【初詣ベビーカー論争】ベビーカーについて良く知らないから、押しながら都内を歩いてみた
2017年が始まってすぐ、世間を騒がせていた「ベビーカー 初詣騒動」。しかしよくよく考えてみると、男性しかも独身の私は「ベビーカー」について詳しく知りません。ということで、ベビーカーと一緒に都内を歩いてみて、実際のメリット・デメリットを確かめてみました。
スマホ及びパソコンの前のみなさま。
はじめまして、長橋と申します。27歳、独身です。
さてみなさんは、新年早々、ネット上で大論争に発展した“とある騒動”をご存知でしょうか?
初詣「ベビーカー自粛」要請で大騒ぎ 「差別」批判へ寺側の意外な言い分 / J-CASTニュース
要約すると、初詣に「ベビーカー自粛」を呼びかける神社が現れ、Twiterを中心にネット上で激しい批判が巻き起こったものの、その後神社側は元々「ベビーカー優遇措置」をとっていたのに、参拝客のモラルに欠ける行動などやむにやまれぬ事情で自粛を呼びかけていた事が判明した、というような流れです。
「混雑時のベビーカーは自粛すべきだ」という意見を耳にするたび、車椅子も同じように思われているのだろうと肩身の狭さを感じる。不寛容な社会になればなるほど、「生きづらさ」を感じる人が多くなっていく。誰かを排除することは、「次に排除されるのは自分かもしれない」というリスクと表裏一体。 https://t.co/F3oYYpOomA
— 乙武 洋匡 (@h_ototake) 2017年1月4日
最近復帰した乙武さんも参戦。
正月休み、実家に帰らず自宅でテレビ漬けの日々を送っていた私の元にも、このニュースは舞い込んできました。
1年以上放置しているTwitterを久しぶりに起動させ、「よっしゃ!僕もなんか一言モノ申したろ!」くらいに思った矢先、ふとこう思ったのです。
「あれ、オレ、ベビーカーのこと、正直よく知らないな……」って。
大人になったら誰でも結婚して、子供を育てて、緩やかな老後を迎える。そう思っていた時期が私にもありました。しかし、そう簡単に人生はうまくいかないもの。
さまざまな壁にぶち当たりすぎて、結婚どころか恋人もできる気配のないまま30代に突入する勢いの独身男性の私は、ベビーカーについて1mmも知らないまま、この2017年を迎えているのです。(26歳で結婚すると思っていたのに)
そんな私の夢が詰まっているベビーカーですが、現実のところ、騒動で飛び交っていた“街の使用”において、どんな危険・便利・不便さがあるのでしょうか。
ということで、実際にベビーカーを押しながら都内を歩いて、検証してみることにしました。
東京の玄関口からスタートです
とは言え、ベビーカーを利用するのはママも多いはず。
男性の私がベビーカーを使った所で「女性は力が無いんだからもっと大変!」と怒る人もいるかもしれません。
でもご安心下さい。私・長橋は、身長180cm、体重は52kg。簡単に言うと、虚弱体質のモヤシっ子です。
筋肉なんて、“無”に等しい。
「この記事を書いているライターは、一般の女性よりも筋力がない」という前提をぜひ覚えておいてください。
そんな私と、本日都内を共に散歩をするパートナー。
こちら、一般的なベビーカーです。
一般的といえども、こんな風に、簡単に開閉ができる優れもの。
とはいえ、ただベビーカーと一緒に散歩をするだけでは、リアルな検証はできません。
ということで……
10kg(生後1年くらいの赤ちゃんの重さ)のお米を入れます。
本日は、この可愛いお米ちゃんと共に、都内をお散歩してこようかと思います。
ちなみに今回は、実際の赤ちゃんがいる想定で都内を散歩するため、赤ちゃんがいる知り合いに「お出かけする際に持っていくもの」をあらかじめ聞いておき、それらを持ってきました。
この他にも、使用済みのオムツなどを入れるビニール袋や、母子手帳、保険証、おもちゃなどをセットで入れるとのこと。
それらを全てリュックに入れます。リュックを選ぶ理由は、単純に両手が空くから。
それでは出発したいと思います。
電車に乗り込もう
まずは、騒動の論点となった“初詣”をしに浅草まで行ってこようと思います。
ということで、電車に乗って移動することに。
しかし出発した矢先、つまずいてしまいました。
トラップその1:階段がマジで怖い
なんということでしょう。第一のトラップ、「階段」が現れてしまったのです。
前述の通り、虚弱体質な私にとって、米10kg(赤ちゃん)&ベビーカーを抱えて階段を降りるのはかなりしんどい。
赤ちゃんがいる家庭の方は、毎日のようにこんな辛い“筋トレ”をしていたのかと思うとゾッとします。
そして、万が一転んだら、大変なことになる……。
こいつぁ責任重大だぜ……!
