【中目黒~広尾】「フォトジェニック」は足で探す! Instagram的街歩きのススメ
Instagramに投稿する写真はどうやって撮ればおしゃれに見えるのか。街に出て試してみました。
Instagramを本気でやってみようと思いました。
Instagram(通称インスタ)とは無料の画像共有、そして画像編集ができるアプリケーションソフトウェア。
撮った写真がおしゃれに演出できること、画像で他の人とコミュニケーションできるということで人気になっています。
いや、正確に言うと5年くらい前からやっているのですが。
インスタの醍醐味は被写体にあったフォトジェニックな加工だと思います。それなのに私が始めたばかりのころの投稿といえば……。、こんな感じでした。
だせえ。
「果たして被写体に合っているのか?」というごりごりのフィルターにごりごりのフレーム、余計なボカシ、荒すぎる画像解像度。そしてタグを使わない投稿。……タグをつけない人もいるけど、他の人に見せたいという気持ちがあるのならタグつけなくちゃ! 初心者にありがちなミスをこれでもかってくらい犯している。
これはダサい……被写体は川崎の工場地帯なんだけど、工場地帯が泣いているぞ。
今はその頃よりかはよくなってるのではと思いたいのですが、気が付くと今度は神社仏閣や御朱印だらけの渋いアカウントになっていたりします。どうせインスタをやるなら今よりもっとおしゃれな写真が撮りたいし、あと「いいね」が欲しい~~!
そんなわけで、まずはインスタを使いこなす美容師さんにコツを聞いてみることにしました。
目次
インスタで着実にお店のファンを増やすプロ
代官山にあるWHEREという美容室。アカウントには1万以上のフォロワーがいます。
こちらの美容室はインスタ上で、素敵なヘアスタイルなどの写真を毎日投稿しています。それを見たお客さんから「自分もしてほしい」と声がかかり、予約につながることも多々あるとか。
いいねの数はひとつの投稿につき250前後と、フォロワー数に比べてしまうと少ないかもという印象を受けるかもしれませんが、使っているタグはほぼお店の名前の「#WHERE」のみ。つまり、純粋にお店自体のファンがいいねをしているということになるのです。すごい……!
写真を上げているオーナーさん(10年来の知人)にインスタのコツを聞いてみた。
ちぷたそ「あのう……すっごい変なこといきなり聞きますけど……インスタでいいねがつきやすいコツとかフォロワーを増やすコツとかってあるのでしょうか……」
WHEREオーナー のぶさん「なんだろう……あまり増やそうと思ってやってることではないから、難しいな。でも、世の中の流行り感と世界観のバランス感な気がする」
ちぷたそ「(うわ……いきなり難しい)世の中の流行りに乗りつつ、自分の世界観を確立するバランスってことですか……?」
WHEREオーナーのぶさん「世の中の流行りに乗るか、世の中の流行に乗らないで自分の世界感を出すかかな。後者の方がフォロワーを増やすのは難しいと思うけど、強さはあると思う」
ちぷたそ「なるほど」
インスタは生まれ持ったセンスなのか……。コツなんかないのか……? じゃあ、生まれつきインスタのセンスがないとすると、インスタでおしゃれな写真を撮るっていうのは難しいのだろうか……?
私のようにセンスに自信がない人間でも、インスタでおしゃれな写真を撮るコツがあるはずだと信じて、実際に街に出て模索することにしました。
12:00 中目黒
「おしゃれな街だしなんとかなるだろう(たぶん)」という安直な気持ちを抱いて中目黒に来ました。
SNSではインスタが一番好きという友人の@___miu.sさん(以下miuさん)に同行してもらいました。
インスタを支持する理由は「画像一枚で情報が分かりやすいから」だそう。彼女の投稿の平均いいねは80ぐらい。
今回はそんな彼女と一緒におしゃれな写真を探し求めます。
最初miuさんが行きたかったという、写真映えしそうなサンドイッチ屋さんに向かいましたが、まさかの定休日というトラブルに見舞われました。
miuさんの写真。こんな時も、お店の外観がおしゃれなので一応写真は撮っておきます。
さて、これからどうしようか……。
そんなときに活躍するのもインスタ! 私知らなかったんですけど、どこかでご飯食べようって時にインスタで探す女性ってけっこういるみたいなんです。
しかし、速度制限がかかって何も開けない私。まったくもって役立たず……!
