熊本・球磨川の眺めが美しい!特急かわせみ やませみに3歳息子と乗ったら最高だった

かわせみ やませみは熊本から人吉間を走る列車で、車窓から見える球磨川の絶景を楽しみながら、列車の旅を楽しめます。美しい内装、おいしい食事、見ているだけで心が表れるような車窓の風景。かわせみ やませみではゆとりのある穏やかな空間の中で、ゆったりと過ごすことができました。

こんにちは。福岡県在住ライターの大塚拓馬(@ZuleTakuma)です。

我が家の長男・こーくん(3歳)は列車が大好き。
列車に乗せてあげると喜ぶので、たまに列車でおでかけをします。

とくに喜んでくれるのは、JR九州のD&S列車です。
D&S列車とは、デザイン&ストーリー列車という意味で「デザインと物語のある列車で九州を楽しむ」をテーマにした観光列車です。

今回はその中でもとくに車内や車窓が美しいと評判の「かわせみ やませみ」に乗ってみました。

この記事では息子の反応や家族で楽しめるのかというポイントはもちろん、予約方法や良い席をとる方法などをお伝えします。

かわせみ やませみとはどんな列車?ハズレ席回避の予約方法

かわせみ やませみは、2017年3月に運行開始したD&S列車です。
気動車を改造した2両編成となっており、車両デザインは水戸岡鋭治氏が担当しています。

人吉球磨産の「ヒノキ」を中心に、人吉産の「杉」や八代産の「い草」を使用した内装はとても美しく、車内はまさに癒しの空間です。

熊本~人吉間を走る列車で、車窓から見える球磨川の絶景を楽しみながら、列車の旅を楽しめます。

かわせみ やませみの予約方法は?

特急「かわせみ やませみ」1号と2号の2号車(やませみ)は自由席です。3・4・5・6号は全席指定席となっています。

乗車日の1か月前から「みどりの窓口」もしくはインターネットで予約可能です。
インターネット予約では買えない席も多いので、できることなら「みどりの窓口」で購入することをおすすめします。

良い席をとるには1か月前の予約がオススメ

かわせみ やませみは、気動車を改造した車体であるため、座席と車内の窓の位置が一致していないスペースや、窓がない席があります。車窓を楽しみたいなら窓のある席に座りたいですよね。

そのような席がどこにあるかは公式サイトの座席表で確認できるようになっています。もちろん人気ですぐに席がなくなってしまうので、1か月前に乗車予約が始まったらすぐに予約するのがおすすめです。

ちょうど1か月前の10時から予約開始するので、そのタイミングに緑の窓口へ行って予約してしまいましょう。10時は難しくても、当日であればきっと良い席がとれる可能性は高まるはずです。

運賃は熊本~人吉間に乗る場合、大人3,330円、小人1,660円(運賃+特急料金)です。
※やませみベンチシート(指定席)を利用する場合は追加で210円が必要となります。(大人)

かわせみ やませみに熊本駅から乗車

福岡から熊本駅に車でやってきました。
駅近くの駐車場に車を預けて、一泊二日の旅行に行こうと思います。

熊本駅は2018年に駅舎が完成したばかりということで、とってもきれい。

「くまモンだー!」

改札口の向こうには大きなくまモンがいて、息子のこーくん大喜び。
ベンチに座るという大胆な設置のされ方で、子どもに大人気でした。

ホームに到着すると、こーくんは「まだかなー」と言いながら、ホーム内をウロウロ。
ちょっと待って~。

かわせみ やませみが熊本駅に到着

ホームでしばらく待っていると、かわせみ やませみが到着しました。

やませみ側の緑色の車体がキラキラと輝きながら、こーくんの前に現れました。

「うわー!かっくいいー!!」

かわせみが青、やませみが緑。2両編成で色が違うのが面白いようで、両方の車両を交互にキョロキョロ見て確認していたこーくん。

写真撮影をすると、この笑顔。

写真で見ると「渋い車両だなー。子どもに良さが分かるかなあ」と思っていたのですが、車両には普通列車にはない「重厚感」があり、子どもでもわかるかっこよさです。

もう少し外観を観察したかったのですが、こーくんの「はやくのろーよー!」という強い要望がありましたので、乗車しますっ!

