広島10円きっぷで絶品の日本酒と風情ある街並みを堪能してきた
広島10円きっぷとは、JR広島駅から県内10の各JR駅までの往復切符がランダムで当たるイベントです。期間限定ですがとてもお得!実際に参加し、西条にて至高の日本酒と風情ある街並みを堪能してきました。
SPOT読者のみなさん、こんにちは。広島大好きライターの田中嘉人です。
HIT広島県観光連盟主催の『広島10円きっぷ』プレスツアーにお招きいただき、広島駅までやってきました。
広島県観光連盟の話では「2021年11月20日(土)に『広島10円きっぷ』という企画の第2弾を開催するので、事前に体験レポートを書いてほしい」とのことです。
『広島10円きっぷ』とは一体何なの?
広島10円きっぷのHPより引用
『広島10円きっぷ』とは、2021年11月20日(土)8:00〜11:00に、
抽選で300名(HPより事前申し込み)にひとり1回10円でJR広島駅から県内10の各JR駅までの往復切符が当たるイベントです。
広島10円きっぷのHPより引用
そして行き先は、宮島口駅、呉駅、尾道駅といったTHE広島な観光地から、海田市駅、竹原駅、三原駅、西条駅、福山駅、三次駅、備後庄原駅。
要するに、、、
10円でランダムに広島駅からの往復きっぷが当たる!!
なんと太っ腹〜!! 広島観光というと、つい市内や宮島で満足しちゃいがち。
それはそれで魅力的だけど、自分の選択肢にない地域に足を伸ばせるのもミステリーツアー感があっておもしろそうじゃないですか。
すると、1F新幹線口のイベントスペースに明らかにエアー抽選機らしきモノを発見。抽選機のなかでポップコーンのように弾けているのが、『広島10円きっぷ』のようです。
10円払ってチャレンジしてみましょう。そりゃ!
さ、西条……? どこだ……?
えーっと、路線図によると、西条は広島市の東側、東広島市に位置しており、片道590円。往復1180円なので、早くも1170円トクしたことになりますが……!
広島駅から西条駅までは、山陽線で向かいます。山陽線は、平日の日中は15分に1本のペースで電車がありました。それにしても、西条ってどんなところなんだろう……?
※取材・撮影は三密を避けて実施。手指のアルコール除菌も徹底し、写真撮影時以外は常にマスクを着用しています。
酒づくりの町・西条の老舗酒造「賀茂鶴」を見学&試飲
山陽線に揺られること、約35分。
到着しました、東広島市の西条駅! 駅前はそこまで栄えているわけではないけれど、落ち着いていていい感じ。
電車移動の間に調べてみたのですが、西条は日本酒づくりが有名。明治、大正から昭和にかけて、酒づくりの街「酒都(しゅと)」として繁栄したそう。
兵庫の灘、京都の伏見と並んで「三大銘醸地」とよばれる酒どころだそうです。
そして見てくださいよ、この歴史と風情を感じさせる街並み。
白壁やなまこ壁、格子の戸や赤レンガの煙突など、江戸時代の宿場町の景観をベースに、明治から大正期の洋式建築も見られます。
しかもこの辺りは「西条の酒造施設群」として「日本の20世紀遺産20選」にも選定されているそう。
よく知らなかったけれど、西条駅、大当たりでは!?
西条駅の南側には、7つの酒蔵が集中している通称・西条酒蔵通りがあります。
お酒好きとしては「酒蔵を巡って歴史を学びながらハシゴ酒じゃい!」といろめきだっていたのですが……
残念ながら新型コロナウイルス感染防止のため、取材当日はほとんどの酒蔵で試飲は中止……! オーマイガー!!
※最新の酒造営業時間については、こちらのブログをご覧ください
でも、どうしても試飲を諦めきれないので、唯一有料で実施している「賀茂鶴酒造」にやってきました。
賀茂鶴酒造は、広島における酒蔵の代表格。銀座の名店、あの「すきやばし次郎」でも提供され、全国新酒鑑評会で最高位の金賞を何度も受賞しています。
賀茂鶴酒造では、2019年10月に敷地内にある酒蔵・一号蔵を改装。
試飲や商品の購入ができるだけではなく、賀茂鶴の歴史や酒造りが学べる展示スペースも併設された見学室直売所としてリニューアルオープンしました(入館料は無料)。
試飲して酔っ払ってしまう前に、展示スペースを見学してみたいと思います。
賀茂鶴では、原材料選びからこだわっているそう。
原料米は広島県北部の標高の高い地域で酒造好適米を、水も賀茂山系の伏流井水を使用。
厳選された原材料が、4人の熟練の杜氏の手によって丁寧に醸造され、深い味わいとやわらかな口当たりの日本酒へと生まれ変わっているわけです。
ああ、美味しそう……!!
さすがに我慢できなくなってきたので、念願の試飲をさせていただきます。
今回選んだのは、「3種飲み比べ」(500円)。左から「純米大吟醸 広島錦」「大吟醸 賀茂鶴 双鶴」「純米大吟醸50%広系酒33号」です。
「うまっ」
どれもすごく美味しかったのですが、個人的にヒットしたのは「純米大吟醸50%広系酒33号」。口当たりはまろやかなのですが、決して甘いわけではなく、スッキリした味わい。アクエリアスのように、すうっと体に染み渡っていきました。
正直、そこまで日本酒は得意ではなかったんだけど、これならスイスイ飲める! 美味しい!!
