【チェジュ島一周】48時間の旅におっさんが一人自転車でチャレンジしてきた_PR

ライターのpatoさんに、韓国チェジュ島の一周旅行に行ってもらいました。(読了目安 : 30分)

2日目 8:00 (残り時間 31時間0分)

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朝の漁港は夜とは違った表情を見せていた。早朝からたくさんの船が出ていったらしく、ずっとエンジン音が聞こえていた。

とりあえず、前日の移動で完全に足がパンパンだ。特に最後の山登りが効いた。もう痛くて動かせないレベルなっている。それでも行かないわけにはいかないので、軽くストレッチしてからホテルを出発する。

目指すべき第四チェックポイントはサンバンサン(山房山)という火山のようだ。メモによると、膨張した溶岩ドームが噴火せず、そのまま残ってしまった火山らしく、なんとも珍しい形をしているようだ。進んでいけば変わった形の山があるのですぐわかる、とのことだった。

とりあえず、昨日の夜にホテルを探し、さ迷って青いラインを見失っているので、適当に走りつつ青いラインを探す。

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すぐに山が見えてきたが、特に変わった形というわけではないので、これは目指す山ではないだろう。それに問題の山はかなり海の近くにあるらしい。

 

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山見えないな。それに青いラインも見えない。なんか道に迷っているのかな、と心配になってきた瞬間、前方に何かが見えた。

 

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絶対にあれだろ。めちゃくちゃこんもりしている。絶対にあれだ。

 

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絶対にそうだ。明らかに異常だ。すげえ山だな、これ。

けっこう近いじゃんと思ったけど、なかなか大きい山らしく、近づいても近づいても大きさが変わらない。これはなかなか距離があるぞ。

山を眺めつつ先に進んでいくと海に出た。

 

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この辺りは海岸線もかなり特徴ある地形らしく、海の向こうにポツンと変わった形の岩があったりする。

 

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そしてついに青いラインも復活した。なんかこの画像、その先の山が異様な形すぎて現実感がなく、軽く合成したCG写真みたいになってる。

 

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随分と近づいてきたが、まだまだ距離がありそう。というか、あの山って登れるんだろうか。垂直な部分があるから無理な気がする。

 

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途中、トイレがあったので立ち寄ってみた。どうやらこの辺の特殊な地形とか岩とかを展示する場所みたいだ。

 

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いろいろと興味深い展示がある。

 

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登ってくる太陽を右手に突き進んでいく。ただ、本当にいくら進んでも山が近づいてこない。もしかしてあれは幻じゃないかと思い始めてきた。

本当にこの道で合っているのだろうか。青いラインはあるが、このラインがあの山まで続いているという保証はない。サイクリングコースなのであの山を避けるようにして設定されている可能性すらあるのだ。それではチェックポイントに到達できない。ということは、どこかでラインから離脱する決断も必要なのかもしれない。

できれば現地の人に道を尋ねたいところだが、早朝という時間もあって人の姿がない。

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あ、なんか作業してるっぽい人がいる。あの人に聞いてみよう。アニョハセヨ―、と話しかけたその時だった。

 

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だからこういう真に迫った迫真の人形を作るのはやめろ。むちゃくちゃビビったわ。腰抜けるかと思った。

 

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迫真の人形の近くには、潜水艦というか、海の中を見ながら遊覧できる観光船みたいなものに乗れる場所があった。お、乗ってやろうかなと思ったが、乗船料が₩56,000(5,600円くらい)らしく、昨日のホテルより高いじゃん、と断念するしかなかった。

 

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そういえば朝食を食べていなかったことを思い出したので、セブンイレブンで食べることにした。チェジュ島では3つのコンビニブランドがしのぎを削っていて、皆さんおなじみのセブンイレブン、それにCUというコンビニ、あとなんかもう一個のコンビニがかなりの数立っている。ほとんど困ることがないレベルだ。

ただ、日本のコンビニのように大きな店舗でそれこそ日用品なら何でも揃う、レベルのものではなく、ほとんどが駅の売店のようにやや小さい。インスタント食品や飲み物、お菓子に特化した店が多い。

