瀬戸内海に浮かぶ現代アートの島「直島(なおしま)」と「豊島(てしま)」へ行ってみた!

瀬戸内海に浮かぶ「直島」と「豊島」はアートの島として有名です。直島にある草間彌生さん作の「かぼちゃ」はご存知の方も多いのではないでしょうか。今回は島がまるごと美術館になった2つの島の観光、美味しいグルメ、回り方をご紹介。デートや一人旅にもオススメです!

 

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こんにちは。普段オカモトラボというブログを書いています、ライターの岡本です。

皆さんは香川県の「直島(なおしま)」をご存知でしょうか?

 

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直島は1990年代から現代アートによる町おこしが功を奏し、現在では人口3200程度の小さな島に世界中からアートファンが押し寄せる人気の観光地になっているのだ。「ドバイ」や「パリ」などと並んで「死ぬまでに行きたい場所」として取り上げられることもある。

そこで本日は、現代アートで盛り上がる香川県の直島(なおしま)と、豊島(てしま)をご紹介したいと思います。

この様な記事を書かせていただいてはいますが、僕はアートのことはサッパリわからないド素人です。
そんな「ド素人でも直島と豊島は楽しめるのか?」という所もあわせて確認していきたいと思います。
それではいってみましょう!

直島

では、改めて直島からご紹介していきます。

直島は香川県にある島ですが、香川県側の高松港からはフェリーで約50分くらい、岡山県側の宇野港からはフェリーで20分くらいと岡山県側からの方が近い場所にあります。

これから直島のオススメのスポットをご紹介しますが、だいたいの位置関係はこの様になっています。地図と見比べながら見ていただくと位置関係がなんとなく分かる様になると思います!

直島は大きな島なので、徒歩で観光するのはあまりおすすめ出来ません。
バスを利用するか、レンタサイクルを利用するのがおすすめ。

 

バスはこの様なオシャレなバスが走っています。ただし、本数が限られているで時間は上手く調整しよう!

 

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一方、レンタサイクルを借りるという方法もあります。レンタサイクルの場合、バスと違って時間を気にする必要はありませんが、この様になかなか坂がエグイ場所もあるので体力に自信のない人は電動アシスト付きの自転車を借りよう。

普段、僕はほとんど運動しませんがアシストのおかげでめちゃめちゃ快適だったので、試しに直島の坂がきつい場所でアシストをOFFにしてみたら自転車がただの鉄の塊に感じられる程でした。電動アシストすごい。ちなみに、繁忙期には自転車の通行が制限される個所もあるので、詳しくはレンタサイクル店などで確認してください。

では、ここからは各スポットを順番にご紹介していきます。

 

赤かぼちゃ

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まずご紹介したいのは、この記事の冒頭でも登場した草間彌生さん・作の「赤かぼちゃ」です。

直島への移動はフェリーを使う事になりますが、「赤かぼちゃ」は、フェリーが到着する宮浦港のすぐそばにあります。
恐らく直島に来て一番最初に目に飛び込んで来る作品ではないでしょうか。

 

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こちら「赤かぼちゃ」です。とにかくインパクトがすごい!
遠くからでも草間彌生さんならではの赤と黒の水玉模様が異彩を放ちます。

その一方で背景の瀬戸内海や島々と馴染んでいます。
デデンと鎮座する様子はかなり存在感がありますよ。

 

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そしてこの「赤かぼちゃ」は、中に入ることも可能!

 

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内部もこの様にドット柄になっており、子供達が大喜びで遊んでました。(これは楽しそう)

 

赤かぼちゃ

  • 場所:香川県香川郡直島町宮浦2249−49(宮浦港すぐそば)
  • 料金:無料
  • 時間:たぶんいつでも
  • 休日:たぶんいつでも

 

つつじ荘

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続いて自転車で島を時計回りにグルッと回ってやってきたのは、直島の南側にある、宿泊施設の「つつじ荘」です。(名前は直島町の町の花「つつじ」に由来しているんだとか)

こちら全国的にも珍しく、モンゴルのゲル(中国語だとパオ)に泊まることができる宿泊施設。

 

