京都のホステル「NINIROOM」の魅力と取り組みを伝えたい

SPOT読者のみなさま、はじめまして。フリーライターの一之木りさ@rrisa_wp )です。

新型コロナウイルス感染拡大のニュースが連日報じられていますね。
この状況がいつまで続くのか……収束の気配はまだ見えてきません。

観光業界・宿泊施設は特にコロナの影響を大きく受けているということで、ご連絡をいただいた京都のホステルの現状を取材してきました。


取材日は3月6日。

取材日以降も状況は毎日変化しています。
外出を控える動きがどんどん強まる中で、観光業界側も、私たち利用者も、どこまでならいいのか、なにが正解かはわかりません。

外出を控えなければいけないけど、みんな生活があるし、息抜きだって必要。
応援したいお店をどう応援すればいいか。自分たちにできることはなんだろうか。
考えるきっかけにしていただけたら幸いです。

京都河原町駅の様子

社領エミさんの記事が話題になったのが3週間前。

観光客が激減?【京都 超ガラガラ説】を実際に行って確かめてきた

その後、京都はどうなっているんだろう。
まずは河原町の様子を見てきました。

阪急『京都河原町駅』の中央改札です。

え、人少なっ!!

こんなガランとした河原町駅ははじめて見たかもしれない。平日の昼間といえども、普段ならもっと人が行き来しています。

地上に出てみましょう。

あ、さすがに人がいる。

四条通は想像していたほど「ガラガラ」ではないですが、でもやっぱり少ない。いつもの5〜6割くらいの人通りでしょうか。

意外と、日本人のお買い物客や、着物姿で京都を散策する日本人観光客は通常通り見かけました。

一方外国人観光客は明らかに少ない。遠方からの観光客が激減している様子です。

それではいざ、バスに乗って丸太町へ。

(バスも空いてるな……)

京都丸太町のホステル『NINIROOM(ニニルーム)』

阪急京都河原町駅からバスで20分、京阪神宮丸太町駅からだと歩いて3分のところにあるホステル、NINIROOMに到着です!

[左]姉の西濱愛乃(あいの)さん[右]妹の西濱萌根(もね)さん

「こんにちは~」

オーナー姉妹が明るい笑顔で迎えてくださいました。

NINIROOMは元印刷会社のオフィスビルをリノベーションしたホステル。

“京都に住む友達の部屋”をコンセプトに、姉妹で経営されています。

1階はおしゃれなカフェラウンジスペース。

お昼はランチ・カフェ営業を行っているため、宿泊しない人も気軽に立ち寄ることができます。

この日もご近所さんがふらりとコーヒーを飲みにいらしていました。

ご近所さんを迎えるオーナー姉妹のはじけるような笑顔がとても印象的です。

新型コロナウイルスの影響は実際どのぐらい?

広報を担当されている妹の萌根さんにお話をお聞きしました。

一之木
「さっそくですが……コロナの影響はどれほどでしょうか」

萌根さん
「大きいです。うちは普段から外国人と日本人が半々ぐらいの割合なので、中国人観光客がほとんど、というような宿泊施設と比べるとまだ少しマシなのかもしれないですが、それでもやっぱり大打撃ですね。」

一之木
「稼働率を聞いてもいいでしょうか」

萌根さん
2月の稼働率は30%、3月4月は20%を下回るかもしれないです

そ、そんなに……。

ちょっと想像していた以上です。

一之木
「キャンセルの連絡ばかり入る状況はつらいですよね」

萌根さん
「私たち姉妹もスタッフもみんな旅好きなので、楽しみにしていた旅行をキャンセルせざるを得ないゲスト側の悲しい気持ちがものすごくわかるんです。その気持ちを思うと本当に切ないですね……」

そんな風に旅好き目線で一緒に悲しんでくれてるとは。なんて素敵なスタッフさんたちなんだろう。

萌根さん
「でも、暗くなっていても仕方ないので、何かできることはないかと3月からキャンペーンを始めたんです。それが好評で、キャンセル連絡の合間に予約のご連絡もいただいてるんですよ」

なんと!!明るい話題もあった!!よかった!!

ご近所さんのプチ旅行気分に『丸太町割』宿泊プラン

2月のキャンセルの状況を受けて急遽、『丸太町割』という特別宿泊プランをつくられたそう!

丸太町割!ご近所のみなさん、NINIROOMに泊まってみませんか?|HOSTEL NINIROOM

 突然の自宅勤務の人、ちょっと明るい気持ちが足りない人、長ーい春休みになったご家族などに向けたプラン!

遠方は厳しくても、近所のカフェで食事をする、仕事をする、その延長で泊まって帰るって、ちょっとした旅行気分が味わえてとってもいい!

