隠れB級グルメの宝庫・福岡県田川エリアのおすすめグルメ7選!県民でも知らない局地的ソウルフードを紹介

福岡県田川のグルメにスポットを当て、観光しました。ここで生まれ育った筆者が厳選した、本気のおすすめスポットになっています。ぜひ行楽のご参考にしてください。

こんにちは。福岡県在住ライターで、筑豊・田川地区出身の大塚拓馬(@ZuleTakuma)です。

山賊鍋、ホルモン鍋、もやしそば。聞いたことはありますか? 実はこれ全部、福岡県田川地区のソウルフードなのです。

田川は、福岡県屈指のB級グルメの宝庫。でも、福岡県民でも知っている人は意外と少ないディープスポットです。

地元民に「おいしいお店知らない?」と尋ねると、次々とあらゆるユニークなお店が登場し、そのどれもがハズレなし。今日はそんな田川の激ウマグルメを、熱い思いで徹底的に紹介させてください。

そもそも福岡県・田川ってどんなところ?


▲田川のシンボル・二本煙突(旧三井田川鉱業所 第一・第二煙突)

田川市という地名を初めて聞いた方も多いかと思います。簡単にどんなところなのか解説しましょう。

炭鉱の街・福岡県田川市とは

福岡県田川市は、福岡市から東に約50㎞ほど離れた場所にあります。

「♪月が出た出た~」でおなじみの盆踊り定番曲「炭坑節」の発祥の地でもあり、明治時代の末から炭鉱の街として栄え全国から移住者を迎えました。

しかし、エネルギーが石炭から石油に移行するにつれ、石炭産業は衰退し、1971年に田川市の炭鉱はすべてなくなってしまったのです。

石炭産業がさかんだったころは10万人ほどの人口でしたが、現在の人口は4万6000人程度となっています。

田川地区が全国的に露出したことはあるのか

五木寛之の大ヒット小説「青春の門」の舞台となったことは有名です。映画も田川市や田川郡香春町などで撮影されました。

またリリー・フランキーの「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」の舞台にもなり、テレビドラマのロケ地にもなっています。

ただ、最近で記憶に新しいのは「笑顔の貴乃花が子どもに綿あめをつくる姿」ではないでしょうか……。

2018年に相撲協会を退職した貴乃花さんが、これまでにない笑顔で綿あめをつくる様子がワイドショーで流れまくったのを覚えている人は多いのでは。

あの場所は「TAGAWAコールマイン・フェスティバル~炭坑節まつり~」という田川市のお祭り会場での出来事であり、紛れもなく田川市です。貴乃花部屋は九州場所のときに田川市に宿舎を構えていたことから縁がありました。

さて、それではさっそく田川エリアのおいしいグルメをご紹介していきましょう。

一人だと食べきれないので、今回は田川出身で高校時代まで田川に住んでいたDAIさんに取材のアシスタント&胃袋担当をお願いしました。

味噌とダシのパンチが効いた激ウマのソウル鍋「山賊鍋」

まずは、田川の有名店中の有名店「山賊鍋」は外せません。

僕は田川出身なので空気のように当たり前の存在だったのですが、福岡市内に出て「山賊鍋」の知名度の低さに驚きました。

田川民なら誰でも知っている「ソウルフード」であり、お盆や年末年始は家族連れで大賑わいとなるお店です。山賊鍋はその看板メニューです。


▲山賊鍋一人前(2~3人分)3,240円(税込)

これでなんと一人前です。これはメガ盛りというわけではなく「山賊基準の一人前」という意味。

お店としても「一人前を一人で食べる」ことは、多すぎるのでオススメされていません。あくまでこれは「山賊サイズ」という世界観なのです。

この具材たちを、山賊味噌という合わせ味噌に旨味たっぷりの秘伝のダシ汁を加えたスープにセルフで入れていきます。

コクのある味噌とダシの深い旨味が効いたスープは絶品。
「これで煮ればなんでも美味いんじゃないの?」と思ってしまうほどのおいしさです。このスープだけでごはん4~5杯いけます、僕。

