ネットでバズりまくる狂気のライター「pato」とは一体何者なのか。インタビューしてきた
「Numeri」管理人のpatoさんにSPOT編集部でインタビューを実施。編集長のヨッピーを聞き手に交えて、テキストサイト全盛期の思い出や青春18きっぷでの日本縦断、四国全駅制覇&お遍路といった企画の裏話、また今後の目標についてお聞きしました。
かつて「サラ金業者と対決する」「援助交際女子高生と対決する」などの”対決シリーズ”と呼ばれる企画を世に送り出し、一世風靡したテキストサイト「Numeri」の管理人・pato氏。
当メディア「SPOT」においても、総移動距離1,035.4kmの「年越し最長大回り」乗車レポや、2018年4月1日に廃線となった三江線の全駅のレポート(徒歩)などのストイックすぎる企画に挑戦。どの記事もSNS上での反響は凄まじく、読み手から「頭がおかしい」「狂っている」「文章が長すぎる」「いい加減にしろ」といった高い評価を得ているライターである。
今回は、そんなpatoさんにSPOT編集部でインタビューを行った。
4月某日、都内某所の安居酒屋で、編集長のヨッピーを聞き手に交え座談会のような形でpato氏を囲み、謎のヴェールに包まれた私生活やこれまでに行ってきた企画の裏話、また今後の目標に迫った。
目次
”pato”とはいったい何者なのか? 謎のベールに包まれた私生活に迫る

当SPOTの編集長であるヨッピーさん(写真右)と一緒にインタビューに答えるpatoさん(写真左)
お酒好きのpatoさんのたっての希望で居酒屋でインタビューが行われました。
――まずはpatoさんのプロフィールから教えていただきたいと思います。今おいくつでしょうか?
76年生まれなので、41歳だったと思います。いや、40歳かな?あれ?41歳?どっちだっけ?
――お仕事は何をしていらっしゃるんでしょうか。ご結婚はされていますか?
――patoさんが運営する「Numeri」について教えてください。
ただ、「Numeri」は中央からちょっと離れてるんですよ。「侍魂」とか「ろじっくぱらだいす」みたいな大御所が織田・豊臣の中央政権だとしたら、「Numeri」は戦国時代でいう島津みたいな立ち位置で。この話、当時からネットやってるおっさん世代しかわかんないと思うけど。
僕が出てきた頃というのは、あの人たちは雲の上の存在、スーパースターみたいな存在だったんだよな。
――そんなpatoさんが、なぜSPOTに原稿を寄せていただけるようになったのでしょうか。


ビールを片手に、テキストサイト全盛期の思い出を語るpatoさん
それでとりあえず傍観してたんだけど、当時流行ってたmixiの、そのパクリ野郎のコミュニティにNumeriのファンが乱入して「これpatoさんのパクリじゃないですか?」って言い出したりしてね。でも多勢に無勢で向こうのファンに「どこがパクリだ!」「このpatoってやつ全然つまんねーよ!」って集団リンチされるわけ。その上、そのパクリ野郎が「パクったのはむしろNumeriの方だ!」とか言いだすのよ!それ、めっちゃ腹立つじゃん!それですごいモヤモヤしてたの。
そしたらそこに「横浜」っていうハンドルネームのやつが颯爽と現れたんだよ。
人気サイト「泣かぬなら~」 「盗用」疑惑でネット大騒動 http://news.livedoor.com/article/detail/3152369/
ライターとして活動していくことへの不安について
――ライターとして活動することに自信はありましたか?
最近のWebコンテンツって、ちょっとした空き時間に読める軽い記事、文章が短くてすぐに読める記事が主流ですよね。いまの若い子たちは長文が苦手だろうと思っていたから、「今から作る、濃くて長いものは絶対に受け入れられないぞ」って。一応書いてみたんだけど、案の定とんでもない長文になるわけ。それでヨッピーに書いた原稿を送ったんだけど「そもそもこれ、SPOTが掲載しないかもしれない」と思ったんだよね。載せるとしてもすごい短く削るか、細切れにして「第一回」「第二回」とか。「続きは来週!」とか、そういうやり方にされるかなと思って。だって、今のネット記事ってだいたいそうじゃん。
で、実際に出してみたらまずSPOTの頭が狂っていて。そのままドンと載せたからね。馬鹿じゃねえかって思った。
それで「まだいけるぞ!」と思って、どんどんエスカレートしていったところはありますね。三江線の記事が公開された当時は「クソ長い」みたいな感想があったと思うんだけど、いま読んだら他の記事と比べると短いくらいだもんね。
Webの記事が使い捨てになるのが忍びないと思ってるんですよね。発表した日には読まれるけど、次の日にはもう読まれないみたいな。そうじゃなくて、すごい長いあいだ読まれるものを作りたいと思っています。