そんな時に役立つのは、エレベーター。
しかし、どこにでもエレベーターはあるわけではないのです。
近くをグルッと回って数分。探す時間もかかってしまい、けっこう大変です。
駅構内に入っても割と階段だけの箇所が多く、エレベーターのありがたみに気付いた、27歳の冬でした。
普段、「駅のどこにエレベーターがあるか」なんてそんなに考えないもんな……。
ちなみに、例の騒動で「ベビーカーを使わず“抱っこ”(抱っこ紐)をすればいいのでは?」
という意見が出ていたようですが、抱えて歩くのに10kgはマジで重いです。
しかも動かないお米と違って実際の赤ちゃんは動くし、泣くしで尚更辛そう。
電車の出発時間に間に合わないからって、走ることもできません。
もうこの時点で、子育て世帯の苦労が身に沁みます。
ちなみに、浅草駅(銀座線)のホームには、エレベーターはありませんでした。悲しい。
浅草にやってきました
やっとのことで浅草に到着。
ただ、写真を見ていただければお分かりの通り、人混みがすごい!
撮影日は1月9日(月)。
「お正月+成人式=絶対混んでいる」という方程式が当たりました。
トラップその2:人混みはマジで怖い
人にぶつからないか、人に押されて倒れ込んで来る大人は居ないか、などなど、
普段経験しないような「警戒心」ががっつり生まれます。
周囲に警戒しつつも、ひとまず、浅草寺を目指します。
混んでいるといえども、できるだけ歩道の端を歩くようにし、歩行者の邪魔にならないようにすれば、割とスムーズに歩ける。
ただ実際に歩いて気づいたのですが、ベビーカーのタイヤが歩行者の足に当たりそうになってしまいます。(全く悪気はないのに)
これにより、下も見ないといけないし、前も見ないといけないし、赤ちゃんも見ないといけない。こいつぁ超大変だ!
途中で浅草名物の「あげまんじゅう」を買い、ひと休み。
(食べ歩きは危険!)
浅草寺に到着。
と、思ったら、ここでも階段が。
よっこらせっと、登ります。
後ろを見ると、人混みがすごかったことがわかりますね。
それゆえに、人混みに押されて大人がベビーカーに倒れ込んで来るかもしれないし、この時期はインフルエンザウイルスなどが飛び交っている可能性もありますし、ベビーカーのみならず、赤ちゃんを連れてくること自体が少し危険かもしれない。
また、今回は米だったのでよかったのですが、実際の赤ちゃんは“泣く”“グズる”という動作が入ります。
想像してみただけで、大変そう……。
無事初詣を済ませます。(実際は今年三回目ですが)
真正面から突入はやはり難しそうなので、横からお賽銭を投入。
おむつ交換タイム
さて、私たち人間は、トイレで用を足したくなりますよね。
それは赤ちゃんだって同じこと。要するに、米だって同じです。
ということで、おむつ交換タイムがやってきました。
浅草寺の野外トイレには、男性用トイレにもおむつ交換台(車椅子用トイレと併用)があり、パパもひと安心。
ちなみに生後10ヶ月〜1年くらいになり、物事の好き嫌いの意思が出る時期になると、イヤイヤ!とグズっておむつ交換が大変になるんだそうです。知らなかった。
無事おむつ交換を完了して、赤ちゃんも私もスッキリハッピー。
浅草から場所を変えてみましょう。
お台場へやってきました
ゆりかもめに乗って、お台場にやってきました。
休日のお台場。東京の観光地の代名詞……のはずなのですが、意外にもガラガラでした。
あたりを見渡すと外国の方ばかりで、なぜか日本人がいません。(本当になぜ?)