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本来は宿泊者しか中に入る事はできませんが、今回、特別に撮影をさせて頂きました。(ありがとうございます)

ここには結構たくさんのゲルが並んでいて……

 

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日中は外の明かりが布越しに差し込んできて、すぐそばの海から波の音も聞こえます。(日本じゃないみたい)

なお、ゲルの中にはトイレやバスルームはありませんが、外にある仮設のトイレとバスルームが使用できます。

 

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そしてゲルだけでなくキャンピングカーも設置されていて、こちらに泊まることも可能。

 

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中は想像通りかなり狭いですが、まるで秘密基地みたいなワクワク感があります。
つつじ荘では、普通のホテルに泊まるよりもちょっと変わった宿泊体験ができると思いますよ!

 

つつじ荘

 

黄かぼちゃ

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続いてご紹介するのは、先ほどのつつじ荘から程近くにあります、草間彌生さんの「黄かぼちゃ」。

さきほどの赤かぼちゃと区別がつきやすい様に便宜上「黄かぼちゃ」とさせていただきましたが、本来の作品名は「南瓜」です。(テストに出ます)

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これ、写真やポスターなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
係りの人なども誰もいない岩壁の上に、ただポツンと置いてあります。柵や作品の説明なども一切ありません。
(土日に行くと、インスタグラマーがたくさんいてめっちゃ混んでいるので注意)

こちらの「黄かぼちゃ」は、今でこそ現代アートの島、直島を象徴する作品ですが、直島が現代アートで盛り上がりを見せ始めたのは、本当にここ十数年の間の話です。

それより以前は、この作品や、後述するベネッセハウス等はありましたが、島の中では異彩を放ってたんですよね。

 

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身長169cmの僕が横に立つとこんな感じです。かなり大きいです。

そして余談ですが、直島には(豊島も)、外国の観光客が非常に多く来ています。

この「黄かぼちゃ」の前でも外国人のカップルが交互に写真を撮っていたのですが、おせっかいにも「2人一緒に写ったほうがいいんじゃないか」と思った僕は、

ジェスチャーを交えながら「アイ、テイク、ピクチャー、ユー、トゥギャザー?」などと話しかけました。ちなみに僕は英語はほとんどしゃべれないにも関わらず、こういう時に限って物怖じしません。

その外国人カップルはやんわりと拒否して、僕も「オーケー、オーケー」と気まずい感じでその場を後にしました。

後日、英語が堪能な友人にその話をしたところ、僕の言い方は、

「僕が一緒に写ってあげましょうか?」

と思われたんじゃないかと。…世界的な有名人か何かかな?めちゃくちゃ恥ずかしい…。

ご参考までに、そういう場合は以下の様に言えば良いそうです。

I could take pictures of you guys.(couldはcanでも可)

 

南瓜

  • 場所:香川県香川郡直島町字京ノ山3419番地
  • 料金:無料
  • 時間:たぶんいつでも
  • 休日:たぶんいつでも

 

ベネッセハウスミュージアム

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続いては先ほどの「黄かぼちゃ」から坂道を上った場所にあるベネッセハウスミュージアムです。

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こちらはホテルでもありますが、宿泊客以外でも見学は可能。
館内に入ると撮影禁止ですので、僕の下手な絵で一部をご紹介します。

まず驚いたのは、美術館によくある「順路」の表示が一切ありません。

館内ではやたらと他のお客さんとすれ違うので「逆走しているのかな」と心配になり、スタッフさんに聞きましたが、繁忙期などの特別な場合を除いて順路は設けていないそうです。

とはいえ、探検するみたいでめっちゃ楽しい!(見落としがあるので気をつけないといけませんが……)

(ちなみに直島や豊島のミュージアムは、ここ以外も順路の表示はほとんどありません)

 

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その中でも印象的だったのは、柳幸典さんの「バンザイ・コーナー」という作品です。

部屋の角に鏡が貼ってあり、そこへ向かってウルトラマンウルトラセブンソフビ人形が万歳のポーズで円状に大量に並べてあります。
(4分の1は本物のソフビ人形で、残りの4分の3は鏡に映った像です)