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積極的にイートインスペースが完備されていたり、店の前には休める椅子と机が置いてあったり、空気入れなどが完備されていたりと、自転車旅にはかなり都合がいい。

店によって若干、品揃えに違いがあるようで、昨日立ち寄った店ではおにぎりやお弁当を売っていたが、この店にはなかった。ちょっと腹を満たしておきたかったのでおにぎりでも食べたかったが、ないものは仕方ない。何かスナック菓子でも買おうかと思ったら、レジの横におにぎりが4つ置かれていた。

「お、あるじゃん」

そう思って手に取ったら、店の人に

「これは俺の昼飯だ。売り物じゃない」

ってむちゃくちゃ怒られた。紛らわしい場所に置いておくなよ。

 

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さて、ずいぶんと近づいてきた。こうしてみるとわかる。やはり異様な山だ。

 

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やはりサイクリングロードはこの山を避けるようで、迂回するように指示してくる。でも、目指しているチェックポイントなので無視して突き進むしかない。

 

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到着した。けっこう高い位置まで登ってきて展望駐車場みたいな場所に出た。かなり眺めがいい。先ほど進んできた海岸線が綺麗に見える。

9:18 第四チェックポイント サンバンサン(山房山)
走行距離 79.8 km
残り時間 29時間42分
残り距離 154.2 km
残り所持金 ₩76,500

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なんか近づくにつれて嫌な予感しかしなかったんですけど、どうやらこのサンバンサン、中腹にお寺があるみたいで、登っていくルートがあるらしい。あんな特異的な形をした山を登っていくわけですからかなり険しい道のりであることは想像に難くありません。

でも、ルートがあるのならば登っていかなければならない。

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登っていきます。

 

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かなり迫力がある。

 

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なかなかすごい。

 

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なんちゅう登りだ。殺す気か。まだ序盤っぽいのにかなり息が切れてきた。

 

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まだまだ登る。もう死にそう。

 

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かなり登ってきたみたいでめちゃくちゃ眺めがいい。

 

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たぶん、この山はこうやってできたんだぜってことが解説されているんだと思う。

 

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うひーしぬー、とか思いつつやっと登りきったと思ったら、そこはただの料金所で₩1,000(約100円)払ってさらに登る道になっていた。殺す気か。

完全に足がイカれてしまって生まれたての小鹿みたいになってるんだけど、それでもなんとか登りきった。

 

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登りきった先はかなり荘厳な場所になっていた。岩の窪みによってできた洞窟みたいな場所に石像が置かれ、そこを管理しているおばちゃんがいてロウソクの火を絶やさないようにしていた。入り口にはお経をあげるおばさんがいて、そのお経が歌のようにずっと響いているので、なんかすごい雰囲気があって、祈り子だちの見ている夢、みたいな感じになっていた。

 

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眺めもかなりいい。足をバカにして登ってきた甲斐があった。

さて、これで第四チェックポイントは終わり。次は第五チェックポイントを目指す。次は中文リゾートという場所のようだ。かなりの高級リゾート地で一流ホテルが立ち並ぶ場所らしい。メモによると、博物館とかもかなりあって、豪華絢爛、かなり文化的な場所のようだ。

 

僕はそんな次のチェックポイントに対して秘めたる思いがあった。チェジュ島には多くの高級ホテルがあるが、そのほとんどのホテルがカジノを備えているらしい。カジノといえばギャンブル場だ。金が増える。所持金が₩76,500(7,700円くらい)と異様に心細い僕はやってやる気だった。海外にいて7,000円所持って子供のお使いじゃないんですから、ここで一気に増やして豪遊よ、とか考えていた。

 

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中文リゾートに向けて案内表示がかなり増えていく。前情報の通り、かなり博物館などが多い。

 

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なんでハングルの中に「性」とだけ書かれているのだろうか。下の英語を読むと、どうやら「性と健康の博物館」なるものがあるようなのだけど、「性」だけ漢字なのはちょっとよく分からない。

 

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おらおら、金を増やしにカジノにいくぞー! と爆走する。

 