かわせみ やませみの車内を探索!カウンター席に大喜び

乗車するとまず目に飛び込んでくるのは、あたり一面の木目。人吉球磨産の「ヒノキ」をふんだんに使っているとのことで、とても癒されます。

列車の中とは思えない「組子」の間接照明。

天井や壁には一面に木の葉の模様が施されており、熊本の森の中にいるかのような雰囲気です。

ヒノキに癒される落ち着いた雰囲気と思うのですが、全体を見渡してみるとヒノキの色とっても鮮やかに輝いていて、華やかな印象もあります。

列車内には壁画や粘土細工などが展示されており、車内を見渡しながら歩くだけでも楽しめます。

ずっと席に座ったまま過ごすのではなく、たまに車内を歩いてみることをおすすめしたいです。

座席の種類が豊富

僕たちはリクライニング付きの普通のシートをとりましたが、かわせみ やませみには、ほかにも様々な種類のシートがあります。

便利なテーブル席はインターネットでの予約不可なので、みどりの窓口でとる必要があります。4人でとってしまえば、相席の心配がなく、心おきなくこの席を利用できるので安心です。

こちらのソファ席もおすすめです。
4席でとると個室のようになるので、家族水入らずの時間が過ごせます。

4人席はとくに人気が高いので、ぜひ乗車日の1か月前に予約しておきたいですね。

景色が思う存分楽しめる、やませみベンチシートもおすすめです。
こちらはかわせみ やませみ3・4・5・6号では追加料金210円(大人)が必要ですが、それでも補って余りあるような球磨川の絶景を楽しむことができます。

子どもにやさしいフリースペース

かわせみのカウンター型のシートにはキッズ用の椅子が3席用意されていますが、こちらはフリースペースです。

子ども用に段差がつけられており、子どもも窓の外の景色を楽しめるようになっています。

子どもが落ちないようにベルトまでつけてくれています。
もし子どもにゆっくりと景色を見せたいと思ったら、こちらに連れてきてあげるといいですね。

ちなみに息子のこーくんがお気に入りだったのは、こちらの展望スペースです。

ここにも子どもが景色を楽しめるように段差が設置されています。
水戸岡さんデザインの列車はこういう子どもが楽しめる仕掛けが多い特徴があるんですよね。

子どもが喜ぶのはもちろんなんですが、そのやさしい気持ちが表現されたデザインを目にすることで、大人である自分もほっこりするんですよね。やさしい気持ちになります。

こーくんも自分のための段差であることに気づいて、即活用。流れる景色をじっと見つめていました。

かわせみ やませみで移動中の楽しみ方

かわせみ やませみで、熊本~人吉間を移動すると、1時間半程度の時間がかかります。
その間にどんなことをして過ごせばいいのか、ご紹介していきましょう。

かわせみ やませみに乗車すると、さまざまなサービスを受けられます。

球磨川の景色を楽しむ

一番は球磨川の景色でしょう。
球磨川の澄んだ水が流れる様子は、心を清らかにしてくれるような気がします。

時には鉄橋を渡ることもあります。
このような非日常の列車体験は、きっと大人も子どもも楽しめるはずです。

列車に乗りながら楽しむグルメ


▲くまの宝箱セット(焼酎1杯付)1,210円(土日祝2号~6号数量限定)

かわせみ やませみでは、車内でしか食べられないオリジナルグルメがあり、それを楽しむというのもおすすめの過ごし方の一つです。

くまの宝箱セットは、人吉市内にある居酒屋「開kai」がつくった球磨焼酎に合うおつまみと球磨焼酎のセットです。地元の方のこだわりを感じながら、楽しめます。

土日祝日の2号~6号の数量限定とはなりますが、ほかにも「球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁(地鶏のダシが効いたお吸い物)セット」(1,600円)や、人吉で人気のお菓子屋さんが手がけるスイーツとコーヒーのセット「くまのスイーツボックス」(1,030円)などのメニューが用意されているのです。


▲球磨の四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット(1,600円)(土日祝2号~6号数量限定)

列車旅を楽しみながら人吉の味を楽しめるのは、かわせみ やませみならではの魅力でしょう。

そこまでしっかりした食事は必要ないという方にもおすすめなメニューがあるので、ご紹介します。


▲晩白柚サイダー 270円

晩白柚(ばんぺいゆ)という果物をご存知でしょうか。熊本県特産のフルーツで、ザボンの一種です。直径20センチ~25センチもある巨大な柑橘類です。


▲ほかの柑橘類と比べても規格外のデカさ

晩白柚の果汁が入っているので、晩白柚の香りと味を感じられます。晩白柚のジュースに炭酸が入ったような感覚です。やさしい自然な味わいで、とってもおいしい!

もうひとつのおすすめは「くりりアイス」。


▲くりりアイス 350円

人吉で生産されている牛乳や栗に加え、人吉の酒蔵でつくられたコーヒーリキュールを使ったアイスクリームです。

栗の香りは濃厚なのですが甘みはさわやかで口の中で、ほのかな香ばしさを残してスッと消えていきます。

大人っぽい上品な味でおいしいアイスクリームでした。

スタンプや記念撮影サービス

かわせみ やませみには、乗車記念スタンプ台がありました。子どもでも押せる高さになっているのがありがたいですね。

さらに制服試着のサービスも。これにはこーくん大喜び!