なんだかよく分からないですが、楽しげです。

 

他に気付いた事としては、普通の美術館だと、展示室で少しでも物音なんて立てようものなら、殺し屋の様な目で睨まれるか、注意されると思いますが、このミュージアムを含め、直島と豊島のミュージアムでは、展示室でもスタッフさんがとてもフレンドリーに挨拶してくれます。

あと知らないお客さん同士が作品の感想を話合っていたり、そういう雰囲気はとても好きです。
ファン同士が交流出来るのって良いなぁ。

 

ベネッセハウスミュージアム

  • 場所:香川県香川郡直島町琴弾地
  • 電話:087-892-3223
  • 料金:1,030円
  • 時間:8:00~21:00(最終入館20:00)
  • 休日:年中無休
  • 参考サイト:http://benesse-artsite.jp/

 

李禹煥美術館

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さらに坂道を進むと見えてくるのが李禹煥(リーウーファン)美術館です。

李禹煥さんは韓国出身のアーティストで「もの派」と呼ばれる芸術の旗手なのだそう。「もの派」とは石、木、紙、綿、鉄板、パラフィンといった「もの」を単体、もしくは組み合わせて、ほとんど手を加えずそのまま作品とする芸術らしいです。

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この通り、建物の外にも作品があります。芝生の中の石に鉄の棒が立てかけてあるのですが……

何を表現しているんだろう。「宇宙」とかかな……(よくわかってない)

 

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建物の前には石と、奥には鉄板が置いてあります。うーむ…これも難しい。

 

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そして、コンクリート打ちっ放しの通路を進むと館内に入ります。こちらも中は撮影禁止です。(実際に見たい方は、ぜひ直島へ)

 

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絵だとちょっと伝わらないと思いますが、僕の拙い絵で一部をご紹介すると、薄暗い部屋の中で大きな鉄板が壁に立てかけてあって、中央にまるくて綺麗な形の石が置いてありました。鉄板はかなり大きなものです。

 

こんなでかくて綺麗な形の石、どこから拾ってくるんだろうとは思いましたが、「こういう作品が見る目がある人たちには評価されているのか…」と関心しきりでした。

 

李禹煥美術館

  • 場所:香川県香川郡直島町字倉浦1390
  • 料金:1,030円
  • 時間:3月1日~9月30日 10:00~18:00(最終入館17:30)、10月1日~2月末 10:00~17:00(最終入館16:30)
  • 休日:月曜日(※祝日の場合は翌日)
  • 参考サイト:http://benesse-artsite.jp/

 

地中美術館

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続いてご紹介するのは更に進んだところにある地中美術館です。その名のとおり建物の大半が地中に埋まった美術館です。

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このゲートをくぐると中は撮影不可になります。(残念!)

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大きくて天井が開いた四角い筒のようなコンクリートの中を、階段で地下に下ります。

 

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中は複雑に入り組んでいますが、かいつまんで一部をご紹介すると、途中、地中に作られた真っ白くて広い部屋の中には、僕でも知っているくらい有名な、モネ睡蓮の絵が、正面、左右、入口の左右に2枚と全部で5枚展示されていました。

 

また僕が地中美術館で驚いたのは、ジェームズ・タレルさんの作品です。

この作品は、数人づつしか見ることが出来ません。まずスタッフさんの案内で薄暗い展示室へ数人のグループに分かれて入ります。

部屋にぼんやりと一色に光る壁というかスクリーンがあり、その手前には階段があります。

 

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スタッフさんの解説と指示に従って恐る恐る階段を上ります。

階段の一番上まで来ると光る壁(スクリーン)は本当に目の前ですが、間近で見てもただの一色に光る壁です。

光る壁との距離が近いので圧迫感すら感じます。

そんな状況でスタッフさんが

「もう一歩前に進んでください」

と言います。

「これ以上前に進めないですよね」と思いながらも、スタッフさんの言葉を信じて、いざ前に一歩踏み出すと…

 

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・・・あれ?入れる!?

