風に吹かれて瀬戸内海をトロッコで渡る!瀬戸大橋アンパンマントロッコが想定外の迫力だった

JR四国の観光列車「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」の乗車レポートです。岡山~琴平・高松を走る列車の魅力や予約方法を、3歳のお子さんを連れて実際に乗車したライターが紹介します。

こんにちは。3歳児の父親ライターの大塚拓馬(@ZuleTakuma)です。

我が家の長男であるこーくん(3歳)はアンパンマンと列車が大好きな、テンプレ通りの元気な子どもです。

先日はJR九州の観光列車「あそぼーい!」に乗って、思いっきり列車の中で遊びまわってくれました。

「また子どもと列車で遊びたいな~」と思っていたところ、岡山~琴平・高松を走る「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」という列車を発見。

アンパンマンと、トロッコ列車のコラボレーション。
大人でも瀬戸大橋をトロッコで渡るなんて、なんだか気持ちよさそうで良いじゃないですか。

「子どもを楽しませるという口実で、瀬戸大橋アンパンマントロッコに乗ってみたい!」

そこで今回、「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」に乗って瀬戸大橋を渡って、岡山から香川県の琴平まで出かけてみました。

瀬戸大橋アンパンマントロッコの魅力と予約方法

そもそも「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」とは、どんな列車なのでしょうか。
予約方法についても、詳しくご紹介します。

瀬戸大橋アンパンマントロッコとは?

瀬戸大橋アンパンマントロッコとは、2006年にデビューした岡山~琴平・高松間を走るトロッコ列車です。2015年の春に車両のリニューアルが施されました。

外観はもちろんですが、内装もアンパンマンのキャラクターたちで埋め尽くされています。子どもたちにも大人気の列車です。

ほかにもJR四国では「土讃線アンパンマン列車」や「ゆうゆうアンパンマンカー」、「予讃線8000系アンパンマン列車」「予讃線宇和海アンパンマン列車」といったアンパンマン列車が走っています。

きっぷは公式サイトから予約可能

瀬戸大橋アンパンマントロッコは、JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」で予約可能です。

予約した後、きっぷはJR四国・JR西日本・JR九州の駅で受け取ることができます。JR東日本(北陸新幹線・東京都区内各駅)でも受け取り可能です。

「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」は全席グリーン車指定席となるので、グリーン車料金がかかることを頭に入れておいてください。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

岡山~琴平と岡山~高松の路線がある

今回の取材では琴平に向かいますが、高松に向かう路線もあります。
高松には「アンパンマンれっしゃ!にこにこステーション」という、子どもたちが遊べるキッズスペースがあります。

靴を脱いでプレイルームとして遊べるのはもちろん、記念撮影もできるようになっています。高松まで行って、またアンパンマンと遊ぶというプランも良いですね!

6歳未満は無料だが座席はとるべき

瀬戸大橋アンパンマントロッコは、6歳未満の子どもは親の膝上に乗車ができます。大人1名につき、6歳未満の幼児1名までは料金がかからないのです。

ただ、私は6歳未満の幼児だとしても、子ども料金を支払って座席を確保することをおすすめします。

……というのも、アンパンマントロッコの座席は子どもに合わせてつくられており、一般の列車の座席よりもサイズが小さめなのです。

大人が座るにはすこし小さく、男性だと結構窮屈に感じる人も多いのではないでしょうか。

相席になると、子どもが暴れたり、何か迷惑をかけたりしないかが不安になってしまいます。家族で向かい合わせの4席を確保することがベストだと思いました。

瀬戸大橋アンパンマントロッコに乗車!