とくに美味いのは鶏ミンチです。

鶏のネックだけを使ったこのミンチは鍋に入れると、プリップリの弾力と濃厚な旨味を持ちます。

我が家ではよく「山賊鍋」の極旨スープのみを持ち帰り、スーパーで豚肉や鶏肉、白菜やニラといった山賊鍋に入れる具材を買っていました。ただ、市販の鶏ミンチでは山賊鍋を食べた気にならず、鶏ミンチも持ち帰るようになりました。

グツグツ……グツグツ……
そうこうしている間に、鍋が煮えてきました。

ああー、もうだめ、うまそう…

こちら激ウマミンチたっぷりの山賊鍋です。ゆず胡椒を添えていただきましょう!

豚肉も1枚1枚が大きくて食べ応えがあります。スープとめちゃくちゃ合ってて、うまい!

やっぱ最高だな……。

山賊鍋は鍋だけではありません。山賊鍋を食べながらかぶりつきたいのが、「山賊からあげ」です。


▲山賊からあげ 788円(税込)※写真は2人前

あっさりした下味と鶏の骨付き肉がジューシーでメチャクチャ美味いんですよ…。多くの田川民は「人生ベストからあげ」に山賊鍋のからあげを選ぶはずです。

骨付きではない「若とりからあげ」も同じ味付けで絶品。


▲若とりからあげ 734円(税抜)※写真は二人前

さらにかぶりつきたいのが、「山賊おむすび」です。


▲山賊おむすび 378円(税込)※写真は二人前

こちらも凄いボリューム。たくあんの大きさを見れば、おむすびの大きさがご理解いただけるでしょうか。

具材は鮭に焼たらこに昆布におかかといった複合具材。ガブッとまとめていっちゃいましょう。

からあげを食べて、山賊おむすびをガブリ。そして、鍋のスープをズズッと。ああ、もう最高。田川最高。うますぎだ!!

同行者のDAIさんと「うまい」「最高」と言い合いながら、あっという間に完食。ごちそうさまでした。

ちなみにお取り寄せが可能なので、全国どこででもこの激ウマ鍋を味わうことが可能です。


▲お取り寄せ「山賊鍋」2人前(3-4人分)4,860円(送料別)

このセットを買えば、お店と同じ「山賊鍋」が自宅でも楽しめます。

福岡県にはもつ鍋、水炊きといった鍋ものの絶品グルメがあり、僕も数々のおいしい鍋を専門店で食べてきました。
それでもやっぱり、山賊鍋は美味いんです。

鍋物のお取り寄せとしては、かなりお手頃な値段ですので、ぜひ注文してみてください。
>>山賊鍋のお取り寄せはこちら

本家山賊鍋 田川本店

住所:福岡県田川市伊加利2101-2
営業時間:11:00-21:30
定休日:第2・第4火曜
>>公式サイトはこちら

コスパ抜群の焼肉ランチも「筑豊ラーメン山小屋 香春本店」

筑豊ラーメン山小屋は、田川の飲食店の中でもっとも有名なお店ではないでしょうか。全国展開をしているラーメンチェーン店で、現在100店舗以上展開しています。

田川郡香春町に開業した本店は、もともと学校の廃材を活用してつくられていました。お客さんから「なんだか山小屋みたいだね」と言われたことが、屋号の由来となっています。


▲昭和(むかし)ラーメン 840円(税込)

麺は博多ラーメンの一般的な細いストレート麺ですが、特徴的なのはスープです。

豚骨100%のシンプルなスープに、秘伝のたれを加えられており、見た目以上に豚骨の旨味が濃くまろやかで濃厚な仕上がりとなっています。

豚骨スープは本店だけでなく、チェーン店各店舗(ショッピングモール内の小規模店舗は除く)で骨からグツグツ炊かれています。

豚骨スープは継ぎ足し製法でつくられており、全国各店舗でもオープン時には香春本店のスープを元手に継ぎ足していくそうです。

継ぎ足し製法は単に残ったスープに新しいスープを継ぎ足すのではなく、繊細な火加減の調整などが必要となる高度なスープ製造技術。全国の山小屋で、スープ職人が極上スープを作るために心血を注いでいます。