光る壁にぶつかると思って踏み出した足が、何にも遮られる事なく光の壁に入っていきました。

意味が分かりますか?

その後のスタッフさんの解説によると、光る壁の様に見えていたのは、特殊な塗料を全体に塗った部屋だったそうです。特殊な塗料は光が乱反射するので、全く立体感を感じないのだそう。

自分が壁だと思い込んでいたものが、いとも簡単に覆される体験は本当にすごかったです。
おもしろーい!(ぜひ本当に体験してみて欲しいです)

でも数人づつしか体験できないので、瀬戸内国際芸術祭の期間中なんかは、かなり混むんだろうな……。

 

地中美術館

  • 場所:香川県香川郡直島町34491
  • 電話:087-892-3755
  • 料金:2,060円
  • 時間:3月1日~9月30日 10:00~18:00(最終入館17:00)、10月1日~2月末 10:00~17:00(最終入館16:00)
  • 休日:月曜日(※祝日の場合は翌日)
  • 参考サイト:http://benesse-artsite.jp/

 

ANDO MUSEUM

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次は建築家、安東忠雄さんのミュージアム、ANDO MUSEUMです。

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安東忠雄さんといえばコンクリートの打ちっ放しの建物のイメージですが外観は古民家。まるでイメージと異なります。

しかし中はうってかわって、コンクリートの打ちっ放しの建物となっており、中には資料や建築模型(建物のミニチュア)が並びます。

 

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地下の円柱状の部屋では、天井の部分から自然光が入るようになっていて、なんとも言えない神々しさを感じました。

 

ANDO MUSEUM

  • 場所:香川県香川郡直島町736-2
  • 料金:510円
  • 時間:10:00~16:30(最終入館16:00)
  • 休日:月曜日(※祝日の場合は翌日)
  • 参考サイト:http://benesse-artsite.jp/

 

家プロジェクト

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つづいてご紹介するのは、家プロジェクトの建物群です。

家プロジェクトとは、古い家屋を改修し、アーティストが家の空間そのものを作品化するアートプロジェクト。

ANDO MUSEUMもある本村地区に、家プロジェクトの建物が点在しています。

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南寺

そのうちの一つ、この南寺(みなみでら)は15分毎に少人数づつ、スタッフさんが中へ案内してくれます。

 

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建物の中は目を開けても閉じても関係ないくらいの真っ暗闇で、スタッフさんの案内に続いて壁をつたいながら中に入ります。

何回か角を曲がった後、下に椅子がありますと教えてもらい、手探りで椅子に座るのですが……

 

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座った状態で5分くらい経った頃だと思いますが、だんだんと目が慣れてくるのか、左上に極々か弱い光と、正面に四角いスクリーンが見えてきます。

目が慣れてきたらスタッフさんの誘導で歩いて前に進みますが、足元などは真っ暗なまま。
スクリーンに近づき、スタッフさんに促され手をかざすのですが、スクリーンだと思っていたものは、空間で触る事ができません。こちらも地中美術館の作品と同じくジェームズ・タレルさんの作品だそう。

これ以外にも家プロジェクトでは工夫が凝らされた面白い作品が点在しています。

内部は全て撮影禁止なので、外側だけご紹介するとこんな感じです。

 

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角屋

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はいしゃ

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碁会所

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護王神社

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石橋

家プロジェクトの「ぎんざ」だけは別で予約と別料金が必要とのことで、見ることが出来ませんでした。(これから行かれる方は注意してください!)

