横浜の中華街って何を食べるのが正解なの?中華街に詳しい教授に聞く
横浜中華街に行っても、食べ放題のお店が多すぎてどこに行けば良いのかがわからない! ということで、中華街の雰囲気を心の底から楽しむ方法を専門家に聞き、実際に萬珍樓本店,横浜大飯店などのお店に行ってきました!
こんにちは、ライターの中馬さりの(@chuuuuuman)です。
本日は横浜の中華街に遊びに来ています。
「中華街」と言えばもちろん中華料理!
なので中華街に来ると「どこのお店に入ろうかな~~!」なんて思うのですが……、
食べ放題のお店が多すぎてどこに行けば良いのかがわからない!
そんな悩み、ありますよね……。
かと言って適当なお店入ると、調理している風景を見かけないのにやたらとすぐに料理が出て来てびっくりするし、
メニューも料金も似たり寄ったりなので本当に美味しいお店がどこなのかよくわからなかったりします。
他にも歩いていると甘栗の押し売りをされたり、
客引きがしつこかったり、色々と中華街にも問題があったりするようです。
中華街の雰囲気を心の底から楽しむにはどのお店に行ったらいいんでしょうか?
ということで、
横浜中華街のリアルを知るため、埼玉県熊谷市にある立正大学にお邪魔しました!
目次
横浜中華街の「本当のところ」を立正大学の山下教授に質問してきた
やってきたのは埼玉県熊谷市にある立正大学!
立正大学に所属する中華街研究の第一人者、山下清海教授に横浜の中華街についてお話しを伺いました!
立正大学 地球環境科学部 地理学科の山下清海(やましたきよみ)教授。
1975年、筑波大学大学院在学時に横浜中華街の研究を開始。この道なんと30年以上、世界中の中華街に精通する地理学者です!
公式HP http://qing-hai.org/
中華街の客引きって激しすぎない?
「山下教授、お世話になります!
いきなりですが、直球で質問させてください。
横浜中華街って客引きがしつこいっていうイメージを持ってる人もいると思うんですが……」
「客引き、しつこいですよね~(笑)」
「ですよね!」
「客引きをしていても、そのお店が本当に美味しかったりお得だったりすればまだ良いですが……そうとも言いきれないのも事実でして。
横浜中華街発展会では客引きを禁止しているんですが、そういう決まりを守らないお店も多いので中華街のイメージが低下するんじゃないかと発展会でも頭を悩ませているところです」
「よこはまちゅうかがい、はってんかい」
「横浜中華街発展会は古くから続くお店達――いわゆる老華僑(ろうかきょう)がつくった組合です」
「ろ、ろうかきょう……すみません、ググレカスって感じですね」
「いやいや(笑)
老華僑というのは、70年代末の改革開放政策より前に中国から海外にでた人達のことです。
これに対して、改革開放政策後に出稼ぎなどで海外にでた人達を新華僑(しんかきょう)と言います」
「横浜中華街発展会はずっと中華街にいる人達や、その子孫の方達がつくった組合ってことですね」
「そう!
横浜中華街発展会では客引きの禁止やゴミの管理などのルールを決めて、中華街をより発展させよう、イメージを向上させようと取りくんでいます。
ただし、加入すると会費を払わなければいけませんし、組合のルールも守らなければいけません。
なので比較的新しいお店には組合に入らないまま営業している所もあるんですよ」
「???
組合に加入しなくても、中華街にい続けて大丈夫なんですか……?」
「バブルの時期と違い、探せば空きテナントを見つけられますからね。
組合に入らなくても、お店を出すことはできます」
中華街の食べ放題って料理が似たりよったり?本当に得なの?
「実は、中華街の食べ放題って料理が似たりよったりな気がするんです。料金はどこも似たような設定だし、メニューの内容も似ているし、そもそも厨房が見当たらないようなお店もあるんですよ。
もしかしたら、セントラルキッチンみたいな所で一気に作って袋詰めにして、お店ではチンして出してるだけなんじゃないかな~なんて想像したりして」
「ああ、お店で作っていない店もあるでしょうね(笑)」
「ええぇ、やっぱり!?」
「あれだけ多種多様なメニューを1つの店舗で作るとなると、ロスだって相当出るでしょうし、人件費や材料費を考えたら1,000円台で食べ放題はまず不可能ですからね。
別の場所でまとめて作って、店では電子レンジで暖めて提供しているところもあるでしょう」
「食材を安く仕入れられる場所は限られていますから、あまりにも安い価格帯の店で使用する材料はおのずと似てきます。
さらに、店の場所や名前は違ってもオーナーが一緒で同じような営業形態、というところもあります。
料理が似ていると感じるのは、そういった部分もあるでしょうね」
(山下教授……本当に何でも答えてくれるな?!)
