【別府市長も登場】別府温泉の観光まとめ&おすすめ温泉決定版!現地で取材してきた

別府の観光といえば「温泉」ですが、この記事では銭湯神ヨッピーが、別府観光の魅力がたっぷりお届けします。市長自ら登場し、別府の良さをアピールしてくれました。 別府温泉には地獄めぐりという観光がありますが、別府の温泉の泉質が豊かな証拠です。また、とり天等のご当地グルメもあります。ヨッピーオススメの温泉も記載しており、余すところなく別府の観光をご紹介してますので、是非ご覧下さい。

3月某日
それは、日課の「椅子舐め」の最中に起こった……
 
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「ぺちょん!ぴちょぴちょぺっちょんぴちょぺちょん!ちょちょりちょりろりろん!ブボッ!ブボボボッ!」

 

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「オラーーー―!このクソハゲーーー!椅子舐めてる場合かコラーーーー!」

 

003「殴り込みじゃーーーーーーー!もう殴り込みに行くしかないわーーーーー!とっとと準備せいやーーーーー!!!!!!」

 

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「なんなんですか急に……」

 

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「うるさい!コレを見んかいボケカスー!」

 

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「別府市の観光動態……?」

 

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「観光動態、つまり別府市の観光客とか宿泊者の増減がまとめられたレポートがコレじゃい!」

 

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「おお。なるほど。これを見ると別府の観光客はすこーし増えてるみたいですね。温泉メインの観光地って一時期は落ち込みが激しかったみたいですけど良かったじゃないですか」

 

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「良いことあるかこの屁こき豚がーーーー!殺すぞーーーー!」

 

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「もう……、なんなんですか……」

 

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「あのね、その1%増とか2%増とか、そんなもん全然足りてないのよ。ぜーーーんぜん足りてない!」

 

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「でも、増えてるんでしょ?」

 

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「カァーッ!なーんもわかってない!あのね、山口くん。君は温泉が好きかね?」

 

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「はい。好きですよ。温泉嫌いな日本人なんてあんまり居ないと思いますけど」

 

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「じゃあ聞くけど、別府には行った事ある?」

 

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「いや、別府は無いですね」

 

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「別府に行った事無いやつが温泉好きを名乗るなーーーーーーーーーー!」

 

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「理不尽すぎる」

 

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「僕ね、温泉大好きだし温泉神を名乗ってるレベルじゃないですか。だから【実は僕も温泉好きで……】みたいな事言って来る人がちょくちょく居るんやけど、その時に僕は必ず聞いてるんよ。【別府に行った事はありますか?】って。相手が【いや、無いです】って言うたらもう温泉の話はそこで打ち切りや。別府に行った事無いくせに温泉好きを自称するやつとは口もききたくないし貰った名刺もすぐ捨てる

 

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「極端すぎる。別府の温泉ってそんなに良いんですか?」

 

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「おっ。良い質問やね。じゃあ今から教えるから耳かっぽじって聞いてね。ここから本題に入るから」

 

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「本題に入るまでが異常に長いな」

 

 

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「まずね山口くん。地球上で一番、温泉が湧いてる地域ってどこだと思いますか」

 

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「全然検討もつかない。やっぱり火山の国だし日本のどこかじゃないですか?」

 

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「あのね、正解はアメリカのイエローストーン国立公園なんよ」

 

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「ふむ。間欠泉とかばんばん噴き出してますもんねあそこ」

 

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イエローストーン国立公園

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「ただね、イエローストーン国立公園って四国くらいの大きさがあるし、温泉が湧いてるとは言え整備されてない大自然やから「あちこちで温泉を楽しめる!」みたいな状態ではないんよね。立ち入り禁止区域も多いし。温泉は湧いてるけど、アレは入るための温泉では無いっちゅうこっちゃ」

 

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「なるほど」

 

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「でね、2位が別府市なんよ。地球上ではイエローストーン国立公園に次いで別府が2位。もちろん別府の温泉は普通に入れるように整備されてるから【入って楽しめる温泉】っていう意味では実質、別府が地球上で一番温泉が湧いてる地域ってことなんよ。何せ日本にある源泉の内10分の1が別府に集中しとる。ちなみに別府市って、大田区と世田谷区を合わせたくらいの面積しかないからね。その狭い街に日本全国の10分の1の温泉が集中しとるんよ?異常やろ?」