 

家プロジェクト

  • 場所:香川県直島町本村地区に点在
  • 料金:ぎんざを除く6軒で1,080円(1箇所のみだと410円)
  • 時間:10:00~16:30
  • 休日:月曜日(※祝日の場合は翌日)

 

直島銭湯「I♥湯」

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直島の最後にご紹介するのは、こちらの直島銭湯「I♥湯」です。

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宮浦港から徒歩で2分ほどなので、帰りのフェリーの時間までに余裕があれば、こちらで旅の疲れと汗を流すのはいかがでしょう。

外見からして非常にど派手! なおこちらは現代アーティスト・大竹伸朗さんの美術作品です。銭湯が美術作品って、なにこれすごい。

 

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外の世界観がそのまま銭湯内部の浴室にも広がります。
男湯と女湯を区切る壁のところにかなり大きな象の人形が乗っており、こんな銭湯は日本中を探してもここにしかないでしょう。

また、個々の部分は銭湯とは思えない様な不思議な世界観で、今流行りの言葉で言えば「クセがすごい」のですが、全体的にはこれ以上ないくらい違和感なく銭湯でした。

 

直島銭湯「I♥湯」

  • 場所:香川県香川郡直島町2252-2
  • 料金:510円
  • 時間:平日14:00~21:00(最終受付20:30)、土日祝10:00~21:00(最終受付20:30)
  • 休日:月曜日(※祝日の場合は翌日)
  • 参考サイト:http://benesse-artsite.jp/art/naoshimasento.html

 

豊島

次に豊島についてもご紹介していきます。豊島も直島と同じく香川県の島で、直島に次いで人気の場所。

豊島への移動は、香川県側の高松港からはフェリーで約35分、岡山県側の宇野港からは約40分くらいです。
直島から豊島への航路もあります。ただ、直島行きよりも便数が少ないので、やや不便かも。

 

豊島のこれからご紹介するスポットはこの様な位置関係。
豊島のほうが直島より倍近く大きな島ですが、やはり自転車で回る事ができます。

自転車で島を一周するルートを通ると、およそ2時間かかります。

アップダウンがかなりあるので、電動アシスト付の自転車のほうがいいと思いますが、効率的に回るのであれば電動バイクなども選択肢に入れると良いかもしれません!

 

豊島美術館

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まずは豊島美術館をご紹介します。

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豊島美術館へ向かう道では、このような素晴らしい景色を望むことができます。

カメラにはフレームがあるので景色全体をお伝えできないのが残念でなりませんが、肉眼で見渡すと瀬戸内海の大パノラマが広がります。

 

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先ほどの景色から程近く豊島美術館に到着します。
右の白い建物がメインの建物で、左のもう一つの建物はお店です。

 

靴を脱いでスリッパになり、メインの建物の中に入ってみると……

 

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真っ白なコンクリート(?)で壁と天井が一体となった曲面に形作られた、ひとつの非常に広い空間が広がります!

美術館と言うと、たくさんの作品が展示されているイメージですが、中はがらんどうで、ただ大きな空間があるのみです。壁も柱もありません。「地震が来ても大丈夫なの?」とちょっと心配になります。

ほんの少しの音でも建物全体に響きます。そして、天井には2ヶ所穴が開いており、太陽光が壁と同じ素材の床を照らします。

 

天井の穴から入ってきた雨粒なのか、床には所々に水が溜まっています。床は蓮の葉の様に水を弾き、水滴はコロコロと床を転がっていました。

転がって行った水滴は、大きな水溜りにぶつかっては波紋を広げて合体し、大きな水溜りからも水滴がこぼれ落ちると、またコロコロと転がったりと、水滴の連鎖が続きます。

お客さんは転がる水滴を眺めたり、陽だまりに座って日向ぼっこをしたりしながら作品(建物自体)を楽しんでいました。

 

豊島美術館

  • 場所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
  • 電話:0879-68-3555
  • 料金:1,540円
  • 時間:3月1日~10月31日 10:00~17:00(最終入館16:30)、11月1日~2月末 10:00~16:00(最終入館15:30)
  • 休日:火曜日(3月1日〜11月30日)、火~木曜日(12月1日〜2月末)
  • 参考サイト:http://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html

 

 

心臓音のアーカイブ

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次に向かったのは島の端に位置する心臓音のアーカイブです。
「この道で本当に合っているの?」と心配になるような道を、島の端へ向けて進みます。

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すると、周囲に何も無い様な場所に、突如としてモダンな建物が姿を現します。

「心臓音のアーカイブって一体何?」という疑問を抱えつつ、鑑賞料を支払い受付を済ますと、扉の中に入れます。

 