「じゃあ、横浜中華街を本当に楽しもうと思ったらどうすれば良いですか……?」
「僕が中華街で食べ歩きをするときは、働いている人の表情や言葉を観察して自分なりの仮説をつくっているんです。
この人が丁寧に接客してくれてるのは、こんな理由があるのかもしれない。
あのお店に行列ができるのは、こんな背景があるのかもしれない。
そんな風に仮説をたてて検証ができると、とっても楽しい!
中華街にきたお客さんにも、自分で見て、食べて、確かめる楽しみ方をおすすめしたいですね」
「自分で見て、食べて、確かめる。うわあぁ、今すっごく中華街に行きたいです……!」
「でも、いきなり行っても中華街のどこがいいか誰だってわからないですよね(笑)
中華街で働いている、地元の人達が通うようなお店に行けると、楽しいだろうな~と思うんですが」
「ううう、そうなんですよね。気合いでウロウロしまくったら見つけられますかね……でも、看板も『〇〇チャンピオンの店!』みたいなのがたくさんありすぎて何がなにやら……!ヒント、ヒントだけでも教えてくれたらなぁ~~!でもやっぱり自分で探さなきゃダメなのかな~~~!?」
「いや……えっと……それは……」
「うーん、僕の好みになりますが……ここは美味しいな、がんばっているなって所をご紹介しますね」
「やったーーーーー!」
中華街で本当に美味しい中華料理を食べるなら
ということで、やってきました横浜中華街!
教授のおすすめを元に、本当に美味しいお店をめぐりますよ……!
中華フルコースなら萬珍樓本店(まんちんろうほんてん)
中華街と行ったら食べ歩きのイメージが強かったわたしですが……!
教授の教えできたのがこちらの萬珍樓本店(まんちんろうほんてん)。古くから続く老舗で、ファンの多い有名どころです!
萬珍樓(まんちんろう)本店
住所:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町153
参考サイト:ぐるなび
老舗といいつつ、お昼の時間帯ならリーズナブルなコースが。
1番安い鳳コース(税込2,800円)でも、こちらの7品がでてきました!
いや、もうね、とんっでもなくお腹いっぱいになります。
でも日本人向けの味付けだからなのか、刺激が強いものはほとんどなし。胃もたれも全くせず気持ちよくお腹がふくれました~!
最後に出てきたお茶は、フタで茶葉をキープして飲む中国式のもの。
接客も含め、全体的に上品な感じ……!
食べ放題なら横浜大飯店(よこはまだいはんてん)
上品じゃなく食べ放題でがっつり中華を楽しみたい方もいるはず!
それなら横浜大飯店(よこはまだいはんてん)の食べ放題に行きましょう。
横浜大飯店(よこはまだいはんてん)本店
住所:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町154
参考サイト:食べログ・ホットペッパーグルメ
予約必須の人気店ですが、入りさえすれば時間無制限でひたすら食べられます。
山下教授が教えている学生さん達からも人気が高く、よく研究に取り上げられているそう。
人気メニュー1位の北京ダック、2位の小籠包、3位の海老のチリソース。
海老そばも美味しかったです。もちろん、デザートも食べ放題!
フカヒレスープなど原価が高いものは追加料金(+税込3,750円)です。
でも、追加しなくても大人ひとり税込3,750円。
ちゃんとした値段を払って、しっかり満足できる。ワンランク上の食べ放題ですね……!
横浜中華街を食べ歩きや専門店で楽しむなら?
でもでも、せっかく横浜中華街に来たなら、街並みの雰囲気を楽しみつつ食べ歩きがしたい。
普段ならマナー違反だと罵倒されがちな食べ歩きも、中華街なら許されるもん……!
もしくは、美味しい専門店でちゃんと中華を楽しみたい~!
肉まんや点心は萬珍樓點心舗(まんちんろうてんしんぽ)
ということで、まずは肉まんから! 先ほどコース料理をご紹介した萬珍樓(まんちんろう)、本店の店先では食べ歩き用も販売しています。
ぜひぜひ、萬珍樓の肉まんを食べてみてください。ふわっふわの皮に優し~い味のお肉、絵に描いたような大きいサイズ感は満足度高いですよ……!
世界チャンピオンの肉まん皇朝(こうちょう)と比較するとどうなの?