インスタの投稿を元に目黒川沿いのおしゃれなサンドイッチ屋さんに到着しました。こちらの「SIDEWALK STAND (サイドウォーク スタンド)」はセレクトショップ「vendor」に隣接しており、昼はコーヒーとサンドイッチ、夜はクラフトビールも楽しめるスタンドです。
ちぷたそ「お店がおしゃれだからきっとどうやってもおしゃれっぽくなるだろう! miuさん撮って~!」
miuさん「はい、撮るねー!」
パシャッ
ちぷたそ「ありがとう! ……うーん……これ記念写真だね。」
miuさん「うん。私も思った。記念写真だ」
ちぷたそ「サンドイッチはめっちゃおいしい。インスタ難しいな。どうすればこのお店のおしゃれさを活かして、インスタっぽい写真になるんだろうか」
miuさん「ちょっと私も撮ってほしいアングルがあるんだけど、お願いしていいかな」
ちぷたそ「あっ! いい。すごくインスタっぽい!」
miuさん「私が写真を撮るときに心がけているのは『自分がその写真の中で置物になりきること』。メインはあくまでも自分ではなく、お店の雰囲気だったり食べ物だったりするから。だから写るときは横向きとかカメラの方を見ないな。正面で写ることもあるけど、そういう時はすごく遠目で撮ってもらった場合だけ」
ちぷたそ 「なるほど。モデルさんならそんなことないのかもしれないけど、素人がただ正面で写真撮るだけだとインスタ感は生まれにくいんだね。工夫だね」
miuさん「インスタでの世界観で私が大事にしているのがあって、生活感を極力消したいというのがある。見た人に『この人普段どんな生活しているんだろう?』って思ってもらえるのが理想で、だから友達もあまりインスタには登場させない。友達の前での自分って、その人の普段の日常が透けて見えるものだし……」
ちぷたそ「友達との集合写真とかはたしかに生活感というか、その人の普段の日常が透けて見えるね。そういうのを投稿するのはFacebookとかの方が向いていそう……」
そして私もおすすめアングルで撮ってもらいました。さきほどの記念写真と比べるとフォトジェニックになったのではないでしょうか……? フォトジェニックは作れるのかもしれない!
改善したい点はいろいろありますが、「お店がおしゃれに見えるのはどっち?」と投げかけたらきっと右側が選ばれると思う。
「コーヒーが飲めないので頼んだ」という若干後ろ向きの理由で選んだアップルジュースですが、こんなにおしゃれです。これは後でインスタにあげてみよう。
ちぷたそ「ちなみに、使っているタグにはコツとかある? 以前にネットで『インスタのタグは11個ぐらい付けるといい』っていう記事を読んだことがあってね……。タグによってすごい見ている人がいるタグとそうでないタグがある印象はあるね」
miuさん「必ずつけるタグっていうのがあって、「#instagood」と「#instadiary」は絶対使う。日常系で使えるタグなんだけど、自分の同じ傾向の投稿を見つけやすいのかなって思ってる。 あとは写真撮るのは休日が多いから「#dayoff」も。あと、休日に撮った写真を一気に上げるんじゃなくて、一週間に少しづつ上げるような感じで投稿してる」
ちぷたそ「あー私一気に放流してたから迷惑がられてたかも……! それから、タグによってはすごくいいねついたりするもんね。私の場合は御朱印で有名な神社のタグがそれみたいで、それは毎回多めにいいねがつく。自分の投稿に合致した人たちがよくいる・反応がいいタグを探すのも大事なのね。」
miuさん「あとはいいねしてもらうだけじゃなくて、自分も付けるのも大事だと思う。時間があるときはタグの先の投稿にいいね付けたりしてる」
インスタのいいねには地道な努力とコツが必要なんですね。奥が深い。
インスタジェニック探し
お店を出て、中目黒の川沿いをフォトジェニックなスポットを探して歩いていきます。
途中川沿いで赤い橋を見つけたので撮影しました。だんだんフォトジェニックな風景を探すのが楽しくなってきました。
フォトジェニック探しは足が資本。歩いて疲れたのでカフェに立ち寄りました。
休憩とはいえ、ここでもしっかり写真を撮ります。
miuさん「食べ物は必ず立って上から写真を撮ってる。そうすることで、魅力が増す」
ちぷたそ「はああ~その発想もなかった……。私が一番使うSNSのTwitterだと『肉!』『ラーメン!』みたいな食べ物に寄って、肉のあぶらのテカリやシズル感にフォーカスした写真をよく見かける。SNSによって最適な写真の撮り方ってのもあるんだろうなぁ」
miuさん「あとは奥行きが感じられる写真を撮る努力をしている。平面的な写真だとつまらないしね」
ちぷたそ「ちなみに、加工とかってどうしてる? 昔は、チルトシフト機能で画面の半分とかにぼかしをかける人がほとんどだったけど、最近見かけない気がしている」
miuさん「チルトシフトも使わないなあ。フィルターも使わなくて、私は彩度をちょっと落としてシャープではっきりさせることが多い。でも、そのバランスや加工は写真に合わせて調整してる」
ちぷたそ「私毎回違うフィルターとか使っていたな。だいたい自分的に使う加工ってのをあらかじめ決めておいたら、自分のタイムライン上で統一感がなくてバラバラな印象を受けることもなくなるかもしれない。模索しなければ」
miuさんがここで撮っていた写真。リズムを感じる。そして、「これぞインスタだ!」っていう気持ちになる。
インスタのために足を使う
最後に行こうと決めていたソフトクリーム屋を目指して、中目黒から恵比寿へ抜け広尾まで歩きます! フォトジェニックを探すには電車移動よりも断然足。
いい壁。インスタ的なフォトジェニックなものとは違いますが、普段から町中の気になるものを集めるのが好きなので楽しい。街歩き好きとインスタ女子は相性がいいのでは……?
