケ城がモデルになっているとされています。歌詞の中に場所を特定する言葉は出ていないので解釈は人それぞれ自由でしょう。いずれにせよ、日本各地に眠るかつては栄華を誇った城の跡地に思いを馳せることのできる美しい歌詞です。

岡城跡
住所:大分県竹田市竹田2889番地
TEL:0974-63-4818(竹田市教育委員会 文化財課)
0974-63-1541( 料金所)
営業時間:9:00~17:00(入城は16:30まで)
定休日:年末年始
入館料:大人300円 、小中学生150円、20名以上の団体200円
URL:https://www.city.taketa.oita.jp/okajou/

 

画家・田能村竹田の暮らした武家屋敷を見るなら「旧竹田荘」へ

 

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旧竹田荘は武家屋敷群の一角にあります。竹田城下町の現存する武家屋敷で公開をしているのはここだけですので、武家屋敷の中を見たい人はここへ行きましょう。

 

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旧竹田荘は、江戸時代の文人画家・田能村竹田(たのむらちくでん)の邸宅でした。田能村家は代々医者として岡藩に仕えていましたが、竹田が20歳の時に医業を廃し、藩校由学館で学問専攻を命じられています。文化9年(1812年)に竹田は藩に隠居を願い画家の道を志しました。

 

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二階建ての母屋と草際吟舎(そうさいぎんしゃ)、弟子の住まいに使った補拙廬(ほせつろ)があります。

 

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2階からは竹田が漢詩に詠った城下町の景色が一望できます。この眺めの素晴らしさから「雪月楼」とも呼ばれています。創作にふさわしい場所だったのではないでしょうか。

 

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2階から望む中庭の風景も風情があります。こういう場所で過ごしていると気持ちがゆったりしてきますね。

旧竹田荘
住所:大分県竹田市竹田殿町
TEL:0974-63-9699
営業時間:9:00~16:30
定休日:月曜、祝日の翌日、年末年始
入館料:高校生以上 300円、小・中学生 200円 ※20名以上の団体は50円割引
URL:https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4382

 

作曲家・瀧廉太郎が少年期を過ごした居宅「瀧廉太郎記念館」

 

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「荒城の月」で知られる作曲家、瀧廉太郎が12歳~14歳までを過ごした居宅です。居宅の一部を記念館として一般公開しています。

館内にはここでしか見られない直筆の額面や写真、手紙などの貴重な資料が展示されています。また、瀧廉太郎の生涯を紹介する15分程度のビデオも見られます。

 

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屋敷から望む庭の緑がきれいでした。内務省に勤めていた父親の仕事の関係上転勤が多く、瀧廉太郎は友人をなかなか作れず幼少期を過ごしたそうですが、ここ竹田では生涯の友人にも恵まれ楽しく過ごしたのだとか。

 

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この記念館の庭では、ぜひ瀧廉太郎が聴いたはずの「音」を追体験してみてください。下駄をはいて飛び石の上を歩く時のコツンコツンという音や

 

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溝を流れる川の音

 

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鳥や虫の鳴き声も聞こえてきます。

瀧廉太郎記念館
住所:大分県竹田市大字竹田2120-1
TEL:0974-63-0559
営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日:12/29~1/3
入館料:高校生以上 300円、小・中学生 200円 ※20名以上の団体は50円割引
URL:https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4380

 

恋愛の神様・愛染明王を祀る「願成院本堂(愛染堂)」

 

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竹田で現存する一番古い建物は愛染堂。国の重要文化財にも指定されています。十六羅漢の横を通り、長い階段を登った先にあります。

 

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愛染堂は、寛永12年(1635)、岡藩2代藩主・中川久盛により建立されました。

内部には本尊の愛染明王が安置されており、恋愛成就の御堂としても有名です。愛染明王は軍神として信仰されていますが、恋愛の神様としても信仰されています。

 

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ここからも竹田の街並みを一望できました。

願成院本堂(愛染堂)
住所:大分県竹田市大字竹田寺町
TEL:0974-63-4807(竹田市商工観光課)
URL:https://www.taketan.jp/spots/detail/98

 

隠れキリシタンについて知りたいなら「竹田キリシタン研究所・資料館」へ

実は隠れキリシタンの街として知られている竹田城下町。

 

画像提供:ツーリズムおおいた

画像提供:ツーリズムおおいた

街歩きをしていると、至る所にキリシタン文化の名残が見つかります。こちらは人目に触れないように岩をくりぬいて作られた礼拝堂。禁教令の中で、ひっそりと信仰の灯を守る人々の姿が思い浮かびます。