全国どの店舗でも筑豊の香春本店から歴史が受け継がれたこだわりの豚骨ラーメンを味わうことができますので、ぜひお近くの山小屋へ行ってみてくださいね。

……ところで。筑豊ラーメン山小屋、香春本店の目玉はラーメンだけではありません。


▲山小屋定食 1,000円(税込、11:00~16:00提供)

なんと高級焼肉店顔負けの焼肉も楽しめるのです!

山小屋定食は上スジカルビにテッチャン、上ミノ、鶏モモ、豚カルビ、ウインナー、焼野菜、キムチ、ワカメスープにご飯がついて、なんと1,000円(税抜)! めちゃくちゃ安い!

牛スジカルビは、もう見るからにおいしそう。美しい脂が入っています。

ちなみに焼野菜の椎茸はなんと自家栽培。

一つひとつが大きくて、これも美味そう……。
ラーメン屋にも関わらず、焼肉の食材にもラーメン同様にこだわっているのです。

自家製ダレはすぐにご飯をかきこみたくなるような味。文句なしに美味いです。こんなレベルの高い焼肉ランチを提供するラーメン店は他にないでしょう…。

ちなみにお店の奥には焼肉に特化したスペースがありました。

「銀座の高級焼肉店?」と思わせるような、和モダンな空間。

力士の来店も多いということで、相撲をイメージするようなおしゃれなインテリアも数多くありました。

こちら「筑豊ラーメン山小屋」なんですけどね……。


▲同じ店内とは思えない風景

もともと焼肉店はトラック運転手だった創業者が「ラーメンと焼肉を一度に味わえるお店はない!」ということで、当時から上質なお肉を仕入れながらこだわって営業していたとのこと。今でもそのマインドは受け継がれているわけですね。

ぜひ田川に行った際には、「筑豊ラーメン山小屋」のルーツを感じに香春本店へ足を運んでみてくださいね。ラーメンと焼き肉を一緒に食べるのもアリかも。

筑豊ラーメン山小屋 香春本店

住所:福岡県田川郡香春町大字香春字三角1021-3
営業時間:11:00~24:00
定休日:年中無休
>>筑豊ラーメン山小屋の公式サイトはこちら

老若男女に愛されるクリーミーで臭みのない豚骨「飛龍らーめん」

「筑豊ラーメン山小屋」は全国チェーンですが、田川には個人経営の美味しいラーメン屋が数多くあります。

取材に同行してくれたDAIさんとラーメン屋の思い出話をしていて上がったのが、後藤寺商店街近くにあった「梅園」というラーメン屋。

クリーミーでまろやかなおいしい豚骨ラーメンを出すお店で、結構人気がありました。

しかし、後藤寺商店街そばの店舗は閉店。閉店後に建物が取り壊されたのですが、その跡地のあまりの狭さに驚いたという話で盛り上がりました。

多くの近隣住民が「こんな狭いところで、どうやってラーメンを作っていたのか」と驚愕したものです。

そんないろんな意味で伝説だったラーメン屋「梅園」だったのですが、なんと「飛龍らーめん」と名前を変えて、今でも残っているという情報を入手。

これは行くしかない!!

まさか、このお店があの「梅園」だっただなんて……。

梅園の味を守り続けている店主は、取材に行った我々を大歓迎してくれました。

「この年になって、ようやく理想の味にたどり着いたんです! 今が一番おいしい! よく来てくださいました!」

飛龍ラーメンの店主は独学でラーメンを勉強して開店。
その後も学生時代に学校で教わったという「味の三原則」だけを頼りに味を追求していたとのこと。

その学生時代に教わった「味の三原則」とは「いやみ・コク・まろやかさ」というもの。ん……?「いやみ」って、何ですか?

