鶯谷に新しく出来た都内最大級の銭湯「萩の湯」が公平に見て楽園すぎる
鶯谷に新しくできた銭湯「萩の湯」を取材してきました。炭酸泉、水風呂、サウナや露天風呂まで充実。新しくて綺麗な設備や、オーナーさんのおもてなしの心をお届けいたします!値段も安く、最高の施設です。
お~~~~い!みんな~~~~~!

大変だ大変だ~~~~~~~~!

鶯谷に……、

とんでもない銭湯がオープンしたぞ~~~~~~~~~!

ドンッ!

ドドドンッ!

シュパァァァァァンッ!
そう!何を隠そう、これが近頃オープンしたて、鶯谷駅北口から徒歩5分にある「萩の湯」じゃい!
このマンションの1階から4階までが銭湯になっていて、その大きさは都内の銭湯の中では最大級らしい!

建物自体が新築なので当然ロッカールームもピカピカ!

洗い場だってピッカピカ!

「やばい……!これは完全にヤバい銭湯が出来てしもうたで……!これで東京銭湯界の勢力図が、変わる……!」

※カメラマン担当、長橋
「すいません、さっきから全然ピンと来てないんですが、何がそんなにヤバいんですか?」

「まずね、この萩の湯、以前あった銭湯をビルごと立て替えて新しくオープンしたんだけど、
オーナーがあの上野の名銭湯、寿湯のオーナーである長沼さんなんよ……!」

※上野・稲荷町にある名銭湯、寿湯。筆者であるヨッピーいわく「都内でも1,2を争う名銭湯」だそうです

「寿湯……?」

「えっ、普通「寿湯のオーナーが新しくはじめた」って聞いたら「おおっ!確かにそれはヤバい!」ってなるよ。なんで寿湯を知らないのよ」

「ヨッピーさんみたいな銭湯マニアの物差しで物事を測らないでください」

「まあまあ。じゃあとりあえず中を見てまわろう。そしたらそのスゴさがわかるから!」
萩の湯の中を見てみよう


「まずこれ!炭酸泉!しかもでかい」

「これにはどういう効果があるんですか?」

「炭酸、つまりは二酸化炭素って肌から吸収されやすい気体のひとつなんよね。
肌から吸収された二酸化炭素が血中に溶け込むと、当然体内の酸素濃度が下がるから、
「酸欠になりそう!血流増やさなきゃ!」って脳味噌が指令を出して血流がめっちゃ良くなるんよ。
実際炭酸泉に浸かってる部分だけ血行よくなって真っ赤っかになるよ。」
※編集部注 「血行が良くなるメカニズム」について間違いがあるとご指摘をいただいたため修正致します。大変申し訳ございません。

「なるほど」

「ちなみに疲労回復に効くって事であのサッカーの日本代表の遠征なんかでも取り入れられてるらしい。
ただぬるめなこともあって長めに入る人が多いもんで、炭酸泉の浴槽って人気があって順番待ちになることも多いわけ!
でもこれくらいのサイズの炭酸泉ならたくさん入れるし順番待ちに悩まされずに済む!」


「露天風呂もあるんですね」

「そうそう。正確には半露天なんだけど、これの何が大事かって浴槽はもちろん、
暑いお湯やサウナと水風呂を交互に入る交互浴において、外気浴って言って、
外の風を感じながら休憩する場所が大事なんですよね。画面左側に休憩出来るベンチがあるでしょ?
ここなら思う存分外気浴が出来るってワケ!」

「それはわかりましたけど、さっきからペラペラとよくしゃべるな……」


そして下町らしく「あつ湯」もちゃんとあるんよね。
かなり熱めなお湯があることで交互浴もめっちゃ捗るし、

ジェットバスに電気風呂もあるよ!

更には20人くらい入れそうな広いサウナに、

水風呂もこのサイズ感!スーパー銭湯ならともかく、
普通の銭湯でこのサイズ感の水風呂はなかなかない!


全体はざっくりこんな感じ!めっちゃ広くない!?

確かに広いですね!スーパー銭湯並み……!

でしょ。完全に「揃ってる」感じがあるんよ……!
銭湯に欲しいやつが全部揃ってる……!萩の湯恐るべし……!


ちなみに女湯には女性に嬉しい塩サウナもあるよ!
塩サウナは本当に意味が分からないくらいにお肌がすべすべになるので女性にはおすすめ!

確かに、これだけ揃ってる銭湯ってなかなか無いですね

でしょ。それでいてスーパー銭湯じゃなくて銭湯って事は、
他の銭湯と同じく460円で入れるんよね。


更に驚きなのが、平日ならサウナとレンタルタオルのセットコミの値段でも650円、土日なら700円なんよ!
これは驚異的な値段やでホンマに!ふつう、サウナ料金で300円、タオル借りて200円って感じで入浴料足して1000円近くになるからね!
やっす~~!あかん、感動のあまり涙が出そうやわ……

ちょっと涙腺がゆるすぎる


更に嬉しいのが、2階が居酒屋になってて飲み食いが出来るんよね……!
風呂上りのビールが完全にはかどる……!


生ビールはもちろん、こういうクラフトビール的なものまで飲めるってすごくないですかこれ……


ちなみに居酒屋メニューについてはこの厨房で全て手作りされとるらしいよ。
オーナーのこだわりで出来合いの冷凍ものとか一切使ってないらしい!完全にすごすぎ。

お店のメニューはこんな感じ!
居酒屋メニューだけじゃなくて定食もあるので仕事帰りにご飯を食べてひとっ風呂浴びて帰れる!

