冬こそ海に潜れ!伊豆のダイビングは冬が最高にオススメ!

スキューバダイビングの名所・伊豆半島の大瀬崎は冬にこそ潜るべき!?ダイビングインストラクターの筆者が、実際に海に潜ってその魅力を伝えます。

12月某日・・・

こんにちは。
ダイビングインストラクターでライターのしげ(@yuta3822)です。

僕は伊豆半島の沼津市にある大瀬崎というところにいます。大瀬崎はダイビングの聖地と呼ばれ、夏には多くのダイバーが訪れます。また、海がキレイなことから、海水浴をする方も多く大変賑わっています。夏は。

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では、なぜ極寒の12月に誰も来ない大瀬崎にいるんだってことですよね?

それは、どんなに僕が「12月の伊豆の海は超キレイで最高に楽しい、冬こそ潜るべし!冬用の装備で潜れば寒くない!」と熱弁しても誰も信じてくれないからです。

冬の伊豆は沖縄にも負けないくらい透明度が高く(水がキレイ)、そして様々な生き物がいて本当に魅力的なんです。

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キレイでしょ!

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ほら!

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めちゃくちゃキレイでしょ!!
これが伊豆半島の海ですよ!東京からたったの2時間で来れるところにあるんです!

ちなみに伊豆半島の海は冬になると

①プランクトンが減り水中を漂う生き物が減る
②季節風で表層の水が沖に流され深海からキレイな水が上がってくる

なので、水が澄み透明度が高く青い海になります。

冬の伊豆の海の魅力は写真で伝わったと思いますが、”寒くない”ということは、なかなか伝わらない。

そこで、なんとかして「冬の海は寒くない!」という事実をお伝えしたいと思い、だったら冬の海で海水浴だ!と盛り上がってしまったわけです。

冬の海は寒いのか?

IMG_4054※急激に冷たい水に入ることはキケンです。良い子は絶対マネしないでください。

寒いです。時折、強く吹いてくる風がものすごい勢いで体温を奪ってきます。

時は2018年12月某日、最高気温12℃、最低気温3℃。
平成最後の冬に相応しい寒空の中、僕は水着に浮き輪という格好で伊豆半島・大瀬崎の海に立っています。

それにしても最高気温12℃は寒いですね。
ここまで水鉄砲や浮き輪を買い揃え、意気揚々としていた僕ですら立ち止まってしまうレベルの寒さ…..

しかし!!
なんとしても、冬の海の魅力を伝えたい。
たとえ、海水浴寒中水泳と誤解されたとしても海に入りたい。

気合で?寒さで?全身の毛を逆立てながら海へと向かいます!

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あ、ここまで来たのに
あっあと1歩が出ない。めっちゃ冷たい。冬の海?寒いよ。普通に。

完全にダチョウ倶楽部の「押すなよ!押すなよ!」の状態。

この例えだと押してほしいみたいですが、このままでは記事が進まないので、いざ覚悟を決めて入水!

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「あああ゛ああ~~~冷たいっ!!」

「死ぬ死ぬっ!!」とお決まりのリアクションをしようと思いましたが……

あれ?

思ったより寒くない? 意外といける

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いや、これちょい寒いけどいけるわ!陸にいるより全然マシ!

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ちょっと沖に行ってみたり~

余裕だよ!余裕!この企画ちょろいじゃん!

それも、そのハズです。海水の温度は気温ほど下がることはありません。しかも気温に比べて約2か月遅れで下がります。

ダイブコンピューターという特別な道具で、この日の水温を計ると20.6℃ありました。小学校のプール開きが24℃からと思うと、全然いけますね!

 

しかし! 水鉄砲で遊ぶかと、立ち上がった瞬間…..

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うぎゃああ””~~~

忘れてました。
陸はめちゃくちゃ寒いことを。一瞬で現実に引き戻されます。

濡れた体を吹き付ける風は先程の10倍の威力を持っています。

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あまりの寒さに海中に避難!
寒すぎて、顔がめちゃくちゃなことに。。。

たとえ、水中の方が暖かいといえど20℃の海水は僕の体温をじわじわ奪っていきます。しかし、外に出れば容赦なく吹き付ける風がめちゃくちゃ寒い。詰んだ。これは完全に詰みました。

この”八方塞がり”の状況をで思い浮かんだのは、テレビでよく見た光景。
ダチョウ倶楽部のりゅうちゃんが、氷水に飛び込んだ後、命からがら「命の湯」に飛び込んでいた、あの光景。

それしかない。一目散になにか暖かい場所を求めて駆けるしかありません。
こんな真冬の大瀬崎の海に暖かいものなんて、あるのでしょうか。

なぜか海に入るときよりも気合いを入れ、

覚悟を決めて、いざっ!!

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寒い!寒い!さむーいっ!!

寒すぎるよ!!

 

そして…..