いっしょに写真も撮ってもらえて、良い記念になりました。大人用と子ども用の帽子があるのも細かな配慮。この撮影用のボードもいいですね!

このボードを使って、家族みんなでも撮影しました。こーくんは「くりりアイス」に夢中でしたが。

まさかのVR体験

かわせみ やませみでは、なんとVR体験も可能です。
360度映像で人吉球磨の自然の魅力を体験できるようになっているので、人吉・球磨観光の予習に良いと思います。

僕はダイジェスト版の映像を視聴させていただきましたが、おすすめは「球磨川ラフティング」の動画です。

迫力があるので、そもそもとってもVR向きの動画であることは間違いありません。
さらに列車の揺れが、若干球磨川ラフティングの動画とリンクする面もあり、疑似4D体験ができました。笑

家族で乗った時なんかに、まだVRを体感したことがない人にやってもらうと話題になって面白いかなと思います。列車内でもシルバー層のお客さんが夢中になって見ていましたよ。

かわせみ やませみのオリジナルグッズがかわいい!

かわせみ やませみにはビュッフェコーナーがあり、そこでは飲み物・食べ物の他に、オリジナルグッズが多数販売されています。

ここでは乗務員さんにお尋ねしたおすすめグッズをご紹介していきましょう。

手ぬぐいハンカチ 1,100円

まずおすすめしたいのはこちらのおしゃれな手ぬぐいハンカチ。
車両デザインを手がけた水戸岡鋭治氏がデザインした商品です。

かわせみとやませみのイラストが描かれており、列車のイメージと連動する模様が描かれていて、乗車の記念になるセンスの良いグッズですよね。

年齢を選ばず、女性に喜ばれそうなデザインです。

実はこれ、客室乗務員が身に着けているスカーフと同じ柄となっています。

客室乗務員の方にくわしくお話を伺ってみると、お客さんからスカーフをほめられ、どうやったら手に入るのかをよく尋ねられたそうです。

それが発端となって、同じ柄のハンカチ発売に至ったとのこと。
私は鉄道ファンではないので知らなかったのですが、実は観光列車の制服などで「売ってほしい」「商品化してほしい」という要望は非常に多いのだそうです。

しかし、それが実際に商品化に至るというのは極めて稀なケースとのこと。これ1,100円ですから、オシャレなのにお手ごろでおすすめです。

JR九州の列車ハンカチふろしき 1,100円

鉄道ファンにおすすめのハンカチふろしきです。
JR九州のさまざまな列車のイラストが描かれた、かわいいハンカチです。

フリーペーパー「鉄聞」制作スタッフが色鉛筆で描いた温かみのあるイラストを使用しています。大人だけでなく列車好きの子どもも喜びそうなデザインです。

もちろん、かわせみ やませみも載っています。かわいい!

新D&Sストラップ 1,300円

「今さらストラップなんて……」と思うかもしれません。確かに。僕も思いました。
でも、このストラップそれで片付けられません。

見てくださいこれ。JR九州のD&S列車がたくさん連結してるんです。
しかも、このペイントがめっちゃ細かい!!鉄道愛を感じるデザインになっています。

この手の込んだデザインを見てしまうと「ガラケーじゃないから」なんて言葉じゃ片付けられなくなってきますよね。

いつも旅行に使っているカバンにかざりの意味合いでつけてもいいし。
キーホルダーみたいに使うのもありだろうし。いろいろな使い方が見えてきます。

「どこにつけようかな」と考えさせてくれるストラップです。

他にもクリアファイルやマスキングテープ、ピンバッチなどさまざまなグッズが販売されていました。

ぜひビュッフェでお気に入りのグッズを見つけてみてくださいね。

かわせみ やませみは人吉に到着

車窓の風景を楽しんだり、写真を撮ったり、美味しいものを食べたりしていると1時間半もあっという間。

次の駅が人吉だそうです。ゆとりある優雅な列車旅はそろそろ終わり。

人吉はいったいどんなところなのかなあ。
列車が進めば進むほど、豊かになっていく自然に期待は高まっていきました。

無事に列車は人吉駅に到着。15時の列車に乗ったので、もう夕方です。

人吉にはかわせみ やませみの他に、SL人吉というSLのD&S列車も走っています。

こちらも熊本~人吉間を走るD&S列車なので、帰りはSL人吉に乗るというのもいいでしょう。

かわせみ やませみは大人同士でも家族でも楽しめる

美しい内装、おいしい食事、見ているだけで心が表れるような車窓の風景。
かわせみ やませみではゆとりのある穏やかな空間の中で、ゆったりと過ごすことができました。

こーくんの笑顔もたくさん見られて、とても上質な時間が過ごせたと思います。

ぜひ皆さんも「かわせみ やませみ」に乗って、人吉に心を休ませに行ってみてください。