すいません、テンションがあがってるのはわかりますが、さっきからひとりでしゃべりすぎです!

あとWi-Fiも完備されてるから軽い作業とかも出来るしマッサージチェアもあるよ

しつこい
オーナーに話を聞いてみよう


こちらが萩の湯のオーナー、長沼さん。
以前まで寿湯の切り盛りを最前線でやっておりました。

いやー、とんでもない銭湯を作ってしまいましたね……!

はい、おかげさまでオープンしてお客さんからも好評ですね!

変な事を聞きますけど、これだけの施設を新築で建てるってなるとめちゃめちゃお金かかりますよね……?

そうですね。まあ、二桁です……!

oh……!とんでもない……!そういうのって銀行とかから借りるんですか?

公衆浴場組合から融資を受けるんですよ。
元々、私の祖父がこの場所にあった銭湯を昭和24年に買ったんですよね。寿湯や薬師湯もそうなんですけど。
それで父親も含めて稼業として銭湯の経営をしていたのですが、2001年から私が寿湯をやる事になりまして、
お客さんを増やすために改装したり試行錯誤している内に当時1日190人くらいだったお客さんが徐々に増えてきたんですね。
それで自信がついた事もあるんですけど、大阪に遊びに行った時に、
ビルのフロアごとに「男性用」「女性用」って分けてるサウナがあったんです。
そうすると当然、土地を広く有効に使えるじゃないですか。
「このやり方ならウチの銭湯ももっと広く出来るな」と思って親父に「ああいうのやろうよ」って言うんですけど、
「どこにそんな金があるんだ」って鼻で笑われたんですよ。
そこから16年かかったんですけど、いつまで経っても親父が首を縦に振らないから、
「いっそのこと改装じゃなくて土地ごと買って新しく作るか」と思って物件を探してたら、
親父が「それは流石にハイリスクすぎるから、今ある建物を改装する方向にしてくれ」って言われて。
それでやっと今回のプロジェクトに着手出来たんです。

おお……!16年ごし……!ってか本当に銭湯生まれ銭湯育ちって感じなんですね。

そうですね。僕は3人兄弟なんですが、萩の湯、寿湯、薬師湯って兄弟がそれぞれ経営してます。

寿湯もそうなんですけど、とにかくおもてなしの精神がすごいですよね本当に。
僕その辺にめちゃめちゃ感心してるんですよ。

例えばこの空気入れの貸し出しサービスとか、

充電器の貸し出しサービスまであるし!

キャリーケース持って来た人用に鍵の貸し出しまである!


この辺は全部実体験なんですよね。娘と出かけてる時に娘の自転車の空気が抜けちゃって、
交番で空気入れ借りたんですけど、私は小心者なので「空気入れ貸してください」ってお願いするのもちょっと抵抗があるな、とか。
充電器も旅行に行った先で充電が切れちゃって、電気屋さんとかで充電器を借りても、その間は携帯がないから離れるわけにもいかないし暇じゃないですか。
でも銭湯で貸し出しがあれば、充電している間にお風呂に入れますよね。自分で「こうだといいな」って思うものを取り入れてる感じです。

こちらは店内に貼られている「萩の湯だより」
寿湯の時も同じものがあるのですが、オーナーの考えやイベントなどを知る事が出来る。
こういうのがちゃんと定期的に更新されているのも地味にすごい。

出張で早朝に東京に着いた時にうれしい朝湯もあるよ!

いやー、本当に行き届いてる……!
寿湯の時もそうなんですけど、めちゃめちゃ行き届いてますよね。
従業員の人が忙しそうに働いてて、床を拭くタイミングとかめっちゃ頻繁だし。
そりゃお客さん増えるわって感じや……。世の中には廃業する銭湯もいっぱいあるけど……。

そうですね。おかげさまで……!
銭湯の廃業で言うとやっぱり難しいのが後継者問題で、
高齢者の方が経営している銭湯だと「自分の代で終わりにしよう」とか思ってたりするから、
設備が壊れてもそのままにしちゃったりするんですよね。

なるほど。昔の銭湯って、家にお風呂が無い人が利用するものだったから「とりあえず体が洗えて暖まれればオッケー」みたいな感じだったのかもしれないですけど、
今はもう普通の家にはお風呂があるから、プラスアルファがないと厳しいですよねきっと。
「生活の場としての銭湯」から「娯楽としての銭湯」っていう。
「銭湯文化を守ろう!」みたいなものも大事だけど、そもそも運営側が経営努力してなければお客さんの支持は集まらないですからね……。

そうですね。そういう時代の流れに乗れるように、頑張って経営します!

その心意気、最高!

ちなみに萩の湯がオープンした事で、鶯谷の萩の湯、上野の寿湯、日暮里の斎藤湯と、
このエリアについては「強い銭湯」の密集地帯とも言える激戦区になったのでこの辺に住んでいる人がマジで羨ましい!
肩こりに腰痛、不眠や冷え性なんかに悩んでる人は、一度大きな銭湯でリラックス(&水風呂)することで体調が改善したりするから、
「趣味としての銭湯」にぜひチャレンジしてみてください!
【Information】
■ひだまりの泉 萩の湯
住所:台東区根岸2-13-13
TEL:03-3872-7669
営業時間:朝湯6~9時(最終受付8:30)、通常11~25時(最終受付24:30)
「食事処 こもれび」は11~23時(ラストオーダー22:00)
定休日:第3火曜日
交通:山手線「鴬谷」駅下車、徒歩3分
ホームページ:http://haginoyu.jp/