ちなみに、中華街を歩いているとやたらと目に入る皇朝(こうちょう)の肉まん。
皇朝(こうちょう)
横浜中華街に複数店舗あり
参考サイト:ぐるなび・ホットペッパーグルメ
せっかくなので、皇朝と萬珍樓の肉まんを両方買って食べ比べてみました。
左が萬珍樓の肉まんで、1個あたり税込450円。右が皇朝の肉まんで、1個あたり税込100円です。
値段の差はかなりありますが、大きさがぜんぜん違う!
味もたいぶ違って好みがわかれそう……!
萬珍樓の肉まんはとにかく優しくて、皮の甘味まで感じる上品な味。ガブッと食べるとふわふわの皮が返ってきて、満足感たっぷり。
対して、皇朝の肉まんはがっつり濃い味付けで後味もしっかり! 比較的ジャンキーな印象でした。
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さてさて、肉まんだけでもかなりお腹はふくれますが、裏道をすすみ抜け食べ歩きを続けていきます!
中華麺好きは杜記 (とき)で刀削麺!
中華麺好きの方におすすめしたいのが杜記 (とき)です!
個人的にはこのお店が中華街で1番好き……!
杜記 (とき)
住所:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町134-14
横浜中華街発展会 紹介ページ http://www.chinatown.or.jp/shop/杜記/
※水曜日定休
参考サイト:ぐるなび
杜記は、中華街で唯一、刀削麺(とうしょうめん)が食べられるお店。刀削麺は中国黄土高原(こうどこうげん)の山西省(さんせいしょう)の郷土料理で、もっちもちのヒダのある麺なんです。
フリガナ必要な言葉がおおすぎるけど、見て! どうでもよくなるから!!!
もっちもちの麺にほどよく辛いスープが絡まる担々麺(850円)は本当に美味しい。カウンターとテーブル席が少しだけとちょっと手狭なのですが、味が良すぎてどうでもよくなります。
お客さんも中華街で働いている人や常連さんが多くて優しいです~!
安記(あんき)の中華粥も美味しい
突然ですが、中華粥って食べたことありますか?
人生初という方も、慣れ親しんだ方も、安記(あんき)の中華粥はぜひ食べてみてください!
安記(あんき)
住所:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町147
※水曜日定休
参考サイト:ぐるなび・ホットペッパーグルメ
70年以上もお粥専門店として経営している安記。
こちらの玉子粥は税込550円で、かなりのボリューム。
サラサラとしたスープのようなお粥は、あっさりとした塩味で優しい。
人間関係でもめたり将来に迷ったり「ああ、もうちょっと上手い生き方あるのにな」ってときに食べたら絶対に泣くやつ。
お粥の種類は12種類以上。玉子粥だけじゃなく他のものに挑戦してみてください!
余談ですが、家族経営だからこそのアットホーム感も好き。
「お父さん~、お客さんが美味しいって~~~!」なんて会話が聞こえてくるんだもん、ほっこりせざるをえないじゃない……!
ひと息茶屋(ひといきちゃや)でお団子を食べながら小休憩
しっかりご飯を食べたら、最後に甘いものはいかがでしょうか?
ご紹介したいのは通りの奥にある、ひと息茶屋(ひといきちゃや)です。
ひと息茶屋(ひといきちゃや)
住所:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町166-6 横濱バザール1F
参考サイト:食べログ
もともとはお団子の専門店だったという、ひと息茶屋。
このお店は、とにかくみたらし団子が美味しすぎる! とろっとろのもちもちなんです!
みたらし団子は税込160円。黒みつきな粉団子は税込210円です。
したたりおちる、きな粉と黒みつ……! オリジナルの草団子は本当にもちもちです。
みたらし団子は表面を焼いているのでサクふわの絶妙さがエグい……!
食べ歩きで疲れたときの休憩スポットとしてもおすすめです。
聘珍樓(へいちんろう)の中華菓子や中国茶をお土産に
たっぷり中華街を楽しんだら、お土産も買って帰りたい人もいるのでは?
お土産のおすすめは聘珍樓(へいちんろう)です。
聘珍樓(へいちんろう)横浜本店
住所:〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町149 中華街大通中央
参考サイト:ぐるなび
聘珍樓には中華菓子や中国茶、肉まんなどのお土産がたくさん。
可愛く包んでくれるので、このままプレゼントにもぴったり!
あなたが横浜中華街で本当に美味しいと思うお店はどこですか?
今回ご紹介したお店たちはこちらです!
すでに行ったことのあるお店や、気になっている場所はありましたか?
横浜中華街は、知れば知るほど楽しめる深いスポット。
なんとなくのイメージや噂だけで決めつけてしまうのは絶対にもったいない~!
ぜひ自分で歩いて、横浜中華街の本当の美味しさや楽しさを体験してみてくださいね!