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と思ったら、先に「性と健康の博物館」に到着してしまった。せっかくなのでちょっとだけ覗いてみよう。

 

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なんかよく分からないことになってるな。誰かが見ている夢の中の世界みたいなハチャメチャな感じになってる。

中に入ってやろうかとも思ったけれども、どうせ撮影禁止だろうし、入場料も1,000円くらいかかりそうだしで、カジノに備えて少しでも軍資金を温存しておきたかったので、スルーすることにした。

 

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どうやらチェジュ島はミカンというか柑橘類が名産のようで、島の南側に入ってからかなり見かけるようになった。ミカン畑だけでなく、直売所みたいなものも多数ある。そのへんは日本のミカンの産地と何ら変わらない。

 

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そしてついに中文リゾートへと到着した。

 

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さすが高級リゾート地らしく、道路も広くて綺麗だ。

 

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ここには、テディベア博物館があったりする。

 

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さらには、誰かの夢の中みたいな支離滅裂な建物があったりする。というか、ここにきて初めて気が付いたのだけど、僕、ここに来たことあるわ。

実は僕、チェジュ島は初めてではなく、十何年前に仕事の関係で来たことがある。そして、この辺一帯は完全に訪れたことがある。店とか道路とかずいぶんと様変わりしているけど、雰囲気は残っている。十何年前に来たときは、まさか自転車で島を一周させられるとは思わなかったな。

 

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きた。ロッテホテルだ。ここの地下にカジノがあるはずだ。金が増えるホテルだ。

 

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自転車で来る奴がいるのかよと言いたくなる高級な佇まいのホテルに自転車を横づけした。これから僕に大金を奪われるとも知らないで偉そうに建ってやがる。さっそく、中に入ってカジノを目指す。

 

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きた。勝負の場だ。ついに来たぞ! 金が増えるカジノだ! 増えるぞ!

 

<都合により省略>

 

12:00 第五チェックポイント 中文リゾート
走行距離 89.5 km
残り時間 27時間00分
残り距離 144.5 km
残り所持金 ₩75,500→₩5,500

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さて、次は第六チェックポイントである。次のチェックポイントは西帰浦(ソギポ)という町にある毎日オルレ市場という場所らしい。かなり活気のある場所のようだ。「色々な買い物ができるヨ!食べ歩きも楽しんでネ!」と現地エージェントのメモに書いてあったけど、この所持金で何をしようとするのか。日本円で500円だぞ、500円。

 

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ロッテホテルを出るところにこれがあった。「定礎」である。韓国にもこういうのあるのかと驚いたな。

 

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中文リゾートではこのように南国リゾート風の街並みが作られている。

 

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変な人形がならんでいるなー、などと思いながら自転車を走らせていると、キャーキャーと黄色い声が聞こえてきた。

 

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めちゃくちゃ女の子が並んでいる。

どうやらここは「PLAY KPOP」という場所らしく、K-POPアーティスト博物館みたいだ。バーチャルを駆使し、現実と仮想現実を行き来する空間を再現した世界最大級のK-POPテーマパークとのこと。基本的に人が少なくゆったりしているチェジュ島でこれだけ人が集まるのはすごいことですよ。

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大量の女の子を横目に見ながら、リゾート地のど真ん中を突き進んでいく。

 

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よく分からない犬のオブジェがあったりする。

 

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ほぼ全財産を失ったけど、相変わらず海は綺麗である。まるでカジノみたいな欲望の権化など、この世に存在しなかったかのような綺麗さである。

 

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かっこいい建物があるなあと思ったら、国際会議場みたいな場所らしい。

 

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もう畑とかじゃなくて街路樹としてミカンが実っていたりする。これ食べられるんだろうか。

 

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またもや色々な博物館の案内表示だ。

 

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また性ってかいてある。なんなんだよ。今度はワールドエロスミュージアムというものがあるらしい。どうもこの島は東と西に二つ性の博物館を兼ね備えているらしい。性とは愛だ。やはりチェジュ島は愛の島なのである。

 

