夜景写真家が感動!日本三大夜景「摩耶山」の夜景鑑賞を徹底解説
神戸の夜景の定番スポット、摩耶山は日本三大夜景に数えられる絶景です。掬星台の展望台まではロープウェイを使ったアクセスが便利。レストランでのディナー、夜景撮影術から日の出まで、神戸の夜を満喫する方法を夜景写真家が解説します。
こんばんは!夜景写真家の中村勇太です。今夜も夜景、楽しんでいますか?
今回もとっておきの夜景スポットを紹介していきます。今回ご紹介するのは、神戸の夜景です。神戸の夜景と言えば、ベイエリアの神戸ハーバーランド、イルミネーションの神戸ルミナリエ、鮮やかなで活気溢れる南京中華街など様々なジャンルの夜景が詰まっていますが、神戸の定番夜景と言えば山から俯瞰する夜景です。中でも代表的なスポットが「摩耶山 掬星台」です。ここでは、摩耶山から見る夜景の特徴や、アクセス、撮影テクニックを解説させていただきます!
摩耶山と日本三大夜景とは
では早速摩耶山へのアクセスを!・・・の前に、まずは日本の数ある夜景スポットの中でも、摩耶山がどのような位置づけなのかをご案内します。
突然ですが、「日本三大夜景」というものをご存知でしょうか?夜景に詳しくなくても、一度は聞いたことがある、という方も少なくはないはずです。
しかし、日本三大夜景が指す3スポットがどこか?となると全て正確に理解されている方は少数の様です。
日本三大夜景とは北から、函館市の函館山、神戸市の摩耶山、長崎市の稲佐山の事を指します。簡単に言うと、日本の夜景トップ3ということです。神戸の日本三大夜景は「六甲山」と勘違いされている方もたまにいますが、近くの山ではありますが正確には「摩耶山」であります。
実は、この日本三大夜景は、いつ、誰が、どのような基準で決められたのか、はっきりとした記録が残っていない謎めいたものなのです。いずれも港街にある山の上のスポットという共通点があり、美しさも申し分ないことは確かです。
街の規模で比較すると人口はそれぞれ、函館市は約26万人、長崎市は約42万人、神戸市は約153万人と神戸市が圧倒的に多く、「人口が多い=経済規模が大きい=夜の明かりが多い」という考え方から、摩耶山から見る夜景は、日本三大夜景の中でもっとも光量がある夜景と言えます。もちろん、夜景の美しさというのは地理的な条件も絡んでくるので、必ずしも人口が多い街の方が、夜景が美しいとは言い切れません。しかし、函館山と稲佐山より摩耶山からみる夜景の方が、光量が多く迫力があるのは間違いありません。
摩耶山へのアクセス
それでは、摩耶山 掬星台へのアクセスをご紹介させていただきます。摩耶山 掬星台へのアクセス方法は主に2つです。1つは、公共交通機関を利用する方法です。もう1つは、車でアクセスする方法です。車でのアクセスは、麓から山道を走ることになりますが、道は綺麗に整備されており、カーナビを使えば初めての方でも問題なくアクセスできるでしょう。大きなコインパーキングがあるので駐車場所にも困りません。
ちょっと複雑なのが公共交通機関でのアクセスです。バス、ケーブルカー、ロープウェイを乗り継ぐ必要があり初めて利用する方は少々戸惑うかもしれません。
それぞれもメリット、デメリットをまとめると以下の通りです。
公共交通機関
メリット
・ 掬星台とは違う夜景が楽しめる
・ ケーブルカーでは、摩耶山の解説ガイドがある
デメリット
・ 乗り換えが複雑
・ 最終便の時間を気にしなければならない
・ ケーブルカーとロープウェイの夜間営業は夏期を除き、金土日祝のみ
車
メリット
・ 時間を気にせず夜景鑑賞が可能
・ 複数人でのアクセスほどお得
デメリット
・ 駐車場から掬星台まで徒歩10分かかる
今回は、観光客の方にも利用しやすい、公共交通機関でのアクセスについて詳しく解説させていただきます。
三ノ宮駅から摩耶山へのアクセス
スタート地点は、神戸のメインステーションである三ノ宮駅です。まず向かって欲しいのがJR三ノ宮駅の東口です。タクシー乗り場付近に、赤い看板が目印の観光案内所「神戸市総合インフォメーションセンター」があり、ここで掬星台までのチケットを購入します。
受付にて、「六甲・摩耶1dayチケット」購入希望であることを伝え購入しましょう。このチケットのメリットは、少しだけお得なのと、チケットがまとまっているので乗り場毎にチケットを購入する手間が省けることです。
バス乗り場は、観光案内所のすぐ近くにある3番乗り場です。ここから18系統のバスに乗りましょう。乗り場とバスの乗車時刻については、チケットを購入する際に確認すると丁寧に教えてくれるので聞いてみましょう。
バスがやってきました。乗り込みます。特に週末は掬星台の夜景を目当てに多くの観光客の方が利用するので、もし座りたい方は早めに乗り場に並ぶといいでしょう。
三ノ宮駅から神戸の繁華街、そして徐々に住宅へ入っていき揺られること約25分。
摩耶山の麓、摩耶ケーブル駅に到着です。ここは閑静な住宅街ですが、一際存在感を放っています。
本来はここでケーブルカーのチケットを購入しますが、今回は先にチケットのセットを購入しているので、そのままケーブルカーに乗れます。これもチケットセットの特権です。
乗り場に掲げられた「感動の景勝地、日本三大夜景 摩耶山・掬星台へ」の文字に期待が高まります!