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扉の中は真っ暗な部屋でした。目が慣れるまでは30cm先に人がいても分からないくらい真っ暗です。

その中で心臓の音が大音量で再生されています。よく田舎のヤンキーが大音量のウーハーを積んだ車で走っていると思いますが、あんな感じで「ドゥン!ドゥン!」と心臓の音が再生されています。

また心臓の音に合せて、部屋の中央にある白熱球が点いたり消えたりします。白熱球が付いている間だけ目を凝らすと他のお客さんがわずかに見えますが、気をつけないとぶつかってしまいそう。

心臓の音を聞いているとムズムズする様な、なんとも気持ちが悪い感じがしますが、しばらく部屋にいると徐々に慣れてくるのか、気にならなくなります。

 

また別途、登録料を支払えば、登録専用の部屋で自分の心臓の音も登録する事ができます。
個室に入ってパソコンにつながった聴診器の様な機器で録音をし、それが終われば、先ほどの暗い部屋で自分の心臓の音を再生してもらう事もできます。

別の部屋にはパソコンがあって色々な人の心臓音をヘッドホンで聞く事も可能。
27263」の番号で検索して頂くと、登録した僕の心臓音も聞いていただく事ができます。(この情報、誰にニーズがあるんだろう…)

そして自分の心臓音を登録し、じゃあ帰ろうという段階では、自分の存在の一部を豊島の端に置いて帰る様な、変な感覚に陥りました。これが心臓音のアーカイブの醍醐味なのかもしれません。

 

心臓音のアーカイブ

  • 場所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃2801−1
  • 料金:鑑賞510円、心臓音の登録1,540円
  • 時間:3月1日~10月31日 10:00~17:00(最終入館16:30)、11月1日~2月末 10:00~16:00(最終入館15:30)
  • 休日:火曜日(3月1日〜11月30日)、火~木曜日(12月1日〜2月末)。ただし祝日の場合は開館、翌日休館。月曜日が祝日の場合は、火曜日開館、翌水曜日休館。

 

 

豊島横尾館

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最後にご紹介するのはこちらの豊島横尾館です。家浦港から程近くにあります。

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外から見ていただいても分かるとおり赤色を基調とした古民家で、中には絵画などの作品が並びます。

特に赤を基調としたビビッドな日本庭園は「うわあ」と思わず声を上げてしまうほど。

 

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そして面白かったのは、こちらの筒状の建物。

 

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この建物の中では、床が鏡になっていて建物の天井の部分が反射し、まるで高い場所に浮いているように錯覚します。

頭では鏡だと分かっているのに足がすくみます。あと床の鏡がちょっとフニャフニャしている所もいただけません。床が抜けて落ちるんじゃないかと思ってヒヤヒヤします。

 

豊島横尾館

  • 場所:香川県小豆郡土庄町豊島家浦2359
  • 料金:510円
  • 時間:3月1日~10月31日 10:00~17:00(最終入館16:30)、11月1日~2月末 10:00~16:00(最終入館15:30)
  • 休日:火曜日(3月1日〜11月30日)、火~木曜日(12月1日〜2月末)ただし祝日の場合は開館、翌日休館。月曜日が祝日の場合は、火曜日開館、翌水曜日休館。

 

まとめ

今回、現代アートを目的に直島と豊島を訪れましたが、実際に訪れて一番惹かれたのは、直島や豊島の街の雰囲気でした。

フェリーでしか来られないので、ちょっと不便かも知れませんが、そんな島々にあっても人々の営みがあって、島ならではの一体感や、人々の温かさが強く感じられます。

そのため、直島も豊島も、もちろんカップルやグループでの旅行も楽しめますが、個人的にオススメなのは、一人旅
実際に直島や豊島で出会った旅行者は一人旅の比率が高く、外国人のバックパッカーみたいな人も多かった印象が。

3年に一度開催される瀬戸内国際芸術祭の会期中は物凄い人になりますので、今回の様に、のんびりと期間外に訪れてみるのも良いかもしれません。

 

おしまい。