京都・鴨川でまったりお散歩観光!おすすめルート&カフェをご紹介
京都の鴨川は、観光のみならず、地元の人からも愛されるスポットです。そんな鴨川のオススメの散歩ルートや、美味しいカフェを、京都在住ライターがご紹介。家族での旅行や一人旅で訪れた際にも、少し立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
こんにちは、京都在住ライターのユキガオ(@yukigao_22)です。
京都観光といえば、どこを思い浮かべますか?
祇園?清水寺?伏見稲荷?
……
でも、もう定番の観光スポットに飽きちゃった人、いるんじゃないでしょうか?
「そろそろ一味違う京都観光をしてみたい…!」
「人混みはもううんざり!!」
そんな方にオススメしたいのが、鴨川散歩です。
「え、観光なのに散歩?」と思われるかもしれませんが、これがなかなか面白いんです!
京都と鴨川は、切っても切れない関係。京都の人たちにとって特別で大切な川なんです。
そんな鴨川を一日のんびりお散歩するという観光はいかがでしょうか?
目次
鴨川はどこにある?
「鴨川鴨川いうけど、それって一体どこなのさ?」
そう思う人もいることでしょう。
だって「多摩川集合ね」とか「桂川でBBQしようよ」って言われてもどこか分からないですよね。川は長いですから。
では、地図で見てみましょう。
かなり拡大しないと全域が見えない…鴨川長いよ…
どうやら、京都市のずっとずっと北に源流があり、そこから23kmほど南下した京川橋というところまでが鴨川のようです。
しかし、さすがに23kmも歩くのはつらい…それはもう「お散歩」のレベルじゃないよ…
鴨川のんびりお散歩コース紹介
ということで今回は、お散歩として楽しめる範囲の鴨川を紹介します!
鴨川らしさを満喫しつつ、自然を堪能できるオススメのお散歩コース。
人混みの京都に疲れてしまった方、必見です。
まずは京都駅から出発
スタートはここ京都駅。
新幹線なら、東京駅から約2時間20分。
夜行バスも京都駅行きはたくさんあるので、全国からアクセスしやすい場所です。
ちなみに京都駅は、夜行バスが停まる八条口と、京都タワーが見える中央口があります。
今回は中央口から出て、まずは塩小路通沿いを歩いていきます!
塩小路通を東へ歩くこと約10分。
鴨川らしきものが見えてきました。さらに歩くと…
「鴨川」と書かれた橋を発見。
下流のほうなので川幅が広く、橋からの眺めは壮観です。
橋の周辺には緑がたくさんあって、ここに来るだけでものんびり過ごせそう…
さて、ここから鴨川沿いを歩いていきましょう!
鴨川沿いへ下りてお散歩スタート
鴨川は、ずっと川沿いを歩けるのが特徴。
有名なのは四条・三条・鴨川デルタ(出町柳)のあたりですが、もっと下流からずっと歩道があるんです。
ではさっそく、約5kmの鴨川散歩スタートです。
撮影が平日だったこともあり、人はほとんどいません。
静かだけど、川の流れる音が響いてとても心地いいんです。
川ではシラサギなんかの鳥がたくさんいます。バードウォッチングをしても楽しい。
歩道はそこまで広くないですが、きちんと舗装されていて歩きやすいですよ。
たまにお散歩している人やサイクリングしている人も通ります。
ちなみに鴨川にはたくさんの橋がかかっていて、それぞれに名前がついています。
そして、橋の名前と橋間の距離が書かれた案内板が随所にあるので、それも見ながら歩くと一層楽しめます。
スタート地点の塩小路橋から四条大橋あたりまでは人も少なく、川の音を楽しみながらのんびり歩けますよ。
京都らしい風景の四条・三条
スタート地点から約2km歩くと、祇園など京都の中心部である四条にたどり着きます。
川沿いに町家が並んでいて、THE・京都という感じ。
この辺りまで来ると、観光客も増えて着物をきた人もちらほら…
観光客も地元の人も入り混じり、道ばたで楽器を演奏している人や歌っている人なんかも見かけます。
古都らしさと、観光地としての賑わいが共存する場所。
そこに集まる人々の声と、川の音。それを聞いているだけで、歩くのが楽しくなっちゃいます。
さらに北上すると、今度は三条大橋が見えてきました。
このあたりはかつての処刑場だと言われていますが、今ではすっかり憩いの場。
川辺に腰掛けてのんびり話をしたり、夜になると大学生たちが集まってワイワイ騒いでいたり…
鴨川らしく、鴨もたくさんいてとっても可愛い。
三条の川沿いは、夏に納涼床が設置されることでも有名です。
なんとあのスターバックスにも納涼床が…!