「いやみというのは、味の嫌な部分、臭みなどの雑味ですよ。それを無くすのが大切なんですよ。」

なるほど。「いやみ」をなくして、コクやまろやかさが豊かな料理がおいしいということか。確かにおいしそうです。

「コク、まろやかさという部分は以前から、ある程度納得できる味にはできていたんです。でも『いやみ』を消すのが難しかった。でも、ようやく『いやみ』のないラーメンができたんです!」

その話をする店主はいきいきしていて、本当に嬉しそうでした。

確かに「梅園」のラーメンはマイルドでクリーミーなやさしい味の豚骨ラーメンだった記憶があります。つまり「コク」や「まろやかさ」を感じるラーメンだったということで、完成した今の味にますます期待できます。


▲飛龍らーめん 620円(税込)

きくらげ、ねぎに加えて、チャーシューが3枚。とってもシンプルなオーソドックスなトッピングのラーメンです。

食べてみると、まろやかさとコクはそのままに、確かに「いやみ」がない。
豚骨の臭みが全くないのに、豚骨の旨味が濃厚でスープにはコクがあり、「梅園」時代から変わらない独特のまろやかさがあります。

「このラーメンが出来上がってから、女性のお客さんが増えたんだ」と店主は嬉しそうに話してくれました。

最近、福岡県内でも豚骨の臭みがないのに、濃厚なスープがトレンドになっています。
そういった意味では、かなり今風なやさしい味の豚骨ラーメンで、女性が好むのもうなずけました。

「まさか、あの『梅園』がなくなるどころか、味が進化してるとは…」

同行者のDAIさんと車内で「おいしかった」「びっくりした」と感想を言い合いながら、お店を後にしたのでした。

飛龍らーめん

住所:福岡県田川市弓削田3513-3
営業時間:11:00~25:00
定休日:不定休

やさしい味のダシが絶品!名物立食いうどん「ドライブインかわら」

香春岳のふもとにある「ドライブインかわら」も、田川民なら知らない人はいない超人気店です。

もう50年以上この香春の地で立ち食いうどん店を続けており、田川を代表するソウルフード中のソウルフードといっても過言ではありません。

食券を購入すると、すぐに調理に入ります。

カウンターから聴こえる、うどん麺を湯きりする「チャッチャッチャッチャッ」という音が僕の食欲を刺激。子どもの頃から変わらない風景です。


▲かけうどん 380円(税込)

かけうどんは写真のような素うどんの状態で提供されますが、カウンターやテーブルにはかけ放題のネギや天かすがあります。

ネギや天かすをたっぷり上に乗せると、こんな感じ。

美しい……!

ドライブインかわらのうどんは、歯が要らないほどやわらかいフワフワ麺とダシのハーモニーを楽しむものです。お手本のような福岡ならではのうどん。

麺をすすり、やさしい香りのダシをズズッとすすりながら、飲むように食べるのが醍醐味。

このダシが美味いんですよ……。おにぎり(梅&しそ)との相性も最高。

「あっ、うまい。」

同行者のDAIさんは田川出身者でありながら「ドライブインかわら」は初体験だったご様子。あっという間にスルスルと完食しました。

ちなみにドライブインかわらのうどんは「立ち食いうどん」と銘打っていますが、座って食べられる席も準備されています。

このテーブルがあるからこそ「ドライブインかわら」の立ち食いうどんは、おじさんだけでなく、土日は家族連れのお客さんでいっぱいになるのです。

また、ドライブインかわらは、うどんだけではありません。

こちらのたこ焼きも大人気です。

うどん屋の隣にたこ焼き店が併設。こちらのたこ焼きが独特の味付けとなっています。


▲たこ焼き(10個) 320円(税込)