「はてブのコメントがつくのが嬉しい」としみじみ語るpatoさん(写真左)
ーー記事を書く上での苦労なんかはあるんでしょうか。
「最長大回り乗車」とか「青春18きっぷでの日本縦断」って、鉄道ファンからしてみると大した企画じゃないんだよね。”剛の者”※なら普通にこなす程度の企画です。
※剛の者……patoさん独特の言葉ですが、いわゆる鉄道オタクの人達を指す言葉です。
ただ、”剛の者”は”剛の者”すぎるがゆえに、笑える文章を書ける人はあまり多くないように思えるんですよね。一般の人に向けて書いているというよりは、鉄道ファンに向けて文章を書いてしまいがちというか。
だから、鉄道関連の企画で記事を書くときには、僕は車両の名前を絶対に書かないんです。アレをやると文章が鉄道ファンだけのものになってしまうから。
で、よく勘違いされるんだけど、実は僕、鉄道には一切興味がないんだよね。
ただ、鉄道のことをよく分かっていないような奴が鉄道の記事を書き始めたら”剛の者”がキレると思うんだよね。だから、剛の者がキレないレベルの質の高い記事を書かなくちゃいけないと思って執筆に臨んでいます。
たとえば、僕はよくストロングゼロを飲んでいるんだけど、いつもは「ほろ酔い」を飲んでいる女子大生がストロングゼロを二口くらい飲んで「メッチャ酔うよね~」とか言ってたら温厚な僕も流石にブチ切れると思うんです。それって鉄道ファンにとっても同じだろうなと。
じゃあどうして北から始めなかったかというと、記事の中で「めざせ稚内!」と書いたほうがみんな分かりやすいからなんですよね。「目指せ西大山!」だと、最南端の駅なのに名前に「西」が入っているし稚内ほどイメージが湧かないじゃないですか。だから南から縦断を始めてるんです。というか、読み手の”分かりやすさ”を重視すると、南から行く以外に選択肢がないんだよね。
一同
(爆笑)
始発を待つために30km歩いたとは言え、そんなのあの記事を読む人にとってはどうでもいいことじゃないですか。やっぱり「最南端から最北端へ向かう」という過程だけ書かないといけないので。
今後の目標について聞いてみた「シベリア鉄道を全駅制覇したい」
――今後やってみたい企画が何かあれば教えてください。


インタビューが進み、完全に出来上がったpatoさん
それと小説を書きたいと思っています。実はすでに別の名義で賞レースに応募してるんだけど、なかなか賞を取れないんだよなあ。
Webメディアでの仕事だと、SPOT以外では「Books&Apps」でも文章を書かせてもらってるんだけど、それ以外にもライターの仕事が増えたらいいなとは思っていますね。オモコロで「文字そば」を書いたりできればいいなあ。
あとは海外に行きたい。国内の観光スポットって、結局のところどこも1日あればたどり着けるでしょ?これまでいろんな旅行をしてきたけど、基本的にはどれも近所で遊んでる感覚なんだよね。近所で面白いところあったら行くじゃん、っていう。
うちの親父が「死ぬ前にシベリア鉄道に行きたい」って言ってて。ほら、シベリア鉄道に乗るのってモンサンミッシェルとかウユニ塩湖に行くのと並んで”人生のスタンプラリー”みたいなところがあるじゃないですか。親孝行として連れて行ってあげられたらいいなと思ってて。うちの親父は俺より面白いから記事にしたら絶対おもしろい旅行記になるだろうな。
patoさんが行く「シベリア鉄道の旅」スポンサー募集中!
現在、SPOT編集部では、patoさんをシベリア鉄道へと旅立たせてくれるスポンサーさんを募集しています!
予算については、patoさん曰く「100万円あれば足りるんじゃない?」とのことです。
patoさんが書く「シベリア鉄道旅行記」の中で自社製品をPRしたい事業者の方や、シベリア鉄道・ロシア観光の広告出稿先をお探しのロシア大使館関係者の皆様はぜひお問い合わせください!
また、「青春18きっぷで日本縦断」「年末年始に最長大回り乗車に挑戦」といった辛い企画に挑めるストイックなライターさんも随時募集しております。「我こそは」と思うライターの方は、ぜひSPOT編集部までご連絡ください。皆様からのたくさんのご応募、お待ちしております!
※※※編集部からのお知らせ※※※
明日、そんなpatoさんの新作記事が公開される予定です。お楽しみに!!