ちなみにお台場はショッピングモールが多数あるため、その分駐車場の数も増えます。
もし赤ちゃんと一緒にお台場に来るなら、電車を使わず車で来た方が良さそう。
人がいないお台場では、ベビーカーでの移動もスムーズ。
フジテレビの前に行ったり…
ガンダムと一緒に写真を撮ったりしました。
ちなみにこのお台場ガンダム、2017年3月5日を最終日に撤去作業に入るそうなので、見たい方は今のうちにGO!
ごはんのじかん
さて、そろそろお腹が空く時間。一緒に散歩をした赤ちゃんもお腹が空いたかと思われます。
ということで、ショッピングモールに移動をし、ごはんを食べることに。
トラップその3:ごはんが大変!
美味しいラーメンを早く食べたい!
でもその前に、赤ちゃんの機嫌をとらなきゃなりません。
いつだってお母さんは大変なのです。
用意してきたミルクを飲ませましょう。
出来上がったミルクを…
飲ませます。
美味しそうに飲んでいますね。
ミルクをこぼしてしまったので、服も着替えさせました。
さいごに海岸へ
さて、お台場といえば海。
海岸へ移動してきました。
ちょうどよく、夕日が綺麗。
ここにもあまり人がおらず、なおかつベビーカーに優しいスロープで海岸に行けるため、気軽に立ち寄ることが出来そうです。
赤ちゃんとの思い出にちょうどいいかも。
海の方に行ってみることにします。
トラップその4:未舗装の道
どうやら、ベビーカーは砂浜に弱いそうです。
この他にも、砂利道や狭い道(駅の改札)、小さな段差など、ベビーカーの弱点は多数あります。
都内は意外にも段差が多く、赤ちゃんにとって衝撃はよくない(首がすわっていないときは尚更)ので、要注意。
普段歩いてるとそんな事は全然気にならないんだけどな~~。
まとめ:ベビーカーを押しながら都内を歩いてみて判ったこと
半日をかけ、都内をベビーカーと一緒に散歩をしてきましたが、いくつか判ったことがありました。
■人混みに連れて行くのは、やっぱり大変。
今回訪れた初詣のお寺、「浅草寺」。
やはり当初の予想どおり、とても混み合っておりました。
実際に行ってみて感じたのですが、赤ちゃんを人混みに連れて行くのはベビーカー云々ではなく、そもそも危険であるということ。
前述したようなインフルエンザウイルスの感染や、歩行者にぶつかってのケガ、夏であれば熱中症など、さまざまな危険がつきものです。
一緒に初詣に行くとしても、混む時間帯を避けたり、それほど混まない地元の神社を巡るなど、自衛のために工夫をしてみると良いかもしれません。
■ベビーカーを押しながらお出かけをするのは、体がツラい。
これは私が痩せ体質なせいなのかもしれませんが、一般的な女性と同じくらいの力と考えても、相当なエネルギーを使うと思われます。
赤ちゃん(約10kg)+バッグ(約1kg)+ベビーカー(約4kg)=合計15kgを、何時間も移動させなければならないと思えば、想像がつくでしょうか。
そりゃあ、世の中のお母さん、強くなるわ……って感じです。
■でもベビーカーで移動するのがなんだかんだ言って楽チン
その上でベビーカーに乗せるのではなく、例えば抱っこしたり腕で抱えて何時間も歩くのは絶対しんどいです。
この事を考えるとベビーカーを気兼ねなく使えるような社会であるべきだな、と思いました。
ベビーカーを使ってもしんどいのに、その上で他人の目を気にしなければいけないのはあまり良い風潮では無い気がします。
■普通に生活していると気づかない不便さに気づく
なかなかエレベーターが見つからなかったり、ちょっとした段差やガタガタした道など、
普段なら気づかずにスルーしてしまうような不便さが街中にはたくさんある事がわかりました。
いやほんと、子育てって大変ですね……。
さまざまな発見があった、今回のお散歩。
この記事を参考に、皆さんも実際にベビーカーと一緒に(米も一緒に)、都内を回ってみてはいかがでしょうか。
カップルに笑われながら写真を撮られるので、オススメはしませんが。
(撮影に使用した米は、スタッフが美味しくいただく予定です)
ライター : 長橋 諒 (@nagahashiryo)