みなさん、この写真なんだと思いますか?
ただのジェットコースターの写真に見えるでしょうか。
いいえ、この写真は「ジェットコースター点検用のレールの上を、ハーネスつけて歩いていく」という新アトラクションを体験しているときの写真です。
ということで、富士急ハイランドがまた進化しました。
今回、富士急ハイランドさんにメディア向けのプレスツアーにご招待いただき、
2021年7月21日にオープンする
- FUJIYAMA タワー(FUJIYAMA スカイデッキ & FUJIYAMA ウォーク)
- 戦慄迷宮〜慈急総合病院〜(リニューアル)
- お仕おき檻覧車
という3つのアトラクションを一足早く体験させていただいたので、その様子をお届けしていきます!
先にざっくり紹介すると、
こちらが冒頭の写真の新アトラクション「FUJIYAMA ウォーク」、ここで死を覚悟し、
「FUJIYAMA スカイデッキ」でマスコットキャラクターに癒され、
「お仕おき檻閲車」に収監されると同時に自分の中の大いなる変化に気づき、
「戦慄迷宮」で天井からブラ下がっている少女との出会いをしてきました。
取材、一人で。
この記事さえ読んでおけば、2021年夏の富士急ハイランド予習は完了です。
それでは、早速ご紹介します!
目次
ホンマにアカンやつ「FUJIYAMA タワー」
FUJIYAMA タワーは、本来ジェットコースター「FUJIYAMA」をスムーズに点検するために建てられた施設です。今回はそれを一般向けに調節し、開放したとのこと。
あっ、これアカンやつ。
上に登って「思ってたより高え〜」となることはありましたが、下から見ている時点でそのヤバさがわかるのは初めてです。
さらに、よく目を凝らしてみると……
アレやんの?
とは思いつつも、SPOTを代表して来ている以上、他のメディア関係者に舐められるわけにはいきません。スタッフさんに「いや〜、結構高いっすね〜」とうそぶきながら平常心を保ちます。
消毒と検温をすませ、チケットカウンターに向かいます。
真下から見るとRPGのラスボス感(第二形態あたり)が半端ない。勇者どこよ。
エレベーターに乗る前に、ロッカーで荷物を預けます。
エレベーターに乗って扉を開けると……
まず新しく誕生した絶景スポット「FUJIYAMA スカイデッキ」に到着します。
思わず両手を広げて「いい風だあ〜」とか恥ずかしいこと言ってしまいそうな開放感があります。
撮影スタッフさんがいるので「FUJIYAMA」のオブジェの前で記念写真(有料。下のチケットカウンターで購入)を撮ってもらうことも可能です。
肝心の富士山はちょうどピンポイントで雲かぶり。
簡単に見えたら、面白くないですもんね。人生の厳しさを思い知らされます。
FUJIYAMA スカイデッキでは、富士山以外にも目の前でジェットコースターを見ることができます。
この日来ていた「富士の国やまなし観光キャラバン隊長 武田菱丸くん」とツーショット。
「マジできつい仕事の世界ランキングトップ3」に入るであろう真夏の着ぐるみの中の人、ただただ頭が下がります。菱丸くん、水分補給はこまめにね!
スカイデッキをひと通り堪能したところで、「FUJIYAMA ウォーク」へ向かいます。
本来であれば、ここでスマートフォンを含むすべての荷物を預ける必要がありますが、今回は特別に許可をいただきガムテープで腕にスマホを固定して撮影させていただきました。
装着完了。
HOT LIMITのT.M.Revolution感が強い。YO!SAY!
ちなみに服装はパンツスタイルでスニーカー必須です。スカートだとこのハーネスが装着できないですし、ヒールやサンダルだと途中で脱げて落下する恐れがあるからです。
前の人が、ゲートの外へ吸い込まれていきます。どうぞご無事で。
いざ、参る。
おいおいおいおい詰んだわ俺
カイジ過ぎるやろ。利根川さんどこで見てんの?
スタッフさんに助けを求めようと後ろを振り返ると……
ダメだわ。
完全に過去の人にされてる。いつの間にか人権剥奪されてた。「私たちは、限りある失望を受け入れなければならない。しかし無限なる希望を失ってはならない」。キング牧師の言葉がくじけそうな僕を支えてくれます。
……ん?
隙間できてる。
ほんで進むにつれて隙間大きなってる。
ツアー開始前の説明会で富士急株式会社の社長さんが「私は怖いのは嫌なのでFUJIYAMA スカイウォークはやってません。息子にやらせました」と言っていた意味がわかりました(ちなみに息子さんはさわやかに「怖かった」と言っていたそうです。そらそうやろ)。
これやで?
これやで??