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「ほほう。温泉の量では別府が地球一であると」

 

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「そうそう。ちなみに2位の湯布院も別府の隣にあるからね。更に別府ってね、量だけじゃなくて質もすごいんよ」

 

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「泉質も良い、と?」

 

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「泉質ももちろん良いんやけど、圧倒的なのはそのバラエティの豊かさやね。あのね、温泉って基本的には同じような地域には同じような温泉が湧くんよ。例えば東京23区って意外にも温泉がたくさんある地域でもあって、街の銭湯の中には天然温泉使ってる所も多いんやけど、その多くは黒湯って言って黒いお湯なんよね。昔から東京は黒湯で有名やねん。もしくは古い海水のしょっぱい温泉ね。だいたいはどちらかなんよ」

 

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「ふむふむ」

 

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「他にも、草津温泉にもいくつか源泉はあるけど、どれも成分は似ていて酸性の白く濁ったお湯やし、箱根やとアルカリ性の透明なお湯や。有馬温泉には金泉と銀泉っていう二種類のお湯があるけど、つまり、基本的には同じ地域では同じような泉質の温泉になるんよ。でも、ちょっと考えてみて欲しいねん。別府には地獄めぐりがあるよね?」

 

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別府名物、血の池地獄

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「あれって要は温泉やねん。例えば血の池地獄は赤い色の温泉で、海地獄は青色の温泉って感じでね。白池地獄っていう白い温泉もあるわけよ。歩いて行ける距離感やのに、それぞれの温泉の色が違う、つまりは違う泉質の温泉がボコボコ湧いてるわけ。要するに、それだけ別府の温泉は種類が豊富、バラエティに富んでて、別府にさえ行けば色んな種類の温泉が楽しめるっちゅう寸法や!温泉分析法指針で定義されている10種類の温泉の内、大分県には8種類、別府市には7種類もの温泉があるんよ」

 

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「でも、そんなに色んな種類の温泉に入ったら効果が薄れちゃうんじゃ無いですか?」

 

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「このクソハゲはほんまに何もわかってないな……。女性が温泉入る時って、お肌をすべすべにしたいってまあ思うやんか。でね、その【お肌をすべすべにする】っていう温泉の効果って、ふたつのアプローチがあるんよ」

 

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「ひとつめは、角質を溶かすっちゅうやつや。酸性の草津温泉なんかはこのタイプやね。角質を溶かす事で皮膚を滑らかにしよるんよ」

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「でね、ふたつめが皮膚をコーティングするっていうやつ。メタケイ酸が代表的な成分やけど、例えばこのメタケイ酸は皮膚の表面にくっついて保湿してくれるんよ。栃木県の鹿の湯なんかが有名やね」

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「つまり……」

 

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「この二つの効果を合わせる、つまり、角質を溶かす温泉に入ってから、皮膚をコーティングする温泉に入るとより美肌効果が増すって事は猿でもわかるやろ?大丈夫?義務教育ちゃんと終えた?飛行機からジャングルに落ちてトラに育てられたとかじゃないよね?」

 

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「なるほど。全体的に話が長すぎる気がしますけど、それを聞くとめちゃくちゃ別府に行きたくなってきました」

 

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「更には、温泉の量も種類も豊富な上に入浴法まで豊富っていうね。全国的にも泥湯は珍しいし、砂湯もあちこちにあって蒸し湯もある、と。温泉がたくさん湧いてて、泉質も豊富で、入浴方法も豊富って地域、別府の他にはないからね」

 

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「つまり、それだけすごい別府の温泉を抱えてるのに、観光客がちょっと増えただけで喜んでるってどういうことだ、って怒ってるんですね」

 

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「そうそう。アピールが全然足りてない!こういう話って東京の人も大阪の人もあちこちで話したけどみんな知らんからね、。こりゃあもう別府まで行ってガツンと言わないかんと思うわけよ。PRが全然足りてない、と。よし、電話してみよ

 

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「あ、もしもし?私、フリーライターをしておりますヨッピーと申しますが……。ええ。ちょっと市長に一言物申したくてですね……」

 

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「はい。別府市長とアポが取れたのでこれから別府に行きます」

 

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「マジかよ」

 


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別府に行こう

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そんなわけで成田空港に来ました。
これから別府市長と会うにあたって殺(や)る気まんまんの表情です。

ちなみに今回はジェットスターを使ったんですが、ジェットスターなら大分空港まで片道6000円とか行けるので激安です。座席はめちゃくちゃ狭いけどな!

