鎌倉・江ノ島旅行の拠点にも! いすゞ自動車が運営するホテル&企業ミュージアムが楽しすぎ
いすゞプラザとPLAZA annex(プラザ アネックス)の魅力や見どころを、現地に一泊した筆者がご紹介!クルマづくりの歴史や技術が学べるだけでなく、大人もお子さまも快適かつ楽しく過ごせる最高の施設です。
とりあえず想像してみてください。
原木からスライスしたばかりの生ハムを、
樽詰スパークリングワインで流しこんで、
本格握り寿司でお腹がふくらんだら、
広々大浴場で汗を流して、
シモンズ製のフッカフカなベッドでぐっすり……。
……どうですか?
……幸せ、ですよね??
こんなに幸せな場所が都内からクルマや電車で1時間強の圏内にあるのです。
あらためまして、こんにちは!SPOTライターの田中嘉人(@yositotanaka)です。
今回僕がやってきたのは、一泊ウン万円の高級ホテル……ではありません。
「は〜しれ、はしれ〜、いすゞ〜のトラック〜♪」のCMでおなじみ、日本を代表する自動車メーカー・いすゞ自動車が運営するホテル「PLAZA annex(プラザアネックス)」です。
驚くべきはそのロケーション。
神奈川県藤沢市にある、いすゞ自動車・藤沢工場のすぐ隣に建っています。客室から工場が見える。
料金は一泊ひとり7,500円(朝食バイキングつき) 。ビジネスホテルとして激安ではないけれど、そこまで高くもないですよね。
最寄駅の「湘南台駅」からは小田急江ノ島線で片瀬江ノ島駅まで一本で行けるから、鎌倉・江ノ島旅行の拠点にもなるし、
「PLAZA annex」に隣接する企業ミュージアム「いすゞプラザ」では、いすゞのクルマづくりの歴史や技術が学べるだけではなく、体験型のアミューズメントの数々も。
ということは、「いすゞプラザ」でいろいろ体験して、「PLAZA annex」に一泊したら完璧なんじゃない……?
そこで今回は「PLAZA annex」と「いすゞプラザ」をまるっとご紹介します! 大人はもちろん子どもとも一緒に楽しめる最高な空間です。ぜひ最後までお付き合いください!
目次
「いすゞプラザ」が子連れにやさしすぎる
まずは「いすゞプラザ」に入ってみましょう。
こちら、なんと入館料は無料。土曜日と祝日は予約もナシで見学できます(休館日は日・月、GW、夏季、年末年始、火〜金は完全予約制。予約はこちらの【見学予約】から)。
2017年4月にできたばかりの新しい施設なので、どこもかしこもピカピカ。洗練されてる!
さらに授乳室や、
男性トイレのオムツ替えコーナーもある(女性トイレにもある)ので、小さなお子さまと一緒でも安心です。
それでは、さっそく展示を見ていきたいと思います!
社名は伊勢神宮に由来? いすゞ自動車の原点
まずはいすゞの歴史を見ていきましょう。
いきなり出迎えてくれたのは、いすゞが最初につくったトラック「ウーズレーCP型」。日本に現存する最古のトラックです。
レトロで、どことなく可愛らしさもありますね。なんとこちら実際に走行可能だそうです。
いすゞの創業は1916年。東京石川島造船所と東京瓦斯(ガス)電気工業が自動車製造を企画したことがきっかけです。
1934年から1974年までは、こちらのロゴ(社章)が使われていました。
ちなみに社名は、伊勢神宮に沿って流れる「五十鈴川(いすずがわ)」に由来。「昔は川で荷物を運んでいたから、荷物を運搬するトラックをつくるメーカーとしては縁起がいい名前!」ということで決まったとか決まらなかったとか。
子どもたちに大人気! いすゞミニチュアワールド
いすゞ自動車のルーツを学んだら、次はいすゞのクルマが僕らの生活にどのように関わっているのかを知ることのできるスポットへ。
それが、ジオラマ「いすゞミニチュアワールド」。1/87に縮小された「いすゞ県いすゞ市」という架空の街をさまざまなクルマたちが走っている様子が見られます。
街のテーマは、いすゞ自動車が掲げる社会的役割「『運ぶ』を支える」。いすゞのトラックやバス、そして産業用・マリンエンジンが、暮らしのなかでどれだけ活躍しているのかが超リアルにわかります。
これ、全部ミニチュアってすごくない……?
夜になればライトアップ。1時間に1度(15分間)、クルマたちが一斉に動き出す様子はリアリティがあって圧巻。子どもにも大人気です。
特別にクルマたちが動いている様子を撮影しました。
バスやトラックなどが日夜いろんなところで僕たちの生活を支えてくれているのがわかりますね。
しかも、よくよく見てみると、懐かしの名車や話題のコンセプトカーが走っていたり、観覧車が動き出したり、UFOが現れたり……とものすごいこだわり!徹底的につくりこまれているので、ウォーリーを探せ的な感覚でチェックしてみるとおもしろい!