しかもここだけの話(でもないけど)備考欄に【丸太町割プラン】と入力すればご近所でなくても使えるそう。

ここだけの話ですよ。

例えばこんな過ごし方はいかがでしょう。

愛乃さんが描かれたイラストが可愛いです。

お値段なんと、ドミトリーなら朝食付き2000円という破格

・ドミトリー朝食付き: 2000円/人
・個室朝食付き: おひとりの場合3000円/人, 2名以上2500円/人
*小学生以下1500円/人
https://note.com/niniroom/n/neb76336e9431

一之木
「え、安い!このお値段、利益にはなってない……ですよね」

萌根さん
「そうですね。利益というよりは、初めての方にお会いできたり、ご近所の方に気軽に来ていただけるいい機会かなって。

なにより、連日キャンセル連絡を受け続ける私たちの励みになります

励み。
ほんとそう。大事。励み大事!
私たち消費者ができることって今は限られているけれど、応援したいお店に応援の気持ちを伝えることが励みになるとしたら、もっと伝えなきゃと思いました。

『NINIROOM』のここがいい

初めて利用する方へ向けて、NINIROOMの魅力をご紹介します!

1、ランチがおいしい

サクサク二度揚げ!生姜がしっかり効いた和風からあげランチがめちゃ美味しいです。
税込み750円。

この日の付け合わせはスペイン風オムレツ。色合いもよくて美味しくて大満足。

ご近所の方はまずランチ利用からいかがでしょう。

※からあげランチが食べられる『にに食堂』は3月は毎週木・金、4月は毎週水・木のランチタイム(11時〜15時)です。その他の曜日は別の日替わりランチメニューとなります。

2、インテリアがおしゃれ

デザイナーとして外資設計事務所に勤めていた経歴をお持ちの愛乃さんが内装コーディネートなどの空間デザインを担当されていて、あちこちの空間がおしゃれ!

1階の奥には猫脚バスタブが!

(※予約制)

かわいい~!!

旅の疲れを癒せるととても好評だそう。

洗面所も明るくて素敵。

ゲストさんが撮る写真もめちゃくちゃおしゃれ……。

3、お部屋が“友達の部屋”で落ち着く

ホステルの性質上一部屋一部屋はそんなに広くないのですが、元が倉庫だったことを生かして天井が高い。

ファミリールームA

ファミリールームA

圧迫感がなく広々と見えます。

セミダブルベッドルーム

セミダブルベッドルーム

“京都に住む友達の部屋”がコンセプトなだけあって、ソファーが置いてあって、ほんとにおしゃれな友達の家に遊びに来たような気分。

ドミトリールーム

お部屋すべてインテリアが違うため、「次は別の部屋に」とお部屋を変えて何度もリピートするゲストも多いのだとか。

『丸太町割』でお部屋を借りてちょっとした撮影とかもよさそう。

4、ご近所おさんぽ帳が楽しい

NINIROOM おさんぽ帳

こちらのおさんぽ帳は、NINIROOMのスタッフが実際に通っているご近所のお店が掲載されています。

萌根さん
「仲のいい友達に『このお店いいよ』って伝えるように、私たちが通っている大好きなお店を掲載しています。スタンプカードになっているので、お店の方との話のきっかけにもなってとても好評なんです」

なんておだやかな旅なんだろう!

まるでタイムトライアルのように観光地を駆けずり回るような忙しい旅行しか知らない私は、このおさんぽ帳に感動を覚えました。宿泊施設って寝るだけだと思ってたけど、ご近所のお店をお散歩してその土地を『暮らすように旅する』。こんなおだやかな旅の楽しみ方があったんですね。

5、オーナー姉妹の人柄がステキ

なにより!これに尽きます!

愛乃さんも萌根さんもとてもナチュラルで、笑顔がステキで。
こんなにおしゃれ空間なのに全然きどらない、というかめちゃくちゃざっくばらんな人柄なんです。

スタッフさんもみなさん柔らかな空気感で、本当に居心地がいい場所。

私正直、今回の取材でお邪魔してすっかり大ファンになってしまった。

萌根さん
「『暮らすような旅』が私たち自身も好きなので、スタッフも皆、友達を迎えるようにゲストを迎えています。レビューでスタッフをほめていただくことがすごく多いんですよ。

一之木さんもまた来てくださいね」

絶対に!!!また来る!!!

京都にお友達ができたようなウキウキした気持ちで、丸太町を後にしたのでした。

予約方法等

『丸太町割』は遠方の方も同じように使えるそうです。詳細はnoteをご確認の上、NINIROOMへ直接お問い合わせください

>ご予約はこちら

おわりに

NINIROOMのnote内でもご紹介されていますが、『ご近所割』は佐藤ねじさん( @sato_nezi )のnoteで紹介されていたアイデアだそうです。

コロナ問題で、大打撃の「宿/ホテル」の皆様が使えるかもしれない「PR企画・アイデア」を7案出しました。 →使えるネタあれば、ぜひ使ってください|佐藤ねじ(ブルーパドル)

こんな大変な時だから、たくさんの人が「自分にできること」を考え、行動しているのですね。

企画が得意な人が企画を出して、大打撃を受けている宿泊施設のヒントになる。

観光業界の力になりたい!とおでかけメディアが情報発信をする。私もいちライターとして取材に行き、記事にする。

みなさまが、応援したいお店や施設に応援の気持ちを伝えたり、できることを考えるきっかけになれば嬉しいです。