 

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決戦の場となる大分に着きました。

 

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「あーーほら!もうこれが腹立つんよ!」

 

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「え?何がですか?」

 

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「【日本一のおんせん県おおいた】ってどういうこと!? なんで【世界一】って言わんのかね!? 別府を舐めるなよって怒鳴り散らしたいわ!」

 

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「荒れてるなぁ……」

 

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大分空港に到着したらひとまずレンタカーを借ります!
別府はバスを駆使して観光する事も出来るけど、色んな温泉を効率よくまわりたいなら車があった方がベターや!

 

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「これからどこ行くんですか?」

 

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「市長に会う前に身体を清めたいから、早速温泉に入ろうと思うよ」

 

 

どんなクラスタでも楽しめる、ひょうたん温泉に行こう

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そんなわけでこちら!大分空港から車を走らせて「ひょうたん温泉」にやってきました!

 

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「この温泉の良いところは、誰でも楽しめるっていう所やね。女性同士、男同士でも良いし、カップルでも家族連れでも楽しめるっていう全方向に対応出来る良い温泉なんよ。いかんせん別府には死ぬほど温泉があるから、例えば秘境っぽい鄙びた温泉宿にグループでドカドカ押し掛けるのはちょっと違うやろ?とりあえず別府に来て【どこの温泉行こうかな】って悩んだらまずはここに来れば良いと思う」

 

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「なるほど」

 

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ここから先はひょうたん温泉の田中専務の案内でお送りします。

 

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「まず、このひょうたん温泉は観光のミシュランガイドで日本で唯一、三ツ星を獲得した温泉なんですね。ポイントとしては圧倒的な湯量と、そしてその全てが源泉かけ流しという贅沢さです」

 

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「よっ!最高!キングオブ温泉!歩く間欠泉!」

 

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「合いの手がおかしい」

 

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田中さんの案内で源泉を見せて頂きました!
あちこちから噴き出す蒸気の量がハンパない!

 

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そして目の前に登場するのがこちらの装置!
100度近い源泉を竹の枝を組んだ装置の上から流す事で47度にまで温度を下げるものなんだそうだ。ちなみにひょうたん温泉では毎分500ℓも温泉が湧出しているらしい!熱気がすげぇ!

 

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「100度の温泉だと流石にそのまま入れませんし、かと言って水で薄めちゃうと温泉の効能が下がってしまうので、この装置を使って温泉を薄める事なく楽しめるようになってるんです。循環、加温、加水を一切しておりませんし、かけ流しなので塩素なんかも入れておりません」

 

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「すごい迫力だなこれ……!」

 

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あちこちから噴き出す蒸気!

 

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そしてこの大量に湧き上がる蒸気を利用して身体を暖める砂湯もあるし、

 

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大迫力の滝湯もある!
他にお客さんが居た関係で全景は映せなかったのですが、この滝が19本もあって「ドドドドドド」とすごい迫力で温泉が流れ込んで来るのがすごい!

 

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広い岩風呂もあるし、

 

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もちろん露天風呂もある!

 

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温泉の蒸気を利用した蒸し湯もあるよ!

 

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いかんせんお風呂の量が多いのでちょくちょく水風呂に入って交互浴もキメていきたいところ!

 

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「なるほど。この湯量は確かにすごい」

 

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「でしょ。この浴槽が全部源泉かけ流しって考えたらとんでもない贅沢やろ。他の地域だと温泉の量って限られてるからお湯の取り合いになるわけやんか。【源泉かけ流しの温泉です!】みたいな所はあるけど、【チョロチョロ】って感じでお湯が入ってくるよね大抵は。でも別府やと【ドドドドド】って流れ込んでくるからね。温泉が死ぬほど湧いててお風呂に使ったあとはそのままガンガン捨てるっていう別府ならではのこの贅沢!たまらん!」

 

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そしてお風呂あがりに食べたいのがこちらの温泉卵

 

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いやー、「温泉に来た!」っていう感じがすごい!