「あー!アンパンマンだ!!」

ホームでも強烈なインパクトを放つアンパンマントロッコを前に、息子のこーくんは大喜び。手をグイグイ引っ張られながら、列車の中へ連れていかれます。

「ちょ、ちょっと待って!列車と写真撮ろう!」

あぶないあぶない、撮り損ねるところでした。

アンパンマンといっしょにはい、チーズ。
列車の外観はアンパンマンやばいきんまんなど、アンパンマンキャラクターでたくさん描かれています。

2両目がトロッコ列車となっており、窓がなく開放されています。
トロッコ列車の外観もキャラクターがたくさん描かれていて、とてもかわいいですね。

瀬戸大橋アンパンマントロッコの客室を探検

それでは乗車してみましょう!中はどうなっているのでしょうか。

天井までアンパンマンが描かれてかわいい客室

客室はアンパンマンだらけ!!
天井にまでアンパンマンたちが描かれているのには驚きました。

6歳未満を連れて膝上に子どもを乗せるパパママが多いので、全員が客室に乗ると、かなり車内はぎゅうぎゅう。

岡山から児島間はまだトロッコに出ることができず、この客室で過ごすことになります。
快適に過ごすにはやはり、子どもの分まで座席が必要ですね。

アンパンマンのお弁当がかわいい!売店も要チェック

アンパンマントロッコの客室内にある売店ではアンパンマン列車のグッズやお弁当が販売されています。

今乗っている「アンパンマントロッコ」のおもちゃもあります。
実物に乗りながら、そのおもちゃの列車を買うって、なんだか贅沢ですよね。

こちらはアンパンマンを地面にプッシュするとドヒューンと進むミニカーです。
後ろにはアンパンマン列車のDVD付の絵本もありますね。

様々なラインナップがある中でおすすめしたいのはアンパンマンのお弁当です。

「アンパンマン弁当」と、少しボリューミーな「げんき100ばいアンパンマン弁当」です。

「子ども用の食事で1,000円超えなんてどこのセレブだよ」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。

弁当箱はアンパンマンが描かれており、プラスチック製なのです!しかも「アンパンマン弁当」のアンパンマンは、なんと水筒になってます。

これからもアンパンマントロッコを思い出しながら、弁当箱を使えそう。
おもちゃよりも実用的で良いお土産ではないでしょうか。

詳しくは公式サイトをご確認ください。

本棚にはアンパンマンの絵本

本棚にはアンパンマンの絵本が置かれていました。
利用するお客さんが多いようで、既にけっこう本棚はスカスカになっていました。

トロッコ列車が解放されていない、岡山駅から児島駅まで40分ほど時間がかかります。客室内で絵本の読み聞かせをしながら過ごすのもよいでしょう。

もちろんベビーカー置き場も有

これだけのパパママが乗り込むので、ベビーカー置き場もご覧の様子。
しっかりと専用のスペースが確保されているので、ベビーカーを預けるのも安心ですね。

授乳やおむつ交換も安心

授乳やおむつ交換が必要となった際は、車内にある多目的ルームが使用できます。
ソファーと洗面台、おむつ交換台が設置されているので便利です。

多目的ルームにもアンパンマンやメロンパンナちゃんのペイントがあります。この徹底ぶりはさすがですね。

トイレもアンパンマンでいっぱい

とても列車のトイレだとは思えない内装です。
壁紙にはしっかりアンパンマンのイラストが描かれています。

補助便座さえもアンパンマンという徹底ぶり。アンパンマントロッコは、アンパンマンに本気なのです。

トロッコ車両は児島駅から開放!

児島駅に着くまでは閉ざされているこのドアの先……。それは、夢のトロッコ車両です。

児島駅に到着すると同時に開放されますので、さっそく中に入ってみましょう。

窓がない列車の開放感に喜ぶ大人たち

窓がない列車に、子どもはもちろんですが、大人もけっこう嬉しそう。

いつも日常的に列車に乗っているからこそ、この「非日常感」を子どもより楽しめる側面もあります。

窓はありませんが、座席にはアクリル板が張られており、乗客の安全を守っています。
もちろんアクリルの上は吹き抜けです。

子どもの視界はこんな感じです。息子のこーくんも窓の外の景色に夢中。

トロッコの車内もアンパンマンがいっぱい!