特徴はこの赤みがかったソース。ケチャップが強めで、さわやかな酸味があり、ここでしか食べられない味です。

一般的なソースをイメージして食べると「あれ?」となりますが、この味に慣れてくる2個目半くらいから、本当のおいしさがわかってきます……。

食感はモチモチしていて、1つ食べると思った以上にお腹に溜まります。でもケチャップ風味のソースがやみつきになり、次の1個へと手が伸びる。

印象的なのはお客さんの注文ロットが多いこと。「20個」「30個」は当たり前。
みんな山ほどのたこ焼きをビニール袋にぱんぱんに詰めてもらって持ち帰っていました。

通はソースなしのたこ焼きをうどんに乗せるのだとか。
でも、僕は天かすとネギがたっぷり乗ったシンプルな状態がめちゃめちゃスキなので、チャレンジしないかなあ。

ここでしか食べられないうどんとたこ焼き。
いつまでも、いつまでも、どうかこのままでいてほしい、田川民にとって大切なお店です。

ドライブインかわら

住所:福岡県田川郡香春町大字香春170-1
営業時間:6:30~20:00
定休日:水曜日

田川ホルモン鍋がおいしい焼肉店「朝日家」

朝日家は創業50年を超える老舗の焼肉店です。

牛肉は国内産黒毛和牛(A4〜A5等級)を使用しており、焼肉はもちろんおすすめなのですが、ここでご紹介したいのは「田川ホルモン鍋」。

田川ホルモン鍋とは、田川のご当地グルメで、もともとは石炭産業が栄えていたころに炭鉱マンが「安くておいしくてスタミナがつく」ということで好んで食べられていました。

ホルモンと玉ねぎ、キャベツ、もやし、ニラなど大量の野菜と豆腐、キムチなどを一緒に焼肉のたれでグツグツ煮た料理です。


▲ホルモン鍋セット(1人前)1,750円

どんな料理なのかイマイチイメージがつかめないと思いますので、実際につくっていきましょう。

まずは熱した鉄板にタレで下味をつけたホルモンを入れます。

ホルモンがグツグツしだしたら、野菜や豆腐など他の具材をホルモンの上から乗せましょう。

野菜にも味がしみるように、上からタラタラッとタレをかけてください。

フタをしてしばらく待つと…

野菜にも火が通って完成です!めちゃくちゃいい香り。

ホルモン鍋はビジュアル的に汁気が少なくてこってりしてそうなイメージを持たれがちですが、実際に食べるとかなりあっさりしています。

特徴はホルモンの旨味と野菜の旨味。この2つの旨味を含んだ水分がタレと混ざりあい、独特のおいしさを作り出すのです。

食べ終わった後、旨味たっぷりの残ったタレは宝のエキス。僕らはうどんを入れて食べました。ちゃんぽんも選べます。

締めのうどんも見た目以上にサッパリしていて、スルスルいけちゃいます。もつの旨味が効いていて、おいしかったです。

ちなみに「田川ホルモンうどん」ですが、自宅でも焼肉のたれを使って、誰でも簡単に作れます。一人暮らしの人にもおすすめです。

もっと全国で家庭料理として広まってほしいです。詳しくは「田川ホルモン喰楽歩」のウェブサイトの「ホルモン鍋の作り方」をご覧ください。

朝日家

住所:福岡県田川市魚町14-27
営業時間:11:00~22:30(オーダーストップ22:00)
定休日:月曜日

シンプルで完成度の高い究極の焼そば「もやしそば己城」

田川後藤寺地区にやってきました。建物老朽化のために閉鎖されている旧後藤寺バスターミナルが見えます。

そんな旧後藤寺バスターミナルの前にあるのが「もやしそば己城」です。

「もやしそば」というのは、もともと田川後藤寺駅前にあった「フッコー食堂」という食堂のメニューでした。
安くておいしい、学生たちに愛されたメニューでしたが、フッコー食堂は閉店。

しかし、その後フッコー食堂のもやしそばの味を愛していたもやしそば己城の店主が「もやしそばの作り方を教えて欲しい」とフッコ―食堂の店主に頼み込みました。その結果、その味を直伝されて今も味を受け継いでいます。

