納豆料理もご紹介!水戸黄門の出生地でもある「水戸」は古き良き日本を感じられる街だった

納豆のイメージが強い茨城県「水戸市」ですが、江戸の歴史を感じる観光地が数多く存在します。今回はそんな水戸への旅をする方に向けて、オススメスポットのご紹介と、水戸らしい納豆料理が食べられる旅行コースをご提案いたします。

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こんにちは。日本史が大好きなタイ人ライターのパットです。今回は、日本に来て4年目の私が茨城県、水戸市の魅力をお伝えしていきます。

みなさんは、日本らしさを感じられる場所といったらどこを思い浮かべますか?
やっぱり、浅草や京都を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。もちろん、どちらも古き良き日本を感じられる素敵な場所です。しかし、水戸にも日本の歴史を感じられる場所がたくさんあるんですよ!

 

日本最大の藩校!弘道館にいってみよう

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まず最初にご紹介するのは、JR水戸駅北口から徒歩8分の場所にある日本最大級の藩校『弘道館』。
藩校というのは藩士のための学校のことで、この弘道館では、最後の将軍である『徳川 慶喜』も学んでいたそうです。

ここでは、実際に使われていた歴史ある版木や、古くからある日本の風景を見ることができます。
国の重要文化財にも指定されている場所もあるので、日本の歴史を感じたいのなら、一度は訪れておきたいスポットです。

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早速チケットを買います。大人は200円、小中学生は100円という驚きの安さ。

 

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少し話が逸れますが、日本の古い建物の入り口は小さいものが多いですよね。
外からの侵略を防ぎやすくするため、とも言われています。

私はこの狭い入り口から見るひらけた景色が好きなんですよね。
これから目に飛び込んでくるであろう、まだ見ぬ景色が想像できて、とってもワクワクします。

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手前にある大きな木は、『左近の桜』。宮内庁(皇室や天皇陛下に関わる業務をする機関)からいただいたもので、今の桜は三代目になります。
ちなみに『左近の桜』と呼ばれている理由は、正面の階段から見て、左側に植えてあるからです。そのまんまですね。

今回は取材の時期が夏だったため見ることはできませんでしたが、春には満開の桜の花を楽しめそう。

そのほかにも、

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昔ながらの井戸があったり、慶喜公(こう)の銅像があったりと、歴史を感じられるものばかり展示されていて、歴史好きな人にはたまりません。

 

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施設の中心に位置するこちら。
『正庁』と呼ばれ、この場所で藩主が生徒たちに向けて学問や武術の試験を行なっていました。

 

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ここから大勢のサムライが誕生していたのでしょうか。かっこいいなあ〜。

 

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特に私が好きなのはこの廊下。
藩士や生徒たちがここを行き来していたことを想像すると興奮しちゃいます。心地よい風にのって、畳の香りがほんのりと漂っています。

 

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こういった細部の装飾も歴史好きにはたまりません。
弘道館には、本物の弾痕が残っている箇所もあるので、気になる方は探してみてくださいね。(ここではあえてお見せいたしません!)

 

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廊下を進むと、昔のお手洗いや湯殿(ゆどの)と呼ばれるお風呂場があったり、

 

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日本昔ばなしの一休さんでよく登場する縁側(えんがわ)があります。
ちなみに縁側って日本ならではの構造だって知っていましたか?昔の人はこうして雑巾がけをしていたんですかね〜。

 

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正庁から少し歩くとお土産屋さんがあります。
この雰囲気、今にも向こうから馬に乗ったサムライが駆けてきそう。

 

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店内には水戸のご老公様がいます。特に私が気になったのは、その下にある印籠(いんろう)です。これさえあれば、どこで大暴れしても許してもらえそう!
1,500円で買えるなんてお買い得ですね。「この紋所(もんどころ)が目に入らぬか〜!」

 

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お店の奥には、貴重な版木が飾られていました。(お店の人が写真を取りやすいように支えてくださいました)
昔は、プリンターがなかったので、このように木の板に文字を掘って印刷をしていたそうです。想像するだけで気が遠くなっちゃいます。

 

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弘道館には、まだまだ面白い施設や展示物がたくさんあります。
気になる方はぜひ足を運んでみてください!本当にオススメです!