 

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はぁー。生き返る。
こんなところに偶然、命の湯があって良かった。本当に良かった。
この命の湯がなかったら本当の地獄を見るところでした。

ダイビングの施設では、ダイビングを終えてすぐ、冷えた体をすぐに温められるようにウエットスーツやドライスーツで入れるお風呂が用意されています。中には天然の温泉がかけ流しになっている場所もあるんだから、ダイバーって贅沢。

結論
12月の海の中は、そこまで寒くないが陸上が死ぬほど寒い。知っている人もいるかもしれませんが、海水浴は不可能です。

冬用の保温スーツを用意しよう!

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冷静に考えて冬の海に水着で入ったら、そりゃ寒いですよね。ってか危険ですよ。
※絶対にマネしないでください

でも、一般の感覚を知ることは大事でした!
確かに、海水浴しかしたことない人だったら、ダイビング用のスーツの暖かさなんて知らないですし、海水浴の寒さを想像しますよね。
誰だって冬の海に来たいと思うはずないです。

しかと理解できました。

 

でも!安心してください!
ダイビングには冬用の保温スーツがあります!

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じゃじゃーーん!!その名もドライスーツ!

このドライスーツ、なにがすごいかというと体が一切濡れないんです。服を着たまま潜れるんです
水に直接触れないので、熱の伝わる速度が遅く、冷たい水温でも潜れるんですよ!夏に使うウエットスーツより断然暖かいです!

もちろん、伊豆のダイビングショップだったら、どこでも借りることが出来ます。大体相場は3000円くらいです。

ドライスーツを着る前に中に着るインナーの服装をご紹介。

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だっ……ダサい!?

服装自体は、ユニクロのシャカシャカしたズボンにフリースといった動きやすいものを選びます。
ジャージとかも、もちろんOKですし、男性なんかは12月だったら、ヒートテック1枚で潜ってる人もいます。
寒さに応じて、中の服を調整することが出来るんです。

ダサさの根源、シャツインならぬフリースインはふざけているわけでは、ありません。

これにも、ちゃんと意味があり、ドライスーツを着た際にすそなどがまくれ上がって気持ち悪い思いをしないためにやります。

それではドライスーツを着てみましょう!IMG_4312

ドライスーツを着ちゃえばダサくはないでしょう!!

ちなみに、ドライスーツは全身スッポリすべて覆われていて、手首と首の部分だけ開いています。
この手や首の開いている部分をネオプレーンという素材で太さに合わせて締め付けることによって、水の侵入を防ぎます。

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キツそうに見えますが、締め付け自体そんにキツくないので大丈夫です。むしろ緩い場合はバンドなどで締めて更に調整します。

冬の海に潜ってみよう!

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それでは器材を背負って先ほどひどい目にあった伊豆半島、大瀬崎の海に潜ってみたいと思います!

大瀬崎は西伊豆で駿河湾の最奥に位置しており、台風が来ても潜れるくらい海況が穏やかな海です。

そのため、ダイバーになるためのライセンス講習や体験ダイビングにもピッタリ!超初心者にも安心の海です!
多くのダイバーが大瀬崎で誕生し、成長するからダイビングの聖地なんですね。

かといって侮ることなかれ、あの深海魚も出ちゃうくらいポテンシャルが非常に高く、初心者からベテランまで楽しめる最強のダイビングポイントです!

ここで今日のバディの紹介をします。
一緒に潜ってくれるのは会社の後輩の飯田くんです。

※ダイビングは不測の事態に備え、必ずバディを組み2人1組のツーマンセルで潜るというルールがあります。

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休日の朝早くに呼び出され、なかば強引に冬の海に連れて来られてるので若干テンション低めですが、きっと潜ってしまえば笑顔になってくれるでしょう!

ここまでの撮影も「寒いなぁ~」と文句を言いながら飯田君が担当してくれました。

お前は服を着てただろうが。

飯田君の着ているドライスーツが一般的にレンタルなどに多いノーマルなドライスーツです。僕が着ているドライスーツはシェルドライといって上級者ダイバーが着ていることが多いものになります。最初の水着の情けない姿を取り戻すべくカッコつけてます。

 

それでダイビングを始めます!!

まずは顔を付けた瞬間に広がる水深1mの世界。

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見て下さい!この光のカーテン
めちゃくちゃキレイじゃないですか!!

いきなり、このキレイさはテンション上がります!

こんなに透明度が良くなる(水がキレイ)になるのも冬ならではの特徴ですが、この水中に降り注ぐ光がカーテンのようになるのも冬の醍醐味です。
日差しが低く、太陽の日が横から差し込む冬にしか見れない光景です。

スイスイ気持ちよく泳いでいくと水深5mくらいでイサキの群れに遭遇

DSC_7595この魚の量には圧倒されます!!

冬は基本的には魚が減ってくる時期なのですが、そこはさすが豊かな漁場としって知られる伊豆半島なだけあります!
12月の海でも、まだまだ魚の群れには会うことが出来ます!

魚の群れはもちろん、夏の方がすごいのですが透明度が悪く群れ全体を見えず、意外と水がキレイで群れ全体が見渡せる冬の方が迫力があります

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この時点で飯田君は海の虜になり、魚の群れを追っかけています!
群れを追っかけるとイサキが滝のように逃げ、群れに動きが出て迫力が増しますね!