僕は田川出身なのですが、「もやしそば」って知らなかったんですよね…。


▲もやしそば 380円

もやしそばはシンプルそのもの。具材はもやしと玉ねぎ、そして小さく刻まれた豚肉です。

さっぱりしたソースにモチモチした麺がよく合います。麺とほとんど同じ太さの細もやしは、そばを邪魔しないレベルにシャキシャキした食感を楽しませてくれるのです。

究極の完成度の「もやしそば」。
シンプルなので無駄なものはゼロだし、これ以上に必要なものもゼロ。

食べて一言「うまっ」と呟いた僕は、そのままモソモソと無言で食べ続け、気がついたら皿は空っぽになってしまいました。

なんだこれは。めっちゃうまい。いくらでもいけそうです。もっと食べたい。

生まれ故郷の田川では「当たり前にある味」なのに、今僕が住んでいる街では「絶対にない味」という不幸。
僕はこのお店が生活圏内にあれば、家族にバレないようにコソコソと通うことでしょう。

同行者のDAIさんも「なぜ田川にいた学生時代に知らなかったんだ」と悔やんでいました。

初めて食べた人に「うちの近所に当たり前にあってほしかった」と思わせる味わい。
帰ってくる「家」にしちゃいたい。そう思わせる何かが、このもやしそばにはあると思います。

もやしそば己城(みき)

住所:福岡県田川市春日町1-25 井手口ビル1F
営業時間:11:00~18:00(17:30 オーダーストップ)
定休日:日曜・祝日・その他不定休

絶品のもも揚げ&とりめしがおいしい後藤寺の老舗「若とり」

僕の生まれは福岡県田川市の後藤寺地区で、小学校3年生のころまで住んでいました。
岩戸神楽で有名な春日神社は僕の貴重な遊び場で、夏はここでセミ取りをしたりして遊んでいたのを思い出します。

なぜか後藤寺小学校の運動場と直結していたので、小学校の運動場と春日神社は僕の中でセットの遊び場です。

当時は私有地と公共の場所の境目が曖昧だったよね、なんて話をDAIさんとしながら、僕らの足は「若とり」へ向かいます。

若とりは地元の人たちから愛され続けている、老舗の鶏料理店です。

名物メニューは「もも揚げ」と「とりめし」


▲もも揚げ 550円(税込)

もも揚げは地元民からも長く愛されている「若とり」の看板メニューです。ももを丸ごと揚げています。

酢醤油をかけて食べるのがスタンダード。これを丸ごとガブリ!


▲おいしそうにかぶりつくDAIさん

かぶりついた瞬間、口元から湯気。アツアツです。
この酢醤油がさっぱりとしていて、ももの肉汁の旨味とイイ感じに絡み合うんですよ!


▲とりめし 210円(税込)

もう一つの人気メニューであるとりめしは、色が薄いのにダシの味がしっかり効いていて、これもまたおいしいんですよ。

噛めば噛むほど、鶏の旨味が口の中に広がっていく、見た目とは裏腹に深みのある味わいのとりめしです。

店主さんとお話をしていると、やはり2人とも出身が田川ということで盛り上がります。
なんとDAIさんと僕の共通の友人である城君と内山君(※2人とも仮名)が昨日、ここで飲んでいたというのです。