ケーブルカーの車両は緑色の車両と赤色の車両の2種類があります。どちらに乗れるかはお楽しみ。
乗車してしばらくするとケーブルカーが動き出しました。車内の座席は、ほとんど進行方向とは逆を向いているのですが、唯一進行方向を向いているのが運転席の隣にあります。ケーブルカーの路線上では、麓側を見てもほぼ周囲の木々しか見えないので、往路に関しては是非進行方向側の席に座ることをオススメします!
ケーブルカーの座席のシートを見てみると、星が沢山描かれています。この中に、掬星台から見える様々な星座が隠れています。到着までに沢山の星座を探してみましょう!
5分程で虹の駅に到着します。ケーブルカーを降りると駅からは少しだけ夜景が見えますが、掬星台はこんなレベルではありません。ここから摩耶ロープウェイに乗り換えます。摩耶ケーブルと摩耶ロープウェイの乗り場の移動の所要時間は約2分。
乗り換えの移動時、あまりゆっくり過ごしすぎるとロープウェイに乗り遅れてしまうのでご注意ください。そういう私は、虹の駅にある写真ギャラリーをゆっくり鑑賞してしまい乗り遅れてしまいました。この時はタイミングよく臨時便が到着し乗り込むことができました。
なので、こんなにガラガラです。通常はもう少し混み合っています。
摩耶山の夜景鑑賞は、ロープウェイに乗ってからがスタートです。
徐々に掬星台に向かって上昇していくと・・・
視界が開け、神戸の夜景、そして大阪の夜景と、どんどん見える範囲が広がっていき、進めば進むほどテンションも上がっていきます!ゴンドラ内は、照明が落とされているのでガラスへの映り込みがなく、夜景が見えやすくGood!
摩耶山からの夜景
ゴンドラを下りるとすぐそこが掬星台です。そして、眺望側に進んで行くと・・・
これが、日本三大夜景の摩耶山 掬星台からの夜景です!
西は神戸市街、東は大阪まで広がり、1枚の写真では収まりきらない位のパノラマ感。奥は和歌山まで見渡せる奥行き感。神戸と大阪、2つの大都市が放つエネルギッシュな明かりは、他の夜景スポットではなかなか見ることができないスケールで、夜景を見た瞬間「わぁ~!」と、つい声が出るような光景です。これほどスケールの大きい夜景は、東京や他の大都市でも見ることができません。私も、初めて掬星台から夜景を見たときの感動は今でも覚えています。
もう少し各方面をクローズアップして見ていきましょう。神戸港に浮かぶのが神戸空港です。かなり距離がありますが、対岸には関西空港が見えます。海に浮かぶ2つの空港を一望できるスポットはそう多くありません。
空港が密集しているエリアで、夜景を眺めていると絶えず大阪湾上空を飛び交う飛行機が目に留まります。
大阪方面の見てみましょう。手前が神戸、奥が大阪です。街の厚みと、奥に煌めく超高層ビル群には圧倒させられます!
夜景鑑賞の醍醐味の1つとして、夜景の中に隠れた文字やシルエット探しがあげられます。例えば、「スキ」という文字や、その街の名前の文字が夜景の中に隠れているスポットもあるのです。掬星台から見る夜景の中には、ワニが夜景を食べている様子が確認できます。
上の写真がまさにその様子なのですが、分かりますか?
現地で夜景を鑑賞する際にも是非、確認してみてください!