WHEREオーナーののぶさんが言っていた「世の中の流行りに乗るか、世の中の流行に乗らないで自分の世界感を出すかかな」という発言。自分がつい気になってカメラを向けるのはこういうもの。「巨人の星」っぽい雰囲気を勝手に感じている野球少年のイラスト看板に惹かれた。
インスタっぽく写真を撮ってもらいました。インスタみは全く感じられないけど、これもあとでインスタにあげてみよう。
途中、こーんな急な坂を乗り越えたりもしました。(後で調べたところ、こちらは 中目黒1丁目と2丁目の間に位置するマニアが唸る坂の名所・「別所坂」でした。)東京って平坦なんだと勝手に思ってたけどこんな急な坂あったんか。
急すぎて笑えてくる。
ここには、かつて富士山を見るスポットだったことを伝える看板がありました。今では高いビルが多数立っているので無理かもしれませんが……。普通に過ごしていたら通らないかもしれない、こんなスポットを知ることができるのも街歩きの楽しいところですね。
マンションのかわいいタイルに「インスタだ!」と喜んでみたり。
16:00 恵比寿
恵比寿駅に到着。ここでだいたい折り返し地点といったところでしょうか。東京は狭いな。
広尾まであと一駅分、張り切ってまいりましょう!
途中、街中で大きな「インベーダー」と呼ばれるストリートアートを見たり。
大きすぎるダビデ像がある建物を発見したりしました。街歩きは新鮮な発見があって楽しい。
16:30 広尾
そして、ついに行きたかった広尾のソフトクリーム屋さん、MELTING IN the MOUTHに到着しました……! 歩いたぞー。
この店の特徴は、こちらのおもちゃみたいな丸いフィルムがかわいいソフトクリームのフォルム! かわいいだけではなく、オーガニックの牛乳を使って作られたソフトクリームはとってもミルキーです!
あー、ほどよく歩き疲れた体にあたたかいお茶と冷たいソフトクリームが染みるわ。
お店自体がかわいいので、私が撮ってもそれなりにおしゃれっぽい写真になります。貸し出しのソフトクリームの置物なんかもあり、本当に「インスタに写真が上げたくなるお店」って感じ。実際、店内を写真撮っているお客さんをたくさん見かけました。
そしてmiuさんが店内で撮った写真。構図がおしゃれだなァ……。ちなみに、miuさんがここのお店を見つけたきっかけはインスタの検索のおすすめの項目で上げている人を見つけ、タグから飛んで見つけたそうです。
検索のおすすめ項目はそのアカウントの傾向によって上がってくる写真が変わってくるので、私の場合はこんな感じでした。根強い御朱印要素。
そして、この日撮った写真をインスタにあげてみました。
うーんパッとしないなあ……リンゴジュースの方は21いいねだから、若干普段より多いかな。街歩きインスタ風は14いいねといつも通り。でも、WHEREオーナー のぶさんも自分の世界感を出す投稿はフォロワーを増やすのは難しいと思うけど、強さはあると思うって言ってたし、地道にコツコツやっていこうか。
ちなみに、今までで一番いいねついた投稿はこんな投稿。
83いいね。自分の投稿の場合、御朱印の投稿がより見てもらえそうなので、こちらの方向で世界観を出すのもいいのかもしれません。これも気づきではありましたね。とはいえ、これからも「インスタジェニック」は追求していきたいと思っています!!
「インスタ映え」を探して
というわけで一日「インスタ映え」を探って歩き回ってみましたが、結果「インスタ映え」はすごく楽しいものでした。
やはりおしゃれな写真が撮れると嬉しいし……同じものでも、今までとは見え方が変わって見えたりして。写真を撮る時も、「こうやって撮ったらもっとおしゃれっぽく撮れるかな?」と考えてみたり、工夫する工程も面白かったです。普段何気なく見ていたインスタにこんな作為工夫が隠れていたことも発見でした。
「フォトジェニック」は足で探せ! 楽しい思い出を、よりおしゃれに残すことができるInstagram的街歩きをしてみてはいかがでしょうか。