狂人の所業。もはや言葉は意味をなさない世界。力ある者だけが生き残る、ただそれだけの話。
しかし、しばらく進むと隙間は無くなりました。僕は、人としての権利を勝ち取れたようです。ありがとう、キング牧師。
冷静になってみると、この景色写真におさめられる機会ってそうそう無いよな、と感慨にふけっていると……
やったな富士急。
今までで一番大きい隙間。一瞬でも信じていた僕が馬鹿でした。
細くなるパターンもあんのかい。
ここまできたら逆に清々さすら覚える。
最後はスタッフさんが満面の笑みでお出迎え。めちゃくちゃサイコに見えました。
いやー、人生で一番怖かった。西日本で一番高いバンジージャンプ飛んだときよりも遥かに怖かった。写真の7億倍は怖い。ホントに。特に突然の隙間出現はエグい。人の心があったらあんなことできへん。富士急スタッフの中には鬼がいます。確実に。
ちなみに、僕は完全に見落としていたんですが、ルートの後半でQRコードをかざして写真撮影をできるスポットがあったそうです。
FUJIYAMA スカイデッキとFUJIYAMA ウォークで撮影したデータと写真は、下のカウンターで購入可能です。
正直、これだけでも富士急ハイランドに行く価値はある。
本心からそう思います。ジェットコースターやバンジーのスリルに飽きた方、ぜひFUJIYAMA ウォークに挑戦してみてください。鬼がいます。
<利用料金>
「FUJIYAMA スカイデッキ」フリーパス利用可。
・ハイシーズン…大人1,400円、中高生1,200円、小学生1,000円、1〜5歳900円
・レギュラーシーズン…大人1,200円、中高生1,000円、小学生800円、1〜5歳700円
・オフシーズン…大人1,000円、中高生800円、小学生600円、1〜5歳500円「FUJIYAMA ウォーク」フリーパスは半額、身長制限140cm以上
・ハイシーズン…1,400円
・レギュラーシーズン…1,200円
・オフシーズン…1,000円
お化け屋敷ではビビらない人にこそ行ってほしい「戦慄迷宮」
FUJIYAMA ウォークで命のやり取りを体験したあとは「戦慄迷宮 〜慈急総合病院〜」へ。
戦慄迷宮は2003年の開業以来17回(!)にもおよぶリニューアルを繰り返し、のべ約480万人の体験者を絶叫させてきた富士急ハイランドの名物アトラクション。
事前に配布された資料には、
「心の底から湧き上がってくるような“本質的な恐怖”」
「極限の恐怖に陥れました」
「トラウマを残したくない方のご入館はご遠慮ください」
等々、自信に満ち満ちた文言の数々が。
ただ、僕はお化けや幽霊の類は一切信じておらず、「ホラー映画より歌舞伎街のガンギまった輩の方が絶対怖いやろ」と思っているタイプなので「ぶっちゃけ書けることないかも……」と思っていました。
まあ、うだうだ言っても仕方がないので、何も考えず突撃です。一人で。
昼間だからか、恐怖はまったく感じません。
おっ、ちょっと雰囲気出てきたかも。
入口で白衣を着たスタッフに診察券を渡されます。使い道はこの記事を書いている今になってもよくわかっていません。
入口から中に進むと、シアターのある待合所で「注意事項」の映像が流れます。
ここまで読んで「お化け屋敷にしては結構明るくない?」と思った読者の方、実はこれiPhoneのナイトモードで撮影しているので明るく見えているだけです。
実際、肉眼では……
こんな感じで見えてます。
ほぼ真っ暗闇です。同じ場所の写真とは思えない。iPhoneスゲーな。
天井からしっかりぶら下がっておられましたが、「あー、ぶら下がってる」くらいの感想しか出てきませんでした。本質的恐怖とはこの程度なのでしょうか?(煽)先行き不安です。
途中で恐怖に耐えられなくなった人は「リタイヤ専用の扉」から外へ出られます。良心的!
さて、注意事項の説明が終わって、ここからコース本番!
……なんですが、「ネタバレ防止のため撮影禁止」のため、僕の感想からどういった内容か想像をふくらませてみてください。
以下、感想。
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はいはいはい、そーゆーパターンね。てかめっちゃかわいいやん歯並び超キレイやし。まー、さすがにこれじゃあビビらせるのは難しいんじゃない?うーん、展開がテンプレというか……いや音エグっ!てかケツてかケツケツケツ!直はアカンて直は!和室の圧なんなん?いやいやいや動くな!こっちくんな!じっとしとけ!!さすがにやりすぎそれは。えっ、おるやん、めっちゃおるやん、ほんでアレやろ?くるんやろ?くるんやろ??絶対来るパターンやんこれ。こんのかーーい!人力はアカンて意思もったらもう無理やてそれは。布団こっわ。
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以上です。
これだけだと読んでもまったく意味不明ですが、実際に体験したあとに読むと「あー、そういうことだったのね!」と思ってもらえるはず、です!