掬星台の雰囲気
掬星台には、2つのビューポイントが存在します。1つはロープウェイ駅の近くにある展望台です。座れるスペースが広く用意されていますが、駅を降りた方々が真っ先に向かうため週末は混雑しています。
もう一つは、もう少し奥に進んだ所にある展望台です。夜景スポットでの”あるある”なのですが、例えばビルの展望台の場合、エレベーターの降り口付近に、鑑賞する人が固まってしまうように、掬星台でも手前の展望台が混雑しているので、迷わず奥の展望台へ進みましょう。こちらはきっと空いているはずですので落ち着いて夜景鑑賞ができますよ!
注目ポイントは夜景の美しさだけではありません。掬星台の地面には「きらきら小径」と呼ばれる天の川の様な演出があり、その幻想的な光景にうっとりさせられます。
きらきら小径は、奥の展望台へ向かって伸びているので、駅を降りたらこの天の川の上を2人で歩いて進んで下さい。その先に広がる日本三大夜景を見たときに、一層感動が深まることでしょう!
撮影術
こんなに美しい夜景が目の前にあれば、写真に収めたくなりますよね。そんなみなさんのために、三脚なしで美しい夜景を撮影するコツをご紹介します!
今回撮影で使うカメラは、CANONの「EOS M」という2012年発売されたミラーレスカメラです。あえて、旧世代で感度にも決して強いとは言えないカメラでチャレンジしてみます。
まずはオートで普通に撮影すると・・・
カシャ!!・・・
ひどいブレブレですね(笑)
こんな写真、撮ってしまった経験をされている方もいるのではないでしょうか?
では、設定を以下の様に変更してみます。
撮影モード:シャッタースピード優先
シャッタースピード:1/10秒
ISO:オート
露出補正:-1
セルフタイマー:2秒
カメラを持つ手をしっかり手すりに置いて、シャッターボタンを押します。
カシャ!!・・・
どうでしょう?先に撮影した写真とは、だいぶ見栄えが変わりましたね。ブレなくしっかり撮れています。
設定のポイントは主に2つです。
1つは、シャッタースピードをぶれなく撮影できるスピードに固定すること。設定値の目安としては、「1/焦点距離」秒にすることです。例えば、焦点距離15mmのレンズで撮影する場合は「1/15」秒とするとブレが目立たなくなります。
もう一つは、セルフタイマーを使うことです。シャッターボタンを押すときに、カメラを揺らしてしますので、セルフタイマーを使えばそれを防げます。
夜景を見ながらディナー
夜景を鑑賞して、撮影もしたところでお腹が空いてきました。そんな時にオススメしたいのが、ロープウェイ駅の2階にあるレストラン「摩耶ビューテラス702」です。
カレーやハンバーグなどのフードや、アルコールも提供してくれます。
席は窓側のカウンターがオススメ!日本三大夜景を眺めながらの食事は贅沢な体験ですよ。
帰りも夜景を楽しもう
ずっと眺めていたくなる夜景が広がっていますが、帰りの時間も気にしなければなりません。
最終便出発の前は、アナウンスが流れますので聞き逃さないようにしてください。
帰りのゴンドラ内からも夜景が見えます。次第に夜景が見えなくなっていく様子は、まるで楽しく読んでいた本を読み終わり閉じるような感覚にも似ています。ちょっとさみしいですが、あの夜景の感動は忘れることはないでしょう。
麓に降りたら三ノ宮駅行きのバスで、駅に戻りましょう。
日の出もオススメ
ここまで、公共交通機関でのアクセスを前提として解説をさせていただきましたが、公共交通機関でのアクセスでは時間的に鑑賞できないのが朝焼けや日の出です。
実は、掬星台は夜景もいいですが、朝焼け、日の出の名所でもあります。丁度東向きの眺望が開けているため、日の出前は大阪方面の空が綺麗によく焼けます。日の出50分前から40分前が、街の明るさと空の焼け具合のバランスがよくオススメの光景です。
日が昇り、大阪平野一体を赤く染めます。ここからの日の出はいつ見ても綺麗ですが、年明けは、初日の出目当てに多くの方が訪れ賑わいます。
車でアクセスできる方は、是非朝焼けや日の出も鑑賞してみてください!
最後に
ここまで、摩耶山 掬星台の夜景をご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
乗って楽しい、見て感動、雰囲気にうっとりさせられる掬星台。
本当の感動は、この記事や写真だけでは伝わらないはずなので、是非現地に足を運び、日本三大夜景を体感してみてください!
掬星台
営業時間:終日開放
まやビューライン
料金:往復 大人1540円、小人770円
※三ノ宮駅の「神戸市総合インフォメーションセンター」にてお得なセットチケットの販売あり
営業時間:時期により変動あり 公式サイト要参照
URL:http://koberope.jp/maya