みどころマップを参考に、いろいろチェックしてみてください!
最新のトラックやバスで、ドライバー気分を満喫!
続いてやってきたのは、広々とした展示スペース。
いきなり屈強なトラックがお出迎え! かっこいいな!
こちらのトラックは「SKW」。自衛隊で使用されているいすゞ自動車製の車両です。耐久性が高く、過去には災害地で津波の影響を受け、他の車両が動かなくなるなかで唯一稼働したそう。頼りになるぅ……!そして驚くべきは、
後部の荷台に座れるし、
もちろん運転席にも。ハンドルを握るとつい顔つきが変わっちゃうよね……。
自衛隊車両からの眺めはこんな感じ。車高があるので、意外と運転しやすいのかも?
さらに展示スペースに大型バス「ERGA」や、
いすゞの代表的なトラック「GIGA」も。めちゃかっこいい!
ハンドルを握ると、気合入っちゃうよね……。
そしてこの日はクリスマスシーズンだったこともあり「ELF」が赤鼻トナカイ仕様に! なにこれ、かわいい〜!
もちろん生活に身近な乗用車やスポーツカーを見るのも楽しいけれど、大きくて普通に生活していたらなかなか乗ることのできないトラックの運転席を体験できるのはレアかも!
赤裸々に明かされる、いすゞのクルマづくり
いすゞ自動車の歴史やかっこいい車両にすっかり魅了された僕。
続いては、2階に上がって、いすゞ自動車のクルマづくりそのものを学んじゃおうと思います。こちら「いすゞのくるまづくり」コーナーではどのように1台のトラックがつくられていくのか、段階的に教えてくれるとのこと。こりゃ楽しみだ!
まずは調査・企画をするところからスタート。
仕様が固まったら、車両のデザインを決める。
設計図を書いたら、必要な部品を調達したら、
試作して、実験をする。
この実験に合格して、ようやく生産が開始されるのか……長い道のりだ……。
生産が決まったら、まずエンジン部分をつくって、
同時並行で樹脂部品を成形して、
プレスをかけて車体の外装部分をつくっていく。
外装部分を組み立てたら、
組み立てた車体に塗装します。
さて、塗装を終えたら、艤装(ぎそう)と呼ばれる運転席にシートやガラス、ハンドルやアクセル、ブレーキなどを取り付ける工程を経て、
ようやく車両の組み立てが行なわれます。
車両組立のより詳細な工程のジオラマも展示(こちらも稼働します)。生産ラインに乗せて一台のトラックがつくられていく様子がわかります。
完成したら検査して、
ようやく出荷できるというわけです。それにしても一台のトラックにいろんな技術が集約していると改めて実感しますね。そして、ただ見学するだけではなく、
途中デザインスケッチを体験できたり、
塗装の工程も体験可能。プロジェクションマッピングの技術をつかって、塗装の仕事をゲーム感覚で体験できます(塗りすぎると液だれするというこだわりぶり)。
真っ赤に塗装してみました。ま、まずまずかな?
そして、展示スペースの中央にはドライビングシミュレーターが。
こちらでは実際の道路を再現したルートで、トラックの運転を体験できます。
さきほど運転席に座った感じだと結構運転しやすそうな印象だったのですが、実際は車高が高かったり、加速のタイミングが難しかったりで、結構苦戦……果たして結果は……?
微妙!……そして運転に自信があっただけに結構悔しい……!
展示全体を通して、トラック一台に技術はもちろん、そしてたくさんの人の力が関わっていることがよくわかりました。
それぞれの工程にはそれぞれのプロフェッショナルがいて、いすゞのクルマづくりを支えているんですね。「ものづくりの仕事」ってやっぱりカッコイイなぁ。
名車とともに振り返るいすゞの歴史
さて、いすゞプラザの見学もいよいよクライマックス。
往年の車名やTVCMなどに使われたキャッチコピーが刻まれた廊下を抜けると……
いすゞの歴史を学べるコーナーが。
そして展示スペースには実物大の名車たちがズラリ。
まず出迎えてくれるのは、1929年に製造された「スミダM型バス」。国内に現存する実走する国産バスとしては最古(いすゞ自動車調べ)だそう。もちろん展示されている車両も実走できるようにわざわざレストアしたらしい。すごい!