弘道館

  • 住所:茨城県水戸市三の丸1丁目6−29
  • 開館時間:9:00〜17:00(2/20~9/30)、9:00~16:30(10/1~2/19)
  • 電話: 029-231-4725
  • URL:弘道館

 

築150年の古民家でうどんを食べる「たらいうどん椛や」

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次に私がやってきたのは、『たらいうどん椛や(もみじや)』さん。
なんと、築150年の古民家で、タライに入ったうどんが食べられるのです!タライでうどんを食べられる経験なんて早々できないし、しかも場所が古民家というところもまた魅力的!

まさにThe 日本!といった感じのお店。古き良き日本を感じるのにはもってこいの場所です。

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見てください!昔ながらの古風な店内。
築150年とは思えないほどとってもおしゃれです。木のぬくもりとオレンジ色のライトが良い雰囲気を演出していると思いませんか?

事前に予約をしておいたら、

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席にタライが置かれていました!日本らしい粋な演出です。

 

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私が頼んだのは、『椛やセット(税込1,680円)』。

このセットには、たらいうどんのほかにも、

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なす、えび、白身魚などの天ぷらの盛り合わせや、

 

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デザートとして、3種類のお豆腐のブラマンジェなどがセットでついてきます。

 

hiiii見てください!この長い麺!
しかも一本一本が太くて弾力もあり、食べ応えも抜群なんです。

 

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さらに、天ぷらも驚きの大きさです!
このさつまいもの天ぷら、私の顔の2倍近くあります。揚げたてのサクサクとした食感が食欲をそそります。大食いの私でもお腹いっぱいです。

 

DSC_0505それでもデザートは別腹。お豆腐のブラマンジェは、3種類もあるので味を比べられるのが嬉しいですね。

私のときは、栗きんとん、黒みつ、マーマレードでした。お豆腐の素朴な甘みとなめらかな食感が、口いっぱいに広がります。お豆腐最高!

たらいうどん椛や (もみじや)

 

満腹になったら好文亭で腹ごなし

DSC_0272次にご紹介するのは、偕楽園の園内にある好文亭です。
何と言ってもここの1番の魅力は、日本の文化とも言える、美しい襖(ふすま)をみることができるところ!

好文亭とは、水戸藩の9代目藩主である徳川斉昭公によって、お茶会や詩吟の会をおこなうために建てられたもの。

残念ながら、1945年におきた水戸空襲によって一度は、焼失してしまったそうですが、その後3年かけて復元され、今の状態になったそうです。

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偕楽園の門をくぐり、10分ほど歩くと、

 

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好文亭の門までたどり着きました。私は、日本の茅葺(カヤブキ)が大好きなのですが、みなさんはいかがですか?

私の出身地であるタイでも、植物を乾燥させて屋根に使うことはあるのですが、日本のような厚みのものはないんですよね。
だから、日本のカヤブキを見ると「すごいな〜、上まで積み上げるの大変そうだな〜」って一人で関心しちゃいます。

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こういうちょっとした文化の違いが面白いんですよね。日本人は意外と気にしていないけど、実はすごい場所って本当にたくさんあるんですよ!

 

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ちなみに日本三名園のひとつでもある偕楽園は、日本文化遺産にも登録されています。

 

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見てください!この、鮮やかな紅色に染まったモミジの葉を!
日本の四季はどうして、こんなにもきれいなんだろう……。昔の人もこうやって紅葉を見ながら、庭でお茶を楽しんでいたのでしょうか。羨ましいなぁ。

 

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景色を楽しみながら歩いていると、あっという間に好文亭に到着しました。
外から見ると、なんの変哲もない民家のようにも見えます。水戸の藩主がお茶会を開くくらいなので、金閣寺くらいキラキラしているのかと期待した方もいるのではないでしょうか?

いやいや、違うんです。好文亭の良さは、なんといってもその奥ゆかしさにあるんです。実際に中へ入っていくと、、、

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どうですか!襖(ふすま)いっぱいに描かれた、美しい紅葉の絵!すごくきれいじゃありませんか?
この部屋は、紅葉の間と呼ばれていて、藩主の夫人に仕えていた女中さんたちの控え室として使われていたそうですよ。

そのほかにも、

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藩主夫人の付き人の休憩室として利用されていた桜の間や、

 

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藩主夫人が住んでいたとされる梅の間など、襖に描かれた絵にちなんだ名前の部屋がいくつもあります。
ちなみにこの梅の間には、大正天皇が皇太子のときお泊まりになったこともあるんだとか。

 