 

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更には「地獄蒸し」という、温泉から出る高温の蒸気を利用して調理をする設備もある。

 

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湯気で見づらいですがこちらは豚肉の塊を蒸しているところ。
もちろん出来上がった料理はひょうたん温泉の中でも食べられるぞ。

 

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そしてカップルやご家族なんかに嬉しい貸切家族風呂も充実しております!

 

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家族風呂とは言えかなり大きな浴槽です。

 

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「あれ?お湯が入ってませんね」

 

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「まあまあ。ちょっと見ててよ」

 

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受付で貰ったコインをこちらの機械に入れれば……?

 

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すごい勢いで出て来る温泉!

 

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「こちらの家族風呂ではお客様ごとに全部お湯を入れ替えるんですね。もちろん全て源泉掛け流しです!」

 

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更には交互浴厨の僕みたいな人間のために水風呂もあるし、

 

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蒸し風呂もついております!

 

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「うおーーー!めっちゃ羨ましい!僕の【理想の家族風呂】がここにあるわーー!家のお風呂がこんなんやったらマジでもう何にも言うことない……!」

 

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「でしょう。贅沢でしょう。しかもこちらの家族風呂はバリアフリーになっているのでどなたでも楽しめるようになってるんですね」

 

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「いやー、ほんとそうですよね。僕、去年こちらにお邪魔した時に【全方向向けの施設だな】っていうのは思ったんですよね」

 

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「例えばこんな風に案内板も韓国語・中国語・英語って感じで表記されてますもんね」

 

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「そうなんです。外国のお客様も増えてますので、そういうのに対応するために全部表記してあります」

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冒頭に入った砂湯にも英語・タイ語・中国語・英語での表記がされており、
わかりやすいイラスト付きで初めての人でも入り方がわかるようになっている。

 

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館内に設置してある自動販売機も、こんな感じで多言語に対応!

 

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「これはサントリーさんにお願いして特別に作って頂いたんですよね。外国の方だとどれがどういう商品なのかわかりづらかったりするので。別府も年々、いわゆるインバウンドの観光客が増えてますからそういった方々の事は意識しております。外国の方はタトゥーが入ってる方も多いのですが、ウチではタトゥーも全部OKなんですよ」

 

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「なるほど。その辺も配慮もミシュランに評価されたのかも知れないですね」

 

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「でしょ。最初に言った【誰でも楽しめる】っていうのはウソじゃないでしょ」

 

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そんなわけで改めて温泉に入り直してサッパリした僕。
市長の迎撃準備は完璧や!

 

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「本題の市長に入るまでが長すぎませんかこの記事」

 

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「僕の温泉にかける情熱を感じとって欲しい」

 

いよいよ市長に文句を言おう

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はい。そんなわけで別府市役所に来ました。

 

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「その恰好で大丈夫なんですか?」

 

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「大丈夫。別府市は【おんせん県おんせん市】を名乗ってるわけだし、そこの市長に会うんだからむしろこれが正解だし正装とも言える」

 

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「先方には【浴衣で行く】って伝えてあるんですか?」

 

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マジで一切言ってません

 

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そして職員の人達にクスクス笑われながら案内されたのが……

 

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この部屋!

 

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「その恰好だと良いホテルでくつろいでるただのおっさんにしか見えないですね」

 

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「この雰囲気にのまれないように」と腕立て伏せをはじめる僕。

そしていよいよ……

 

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別府市長の登場だーーーー!

 

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長野恭紘(ながの やすひろ)……別府市長

日本文理大学商経学部卒
衆議院議員秘書を経て平成15年4月に別府市議会議員初当選
平成19年4月 別府市議会議員再選
平成27年4月 別府市長初当選
最近では生活保護受給者への指導強化で全国的に注目された。
別府市の長野市長なので若干ややこしい。

 

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「いやーしかしすごい恰好で来ましたね!」

 

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「でしょう。おんせん市の市長に会うんで、むしろ正装と言えばこれかな、と思ったんですよ」

 

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「なるほど。確かに正しいですね!バッチリです!」

 

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「何がバッチリなんだろう」

 

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「市長、和やかな感じのところ、大変申しわけないのですが、今日は僕、わざわざ東京から市長に文句言いに来てるんですよ」

 

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「はい。なんでしょうか」

 