試飲をじっくり堪能した後は、酔い覚ましも兼ねて、特別に敷地内も見学させてもらいました。
それにしても、情緒がすごい。目隠しして連れてこられたら「え?タイムスリップした?」と錯覚しかねません。
なんと時代劇のロケ地に使用されたこともあるそうです。納得〜!
杜氏さんが打ち合わせしていました。絵になるなぁ〜!
あ、そうそう絵になるといえば……
先ほど立ち寄った見学室には、以前酒づくりで使われていた巨大な木桶や、
賀茂鶴の名が刻まれたタンクが展示されているので、撮影にピッタリ! 歴史や酒づくりを学べるだけではなく、思い出もちゃんと残せるのは嬉しいですね。お酒飲むと何かと忘れがちだから、写真におさめておきたい。
別棟では、もっとしっかり学びたい方のために賀茂鶴の酒づくりの工程を解説してくれるムービーも無料で常時上映されています(定員およそ30名・団体利用は要予約)。
そして直売所には、賀茂鶴の名を冠するありとあらゆるお酒がズラリ。定番の大吟醸酒や吟醸酒、純米大吟醸酒、純米吟醸酒から、
季節限定の「純米ひやおろし」、
同じく季節限定でフレッシュな味わいと楽しめる「純米しぼりたて」、
女性に人気の「純米酒仕込 梅酒」なども並んでいました。どれも美味しそう〜!
そして、Tシャツや手ぬぐいといった賀茂鶴グッズに加え、洋菓子店のアンデルセンとコラボして開発した「日本酒ケーキ」などのスイーツ類も充実! いや〜お土産にも困らないね!
ちなみに、先ほど試飲した「純米大吟醸50%広系酒33号」のように直売所とオンラインストアでしか購入できない限定商品もあります。
僕は日本酒の瓶は重いし、割れたら困るので、オンラインストアで購入しました!
気がついたら、すっかりほろ酔い気分も抜けて、大満足の酒蔵見学となりました。いや〜楽しかった!!
終わりに 〜西条酒蔵通りより愛を込めて〜
正直、最初は全く選択肢になかった西条ですが、実際に足を運んでみると歴史と文化が色濃く残る素敵な町だということがよくわかりました。そして何よりお酒が美味しいんだ。
特に西条の場合、お酒が好きな方はもちろん、街全体が撮影スポットのような雰囲気なので写真が好きな方も楽しいと思います。
駅前には東横インやルートインといったビジネスホテルもあるので、広島市内に戻らずにゆっくり過ごすこともできます。
個人的に魅力的だったのは、駅前に出店していた広島県民のソウルフード「むすびのむさし」。
広島のおにぎりとうどんを提供するチェーン店です。
イートインで出来立てを味わってきました。これがうまいのなんの……! 以前食べたお弁当も美味しかったけれど、やっぱり出来立ては格別でした。おむすびはふっくら、唐揚げはサクサク。あ〜、また食べたい。
そして広島に行ったら必ず食べたいお好み焼き。ボリュームの割にキャベツたっぷりだから、あまり重く感じることなくペロリと食べられるんですよね〜。
西条駅近くにもいくつかお好み焼きの店はあったのですが、僕は山陽線で広島方面へ二駅戻った八本松駅近くの「さかい」へ。
山陽線の車窓からたまたま見えて、雰囲気が良さそうだったので立ち寄ったのですが、これが大ホームラン。最高に美味しかったです。
※『広島10円きっぷ』では途中下車はできません。ご注意ください。
そして再び山陽線に揺られ、広島駅まで戻ってきました。
全く知らない土地へ事前知識もないままあえて行く。行き当たりばったりではありますが、想像以上に楽しいです。宮島口駅、呉駅、尾道駅はもちろん、海田市駅、竹原駅、三原駅、福山駅、三次駅、備後庄原駅などの土地勘のない場所でも、行ったら行ったで楽しいことが見つかるような気がしてなりません。
そうそう、もし土地勘のない場所が当たったとしても広島10円きっぷの封筒裏面にあるコードを読み取れば、各地のモデルコースが記載されているページにアクセスできます。行き当たりばったりが不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。
自分の知らない土地に連れて行ってくれる『広島10円きっぷ』、繰り返しになりますが、次回の開催は2021年11月20日(土)です。ぜひ活用してみてください。というわけで、僕はマツダスタジアムを堪能してから、東京に帰ろうと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました! じゃあの!
「広島10円きっぷ」開催概要
開催日時:2021年11月20日(土)8:00〜11:00
場所:JR広島駅構内(1階新幹線口イベントスペース)
参加費:1人1回10円
参加方法:事前申込により受付(抽選300名限定)
▼詳しくは公式サイトをチェック
https://www.hiroshima-kankou.com/mitaiken/10ticket/
(おわり)