続いては、1946年に製造された「TX80型トラック」。大型長距離輸送車のパイオニアとして、戦後の復興を支えた一台だそう。なんと内装は木製。
続いては1959年に発売開始されたいすゞ自動車の代表格・「ELF」。丸みがあってちょっとかわいい。
続いては1961年製造の「ベレル」。トラックの製造でスタートしたいすゞにとって初の自主開発乗用車。日本初のディーゼルエンジン乗用車です。高級感あるデザインがカッコイイ!
1974年に販売開始した「ジェミニ」。あの「ベレット」の後継車的なポジションだったそう。ちなみに僕の父親が昔ジェミニに乗っていたので、なんとなく愛着がありました。それにしても斬新なカラーリング!
そしていすゞ自動車を語るうえでは欠かせない「117クーペ」(1968年発売)も。デザインを手がけたのはイタリアの著名な工業デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ。美しいボディに当時の若者は魅了されたそう。
そして時代は一気に未来へ。こちらは未来のトラック「FD-SI」。ハリウッド映画とかに出てきそう〜!
他にもミニカーを使ってクルマの歴史を時系列にまとめた年表があったり、
もちろんお土産コーナーもあったりで大満足。いすゞロゴの入ったポロシャツカッコイイな! 大人も小さな子どもも1日中楽しめる空間だと思います!
ぜひ一度足を運んでみてください!
「PLAZA annex(プラザアネックス)」客室に描かれたいすゞの名車たち
さて、いすゞプラザの見学を終えたら、いよいよ本日宿泊する「PLAZA annex」へ行ってみましょう。
いすゞプラザからは目と鼻の先。同じ敷地内にあります。
エントランスに入ってすぐ受付があるので、こちらでチェックインを済ませましょう。
本日宿泊する部屋はこちら。
なんと客室には一部屋ごとにいすゞの名車が描かれています。僕が泊まったのは1番人気と噂のクーペの部屋。
ベッドはシモンズのコイルマットレスを使用しているので、
バンヤヤヤイ〜〜ン!!
クッションが効いていてめちゃめちゃ快適……!
Wifi完備で作業できるデスクスペースもあるし、
歯磨きセットやブラシ、ドライヤー、カミソリといったアメニティー類もばっちり。
シャワールームでは全身シャワーが。
さらにビデオオンデマンドでは話題の映画やお笑いなども視聴可能だし、
大浴場やランドリーの使用状況もチェックできる。大浴場が空いているみたいなので、行ってみようと思います。
いすゞの工場を眺めながらひとッ風呂
タオル類は部屋から持って行きましょう。
タオルもフッカフカ。
大浴場がある7階に到着。暖簾に描かれたこちらのマークは「5つの鈴」ということでいすゞ。ホテル内にはもう2ヶ所「かくれいすゞ」があるらしい。ちょっと気になる……。
コンパクトで清潔感のある脱衣所です。
客室と同じくらいアメニティー類は充実しています。
もちろん(?)工場ビューです。
ざっぱ〜ん!!
温泉ではないけれど、適温で快適〜!!
シャンプー、コンディショナー、ボディーソープは完備。
そして、お風呂から上がったら、ラウンジスペースでのんびり。
ウォーターサーバーや、
自動販売機が完備されているのは地味に嬉しい!
ホテル内を探検して、「かくれいすゞ」を探してみよう
汗を流してさっぱりしたところで、もう少しホテルのなかを探検してみたいと思います。ミッションは、もう2つあるという「かくれいすゞ」を探し出すこと。
続いてやってきたのは、宴会場として利用できる「富士の間」。大浴場と同じ階にあります。
あっ……!
いきなり見つけてしまった「かくれいすゞ」。これは「いすゞプラザ」でも見かけた最初のロゴ。しれっと描かれていました。
気を取り直して、部屋のなかへ。宴会場だけあって広々。最大20名まで利用できるそうです。
「富士の間」だけあって、天気が良ければ富士山が見えるみたいです。
部屋からトビラ一枚でお手洗いなどがあるので、宴会で盛り上がりすぎても安心?
そして、部屋を出ようと思ったら「あっ!!」。
こちらは1974年から1991年まで使用されていたロゴ(社章)。こんなところにも「かくれいすゞ」が……! そして早くもコンプリート……! 想像よりはやく見つかった……。
ちなみにこちらがいすゞのロゴ(社章)の変遷(画像はHPより引用)。
そして「富士の間」を出ると、なにやら巨大な玉が。あれ? これって、酒蔵とかが『日本酒できました』を知らせるために軒先とかに吊るす杉玉?? どういうこと??
ビュッフェスタイルの本格ディナーに酔いしれる!
そろそろお腹が空いてきたので、一階にあるレストラン「さくらカフェ」へ行きましょう。
本来なら宿泊プランに夕食はついていないのですが、取材したのがクリスマスシーズンだったということで……
クリスマスディナービュッフェが開催中(追加料金は大人3,800円、小学生1,800円、幼児無料)! これは楽しみすぎる〜!