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「記事の冒頭にも書いたんですが、これだけ豊富でバラエティに富んだ温泉群という強力な武器を抱えてるのに観光客数はそれほど増えていないし、そもそも東京や大阪といった大都市に住んでいる人達には別府温泉の魅力が全然伝わってないんですよ。僕の知人もみんな知りませんし、別府は日本に数ある温泉地のうちのひとつ、という捉え方をされてるんです。これは別府市のPR不足、つまりは怠慢じゃないですか?」

 

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「おっしゃる、通りです」

 

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「認めるんかい!」

 

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「いや、本当にそれはヨッピーさんの言う通りだと思います。ただ、私も昨年当選して市長になったばかりでして、これから色んな手を打つつもりなんですね。アジア一の、大スパリゾート地を目指そうと思っていますから。別府市にはじゅうぶんそのポテンシャルがあると思っているので実現出来るはずです」

 

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「ほら!そこですよそこ!なんでアジア一なんですか!世界一って言っちゃえばいいのに!」

 

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「いや、物事には順番がありますから!まずはアジア圏で1番に、そこから世界へと順を追って発展していきます!」

 

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「えーーー、もっとこう、バーンと打ち出しちゃっても良いと思うんですけど……」

 

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「もちろん、別府の魅力を色んな人に知って頂きたい、という気持ちはありますから、日本中、それこそ世界中からね、たくさんの観光客が来てくれる、それは嬉しい事なんですけれども、私は別府市の市長なんですよね。別府市民の代表として、観光客が増えることが市民の皆さんに幸せに繋がってないと意味が無いんですよ」

 

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「『観光客を増やす』っていうのはあくまで手段で、目的はあくまで『市民の幸せ』なんです。観光客が増えて地元の商売が儲かって市民が豊かになって、税収が増えて市民により良いサービスを還元する、これならもちろん意義があるんですが、観光客の皆さんが来てくれて、それだけで喜んででちゃダメなんですよ」

 

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「なるほど……。一理あるな……」

 

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「ちょっと。言いくるめられつつあるじゃないですか」

 

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「人がたくさん来るっていうのはやっぱり影響が大きいんですよ。昔からある別府という街が劇的に変わる可能性もありますよね。それによって今住んでいる人達が『昔の別府の方が良かったな……』ってなるのは少し違うんですよ。観光客にとっても、旅の醍醐味は『街』に触れることじゃないですか。その『街』がどんどん開発されちゃってビルが乱立して、『温泉街の良さ』みたいなものが失われてしまったら大きな損失ですよね?一度破壊されてしまったらもう取り戻せませんから。だからこそ、あまり急がずに、様子を見ながら観光客を呼び込みたいな、と私は思ってます。別府の温泉という、他にはない素晴らしい武器が我々にはあるので、急ぐ必要はないんです。それこそ温泉だって熱すぎてもダメだしぬるすぎてもダメ。湯加減が大切でしょう?」

 

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「いやー、おっしゃる通りですね」

 

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「いいくるめられた!」

 

市長はみんな口が上手いのか?

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「今ね、意気揚々と東京から乗り込んできたのにあっさりと言いくるめられて自分でもビックリしてるんですけど、実は僕、過去に弘前市長と千葉市長、そして今回の別府市長とこれまで3人の市長にお会いした事あるんですが、全員揃って口が上手いんですよ。あとみんな言葉に出来ない迫力みたいなものもあるし、気付いたら『なんか知らない内に言いくるめられてる』っていう。やっぱりある程度おしゃべりが上手じゃないと市長にはなれないんですかね?」

 

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「『言いくるめる』っていう言い方は語弊がありますけど、少なくとも私は自分の中で既にロジックを考えてるんですよ。それこそ24時間、ずーっと市政とはなんぞや、とか観光とはなんぞや、みたいな事を考えてるんですね。そして、考えた末に自分の中で結論が出てたりするんですよ。それが自分の魂みたいなものになってる。だからこそスラスラ話せるんじゃないでしょうか」

 

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「ふーむ。なるへそ」

 

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「言葉に出来ない迫力がある、っていうのも口先じゃなくて魂で話してるからだと思いますよ。今回ヨッピーさんに言われた事も、自分の中では既に答えみたいなものが出てることなんですよね。バーンと打ち出したいけど、それでトラブルが増えたり街の雰囲気が変わったら困るなぁ、やっぱりバランスだよなぁって」