竹田駅前近くにある「竹田キリシタン研究所・資料館」に行けば、竹田市内に点在する隠れキリシタンの遺跡や遺物の資料が一堂に見られます。興味のある人は、ここで調べてから街中を巡ると、より隠れキリシタンの痕跡がわかるでしょう。

こちらで所有されている「イコン画」がとても興味深いので、紹介したいと思います。イコン画は「竹田キリシタン研究所・資料館」から徒歩1分の建物内に展示されており、お願いすると見せてくれます。

 

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イコン画とは、イエス・キリストや聖人などを描いた聖像画です。

 

こちらは日本のイコン画家・山下理奈さんの作品。

こちらは日本のイコン画家・山下理奈さんの作品。

イコン画の絵の具は、卵の黄身を溶剤に天然の顔料を使われています。そのため、鮮やかな発色ではなく抑えめの色調です。

 

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教会や礼拝堂では大きな宗教画を見られますが、自宅には大きな宗教画は飾れません。だから人々が自宅に飾って祈るために、小さな木の板にイコン画が描かれました。

キリスト教に興味のない方にもおすすめしたいです。なぜなら、イコン画は人々の生活に寄り添ってきたものだから。厳かな気持ちにさせてくれる宗教画ながらも、どこか親しみやすさを感じるような気がします。

※こちらの展示は2018.10月時点の様子です。内装は今後変更される予定です。

竹田キリシタン研究所・資料館
住所:大分県竹田市竹田町581
TEL:0974-63-3383
営業時間:9:30~17:00
定休日:月曜(月曜が祝祭日の場合は翌火曜日)
入館料:無料
URL:https://www.facebook.com/taketamisterio

その他城下町の街並み

 

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竹田の城下町は、目的もなくぶらぶら散歩するだけでも楽しい場所です。こんな石畳と石垣の風景や、

 

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歴史情緒あるお店が並ぶ通り。

 

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昭和レトロな雰囲気を感じさせてくれる場所

 

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四季折々の草花が見られます。ぜひカメラ片手に散策してみてくださいね。

 

【竹田グルメ】

さて、街を歩き回ったらお腹も減ってくるのではないでしょうか?竹田のおいしいグルメスポットを紹介しましょう。

 

からあげを作り続けて50年の老舗「丸福」

大分のご当地グルメいえば「とり天」や「唐揚げ」。大分ではとり天や唐揚げの名店が多く、鶏の揚げ物は家で作らずにお店で買う感覚の人が多いようです。

 

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竹田に行ったらぜひ丸福へ。自社直営農場で育てられた鶏肉を使い「からあげを作り続けて50年」の老舗です。鶏ももを一本丸ごと揚げたボリュームたっぷりの唐揚げが有名。とり天やチキン南蛮も提供されていますよ。

 

からあげ定食(はね)720円。

からあげ定食(はね)720円。

からあげ定食は「はね」と「もも」の2タイプあります。ごはん、みそ汁、漬け物が付いてきて720円です。このボリューム、すごくないですか?

 

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iIphoneと比較してみるとこんな感じです。圧倒的なボリュームで、かなりお腹いっぱいになります。でもおいしいから不思議と食べれちゃうんですよね…。衣はサクサク、中のお肉はしっとりです。

 

からあげ(もも)テイクアウト 360円。

からあげ(もも)テイクアウト 360円。

「はね」はしっとりした感じのお肉ですが、ジューシーな唐揚げが好きだったら「もも」がおすすめです。テイクアウトできるので、買ってどこか景色のいいところで食べるのもいいですね。夜の晩酌用にもよさそうです。

 

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丸福
住所:大分県竹田市竹田町560-6
TEL:0974-63-3457
営業時間:10:00~21:00(L.O 20:30)
定休日:1/1、1/2
注意:テイクアウトの場合、あらかじめ電話予約しておくとスムーズです。
URL:http://www.taketa-marufuku.com/
参考サイト:ぐるなび

 

竹田の野菜を使ったフレンチイタリアン「Bistro&Cucina Champi(ビストロ&クッチーナ シャンピ)」

 

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Bistro&Cucina Champi(ビストロ&クッチーナ シャンピ)は、地元竹田の採れたて野菜や旬の厳選素材を使ったフレンチイタリアンです。

 