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そして、好文亭を語る上で決してはずせないのが3階にある『楽寿楼(らくじゅろう)』からの景色。
偕楽園を一望することができます。

 

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好文亭のなかでも、私が特に気に入っているのがこちらの配膳昇降機。
当時はこの配膳昇降機を使って、食べ物を1階から3階に運び上げていたんですね。

 

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こんなに古くからエレベーター的なものが存在していたんだと思うと、どこかノスタルジックな気持ちになります。実際には私が生まれるずっと前のことのはずなのですが……やっぱり歴史って素敵ですね。

好文亭(偕楽園敷地内)

  • 住所:茨城県水戸市常磐町1丁目3−3
  • 開館時間:9:00〜17:00(2/20~9/30)、 9:00〜16:30(10/1~2/19)
  • 電話: 029-221-6570
  • URL:好文亭(偕楽園敷地内)

 

茨城郷土料理『山翠』

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そして、最後にやってきたのは『山翠(さんすい)』。
あんこう鍋でも有名な創業65年の老舗店です。ここでは、水戸の名産である小粒の地大豆を使った納豆料理が楽しめるんですよ。
実は私、今までは納豆ってちょっと苦手だったのですが、山翠さんに来てからは大好きになりました!

今回、納豆懐石『偕楽の宴(税込3,240円)』(夏季限定)コースを注文しました。

DSC_0576テーブルには、白身魚の天ぷらやそぼろ納豆といったかご盛り、

 

DSC_0563生春巻きや干し納豆が並びます。
水菜、人参などシャキシャキと歯切れの良いお野菜を包んだ生春巻きは、甘辛のタレとよく合います。

 

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他にも、納豆を湯葉で包んだ湯葉巻きなど、趣向を凝らした納豆料理が次々と運ばれてきます。
大豆を原料に作られた湯葉はつるんとなめらかな食感で、まろやかな味わいの納豆と相性抜群!

 

DSC_0646さらに、油揚げの中に納豆を入れた包み揚げ(煮おろし)もありますよ〜。ジューシーな油揚げと納豆の食感が絶妙です。大根おろしを乗せて食べるのがオススメ。
コースには納豆のお味噌汁もついていて、まさに納豆づくしのラインナップ。

しかし、山翠さんの納豆料理は、まだまだこれだけではありません!

DSC_0610単品での注文になりますが、納豆のかき揚げ(税込486円)もあるんです!
納豆の香ばしい香りが食欲をそそります。

 

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それにしてもどうですか、この大きさ!
サクサクとしたお野菜に納豆の風味が良いアクセントになっていて、一度食べたら忘れられない味ですよ〜。

 

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そして、こちらは特製ゴマだれをかけていただく納豆道楽。
貝類、いか、まぐろ、いくら、甘海老など、茨城県内で採れた新鮮な魚介類がたっぷりの贅沢な逸品です。噛み応えのある納豆と海鮮の旨味がたまりません。

納豆の年間消費量ランキングで全国1位を誇る茨城県。こんなにも美味しい納豆を毎日食べられるだなんて羨ましい〜。

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納豆以外のオススメ料理を店員さんに聞いたとき、ゴリ推しされたのが『生うに(税込864円)』(写真左)と『いかキムチ(税込324円)』。

 

DSC_0601実は私、月に1度は築地に足を運んでいるほど、ウニもイカも大好きなんです。
臭みが全くなくて、濃厚なウニの香りが最高!私がこれまで食べた中で、1番おいしいウニでした。

オススメして頂いたからには食べておかなくては!と思って注文したのですが、茨城県をナメていました……。本当にごめんなさい!水戸は納豆がおいしい街ということは知っていたけど、今回の旅で海鮮もめちゃくちゃおいしいことがわかりました!(なんで今まで気がつかなかったんだろう……)。

茨城郷土料理:山翠

  • 住所:茨城県水戸市泉町2丁目2−40
  • 始業時間:11:00~14:30、17:00~21:00(L.O)
  • 電話: 029-221-3617
  • URL:山翠

 

まとめ

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いかがでしたか?古き良き日本を感じられるのは、京都や浅草だけではないんですよ〜。

今回はご紹介しきれませんでしたが、中崎家住宅や西山荘など茨城県にはまだまだ歴史的な建築物やスポットがたくさんあります。歴史好きの方はぜひ一度足を運んでみてくださいね!

私は、これから味道楽のお代わりを食べるので、今日はこの辺で!またどこかでお会いしましょー!それではまた!