 

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「やばいな……。またなんか言いくるめられてる気がする……」

 

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「ヨッピーさんは結構ひねくれてますね」

 

 

市長というお仕事

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「でもそうやって24時間仕事の事ばっかり考えてて疲れないんですか?弘前市長は仕事で嫌な事があると奥さんに愚痴ってなぐさめて貰うって言ってましたけど」

 

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「私が妻に愚痴を言うと『あら?じゃあ辞めればいいじゃない』って言われると思いますよ。『好きでやってる癖に何を言ってるの?』って。私は甘やかされるとダメになるタイプの人間なので、妻もそれを理解していて妻なりのエールなんでしょうけど」

 

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「へー。奥さんは市長をやる事に反対なんですか?」

 

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「もう反対も反対ですよ。市長選に出るって言ったら妻も子供も揃って大反対でしたね。私は市長選に過去2回出て落選して、3度目の正直で市長になれたんですが、なかなかこういう市長は居ないと思います」

 

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「ちなみに、落選するってどんな気持ちなんですか……?」

 

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「意外とね、そんなに落ち込んだりはしないんですよ。『精一杯やるだけやったし、まあしょうがないよな。これも運命だよな』って。ただ、息子に『ごめんな……お父さんの力が足りなかったから……』って言ったら息子が泣いちゃって。それは辛かったですね」

 

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「うわー。それはキツい」

 

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「まあ、落選した直後は『しょうがない』っていう気持ちなんですけど、選挙から少し経って、応援してくれていた人達が職場に戻ってく頃が一番ツラいですね。みんなは元の生活に戻って行くのに、私は何もすることが無いんで置いてけぼりなんですよ。選挙に落ちると一発で無職になるので、戻る場所が無いんです。『明日からどうやって食べて行こうかな……』って」

 

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「おお……!選挙ってお金もかかりますよね。供託金没収されたり」

 

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「お金ももちろんかかりますし、周囲の人の期待に応えられなかったっていうのはやっぱりツラいですね。ただ、私を応援してくれた人達は『俺達のせいで長野を市長にしてやれなかった』みたいな事を言ってくれるような、凄く責任感の強い人達だったのが救いですね。そういう人達に応援して貰ったからこそ、3度目のチャンスを頂いて、こうやってなんとか市長になれましたから。普通なら2回落ちたら『アイツはダメだ』ってなってチャンスなんて貰えませんよ」

 

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「なんでそこまでして市長になりたかったんですか?」

 

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「私は『国会議員になれば国を変えられる』と思って国会議員の秘書をしていた事があるんですが、色々見ている内に『国会議員一人では国を変えるのは難しいぞ』って気付いたんですね。それに、上から下におろすトップダウンの政策より、地域に根付いて下から上にあげるボトムアップの政策の方が強いんですよ。幸いにも私はこの世界一の温泉地である別府市の出身ですから、ここから発信していく方が現実味があるな、と思ったんです。ゆくゆくは各地の市長の連合体みたいなのを結成してボトムアップで国を動かすような体制を作りたいですね」

 

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「なるほど。市長って楽しいですか?」

 

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「そりゃもう楽しいですよ!こんなにやりがいがあって楽しい仕事は他にないですから。地域の経営者としてね、チームワークを考えながら、地域の子供達が『別府が世界一だ!』ってね。胸を張って生きられるように頑張っていきたいですね」

 

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「じゃあ、これを見てる人達の中には『別府に行きたい!』ってなってる人達も居ると思うので、最後にそういう人達に向けてお願いします!」

 

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「湯加減が大事、とは言いましたが、別府にはAPU(立命館アジア太平洋大学)があって人口に占める留学生の割合は日本一の地域ですし、昔から傷ついた人の湯治など『受け入れる』精神が根付いた街です。皆さんもゆっくり温泉に浸かって、美容と健康に良い旅行をぜひ楽しんで下さい!」

 

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「それは良いとしても、僕ケロリン桶持ってくれなんて一言も言ってないのにさっきからなんなんだ」

 

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そんなわけでがっつり握手を交わす僕と市長。温泉を愛する者同士通じるものがあったのかもしれない。

 

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去って行く僕と、

 

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それを見て大笑いする市長。

 

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