DAIさんとも店主さんとも、今日が初対面だった僕はめちゃくちゃ驚いてしまいました。

「そうか、彼らはまだここにいるのか」

子どもの頃からあった「若とり」。

僕は大人になるまで田川にはいなかったから、今日初めてここに来ているけど…。

もし僕が大人になってもここに住んでいたなら、ここが僕のホームになっていたかもしれない。

なんなら、昨日城君と内山君とここで3人で飲んでいたかもしれない。

「ずっとこの街で育っていたら、どんな人生が待っていたんだろうなあ」

「ハフハフ…」と、もも揚げにかぶりつきながら、そんなことを考えていました。

若とり

住所:福岡県田川市本町3-29
営業時間:17:00~22:30
定休日:日曜

グルメの合間に立ち寄りたい!おすすめの田川観光スポット2選

田川市のグルメを数多く紹介してきましたが、グルメの合間にさっと立ち寄れるおすすめの観光スポットを2か所厳選しました。

今回ご紹介した各お店から近い場所にありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

露天風呂や岩盤浴も楽しめる天然温泉「松原温泉」

松原温泉は田川市内にある日帰り温泉施設です。
小高い丘の上にあり、露天風呂からは田川のシンボルである香春岳を見渡せます。

香春岳は製紙原料として使われる「寒水石」などの採掘で削られ、手前の一の岳は頂上が平らになっています。

山全体が高品位の石灰岩でできている特殊な山なのです。

松原温泉のお湯はすこしとろみがあり、肌をしっとりと包んでくれます。
露天風呂だけでなく内風呂も広くて快適です。

内風呂には蒸し風呂もあるので、水風呂と一緒に楽しみましょう。

また、女性限定で岩盤浴も楽しめるようになっています。

コンパクトながらも、都心のスーパー銭湯さながらの設備が整っている温泉施設です。

入浴料は550円と手ごろなので、ぜひグルメの合間に立ち寄ってみてください。

松原温泉

住所:福岡県田川市伊田5030-1
営業時間:10:30~23:00
入浴料:550円、貸切風呂90分1名550円(入館料別途)、女性用岩盤浴800円(入浴料込み)
定休日:第3水曜日

石炭産業が全盛の田川へタイムスリップ「田川市石炭・歴史博物館」

「石炭」がテーマとなった博物館で、歴史遺産として築造当時の場所に立ち続ける二本煙突や伊田竪坑櫓がシンボルとなっている公園が隣接しています。


▲伊田竪坑櫓

石炭産業がさかんで、生活の中心に炭鉱があったころの暮らしぶりを知れる貴重な博物館です。

博物館の前には「炭坑節発祥の地」と書かれた記念碑があります。

炭坑節は、僕も子どもの頃に運動会で踊っていた記憶があります。田川市では当たり前の光景でした。

掘って掘って~また掘って!
かついでかついで
ひいてひいて(ながめてながめて)
おしておして
きって(ひらいて)
ちょちょんがちょん

そんな感じで覚えてたことを思い出します。

博物館では当時のこの地域の模型が展示されていました。

田川市石炭・歴史博物館の場所に確かに炭鉱があったことが分かるのと同時に、その当時の様子までよくわかります。

この時代からずっと同じ場所に立ち続けている二本煙突や伊田竪坑櫓が貴重な存在であることを改めて感じました。

博物館の中には、実際に炭鉱で使われた仕事道具などの展示がありました。

作業現場のジオラマは、当時の過酷さや命懸けの現場の様子をわかりやすく学べます。

屋外には復元された炭鉱住宅の展示もあります。炭坑があった頃の田川の暮らしをいきいきと伝えてくれる貴重な展示です。

田川市石炭・歴史博物館では、ユネスコ世界記憶遺産に登録された炭坑の仕事や生活を絵に描いた「山本作兵衛コレクション」の展示も行われています。

炭鉱がさかんだったころの田川の息遣いを感じに行ってみてくださいね。

田川市石炭・歴史博物館

住所:田川市伊田2734-1
開館時間:9:30~17:30(入館は17時まで)
定休日:月曜(月曜が休日の場合は火曜)、年末年始

田川のグルメとロマンを味わいに行こう

田川のグルメはあまり他の地域の影響を受けておらず、炭坑が盛んだった時代を背景に独自に築いていった食文化が残っています。

特徴は「うまい・安い・元気が出る」という3点です。労働者に安くて元気が湧いてくるような食事を提供しようという文化は、炭坑から生まれたものだと言えます。そんな時代の思いを継ぐ美味しい店が、ここにはまだまだ埋もれているのです。

田川グルメはまだまだ沢山あり、完全にすべて紹介しきれていません。田川市が制作したプロモーションビデオ内でも様々なスポットが紹介されていますので、ぜひご覧ください。

ひとまず「田川グルメ入門」として、この記事を活用していただければと思います。

さあ、みんなで田川へうまいものを食いに行こう!!