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チェジュ島では風が強い気候のためか、こうやって石を積み上げた壁がかなり多い。この石はおそらくその辺に落ちている火山性のものを積み上げているだけだと思う。もしかしたら特に接着とかしていなくて、本当にただ組み合わせただけかもしれない。そうなると、もしかしたら何らかの衝撃で崩れてきたりするのだろうか。そうだとしたらなんか危ないな。でもそんなことないようにしてあるのかなと思っていた。

 

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けっこう落ちてきている。自転車や徒歩で旅する人は十分に注意されたい。

 

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綺麗な川が見えるなーと思っていたら、その先に海があって、さらにその先に島が見えてきた。どうやらこの島が見えてくると次のチェックポイントが近いらしい。地図で見たらそうなっていた。

 

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近づいてみると、なかなか綺麗な島で、またもや火山のせいなのか独特の変わった形をしている。どうやら無人島らしく、独特の植物や生態系が維持されているらしい。

 

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かなり綺麗な島なので、多くの人が観光に来ていた。

 

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韓国の人も興奮して記念撮影だ。

 

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この辺りの街並みはどこか日本の南の島を連想させる。風が強い場所ではこのようにして石垣を積み上げて家を守るのだろう。

こういった街並みの中をグングンと進んでいく。

 

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遠い場所から先ほどの島を見てみる。やはり美しい島だ。

 

自転車を走らせていると、周囲がかなり都会的な街並みになってきた。きっと西帰浦(ソギポ)の街に入ったのだろう。あとは市場を目指すだけだ。かなり険しい傾斜の場所に作られた街のようで、けっこうなアップダウンを伴って街中を移動していく。自転車の民にはこのアップダウンがかなりきつい。けっこう高い位置まで登ってやっとこさ毎日オルレ市場に到着した。

 

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本当にかなり活気がある。

 

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かなり大きなアーケード商店街といった佇まいで、中に入ると海産物を売っている商店が軒を連ねていた。それ以外にも勝手に店でも出してるのか、通路中央にも婆さんが座り込んで何かを売っていた。

 

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タコの刺身とかめちゃくちゃ売ってる。しょうゆの味比べとかする人が歓喜しそうだ。

 

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北側の方に行くと、海産物ではなくミカンなどの柑橘類を販売している店がかなり多かった。あと食べ歩き用にちょっとした揚げ物とか売っていた。食べ歩きしたかったけど、金、ないから……。

 

13:46 第六チェックポイント 毎日オルレ市場
走行距離 108.0 km
残り時間 25時間14分
残り距離 126 km
残り所持金 ₩5,500

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次の第七チェックポイントは城山日出峰という場所のようだ。ユネスコの世界自然遺産にもなっている場所で、かなり有名な場所だが、いかんせんここからかなり遠い。ここから50 km以上はあるので今日中に到達するのはなかなか難しいかもしれない。辿り着いたとしてもせっかくの世界遺産が闇の中、ということも有り得るので明日到達のつもりで進むのがいいだろう。

 

今日は行けるところまで進んでいき、良さそうなホテルで泊まる、というスタイルで行きたいと思う。まあ、でも所持金が500円しかないわけだ。こんな金で泊まれるはずがない。そう思うだろう。僕もそう思う。

僕は別にその辺で寝てもかまわないのだけど、契約上の都合で絶対に野宿は禁止という厳命を頂いている。しかし、本当にお金が足りない時は非常用にと持たされた金を使っていいことになっていた。無茶はさせるが死んだら困るとSPOT編集部も考えているのだろう。なので、僕は最初からそれをあてにしていた。今日はそれを使って泊まることにする。見てみたら₩100,000(約1万円)も入っていた。むしろこれをカジノで使わなかったことを褒めてあげたいくらいだ。だからホテルの心配は無用だ。

 

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毎日オルレ市場を南に抜けると、ちょっとおしゃれで芸術的、それでいて傾斜がすごい石畳の通りに出る。イジュンソプ通りという場所らしい。韓国の有名な画家であるイジュンソプにちなんだ場所のようで、カフェや雑貨屋などがあってなかなか芸術的でオシャレな場所のようだ。