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店内には、カウンター席とテーブル席があります。一人でも入りやすく、ビストロ(食堂)なのでカジュアルな雰囲気で過ごせます。

 

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ランチはA、B、Cと3つのコースがあります。私はAコースにしました。

 

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まずは前菜のカルパッチョから。この一皿の色合い、盛り付け、美しいですよね…!見ているだけでワクワクします。ビンチョウマグロとキビナゴの南蛮漬けに竹田の朝採れ野菜が載っています。淡い黄色の花びらは花オクラ。

 

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続いてじゃがいもの冷製スープ。よく冷えたガラスの器で提供されています。私が取材した日は9月末のまだ暑い日だったので、ひんやりしたスープが嬉しかったです。

 

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メインは竹田産野菜のカチョエペペ スパゲティ。野菜の味が濃くておいしかったです。

 

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最後はデザートのフルーツサラダ&パンナコッタと飲み物が出てきます。パンナコッタには地元産の塩が使われており、甘さの中にもアクセントが効いた洗練された味でした。

Bistro&Cucina Champi(ビストロ&クッチーナ シャンピ)
住所:大分県竹田市竹田町416番地
TEL:0974-63-1553
営業時間:ランチ 11:30~14:00 LO、ディナー18:00~20:30 LO
定休日:水曜(不定休あり)
参考サイト:ぐるなび

 

【竹田の宿】

 

竹田城下町観光の拠点におすすめ「たけた駅前ホステルcue」

 

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豊後竹田駅から徒歩1分の「たけた駅前ホステルcue」。竹田城下町の玄関口にあり、竹田観光の拠点に便利な立地です。

 

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築80年の古民家をリノベーションしたこの宿。新しく清潔で気持ちよく過ごせる上に、昔ながらの建物の情緒もしっかり残っています。

 

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こんな風情ある中庭や、

 

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古いレジや地球儀の置いてある談話室

 

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セルフサービスのフリードリンクもあります。水は、竹田の湧水を汲んできたもの。

 

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客室はドミトリーと個室の2タイプです。ドミトリーは女性専用と男女混合の2つのエリアがあり、どちらも一泊3,500円~。(冬季は暖房費としてお一人様300円が別途かかります)

 

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私が宿泊したのは女性専用ドミトリーです。コンセント、読書灯、ハンガーと必要なものは揃っており、夜寝るだけなら充分な広さです。ちなみに、フリーWi-Fiもあります。女性専用ドミトリーなら三面鏡も付いています。

 

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こちらの個室はツインルーム光という名前の部屋で、一室9,900円~で利用できます。一番コンパクトな個室はダブルルーム星で、一人5,000円~、二人8,800円~です。

 

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テラスがあり、ここから竹田の街並みをのんびり眺めて過ごせます。

宿には簡単なシャワーがありますが、徒歩圏内にある竹田温泉花水月を一回350円で利用できるチケット(通常500円)を渡してくれます。車がある人は長湯温泉などに出かけてもいいですね。エリアによりますが、車で10~15分程度です。

たけた駅前ホステルcueでは、チェックイン時に手作りの竹田マップを渡してくれます。そして、スタッフの方が周辺の観光スポットやごはんのおいしいお店などを地元ならではの視点で教えてくれるので、竹田観光の入口にぴったりな場所です。

たけた駅前ホステルcue
住所:大分県竹田市竹田町560-1
TEL:0974-63-0179
チェックイン: 16:00 ~21:30
チェックアウト:~10:00
駐車場:駐車場はありません。こちらから徒歩1分の豊後竹田駅にある有料駐車場の利用がおすすめです。(1日最大300円)
URL: https://solairodays.com/
参考サイト:Yahoo!トラベルじゃらん楽天トラベル

 

さいごに

竹田の城下町近くへはJRの「豊後竹田駅」がありアクセスが便利。城下町エリアは一日ゆっくり散策するのにちょうどよい広さです。

道を歩けば、歴史的建造物や石垣の織り成す風景が続いており、歩いていて飽きません。また、四方を切り立った山に囲まれた立地のため、城下町を一望できるスポットが多く、見晴らしが良く気持ちいいです。

歴史的町並みを残す城下町は日本各地にありますが、竹田はのんびり散策するのにぴったりです。近くに温泉もあるので、街歩きをしてゆっくり温泉に浸かる旅などしてみてはいかがでしょうか?

それでは、良い旅を。

撮影・執筆:ちえ(@kirishimaonsen)