トロッコの車内にもアンパンマンのキャラクターたちがたくさん。様々な装飾で子どもたちを喜ばせていました。

椅子の背もたれにも抜かりなくアンパンマンたちがいます。

足元の窓ひとつひとつにもアンパンマンの人形たちがいました。
何度こーくんに「とーしゃん、見て!!」とアンパンマンやばいきんまんの居場所を教えてもらったかわかりません。

アンパンマンと記念撮影できる

トロッコ列車には記念撮影用のスペースがあり、アンパンマンといっしょに写真を撮ることができるようになっています。

記念撮影をするときには、車掌さんのような帽子をかぶることができます。
「Shikoku Railway Company」と書かれていて、そそりますね。かっこいい。

この帽子にはこーくんも大喜び!
アンパンマンの造形はしっかりとしていて、とてもクオリティが高かったです。

アンパンマンの記念スタンプでも遊べる

トロッコ車両に乗車してすぐ「記念乗車証」と書かれたかわいい紙が子どもたちに配られました。

実はこちらの記念乗車証、裏面がスタンプ台紙となっており、トロッコ車両の中にあるスタンプを押せるようになっているのです。

子ども用に低く設置されたスタンプ台で、こーくんもスタンプにチャレンジ。

以前「あそぼーい!」でスタンプを押したときは、紙も腕も真っ黒にしてしまったんですよ。


前回の記事での大惨事

今回はちゃんと押せるのでしょうか。
さすがに腕真っ黒まではいかないでしょうが…ある程度は覚悟!

ぽんっ

「おっけいっ」

えっ。

腕が汚れるどころか、当然のように、キレイにペタッと押しちゃいました。

あそぼーい!に乗ったのは5月で、今はまだ7月。
こんなに短時間でスタンプ押すの、こんなに上手になるの君。

「やれやれ」と準備したはずのおしぼりは手持ち無沙汰。
子どもの早い成長になんだか寂しくなってしまいました。

スタンプ一つですぐにセンチメンタルになって、これから大丈夫なんですかね、僕。

それいけ!アンパンマントロッコ!ついに瀬戸大橋へ

列車に揺られていると、トロッコの中がたまに暗くなります。

いくつかトンネルを抜けると、いよいよ瀬戸大橋に突入します。

瀬戸大橋に入った途端、線路の「ガタンゴトン」という音に加え「ザザザン!ザザザン!」「キュキュ!キュキュ!」という金属音が聞こえるようになりました。

これがもう結構大きな音。大迫力です。

「こーくーん!!うみだねー!!!うみー!!!」

結構大きな声を出さないと会話ができません。

アンパンマントロッコの魅力は屋外の風を感じながら列車の旅を楽しめるということももちろんなのですが、線路の音を直に聞けるということもあると思います。

瀬戸大橋以外でも、いつもより大きな音で聞こえる線路の音は、鉄道好きを楽しませてくれるはずです。

こーくんは外の景色に夢中!

橋を渡りはじめてからはしばらくこんな様子でした。

ちなみに橋を渡っているときにおすすめしたいのは「透明の床」です。

このように一部、床が透明になっているので、橋の上からだと直接海が見えます。
ぜひ実際に体感してみてくださいね。

瀬戸大橋を渡って琴平へ

この日はあいにくの天気で、雨が強くなってきたので客室に戻りました。

屋根とアクリル板があるので、それらが基本的に雨よけにはなってくれるのですが、やっぱり、雨粒が吹き込んではきます。

香川県ののどかな風景が雨で濡れた窓越しに見えています。もうすぐ目的地の琴平です。
せっかく琴平に行くんだから、こんぴらさんにも行ってみたいな。

「こーくん、雨だけど階段がいーっぱいあるとこ、登りに行ってみる?」
「うん!こーくん、いく!!」

アンパンマントロッコは琴平駅に到着しました。

アンパンマン、たくさん楽しませてくれてありがとう。また会いましょう。

瀬戸大橋アンパンマントロッコは大人も一緒に楽しめる

トロッコだし、列車だし、アンパンマンだし、なんだかのどかでおだやかなイメージでしたが、実際は違いました。

車内は子どもが楽しめる仕掛けはたくさんあるし、トロッコ列車に吹きこむ風や、普段聞くことのないような大きな線路の音。

僕とこーくんにはとっても刺激的な空間でした。
今度は晴れた日にチャレンジしたいなあ…。瀬戸大橋アンパンマントロッコも、こんぴらさんも。