 

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かなり傾斜がきつい。

このオシャレな通りを抜けて、さらに市街地を走り、次のチェックポイントを目指した。

 

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街を抜けるとすぐにミカン畑が出てくる。さっきの市場でもかなり力を入れて販売していたし、今がシーズンなんだろう。できればどこかで食べたいものだ。

 

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途中、めちゃくちゃかっこいいバス停を見つけてしまった。

チェジュ島の交通機関は、鉄道が存在しないのでバスがメインとなる。島内のいたる場所にバス網が張り巡らされ、かなりの数のバスが走っている。こういったバスステーション的な場所もいくつかあるようだ。

 

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謎のサルがいるエコパークという場所に出た。どうやらこのサルは韓国の幼児向け番組の人気キャラクター「ココモン」らしく、それをテーマにしたファミリー向けテーマパークのようだ。なかなか人気があるようで、結構な数の車が停まっていた。

 

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通っている場所が悪いのか、それとも本当にそうなのか、チェジュ島の南東あたりは本当に何もなかった。海と道路くらいしかない場所が延々と続いていた。ちなみに、昨日通った島の北側はかなりフラットで自転車でも通りやすい場所だったが、今日通っている南側は全体的にアップダウンがきつく、自転車に乗り慣れていない僕にとってはかなりきつかった。

そろそろ足が限界を迎えつつあって、何度か立ち止まって休む場面が増えてきた。果たして本当に時間内に辿り着けるのだろうかという一抹の不安が生まれてくる。間に合わなかったら帰りの飛行機に乗れず、金もないわけだからどうしようもない。この島で野宿でもしながら生きていかなければならない可能性が出てくる。

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ただただひた走る。いよいよ日が傾いてきた。夕日が綺麗でなかなか気持ちいい。

 

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ちなみに、チェジュ島の幹線道路にはこのような謎の小箱が置かれていることがある。おそらくだけど、上部に警察のランプがあることから、ここに警官が入ったりしてスピード違反を取り締まるのではないかと思う。

 

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手を挙げて横断歩道を渡る小学生がいた。日本と全く同じようにして渡るのでちょっと感動してしまった。

 

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ああ、完全に日が暮れる。また暗闇の中を走るのか。めちゃくちゃ不安になってくるな。

昨日に引き続き、真っ暗な中を自転車で爆走する。途中何度も、何やってるんだろうという問いかけが生まれてきたが、それ以上に足が痛く、荷物をパンパンに詰めているリュックのせいで肩がギチギチになり死ぬかと思った。なんとか歯を食いしばりながらゆっくりと前に進む時間が数時間続いた。

 

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なんとか第七チェックポイント手前のあたりまで来ることができたので、そこで見つけたホテルに泊まることにした。ちゃんと「HOTEL」と書いてあるから安心だ。市場から6時間ぐらい無心でひた走っていた計算になる。人間やればできるものだ。

金ならあるぞという感じで交渉したところ、なんと、₩56,000(5,600円くらい)で泊まれることになった。めちゃくちゃ安い。というかシーズンオフだからなのか、ホテルは安いし、予約していなくてもガンガン泊まることができる。

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この値段でこのクオリティの綺麗なホテルに泊まれるのだからかなり安い。

ちなみに島内にはホテル以外にも多数のゲストハウスがある感じだったので、本気で探せばもっと安く泊まることが可能だと思う。

19:11 第七チェックポイント手前 サンライズホテル
走行距離 160.3 km
残り時間 19時間49分
残り距離 73.7 km
残り所持金 ₩5,500(宿泊代は非常用の金を使用)

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 なんとか非常用の金で宿泊はできたものの、これはあくまでも野宿を避けるためにしか使えないので、所持金が500円程度であることは変わらない。こんな金額で夕飯は食べられそうにないので我慢し、早々に布団に入って寝た。

こうして地獄の2日目が終わったのである。そしていよいよ明日は最終日。果たして全てのチェックポイントを周って時間までに空港に辿り着けるのか。そして所持金は足りるのか。

 

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