メニューは、地元・藤沢産の新鮮野菜を味わえるサラダバーに、
おしゃれなオードブル、
定番の唐揚げやポテトに、
パスタ料理に、
エビチリや酢豚といった中華料理、さらにさらに、
その場で原木からスライスしたばかりの地元産・生ハムに、
オーダーしてからつくってくれる本格握り寿司も。これらが全部食べ放題ってこと??
そしてもちろんフリードリンク。これは……注文するしかないよね……!
樽詰スパークリングワインを注文。仕方ないのよ、仕事だから。
そして、第一陣はこんな感じ。
みんな! メリークリスマスだよ!!
生ハムとスパークリングワインのコラボたるや……! 至福!!
そしてもちろんお寿司もいただきました。ネタが新鮮で分厚くて最高〜!
さらにさらに、今回はクリスマスシーズンとのことでケーキもいただけちゃう。
目の前でシェフがケーキをカットしてくれます。お酒のせいか、めちゃ楽しくなってきた〜!
デザートまで食べて大満足。これで3,800円だよ? みんなここで忘年会しよう!
そしてクリスマスシーズン以外でも、「BBQビアガーデン」や「エスニックフードランチ」、「ボジョレーヌーボー講座」、「鍋会席コース」などを季節ごとにグルメイベントを開催中! 公式ページの「お知らせ」をこまめにチェックしよう。
そして「さくらカフェ」には国内のレア日本酒もズラリ。希望者は破格の値段で振舞ってもらえるみたい。
しかも、こちらの日本酒「有頂天」は、
「PLAZA annex」でしか味わえないオリジナルブランド。このお酒が完成したため、「富士の間」のところに杉玉が飾ってあったというわけ。いちいちすごいな。
ちなみに「さくらカフェ」はその名の通り普段はカフェとして利用できます(営業時間は9:00〜17:00、ランチ利用は11:00〜14:00)。
120円とは思えない本格コーヒーをはじめとするドリンクメニューはもちろん、フードメニューも充実。「PLAZA annex」に宿泊しなくても利用できるので、「いすゞプラザ」見学後のコーヒーブレイクなどにぴったり。
さらに「さくらカフェ」ではオリジナルのお菓子や、
地元のお茶職人とコラボして製造したオリジナルのお茶セットなども購入可能。お土産も買えるって力の入れ方ヤバくない?……というか、そろそろいすゞが運営していることを忘れかけてきています。
そうして、ほろ酔い気分で「PLAZA annex」での夜は更けていくのでした……。
パンケーキ、スープカレー……! 充実のモーニングビュッフェ
おはようございます!
お酒も飲んでぐっすり眠れたので、今日は朝風呂でサッパリ! よ〜し、いい感じにお腹が空いてきたぞ〜!!
というわけで、早速「さくらカフェ」へ。朝もビュッフェ形式です。おなじみの地元産野菜や、
人気のクロワッサンをはじめとするパン類、
野菜に魚、
揚げ物に煮物、
朝ごはんの大定番・卵料理や、
みんな大好きウィンナー、
ヨーグルトに、
味噌汁にスープカレーなど、朝からすごいラインナップ。それにしても朝からスープカレーって!最高!!
昨日あんなに食べたのに、食べられちゃう……! ちょっと恥ずかしくなってきた……!
さらにライブクッキングでは、フレンチトーストかパンケーキをその場で焼いてくれるみたい。
注文しちゃうよね〜。
はい。完璧。しっとりもっちりで美味しい〜! 最高な1日がはじまる予感しかないです。
まとめ
一泊二日にわたって紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
「いすゞプラザ」で歴史や技術を学んで、「PLAZA annex」で美味しい料理をいただいてゆっくり休んだら、翌日江ノ島・鎌倉方面へ……なんてコース、完璧ではないでしょうか?
小田急江ノ島線・湘南台駅までは無料のシャトルバスも出ているのでアクセスも楽々。
もちろんマイカーを泊められる広大な駐車場もあります。
あまり有名じゃないかもしれないけどとっても魅力的な場所なので、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!
いすゞプラザ
開館日:
火~金曜日<完全予約制>
土曜日、祝日<自由見学日>
開館時間:10:00~17:00 (受付16:00まで)
休館日:日、月曜日(祝日の場合は翌平日)、ゴールデンウィーク、夏季休暇、年末年始
入館料:無料
所在地:〒252-0881 神奈川県藤沢市土棚8
公式サイト:http://www.isuzu.co.jp/plaza/index.htmlPLAZA annex
公式サイト:http://www.isuzu.co.jp/plaza/annex/index.html
(おわり)