こんばんは! 夜景に出会って人生が変わった、夜景写真家の中村勇太です。みなさん、夜景を眺めていますか?
今回ご紹介するのは、神奈川県の丹沢山地に属する大山から見下ろす夜景です。
夜景写真家として、日本全国の夜景をまわってきましたが、この山頂からの夜景は「日本一綺麗」と言っても過言ではありません!
山から夜景を俯瞰するのは、夜景鑑賞としては定番ですが、今回は山道を片道1時間30分登ります! もちろん夜に!
夜の山道、怖いですか? 私はワクワクします。
だって、その先にはすごい夜景が待っているんです!
ナイトハイクの魅力
登山道の入口は……っとその前に、まず夜間の登山「ナイトハイク」の魅力についてお話します。
登山はともかく、ナイトハイクをする方はかなり少数派かと思います。
私も、夜景が好きになるまで、ナイトハイクはしたことがありませんでした。
ナイトハイク中は、自分たち以外ほとんど人がいません。
車でアクセスしやすいスポットは人が集まりやすいですが、ナイトハイクをしないと行けないスポットはどんなに美しい夜景スポットでも、その目の前に広がる絶景を独占できる可能性が高いです。
また、山頂に向かうまでの山道はもちろん街灯がありません。
頼りになるのは、持参したライトと月明かりのみです。
安全のためナイトハイク中はライトをつけますが、ライトを消せば、そこは人類が人工の明かりに出会う前の時代の世界が広がっています。
この非日常感は、他ではなかなか味わうことができないはず。明かりの大切さを再認識させられますよ。
装備について
ナイトハイクをするにあたり、身につけておきたい装備をご紹介します。
- 登山靴
- 動きやすい服装(秋~春にかけては夜間冷え込みますので防水防寒ウエア必要)
- ライト(ヘッドライト推奨、予備電池も用意)
- 水分(多め)
- 食べ物(予想以上に体力を使うのでエネルギー補給できるもの)
山頂で温かいものを口にしたい場合は、バーナーとコッヘルも持参するといいです。
登山口までのアクセス
お待たせいたしました!
ここから、登山口までのアクセス、登山ルートの様子をご紹介していきます。
大山の山頂までのルートは何通りもあります。
大山ケーブルカーを利用して、阿夫利神社下社を経由して山頂に向かうルートが一番人気な登山コースですが、大山ケーブルカーは原則夜間運行しておりません。
最短ルートは、ヤビツ峠から登るコースで、私はいつもこのコースを利用しておりますので、今回もこのコースでご紹介していきます。
国道246号線名古木交差点から県道70号線に入り、登山口のあるヤビツ峠まで約12kmの道のりです。約20分車を走らせます。
菜の花台もオススメ!
ヤビツ峠に直行したいところですが、途中に菜の花台という神奈川県の中でも特に人気のある夜景スポットがありますので、こちらもご紹介します。
それなりの台数が利用できる駐車場がありますので駐車して、公園の奥に進みます。
すぐに木製の展望台が見えてくるので登っていきましょう。
秦野盆地の夜景をメインに、小田原を含む足柄平野、相模湾沿いに広がる湘南エリアの夜景を俯瞰することができます。
週末は、駐車場が混雑する日もありますので要注意!
いざナイトハイクへ!
菜の花台からヤビツ峠までは、車で10分もかかりません。
看板やわかりやすい駐車場があるため、通り過ぎることはないはずです。
駐車場に車を停めたら、装備の忘れ物がないかなど最終準備を行います。トイレもありますので、ここで済ませておきましょう。
準備が完了しましたら、バス停付近にある登山口から登っていきます。
いざナイトハイクへ!
暗闇の世界
ヤビツ峠の登山口から大山山頂までは、片道1時間30分かかります。
そして、登山道はこのように暗いです!
体力を使いますので、無理せず途中で休憩を取りながら進むべきです。ベンチを見つけたら休憩しましょう。
1箇所鎖場があります。しっかり鎖をつかみ、ゆっくり気をつけて登って下さい。
終盤に別ルートとの合流地点にぶつかります。ここで霧がでてきました。山頂の様子が心配ですが……進んで行きます。
ここまで来れば残り200m!もう少しなのですが……
ここからの坂が急なんです!
岩もゴツゴツしていて非常に歩きづらいです。
焦らず、ゆっくり進んで行きます。
この鳥居が見えたら山頂までもう少し!
そのまま直進!……してしまいそうですが、左に反れる道があり、実はそちらの方が緩やかな坂なのでオススメです!
山頂到着
鳥居から坂を進み続けると、突如街明かりが目の前に飛び込んできます。
おめでとうございます! ここが山頂の広場です!
山頂では霧が晴れていました!
この絶景夜景に、ここまで登ってきた苦労が吹き飛ばされます!
冒頭でもお伝えしましたが、大山山頂からの夜景は日本一キレイな夜景と言っても過言ではありません!
圧倒的な光量、そして1枚の写真におさめることができないほどのパノラマ夜景で見応えがあります。たくさんの見どころが詰まっていますので、解説していきます。
まず、南側を俯瞰してみましょう。こちらは、秦野盆地の夜景です。
市街地の一番明るいところが秦野駅、大きくカーブを描くオレンジのラインが東名高速道路です。
盆地に光が敷き詰められていて、まさに「宝石箱」と言えるような夜景です。
南東側を俯瞰すると、湘南エリアの夜景が広がっています。
この日は、月が出ていたので、海が明るく照らされて地形がしっかり分かります。相模湾に沿って、三浦半島まで街明かりが連なります。
横浜方面をクローズアップしてみます。写真中央付近は、横浜郊外夜景です。
みなとみらい地区にそびえる横浜ランドマークタワー、横浜港に架かるベイブリッジ、海上に浮かぶのが海ほたるです。
東京方面をクローズアップしてみます。
東京タワーと東京スカイツリーがはっきりと肉眼でも確認できます。高層ビルの航空障害灯がずらりと並ぶ光景は、大都会を想像させます。
夜景を鑑賞していると、次第に地平線が赤く染まり始めます。
東向きメインの眺望のため、朝方にかけて空がグラデーションカラーに染まります。
このマジックアワーと呼ばれる時間帯は、刻一刻と景色の変化を感じることができ、非常に見応えがあります。
私が一番好きな時間帯です!
このグラデーションカラーに染まる空と、街明かりのコラボが最高ですね!
夜景だけではない!
夜景だけでも見る価値がありますが、ここに来たら是非見てほしいのが日の出です。
東向きの眺望のため、初日の出スポットとしても非常に人気があるのです。
周囲が徐々に明るくなっていくとともに、日の暖かさが伝わってきて、太陽のありがたさを実感させられます。
下山時も慎重に
山頂からの夜景、日の出を堪能したら、下山していきましょう。
帰りは気が緩みがちですが、上り同様に下りもなかなかきついものです。
特にカメラ機材を積んでいると、重量があるため足に負担がかかりますので気をつけてください。
登ってきた同じ道をゆっくり、焦らず下っていきます。下りも登りと同様に1時間30分程かかります。
駐車場に到着です! お疲れ様でした!
登ってきた大山を見上げると、「この山を登ってきたのか」と達成感に満ちあふれます。
最後に
ここまで、大山の夜景についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
夜の山に興味がなかった方でも興味が湧いてきたのでは? また、夜景を見慣れている方も、この極上夜景を見たくなってくるのではないでしょうか?
大山のナイトハイクに挑戦される方は、単独でなく複数メンバーを集めて臨んでください。また、昼間の下見は必須です。私も最初は昼間に下見をしておきました。
大山山頂からの夜景を是非、体感してみてください!