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ちょっと地面を見ると、こんなに大きなウツボもいました!
黄金伝説だったら確実に番組のメインを飾る格闘になっているサイズ。

ここから砂地になり今日の最大深度18mまで泳いでいくと……

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飯田君が冬の風物詩、深海魚のマトウダイを見つけます!やるじゃん!

マトウダイは冬の訪れを告げる魚としてダイバーには人気があります。普段は水深70~200mに生息していますが、水温が下がりだすと産卵のためダイビングでも見れる浅場に上がってきます。
ちなみにマトウダイの名前の由来は、体の中心にある黒い点が弓道などで使う”的”に見えたからだそうです。

そして、取材当日!!
他にも深海魚が出てしまったのです!

リュウグウノツカイの子どもが出ちゃいました!
この日はナイトダイビングが開催されるということで、取材が終わった後に潜ったら奇跡が起こりました!
本当に、何が起こるかわからないポテンシャルの高い海です!

今年は深海魚が当たり年のようで様々な深海魚が見れていますね!
よく深海魚が現れると地震が起こるなんて言われますが、実は冬の大瀬崎では深海魚がよく見られているんです。
世界初の生きたチョウチンアンコウが出たこともあるんですよ。。。

 

そろそろ帰ろうか!なんて水中で合図を取っていると、

海の宝石と呼ばれるウミウシも発見!!

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かわいい~

写真はウデフリツノザヤウミウシというウミウシです。
ダイバーの間では「ピカチュー」という愛称で親しまれています。よく見るとポケモンのピカチュウに見えてきませんか?
とってもキレイなウミウシです。

水温の下がる冬は海の宝石、ウミウシのシーズンです。
大瀬崎では様々な種類のウミウシが出てきて、キレイな海だけでなく小さな生き物たちも僕らダイバーを楽しませてくれます!

取材日にもたくさんの種類のウミウシが見れました!!

 

他にも、冬ならではの企画として水中クリスマスツリーも設置されています!

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大瀬崎の水深10ⅿには高さ4mほどのクリスマスツリーがあります。すごくない?
ダイバーの中にはサンタコスプレをしてツリーの前で記念撮影をしている人もいます。

そして、この大瀬崎のクリスマスツリー!
「世界初!水中イルミネーション!」を行っているんです!

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真っ暗な夜の海にカラフルなイルミネーションは幻想的で、まるで別世界に来たような感覚になります。
イルミネーションが点灯しているのは、12月25日までの水、土、日の夜18:00~20:00の間の時間です!
ぜひ興味ある人は行ってみてください!

他にも水中に神社もあります。

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これで初詣もバッチリですね!

ただし、写真のように先に参拝客がいる場合も多々あります。くれぐれも驚かさないようにして下さいね。
鳥居の奥にはこの神社の主の生き物の後ろ姿が見えます。

大瀬崎で黄金伝説の撮影をやったら、きっと大忙しですね。

ここまで遊ぶと1回のダイビング、大体40分が終了し陸に帰ります!

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確かに40分潜るとドライスーツを着ていても、若干寒さは感じますが、全然苦になるレベルではありません。もし寒ければ、先程の命の湯に駆け込んでも良いんです。

 

ちなみにこの記事を読んでくれている多くの方がダイビングの資格を持っていないと思いますが、
資格の必要のない体験ダイビングでも最大12mまでは潜ることが出来ます。湾内の魚の群れや神社、クリスマスツリーを見ることも出来ますよ!

※ただし、スキルによってはインストラクターの判断で10ⅿ前後の深いところまで行けない可能性はあります。

最後に

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いかがだったでしょうか?

何度も言いますが、冬こそ海に潜るべし
常夏の南国と違って様々な四季があるのも日本の魅力です。

ここで、冬のダイビングの魅力をまとめてみました。

  1. とにかく海が青くキレイ!
  2. まだまだ魚も元気にたくさんいる!
  3. 海の宝石ウミウシがたくさんいる!
  4. 深海魚が現れる!

実は海以外にも冬にダイビングをする魅力もあるんです。

1つめは、とにかく空いていること!!
伊豆への旅行というと帰りの東名や西湘バイパスの渋滞にあったことがある人もあるかもしれませんが、冬は一切ありません。ダイビングポイントにも人は少く丁寧に教えてもらうことが出来ます。

2つめは、温泉が超気持ちいい。
言わずもがな、伊豆と言えば数々の温泉地が周りにあります。日帰り入浴可能な施設も多く、ダイビングで冷えた体を温めポカポカして帰るのも最高です!!

やっぱり、冬こそ潜るしかないですよ!!
キチンとした装備を借りてダイビングをすれば、想像するほど冬の海は寒くないです!

ぜひ挑戦してみてくださいね!!
海水浴は超寒いので絶対マネしないでね!

(文・写真 :しげ)
Twitter:yuta3822
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