視覚的な恐怖は全然大丈夫だったんですが、聴覚や触覚に来られると無理でしたね。かなりしっかり目にビビりました。
どれくらいビビっていたかというと、途中パニックになって渡されたペンライトを全然違う場所に返却してしまい、そのまま暗闇の中コースを逆走し他の内覧者とバチバチにかちあったくらいです。てかそれが一番怖かったかも。意味もわからず「ヨイショー!」とか言ってましたから。
出口の前には神棚があり、なぜかホッとしてしまいました。
出口横の売店は、一見寂れていますが……
中はめちゃくちゃキレイです。爽やかだなー。
コースの途中に自動で写真を撮られるスポットがあり、売店ではその写真を購入できます。
ちなみに自分の写真を確認してみると、
アホ面下げてマスク直してました。
おそらくこのときはまだ全然余裕だったみたいですね。
いやー、お化け屋敷なめてました!
おそらく戦慄迷宮は老若男女、誰が行ってもそこそこビビると思います。おすすめです。
「戦慄迷宮〜慈急総合病院〜」
・所要時間:約50分
・利用制限:小学生以上。小学生は中学生以上の同伴必須
・利用料金(※時期により料金変動有り)
フリーパス所持…4,000円/1組4名、3,000円1組3名まで
フリーパス未所持…8,000円/1組4名まで
新たなる気づき「お仕おき檻覧車」
そして、富士急ハイランドエリア最後の新アトラクションは「お仕おき檻覧車」です。
「空飛ぶ牢屋」がコンセプトのお仕おき檻覧車は、観覧車の全32基のうち2基をステレンス網の牢屋風に変更したアトラクションとなっています。
入口は普通の観覧車と一緒ですが、並ぶ列が異なります。
ロッカーに荷物を預けて待っていると、
牢屋到着。
収監完了。
「外の世界はあんなに楽しそうなに……。どうしてアタシはこんな目に遭わなきゃいけないの?ねえ、聞いてるの?ランスロット」
という、窓によく来る鳥に名前つけて話しかけるくらいしかやることがない敵国に囚われたの人質の姫君(勝気な性格)みたいな気分になれます。ちなみにこのあと主人公が助けに来ます。主人公との初対面での第一声は「アンタ誰よ?」です。
「タケシも今年から小学校か……。あのときはまだよちよち歩きだったのになあ。なんで俺はあんなことをしちまったんだ……」
という、銀行員時代に起こした横領事件での逮捕をきっかけに奥さんから見捨てられ、子どもにも何年も会えてない模範囚の受刑者のような気分にもなれます。ちなみにこのあとボーッとしているところを刑務官に見つかり注意されます。部屋に帰ったあと奥さんに向けた手紙を書き始めますが、いつも通り手紙は返ってきません。
心なしか、ライトも牢屋使用のような……。
そして、乗ってからしばらく経ったときのこと、僕は自分の中に大きな違和感が芽生えていることに気づいてしまいました。
……あれ?
全然怖くねえぞ?
そうなんです。これまで観覧車に乗ったときは、必ず「高え〜!怖ええ〜!」といった恐怖感があったんですが、今回はそれがまったくない。
僕の中で一体何が変わったのか?
曖昧な記憶を辿ってみると……、
そらそうなりますわな。
FUJIYAMA ウォークを経験した僕は、知らぬ間に生き物としてのたくましさを増していたようです。「お仕おき檻覧車って、めっちゃ守られてる感あるな」と思うほどでした。
恐るべし、FUJIYAMA ウォーク。あとからも効いてくるとは。
そんなこんなで一周が終わりました。
スタッフさんから、
「723番、出ろ。面会だ」
と言われたような、言われてないような。
「お仕おき檻覧車」
・所要時間:約11分
・利用制限:未就学のお子さまは中学生以上の同伴必須
・利用料金:800円 ※フリーパス利用可
夏季限定スポットオープン!「富士山パノラマロープウェイ」
ここからは、富士急ハイランド周辺の旬の観光地もご紹介してきます。
まずは「河口湖 富士山パノラマロープウェイ」です。
富士急ハイランドとは打って変わって、ゆったりと自然を楽しめるロープウェイでは、2021年7月17日(土)より夏季限定で「風鈴小径」がオープン。
果たして、富士急ハイランドで荒んだ(?)僕の心を癒してくれるのでしょうか……。
早速、煌びやかなロープウェイにライドン。
山頂に着くと、休憩所「たぬき茶屋」が姿をあらわします。その左手にあるのが展望台へと続く階段です。
階段を登っていくと……
信玄 is 鎮座。
武田家の家紋と風林火山の旗が風になびいています。
塀から身を乗り出すと、
絶景。そしてまたしても雲。
本当に雲さえ無ければ……!