Photo by Chris Gladis – Starbucks balcony(2006) / CC BY 2.0
なんとも風情がありますね。
三条大橋の少し北には、こんな珍しい動物も…
これ、カピパラじゃないんです。ヌートリアといって、害獣なんだとか。
鴨川沿いを歩いていると、こうして色んな動物たちに出会えるのも面白さのひとつです。
最後は鴨川デルタで遊ぼう
鴨川デルタをご存知でしょうか?
色んな映画やアニメにも登場しているこの場所。高野川と賀茂川が合流する地点の三角州です。
地図で見ると、三角形になっているのがよくわかりますね。
約5kmの鴨川散歩は、ここが最終地点です。お疲れさまでした。
…って、疲れてる場合じゃない!!
ここに来たらやってほしいのが、「飛び石で川を渡る」ということ。
川を渡れるよう飛び石が置いてあるので、それをぴょんぴょんと飛んで渡ります。
写真で見るとそうでもないですが、実際飛ぼうとするとけっこう怖い!
自分の中で飛ぶタイミングを見計らって…
えいっ!と飛びます。
真剣。
これを繰り返し、反対側へたどり着いた頃には謎の達成感でいっぱい。
童心に返って遊んでみてはいかがですか?
※ただし、雨の日の翌日など水かさが増えているときは危険なのでやめましょう。
鴨川の魅力ってなに?
5kmの鴨川散歩はこれで終わったわけですが、鴨川の良さは伝わったでしょうか?
……
え、伝わらなかった?
すみません、それは私の筆力の問題です。
きっとこれ以上「鴨川って本当にいいところなんですよ!!」と、声を大にしても伝わらないでしょう。
ということで、実際に鴨川に来ていた人にインタビューしてみました!
なぜ鴨川に人が来るのでしょう?鴨川の魅力って一体何なのでしょう?
川沿いでたこ焼きを食べるご婦人方
鴨川散歩をスタートしてすぐの七条大橋の下で、たこ焼きを食べるご婦人方と出会いました。
大阪から来たのだというお二人。コンビニで買ったたこ焼きを食べているところにお邪魔しました。
ユキガオ
「どうして鴨川に?」
ご婦人A
「近くで食べるところ探すのが面倒でね」
ユキガオ
「鴨川、どうですか?」
ご婦人B
「初めて来たんだけど、川の流れる音がいいね」
ご婦人A
「そうそう、鳥もいるしね」
そう言いながらパシャパシャと鳥の写真を撮ってらっしゃいました。
川の流れる音は、癒し効果もあるんだとか。そんな音を間近で聞けるのは、鴨川の魅力のひとつですね。
ランチタイムを川辺で過ごす女性
女性の話をする前に、まずこちらをご覧ください。
ぽつん。
五条大橋の近くの川辺で、一人座る女性。
めちゃくちゃ気になる!!ということで声をかけてみたところ、近くにお勤めの方ということが判明。
ユキガオ
「な、なぜこんなところにお一人で…」
女性
「天気いいから外でご飯食べようと思って!」
ユキガオ
「川辺でお一人だったので気になってしまいました」
女性
「ちょっと変ですよね(笑)でも鴨川だったらいろんな人がいるからいいかな、って思えて」
鴨川って、突然歌い出す人や楽器の演奏をする人がいたりして、ある種の自由さが感じられる場所。
だからこそ、こうして面白い出会いが生まれたりもするんです。
鴨川を散歩する地元の方
四条大橋のあたりで出会った地元の方は、鴨川の近くを通るとつい見にきてしまうだそう。
ユキガオ
「鴨川の魅力ってなんだと思いますか?」
地元の方
「シラサギやアオサギがいたり、四季が楽しめるところかしら」
ユキガオ
「あ、アオサギ…?」
地元の方
「ほら、あの羽がちょっとグレーの鳥がいるでしょ?」
ユキガオ
「おお!あれがアオサギ!」
地元の方
「朝、橋の上からサギに餌をやってるオジサンもいるのよ」
川に生きる動物たちと、四季の移ろいを楽しめるのも鴨川の魅力。
そして早朝には餌やりオジサンや、ラジオ体操をしている人たちもいるんだとか。地元の方ならではの情報ですね。
トカゲにリードをつけて散歩させる男性
四条大橋の下で、変わった動物を連れた男性。
近くにお住まいのこの男性は、飼っているフトアゴオオトカゲを連れてよく鴨川に散歩に来るんだそう。
トカゲにリードをつけて散歩させる…という発想がなかった私はびっくり。
男性もトカゲも非常にフレンドリーで、やっぱり鴨川って面白い出会いがあるなぁと感じます。
小説に出てきた場所を巡る女性
鴨川デルタで出会った女性は、転職活動中とのこと。「なぜ鴨川に来たのか」を聞いてみると…
女性
「森見登美彦さんの小説に、鴨川デルタがよく出てくるんです」
ユキガオ
「それで実際に見てみよう、と?」
女性
「はい、ずっと来てみたかったんです」
ユキガオ
「実際に来てみてどうですか?」
女性
「小説より、近代的でした。でもまた来たいです」
そう話す女性の手には、行きたいところとそのルートを記したメモが。
あちこち回るルートの最初に、鴨川デルタを選んだ彼女。
鴨川には、人を惹きつける不思議な力があるようです。
鴨川周辺のおすすめカフェ・和菓子屋はココ!