展望台から降り、さらに上に登っていきます。
結構足場が悪いのでスニーカーが無難です。
しばらく進むと見えてくるのが、夏季限定の「風鈴小径」です。
夏、来てたわ。
風鈴を見たのおそらく数年ぶりでしたが、やっぱり情緒のあるものっていいですね。失いかけていた侘び寂びの精神をほんのり思い出しました。
さて、そこからさらに進むと、
「絶景やぐら」が登場。
やぐらの先に見えるのは……
絶景。そしてやはり雲。
これは天下統一した気になりますわ。
やぐらなので敵の襲来を知らせる「ドラ」もありました。戦国時代と言えば、ドラとホラ貝。
ここからは、疲れた体をたぬき茶屋で癒やす作業に入ります。
うさぎ団子めっっちゃ旨かったです。あと桃ジュースはとろっとろで「果汁そのまま生搾りでっせ感」がすごかった。
富士急ハイランドで摩耗した僕の心は、大自然によって少しずつ回復しました。
ちなみ、ロープウェイを使わず徒歩で登山するルートもあるようです。
「河口湖 富士山パノラマロープウェイ」
・営業時間:平日9:30〜16:00(下り最終16:20)、土日祝9:30〜17:00(下り最終17:20)
・利用料金:大人(往復)900円、小人(往復)450円
・その他:お得なセット券などの詳しい情報はこちらから
今なら忍者ショーが見れる?河口湖遊覧船「天晴」
この記事の締めとなるのは、遊覧船「天晴」による河口湖の遊覧です。
天晴では、2021年7月〜8月にかけて一部運行で忍者パフォーマンス集団「雷凮刃(らいふうじん)」による本格水上忍者ショーを開催中。
この日はちょうどショーの日だったので、忍者パフォーマンスも観覧させていただきました。
遊覧船「天晴」は、戦国最強といわれた「甲斐武田軍」をルーツとする「赤備え」の甲冑をイメージした、華やかかつ勇ましいデザインとなっています。
シンプルにかっこいい。
参加者が全員乗り込んだことを確認すると、忍者パフォーマンスが開始されます!
敵を倒しおわったら、いざ出港!
途中から登場した一番弟子のサクラさん。
他の人の名前はまったく覚えていませんが、サクラさんだけはなぜか覚えてました。常に全力のその姿はディズニーのキャストを彷彿とさせます。サクラ単推し同担拒否!
そのほか、遊覧中は「山で合目という単位を使ったのは富士山が初めて。一説によると、山登りを一升と例えて合目を用いた。ちなみにそれぞれの距離は均等ではない」などの豆知識を教えてくれます。
この日はたくさん山からの絶景を拝んできましたが……、
湖もええがな。
逆光も味やがな。
個人的には山からの景色より好きです。自然、いい。
そうこうしていると、敵が2回目の登場。
「河口湖遊覧船 天晴」
・営業時間:通常9:00〜16:30、GW・夏期(7月中旬〜8月)9:00〜17:30、冬季(11月下旬〜3月下旬)9:30〜16:00
・所要時間:約20分
・利用料金:大人1,000円、小人(小学生)500円
・その他:詳しい情報はこちらから「日本初本格水上忍者ショー」
・開催日:2021年7月31日(土)、8月1日(日)、8月8日(日)、8月9日(月)
・開催時間:11:20、13:20、14:20 ※事前予約可能
・所要時間:30分
・利用料金:大人1,000円、小人500円(※遊覧船の乗船料とは別途に必要)
まとめ
「FUJIYAMA ウォーク」と「戦慄迷宮」は絶対に行くべし。そして服装はパンツスタイルでスニーカー必須。怖いけど。
FJIYAMAウォークと戦慄迷宮のない富士急ハイランドは、ニンニク抜きのラーメン二郎のようなもの。
この2 つを体験せずに、富士急ハイランドを語るかなれ。自分の目と耳と体で、狂人の所業を思う存分ご堪能ください。
また、今回は紹介しきれませんでしたが、FUJIYAMA タワー開業にあわせスペシャルデザートも各店舗で発売されています。この機会に、ぜひぜひご賞味ください。
それでは、最高の富士急ライフを!
【おまけ】
富士急ハイランド全体のアトラクションやスポットの魅力を広報さんに取材した記事も公開中です!もし良よければこちらからどうぞ!