鴨川散歩は、寄り道せずに歩けば1時間ちょっとで終わってしまいます。
でも、途中で人と話したり景色を写真に収めたりしていたら、時間が経つのはあっという間。
そうこうしている間にお腹も空くし、だんだん歩き疲れてきます。
そんな時にふらっと立ち寄れるカフェ・和菓子屋さんをご紹介!
逆にカフェ巡り目的でお散歩するもよし、というくらいオススメなので、ぜひ行ってみてください。
Kaikado Café
京阪七条駅あたりでオススメのカフェが「Kaikado Café」です。
カフェの紹介の前にこちらの写真を見ていただきたいのですが…
これ、手作りの茶筒なんです。銅や真鍮、ブリキといった素材が使われています。
使っていくごとに色が変化していく、無駄のないシンプルで洗練されたデザインが印象的。一度見たら忘れられません。
この茶筒を作っている「開化堂」さんが運営されているのが、今回ご紹介するカフェ。
店内には、あちこちにいろんな茶筒が展示されていてオシャレ。
こちらでオススメなのが、ブレンドコーヒーです。
中川ワニ珈琲のコーヒー豆を使っていて、注文後、店長さんが丁寧にドリップしてくださいます。
「コーヒー豆ってこんなにフワフワになるの!?」と驚くこと間違いなし。
とても美しいカップに注がれたコーヒーは、苦味がなくマイルドで飲みやすいんです。
また、ここのチーズケーキが絶品。
丸っこくて可愛らしいケーキはフォトジェニックなだけでなく、味もぎゅっと濃厚。思わず顔がほころびます。
こちらのカフェは、コーヒーだけでなく、お茶メニューもオススメ。
「玉露雁金」は、一煎目と二煎目のお茶を飲み比べることができるようになっています。
左側が一煎目、右側が二煎目。
一煎目は低温で抽出されているため、お茶とは思えないほどの甘みを感じます。
一煎目を飲んでみると…
びっくりするほど甘くて、一瞬何を飲んでいるかわからなくなるほど。
二煎目はすっきりとした飲みやすいお茶なので、ぜひお店で飲み比べてみてください。
Kaikado Café
住所:京都府京都市下京区 河原町通七条上ル住吉町352
電話番号:075-353-5668
公式HP:http://www.kaikado-cafe.jp/
参考サイト:ぐるなび
efish(エフィッシュ)
“鴨川を眺めながらコーヒーを飲めるカフェ”として地元民の間でも有名なのが、こちらの「efish(エフィッシュ)」さんです。
鴨川沿いにあるこちらのお店は、店内に入ると窓一面から鴨川を臨むことができます。
店内もオシャレで落ち着く雰囲気。春と秋の晴れた日には、窓を開け、テラス席も用意されるんだそう。(この日は雨のため閉まっていました)
オープンから18年が経つというこちらのカフェで人気なのは、「ツナとカッテージチーズとアボカドサンド」です。
ブラックペッパーが効いていてめちゃくちゃ美味しい!!
ボリュームも満点なので、お腹ペコペコの状態で行っても大丈夫。
他にも、日替わりケーキ(520円)やスコーンも人気だそう。コーヒーも、渋さ・苦味が控えめで飲みやすいんです。
のんびり鴨川を眺めながらゆっくりくつろぎたいなら、ぜひefishさんへ立ち寄ってみてください!
efish(エフィッシュ)
住所:京都府京都市下京区木屋町通り五条下ル西橋詰町798-1
電話番号:075-361-3069
公式HP:http://www.shinproducts.com/efish/index.php
参考サイト:ぐるなび・ホットペッパーグルメ
さらさ花遊小路
鴨川から四条通を通って西へ進むと、通りの少し奥まったところにレトロなカフェがあります。
店内のように見えるこの通りを抜けて…
細い路地を進んでいくと…
ありました!こちらが「さらさ花遊小路」です。
ここは食事もできるしカフェとしても利用できるお店。今回はカフェメニューをご紹介します。
このドリンクは「逆アポロ」という名前で、由来はあのお菓子を思い出してもらえばわかると思います。
いちごミルクの上にホイップクリームとチョコソースという、なんとも胃もたれしそう…に見えますが、実は甘酸っぱくてスッキリ飲めちゃうから不思議。
こちらのキャラメルワッフルも、ボリュームありますがペロッといけちゃいます。
1階と2階があり、どちらもなんとなく落ち着いてしまうような雰囲気。一人で来店している女性も多いのが印象的です。
ケーキも色々売られているので、買って帰るのもいいかもしれませんね。
さらさ花遊小路
住所:京都府京都市中京区新京極四条上ル中之町565-13
電話番号:075-212-2310
公式HP:http://sp.raqmo.com/cafe-sarasa/index.php?shop_id=2623&page_id=1
参考サイト:ぐるなび・ホットペッパーグルメ
NICE SHOT COFFEE
京阪・神宮丸太町駅から出てすぐのビルに入っているのが「NICE SHOT COFFEE」さんです。
こじんまりとした室内には、無料のWi-Fiと電源があり、ちょっとパソコン作業をしたい方にももってこい。
エッグタルトは、ドリンクとセットで頼むと+150円とお手頃です。
ぷるぷるとしたエッグタルトとコーヒーで、歩き疲れた体を休めるのにちょうどいい。
窓からは、木で隠れて鴨川が見えませんが、のんびり外を眺めて一休みしませんか?
NICE SHOT COFFEE
住所:京都府京都市左京区下堤町82恵美須ビル2F
電話番号:070-5504-8023
営業時間:火曜~土曜 8:00~23:30、日曜8:00〜18:00、月曜定休
参考サイト:食べログ
出町ふたば
「京都の手土産といえばこれ!」と言われるくらい大人気なのが、出町ふたばさんの豆餅です。
この日は平日にもかかわらず、ものすごい行列!!
そう、ここは休日になると必ず大行列になるほどの人気店なんです。(この日なぜ混んでいたのかは謎…)
店内では、大量の豆餅や大福が続々と詰められていきます。
長い長い行列を抜け、ようやく買えました。
豆餅は、皮に赤えんどう豆が入っていて、お餅の中にはこしあんが詰まっています。
そして食べてびっくり。
なんと外側のお餅は塩味がするんです!お餅のしょっぱさと、あんこの甘さが絶妙に合っていてクセになる味。ついつい何個でもペロッと食べられます。
よもぎがしっかり香る田舎大福は、中につぶあんが入っていてこれまた美味しい。
天気がいい日なら、豆餅を買って鴨川デルタのベンチで食べる…なんていうのも風情があっていいですね。
生菓子は基本的に賞味期限が当日中なので、買ったらすぐに食べましょう!
出町ふたば
住所:京都府京都市上京区出町通今出川上ル青龍町236
電話番号:075-231-1658
営業時間:8:30~17:30(火曜・第4水曜定休)
参考サイト:ホットペッパーグルメ
おわりに
鴨川って本当に不思議な場所です。
楽器をかき鳴らす人
等間隔に座る恋人たち
体操をする人
大道芸の練習をする人
お昼寝をする人
川添いで食事をする人…
どんな人でもそこにいることを許されるような川。そこで暮らす人々と、そこへやって来た人々が共存する場所。
思わず足を止めて見入ってしまう、その雄大な川を、のんびり楽しんでみてはいかがでしょうか?
一日掛けて歩き終わった頃には、こんな美しい夕焼けが見られることも。
鴨川周辺にはオシャレだったり個性豊かなカフェもありますので、休憩を取りながらゆっくり進むのもアリ。
今回ご紹介したルートの途中からスタートして途中までで終わるのも、もちろんOK。
ぜひあなたらしい鴨川散歩で、京都の魅力を再発見してみてくださいね。
ライター:ユキガオ(@yukigao_22)
運営メディア:スキ、はじめました。
撮影:なかかず(@kaz_volley)